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無頼10「インターミッション」 - (2008/03/30 (日) 22:22:00) のソース
**無頼10「インターミッション」 「たこ焼8個入りに…たいやき2つ」 今日で夏休みも終わる。 何だかんだでいろいろあったここ最近。 思えば、6月上旬にヒカルが来たんだよなぁ…。 はじめは"神姫に対してあまりいい印象が無かった"。 なぜかって? 世のニュースは頭の固いコメンテーターが言いたい放題言ってやがる。 興味のない事は聞き流す事にしているとはいえ、これは物語初期の考えを決めつけるものとなった。 そう、&bold(){神姫はあまり好きじゃなかった。} …でも、ヒカルと過ごす内に、その考えは変わっていった。 "たとえサイズが違い、機械仕掛けでも、神姫は人間と同じ"と思うようになった。 そしてジーナスも加わり、今に至る。 「形人、どうしたの?」 「いや、なんでもない」 ちょっと心配そうな顔でヒカルがこちらを見る。 こいつも始めのころに比べて、ずいぶん凛々しくなったなぁ…。 気のせいだと思うが。 ~・~・~・~・~・~・~~・~・~・~・~・~・~ 近くのベンチに座り、たいやきを取り出す。 「うぐぅ」が口癖の少女が通る訳もなく、生暖かい風が吹くだけである。 「形人…(きらきら)」「はいはい、たこ焼きだろ?」 たこ焼をヨウジごと渡す…が、ウェットティッシュの類は持ってきてないぞ? 「では、いただくか」 あの店のクリームたいやきはうまいんだよなぁ。 ではあー… &bold(){ぶぅぉんんん…!(ひゅん!)}「ひゃっ!?」 「何だッ!?」 「わたしのたこ焼き…あ!、あれ!」 ヒカルが指差した方向に佇む小さな影。 流線形を描くカウル、上から見るとAの字に見える特殊形態。 そして真紅のボディに胸元があらわなボディスーツの少女。 オーメストラーダ製ハイスピード型武装神姫、"アーク"だ。 そいつがヒカルのたこ焼きををかすめ取ってったのだ。 「へっへーんッ。…あむっ」 予想はついていたが、コイツ…食べ始めやがった。 「ああーっ!? わたしのたこ焼きーッ!?」 「ケチケチしなさんな、あと7つもあるじゃないか」 「至福の時を邪魔されたのに腹が立つんだこの野郎ッ…!!」 ヒカル、口調が変わってるぞ。もしかして素か? 「こらリック! 何をしてんだ!…あれ?」 「!!」 声のする方を振り向く。…が、そこで僕はしばし硬直した。 「あ…あれ…? 君はもしや…」 癖のある紅髪、それをポニーにしている黒いリボン。 つりあがった眼尻に、首から下げられた羽ペンダント…。 黒服に身を包んだその姿に、僕は見覚えがあった。 「…け、形人か…?」 「…ひ、飛竜。飛竜一深(ひりゅう かづみ)か? もしかして…」 その直後彼女に体当たりをされ、一瞬意識が飛んだ。 ~・~・~・~・~・~・~~・~・~・~・~・~・~ 「いやぁ、ホントに久しぶりだなぁ…!」 「だからっていきなり気絶しかねん勢いでぶつかるな」 「いーじゃないのさ、そのくらい」 ここで紹介をしておこう。 彼女は"飛竜一深"、…小学校時代の親友だ。 「…その表現、"恋人"に格上げして…くれないかな?」 「「!!?」」 さらっとすごい事を言われた。 クラっとくる言葉を自重なしで言い放つのは昔からだが…、まさかそんな事が…。 「念のため聞くが、それは冗談だよな?」 「いや…本気で言ってる」 「マジで?」 「マジ」 ………どうしよう風間、こんな事は予想外だ。 「ねぇ! 何故わたしのたこ焼きを狙ったの!?」 "リック"の襟元をつかみ脅迫まがいに問い詰めるヒカル。 「いやさぁ、ただからかっただけじゃないの。何もそこまでムキにならなくても…」 目をそらすリック、ほんの出来心がここまでひどくなるとは思ってなかったのだろう。 「…で、どこの高校に行くんだ?」 「画龍高校1年A組」「僕んとこかよ!?」 信じられん、何か仕組んだか? 「そんな訳ないじゃん」 ~・~・~・~・~・~・~~・~・~・~・~・~・~ 「んじゃ、また明日」「たこ焼美味しかったよ~」 そう言って嵐(一深)は去って行った。 「形人…、あの人って…」 「自称・恋人、か…。頭いてぇ…」 「いいではないか! 押しかけ女房は萌えるぞ!!」 「ってなんでお前がいる光一!!?」 「通りかかったら偶然見つけて、おどかそうと隠れていたらだな…」 そうゆう問題かっ!? <<ていうか、何を言ってるんだお前は?>> 「にゃ~はたいやき食べたいにゃ」 「そういえば忘れてた…(呆)」 ---- [[流れ流れて神姫無頼]]に戻る [[トップページ]]