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体がベッドに沈み込みそうなほど重い。
意識を手放したくはなかったが、このひどい眠気には抗えそうもない。
最後の時が来たのだと確信したが、怖いとは感じなかった。
むしろ、さみしかった。
俺は一人ではないとわかってはいたが、俺はこうして結局一人で旅立つのだ。

「       」

リティシアの声さえもう拾えないはずの耳に、ひどく懐かしい音がきこえた気がした。
重たかった瞼も軽く、視界がひろがる。
そこにいたのは。

「……カロ」

ディアナフィアとの再会からもう何年経った?
そういえばお前はエルフだからそんなに見た目は変わらないか。

「お迎えか…」

伸ばされた手を掴めば、つめたそうに思えたそれは、意外にも温かかった。

「なあ、俺頑張ったよ。三年って言ったけど、それより長く、生きた。上出来だろ?」


「でも、もっと生きたかった」

~~~~~~~

カロじゃなくディアナVER.


「よく、来てくれた」
「ルマスィー…」
「久しぶりだな、ディアナフィア」

「前に会ったのはいつだ?……綺麗になったな」

「なあ、俺頑張ったよな。三年…そう言ったけどよ、それより、長く生きた」

「上出来」


「そう褒めてやりたいけど、何で、もっと長い時間を持てないんだと悔しくも思う」

ここまで20100819
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死んで行く人の、そのときの心情を表してはいけない気がする。
それよりも、置いていかれるひとの心情を表した方がいいような。


いやだ
おいていかないで

それは言えなかった。
彼が安心していけなくなるではないか。
彼が欲したのは私の涙ではなく、笑顔だった。
欲したのは私の残される言葉ではなく、私の愛の言葉だ。

わかっていても、涙は勝手にあふれるし。
残される強烈な不安と絶望と孤独感は私を手放してはくれない。



「リティシア…」

「お前だけを」←ルマは他にも愛しているから言わないか。

愛しているよ

言葉は途中で途切れた。
私のほほに充てていた手も、力なくおちた。

「…っ…」

「る…スィ…?」

呼びかけに返答はなかった。
とても安らかで、だけれど。それは。

「ルマスィー!!!」



両思いでも切ない最後を。20100904