百に達した記念に


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ゼミサイト内「100の遺産プロジェクト BBS」の投稿数が100に達した記念に 「西谷正史教授」本人よりメールが届く。
香月氏、坂上氏を心配している様子ではあるが、約束の電話はできないと。見守る者も重傷のようで、彼の仲間が安全な場所に移送したとの事。
新しいゼミ生が増えたことを誇りに思っている。幕末に興味のなかった人まで、本を読み、史跡を訪ねている。こんなにうれしいことはない。私もいつかそこに帰りたい。
「五人の醜議の書」についても、メール内で語られている。



 ----- Original Message -----
 From: <nishiya_bakumatsu_semi☆yahoo.co.jp>
 To: <nishiya_bakumatsu_semi☆yahoo.co.jp>
 Sent: Tuesday, July 07, 2009 3:22 AM
 Subject: 百に達した記念に

 香月、坂上、傷の具合はどうだ?
 君たちをこんな目に遭わせることになり、申し開きの言葉もない。
 約束の電話はできない。
 Xも見ているこのメールも危険だ。

 見守る者は覚悟の上で中継に臨んだ。
 Xの諜報網をもってすれば、私の居場所や、
 坂上が設定した“安全な場所”を突き止めることはたやすいだろう。
 見守る者は、危険を承知で姿を晒したのだ。
 彼は重傷だが、今は、わずかに残った彼の仲間が、安全な場所に移送した。

 ゼミ生諸君。
 私のいない間に、たくさんの新ゼミ生が増えたこと、とても誇りに思います。

 私の研究を発端に、孫や愛するゼミ生が犠牲になった。
 一時はすべてを諦め、葬るべきだと悩んだ。
 しかし見守る者と出会い、私と共通の敵に、私とは別の戦いを挑む人がいることを知った。
 私は再び前に進み始めた。

 そして諸君との出会いがあった。
 敵の強大さを知り、苦難に直面しても、諸君の真実を求める情熱の炎は消えなかった。



 Xの妨害を受ける度に、ますます大きく燃え上がり、私をもたぎらせた。

 しかし、私が動く度に、Xは大切な諸君に牙を剥き、私の意気を挫こうとする。
 諸君を惑わせているのは、ひとえに私の勇気のなさにあります。

 「五人の醜議の書」は、坂本竜馬を謀殺した黒幕たちの密約書だ。

 私は以前、さる筋の関係者から内々に、新発見の幕末史料の調査を依頼された。
 春頃のニュースに心当たりがあるだろう。
 ただし、私への依頼はそれよりずっと早く、調査も非公式に行なうことを余儀なくされた。

 「醜議の書」はその時に出てきたものだ。
 それは、長らく心に秘めてきた私の仮説を、大きく前進させる内容だった。
 しかしその後、依頼は取り消され、私は調査から外された。
 そしてXの執拗な妨害と攻撃が始まった。

 この書について、今は諸君に伝えることができない。
 諸君が幕末の知識を蓄え、この書を武器とするには、時間が必要なはずだ。

 もう一つ、香月や坂上にも今は伝えられない理由がある。
 私には、まだ調べなければならないことがある。
 それをはっきりさせるまで、待ってほしい。
 それは私個人の問題なのだ。他の誰にも頼れぬものなのだ。

 私に残された時間は少ない。
 しかし諸君には未来がある。
 この国の将来は私たちではなく、諸君が背負っていく。

 現代の社会は、どのようにして始まったか。
 現代を知るには、出発点である幕末を見ればいい。

 私の研究をめぐる暴力の嵐は不幸だが、私には光が見えている。
 諸君がこのゼミに集い、幕末を通して現代を見てくれることだ。
 学生時代に、教科として習うものとは違った歴史に、諸君が興味を持ってくれたことだ。

 坂上と香月、そしてゼミ生諸君が創る小説を楽しみにしている。

 しかし坂上、間違ってはいけない。
 小説を出せば、Xの脅威は弱まるかもしれない。
 だが、小説を出すまでが危険なのだ。
 Xのあらゆる妨害に、君は私と同じ苦しみを味わうことになる。
 しかし、ガミさん、君ならやり遂げるだろう。

 香月、坂上を助けてやってくれ。
 君の知識と冷静な思考でしか、彼の激情を抑えられない。
 彼は常に君の支えを必要としているのだ。
 彼が道を誤りそうな時、君がそれをとどめるのだ。

 諸君、坂上や香月が離れても、ゼミは残る。
 自由に幕末を語ってほしい。
 史実の楽しさ、史実から離れる楽しさ。
 諸君は何でも語ることができる。
 仲間と分かち合うことに意味がある。

 幕末に興味のなかった人まで、本を読み、史跡を訪ねている。
 こんなにうれしいことはない。
 私もいつかそこに帰りたい。

 みんなで、ゼミを導いてくれ。

 百に達した記念に。西谷正史




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