第十一話 紅榴石の月

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「へぇ、こっちにもイウェカがあるのか」 こちらに来てから一週間、初めて夜の空気を吸う 何となく、元いた世界よりも時間の流れが遅い気がした 「しかし…こうしてると向こうが気になってくるなぁ」 元の世界ではとあるギルドに所属していたのだが… 自分が消えたことで何か騒ぎでも起こってるのではないだろうか、いや、そんなことはないか… 「どうしたんだ?こんな夜中にこんな所に飛んでるなんて」 「ん、あぁ魔理沙か。少しイウェカでも見たくなってな」 「い…うぇか…?あれは月だぜ?」 「へぇ、こっちじゃ月って呼ぶのか」 「そっちじゃイウェカって呼ぶんだな、というか急に月を見るなんて何かあったのか?」 「ん…まぁな」 「そうかそうか、私でよければ話くらい聞くぜ?」 「うむ…あっちの世界で俺はとあるギルドに所属してたんだけどな…」 そこのギルドで最高火力を誇ってたと言うのかな、それが存在意義で、自分自身だったんだ。 ところがある日、自分より上の人物がギルドに入っていて、自分である意義を失った…というより俺がただそう思ってただけだな。 そこからどうも空回りし始めて、何にでも特攻するようになっちまって、今思えば相当おかしかったな。 そんである日、ギルドのマスターにそれを窘められてな、そのギルドを辞めちまったんだ。 そこから少し放浪してたんだが、紆余曲折あって元のギルドに戻ったんだが… そのマスターにも俺は負けていて、むしろ自分がかなり下の位置と言うのを思い知らされたな。 ギルドの雰囲気も変わっちまったし、何かがおかしい気がしてな…また辞めちまった。 今はまた戻ったけども…正直俺は弱い、自分が惨めに思えてくるんだ。 「この間アリスに負けた時だってそうだ、力を手に入れたと思っても俺はまだまだ弱いんだ…」 「…っこの馬鹿」 パァンッ 「!?」 「いいかプロト、お前は間違っている」 「どこが間違ってるって言うんだ…?力があれば何だって…」 「そこだ、この世の中、力が全てじゃないんだ」 「…どういうことだ?」 「いいか?全てのものに勝てると思っている人間がいたとしよう、そいつは一番弱いんだ」 「死んでもかまわないと言うだろう?そいつも一番弱いんだ」 「自分が弱いと感じて、自分の死に恐怖する…それが無ければ強くなんてなれないぜ」 「魔理沙…」 ギュッ 「!!?」 「巨大すぎる力はそいつをダメにする、急に大きな力なんて手に入れない方がいいんだ」 「魔…理沙?」 「お前は強いよ、ただ焦らなくていいんだ、ゆっくりと成長すればいい…人間なんてそんなもんだ」 「うん…うん…!」 大粒の涙があふれていることに気がついた 頭をなでられて安心したからだろうか、それとも自分が許された気がするからだろうか どちらにしろ、清々しい 「あやや、何やら大変なところに出くわしてしまったようで」 「!?」 聞き覚えのない声がいきなり聞こえた 「しかしこれはスクープスクープ、写真は撮らせていただきましたよ❤」 「出たな悪徳新聞記者…」 「あら心外ですね、私はいたって真面目に記事を書いてるだけですよ?それがこの私、清く正しい射命丸です!」 「どうせこれも『霧雨魔理沙、新たな愛人!?』とか書くつもりなんだろ?」 「ご名答、よく分かりましたね!」 「よし、プロト、全力であいつのカメラを奪うぞ」 「うふふ、幻想郷最速に追いつけると思いで?」 いきなり何なんだこの展開、しかしあれを奪わなくては俺の立場が危うい、多分。 ---- 今回ネタが薄いな… #comment
「へぇ、こっちにもイウェカがあるのか」 こちらに来てから一週間、初めて夜の空気を吸う 何となく、元いた世界よりも時間の流れが遅い気がした 「しかし…こうしてると向こうが気になってくるなぁ」 元の世界ではとあるギルドに所属していたのだが… 自分が消えたことで何か騒ぎでも起こってるのではないだろうか、いや、そんなことはないか… 「どうしたんだ?こんな夜中にこんな所に飛んでるなんて」 「ん、あぁ魔理沙か。少しイウェカでも見たくなってな」 「い…うぇか…?あれは月だぜ?」 「へぇ、こっちじゃ月って呼ぶのか」 「そっちじゃイウェカって呼ぶんだな、というか急に月を見るなんて何かあったのか?」 「ん…まぁな」 「そうかそうか、私でよければ話くらい聞くぜ?」 「うむ…あっちの世界で俺はとあるギルドに所属してたんだけどな…」 そこのギルドで最高火力を誇ってたと言うのかな、それが存在意義で、自分自身だったんだ。 ところがある日、自分より上の人物がギルドに入っていて、自分である意義を失った…というより俺がただそう思ってただけだな。 そこからどうも空回りし始めて、何にでも特攻するようになっちまって、今思えば相当おかしかったな。 そんである日、ギルドのマスターにそれを窘められてな、そのギルドを辞めちまったんだ。 そこから少し放浪してたんだが、紆余曲折あって元のギルドに戻ったんだが… そのマスターにも俺は負けていて、むしろ自分がかなり下の位置と言うのを思い知らされたな。 ギルドの雰囲気も変わっちまったし、何かがおかしい気がしてな…また辞めちまった。 今はまた戻ったけども…正直俺は弱い、自分が惨めに思えてくるんだ。 「この間アリスに負けた時だってそうだ、力を手に入れたと思っても俺はまだまだ弱いんだ…」 「…っこの馬鹿」 パァンッ 「!?」 「いいかプロト、お前は間違っている」 「どこが間違ってるって言うんだ…?力があれば何だって…」 「そこだ、この世の中、力が全てじゃないんだ」 「…どういうことだ?」 「いいか?全てのものに勝てると思っている人間がいたとしよう、そいつは一番弱いんだ」 「死んでもかまわないと言うだろう?そいつも一番弱いんだ」 「自分が弱いと感じて、自分の死に恐怖する…それが無ければ強くなんてなれないぜ」 「魔理沙…」 ギュッ 「!!?」 「巨大すぎる力はそいつをダメにする、急に大きな力なんて手に入れない方がいいんだ」 「魔…理沙?」 「お前は強いよ、ただ焦らなくていいんだ、ゆっくりと成長すればいい…人間なんてそんなもんだ」 「うん…うん…!」 大粒の涙があふれていることに気がついた 頭をなでられて安心したからだろうか、それとも自分が許された気がするからだろうか どちらにしろ、清々しい 「あやや、何やら大変なところに出くわしてしまったようで」 「!?」 聞き覚えのない声がいきなり聞こえた 「しかしこれはスクープスクープ、写真は撮らせていただきましたよ❤」 「出たな悪徳新聞記者…」 「あら心外ですね、私はいたって真面目に記事を書いてるだけですよ?それがこの私、清く正しい射命丸です!」 「どうせこれも『霧雨魔理沙、新たな愛人!?』とか書くつもりなんだろ?」 「ご名答、よく分かりましたね!」 「よし、プロト、全力であいつのカメラを奪うぞ」 「うふふ、幻想郷最速に追いつけると思いで?」 いきなり何なんだこの展開、しかしあれを奪わなくては俺の立場が危うい、多分。 ---- 今回ネタが薄いな… #comment

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