「な…何よその体!?」
プロトの体は鎧のようなもので覆われ、全長が約3m程になっていた
「この姿はテッカマンと呼ばれる者たちの鎧でな、さしずめ今の俺はテッカマンプロトってとこか」
「そ、そんなもの私の上海で…」
「言っておくがテッカマンの鎧は反応弾にも耐えるほどだ、お前の力じゃ破壊できん。それと速度も上がるからな」
「(さて…このハッタリがいつまで通用するかが問題だ、このまま逃げてくれるのが最良なんだがな…)」
「そ…そんなこと、やってみなくちゃ分からないじゃない!」
またもやアリスの人形が光りだす、あれを直に食らったら鎧が壊れるどころか自身も危ない
「くっそ…レーザーなんてずりぃぞ…」
「あら、何で避けるの?反応弾とやらにも耐えれるんじゃなくて?」
「損傷を最小限に抑えるのは鉄則だろ?」
「ふーん…それじゃズタボロになるまで痛めつけてあげるわね」
アリスは休むことなく人形爆弾を投げつけてくる、当たりはしなかったがこのまま避け続けるだけでは埒が明かない
「守ったら負ける…突撃するしか!」
鎧が姿を変えた、ラインが流線型に近付く
「これが!俺の!初スペル!!『貫通 破壊侵入』だぁぁぁぁッッ!!!」
流線型になったボディがアリスめがけ凄まじい速度で接近する
「喰らえぇぇい!!」
「そんな単調な攻撃、かわすまでもないわ」
攻撃はアリスの目の前に築かれた人形の壁に受け止められた
「くそっ…」
「今度はこちらの番ね、これで終わりにしてあげる」
「なっ…!?」
気がつくと周りが人形で囲まれている、そのすべてが鉤爪のような物を装備していた
「さぁ踊り狂いなさい!」
一斉に人形が襲い掛かる
「くそっ、避けきれるわけがねぇ…!!」
「中々耐えるじゃない、でも死角からは避けられないわよね?」
「!!しまっ…」
後ろからの人形の攻撃を間一髪でかわす、かわしはしたが…
「ほらやっぱりね、ただの鉛じゃない」
「それがどうした!まだ傷一つついちゃいないぜ!」
「そうね、それじゃこんがりウェルダンにしてあげましょうかしら」
人形がプロトの四肢を掴み、そのまま磔のような体勢で固定される
「は、離せ!!」
「大丈夫、きちんと中まで火を通してあげるから」
「くそっ!くそぉっ!!」
三度人形に光が集まり、溢れ、光の筋が人形もろともプロトを飲み込む
「こんちくしょぉぉぉぉぉ!!!」
…
「これで終ったわね、魔理沙に手を出すから…」
「う…ゴフッ…」
「!?」
砂煙の中に磔にされた人影から声が漏れる
「まだ生きてたの?しぶといわね」
「喰らう直前に鉄を展開した…こうして血反吐吐くだけで済んだぜ…」
「でも次は防げないでしょう?」
「な…」
ザッ
「!?」
「ま、魔理沙!?」
「やりすぎだ、アリス」
「魔理沙どいて!そいつ殺せない!!」
「殺させないためにここにいるんだ、アリス」
「どうして!?どうしてそんな女を庇うのよ!!」
「ごたごた言ってないでさっさとプロトを開放して帰れ、でないと私が力づくでお前をここから叩き出す」
「わ…わかったわよ!」
人形の力が緩み、床に投げ出される
「…今度詳しい理由を聞かせてもらうからね」
「お前にはもう何も話すことはないぜ」
「ッハァ、ハァ…」
「大丈夫か?すまないな、あいつの誤解を解くためにアレを持ってこようと思ったのが…まさかこんなことになってるなんて」
「魔理沙…、いや、謝るのは俺の方だ。俺に力があればこんなことにはならずに…ッ…ァ」
「喋るな、部屋に運ぶからじっとしてろ」
「う…うん…」
真の主人公は魔理沙じゃなかろうか
最終更新:2010年01月19日 22:38