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インターミッション07:おしまいの日 - (2008/05/02 (金) 01:01:16) のソース
*鋼の心 ~Eisen Herz~ **インターミッション07:おしまいの日 彼女が只一つミスを犯したとすれば、それはその時だけに違いない。 ◆ (最近は真紀の調子も良いみたいだし、神姫の開発も上手く言っている。……言うこと無しね……) 今にもスキップしそうな足取りで京子は階段を上る。 京子も参加して設計された“武装神姫”、アーンヴァル。 そして正反対のコンセプトで設計されたストラーフ。 Kemotech社サイドでも格闘特化型と汎用型の神姫がロールアウトし、それぞれ『マオチャオ』、『ハウリン』と名づけられた。 武装開発に協力したVulcan Lab社も独自にヴァッフェバニーと名づけられた神姫を開発し、5機種同時販売が決定されている。 狙撃タイプ2機種や植物型、鳥型等のトライアルに敗れたタイプも、この後に参入する企業へ開発ベースとして提供される方針で話がついた。 テストが全て終わったカトレアのマスターとなった少年が開発した、筐体システムも予定以上の性能の獲得に成功しており、全く新しい事業の滑り出しとしてはこれ以上無い状況であると言えるだろう。 (ふふふ。真紀が聞いたら喜ぶかしら?) 夜中なので足音を殺しながら、京子は病院の廊下を急ぐ。 「?」 そして、京子は足を止める。 501号室。 土方真紀の病室の戸が、ほんの僅かに開いており、そこから、室内の光と声が漏れていた。 それに気付き、足を止めたが故に。 真紀が京子に気付くことは無く。 京子は、それを―――。 聞いてしまった。 『私の名は土方真紀。CSCを製作し、全てのMMSの心を作った存在です―――』 (……真紀?) 『―――ですが、私が作ったのは人のパートナーとしての存在。……決して、戦う為の神姫ではありません―――』 (―――!?) 『―――ゆえに、私は全ての神姫を否定し、これを破壊します―――』 「………ぇ?」 『―――その為に、全ての神姫の中枢たるCSCに、私はウイルスを仕込みました。このウイルスは“とある場所”にあるメインコンピューターからの指示で一斉に活性化し、全ての神姫を死に至らしめるでしょう―――』 (CSCにウイルス?) 製品用にCSCがバージョンアップし、Ver1.1に更新されたのは、他ならぬ真紀の提案によるもの。 そして勿論。それを行ったのも真紀本人だった。 『―――あなた方の中には、闘いを通じて神姫との――――――』 京子は、一歩、二歩と後ずさる。 (真紀が? どうして? ……人のパートナー……? 神姫を、破壊する?) 逃げるように。 京子は廊下から走り去った。 ◆ 「……けふっ、くふっ!!」 胸を押さえて真紀が身を捩る。 「主っ!!」 「……大、丈夫」 真紀はそう言って、その身を案じる“彼女”に手を翳す。 (……後、10時間位……) それが、彼女に遺された時間だった。 (……姉さん……) 扉は未だ開かない。 京子は、未だ戻らない。 「……ごめんね、姉さん」 真紀は、もう京子に会えないことを何となく、理解していた……。 「主、これ以上はお体に障ります。一先ず休まれては……?」 「ダメ。今寝たら、もう起きられない……」 「……主」 心を持つ『神姫』であるが故に、“彼女”は真紀の、主の死期を悟ってしまった。 「……最後まで終わらせよう。……私に出来る最期の事だから……」 「………………………はい、主」 10秒と言う葛藤の時間は、『神姫』である“彼女”にとって長いのか、短いのか……。 だがしかし、結局は頷くしかないのだ。 そして。 「―――、貴女に最後の命令を下します」 真紀は“彼女”の名を呼び……。 「メインコンピュータを守り、そこを訪れる全ての神姫を倒しなさい!!」 最期の使命を与えた。 ◆ 翌日、土方真紀が死んだ事を、京子は病院からの電話で知った。 [[インターミッション08:天使は滅びの笛を吹く]]につづく [[鋼の心 ~Eisen Herz~]]へ戻る ---- アーリヤ無ぇ(怒)!! 地元、池袋、秋葉原、合計20以上のプラモ取扱店を巡りましたがアーリヤは発見できず。 この間まで何度か見かけてたのに(泣)。 悔しいのでナインボールを買って来た。 ……予想の遥か上を行く出来でビックリだった。 最近のプラモマジすげぇ。 うぅっ、ナインボールでこんなに凄いなら、アーリヤはどれだけ……。 再入荷は何時なのでしょうか? ついでに発見したBLOODALONEの5巻を読んで悲しみを癒す今日この頃。 GWも仕事です(泣)。 ALCでした。 &counter()