第十五話 グラップラー美鈴

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「仕方ない、この構えを使うしかありませんね…」 肩幅に足を広げ、胸の前で肘を上に曲げ、拳を作り少しだけ外に開く 「あれは…三戦か!」 「何だぜそれ?」 「確か…空手最強の防御の型だったと思う、虎殺しの空手家も使ってた」 ただのガードでさえ攻撃が通らないのにあの状態なら手の出しようが無い 先ほどの技が通用するかどうかさえ分からないし… こうなりゃ…四方八方から攻撃しかけるしか… 「俺のターン!」 「!?」 「ドロー!スペルカード!」 『演目 曲芸師の誘導弾幕』 体中に鉄製の箱を作り、全ての正面側を開く 中から大量の鉄片が飛び出し、奇妙な軌道を描きながら美鈴に伸びていく 「弾幕はAmountだぁっ!」 これだけ撃てば数発は…! 着弾、大きな砂煙が巻き起こり、美鈴の影も見えない 「やったか…?」 数秒後、砂煙が消えると 無 傷 の 美 鈴 が 立 っ て い た 一個も…一個も当たらなかったのか!? 「散眼、ですよ」 散眼!?あれは常人にはできる技じゃない筈だろ!? 第一真後ろからの攻撃だって… 「だから私は妖怪ですって、まぁこれで私に通用する攻撃が無くなったようですけど大人しく死にます?」 「冗談…」 とは言ったものの三戦・散眼に通用する攻撃なんてあるのか? せめて三戦さえどうにかなれば… 「…そうだ、せこいけど確実に勝てる方法がある」 『一振 直に咲く菊花』 右手に一振りの日本刀を創る 「おっらぁぁぁこれでも喰らっとけぇぇぇ!」 「勝負を捨てて正面から来ましたか…いいですよ、お望み通り殺してあげます!」 予想通り、意識はこちらにしか向いていない 「そりゃぁ!」 振り上げた刀を思い切り叩きつけるように振る が、刀身は無い 「!?」 細かく分解した刀身を後ろに移動させ、美鈴に斬りつけるように動かす それと同時にマナシールド+ライトニングボルトを右拳に集中 「不意打ちとは卑怯ですよ!」 空中に浮いた刀身を払い落とすと同時に美鈴が後ろへ意識をやる この瞬間を作るためのものだとは知らずに 「格闘家の風上にもおけな・・・ッ」 こちらに向き直るがもう遅い 『赤撃 雷光拳』 「…ッ!」 土手っ腹に一撃 そのまま崩れるように倒れこんだ

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