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いすのよごしそのに。

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今まで少なかったので、製作例をちょっと書いてみる…part3

今回は車体の汚し、特にステンレス車体の汚しについてレクチャーしたいと思います。
普段ワタシは車体を派手には汚さないのですが、今回は派手にやっちゃいたいと思います。


一見綺麗に見える列車の車体ですが…


よく見れば結構汚い事がわかるかと思います。
今回はこの汚れ方に着目しつつ、汚しを実践してみようと思います。

まずはなぜ、そしてどうやって汚れるかを考えてみましょう。
晴れている時に走行すれば埃をまきあげます。停車していても風にさらされて埃が飛んでくるでしょう。
雨が降れば水が埃を流してゆきます。ただ雨水も決して綺麗ではないですし、埃をキレイに洗い流す訳ではありません。
埃は「落ちる」のではなく「動く」のです。
このことを考えると、「埃は水が流れる動きに沿って溜まりやすい」という特徴がある事に気付きませんか。
水の流れに沿って埃が流れた跡、それが俗にいう雨だれって奴です。
それだけじゃありません。水は表面張力がありますから、隅に溜まりやすいのです。つまり埃もそっちに流れます。

これを踏まえてウェザリングを考えると
  1. 上から下に流れゆく雨だれ
  2. 車体のエッジに溜まるスミ入れ
の2点が大まかな汚しのポイントとなります。


まずこちらがベースです。特に汚しなどは入れていません。それでは最初にスミ入れをしてゆきましょう。
ワタシは色に茶系のを用います。これは土ぼこりが恐らく黒でなく茶系であるだろうという考えと、金属で「錆」を連想させることから劣化をイメージさせるためです。
この色の使い方は全てのパターンにおいて適応しています。


こちらがベースにスミ入れを施したものです。突起などのモールドが本来ある部分に茶色の線を足して乗算処理を施したものです。
またこの処理で消えてしまったハイライトも、明るい色(今回は空色)をスクリーン処理で重ねて復活させています。
この後のウェザリングでこういったモールド表現が見辛くなってしまうので、多少コントラストが大げさでもいいでしょう。


そして上のに雨だれを表現したものです。各モールドから下に流れた感じを出しています。
ところでこの雨だれはどう表現したかといいますと、ランダムなノイズ模様を縦長に圧縮したものを横並べにしてやったものを作り、下部をグラデーションで消したものです。
PictBearなら追加効果の「もやもや」フィルタ、Photoshopならば「雲模様」などでしょうか。
またこれらはコントラストを強めにして「流れている部分」と「流れていない部分」をクッキリさせています。
これを茶系に色付けして、乗算処理で貼り重ねています。

これだけでも大分雰囲気が出てますが、「各モールドから個々に流れ出た別の汚れ」っていう感じなので、最後に全体にも雨だれ表現を重ねてやります。


完成したのがこれです。明らかにやり過ぎましたが、Tipsなのでとりあえずいいでしょう・・・
側面の標示灯?部分には試しにサビが垂れた雰囲気を手描きで追加してみました。必要に応じて手描きで追加することも大事なポイントです。

汚れは自然にできるものなので人工的に再現するのは限度があります
ですが汚れにもそうなるまでの過程というものがありますから、それを考えながら作業をすれば、より自然な汚れ表現ができるかと思います
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