※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

 

2008/04/27

『ゾロアスター教』 著:青木健

2008 講談社選書メチエ 220P

著者近影のノリノリっぷりに逆比例するほどの超堅実な研究書で噴いた。

本書読み終えた後じゃ、むしろ著者近影に噴く。

現在日本語で読める中でも最高のゾロアスター教入門書であり、かつ、最新の研究動向紹介書です。

今までの自分のゾロアスター教認識、というか、中東宗教史の認識を改めなければならないと強く感じました。

ゾロアスター教をザラスシュトラの原ゾロアスター教、アーリア民衆信仰と結びついた原始ゾロアスター教、

それからササン朝のもとで完成したゾロアスター教、そしてそれ以後の変奏的ゾロアスター教(現在)とで、

分けて考えているので非常に明快に整理されます。

アーリア民衆信仰、つまり以前の原始宗教にもっと注目すべきだというのは、

ゾロアスター研究の動向で一致している流れのようですが、そもそもこれが、埒外の人間からすると新鮮です。

ゾロアスター教が成立後すぐにイラン地域を席巻したわけでもなく、

ササン朝までは本当にone of themであったこと、

ササン朝の創始者がゾロアスター教の神官家系だったことなど、注目すべき点は数多い。

イスラム史的にも、すぐにゾロアスター教が滅びたわけではないし、

ゾロアスター教から影響を受けた点が、例えば朗唱など、

いくつもあるということもここに備忘として書いておきたい。

推奨度

★★★★★

 

2008/04/25

『病魔という悪の物語』 著:金森修

2006 ちくまプリマー新書 143P

きちっと研究史にも触れていて、さすが金森さん、ちくまプリマー新書といえど余念がない。

とても読みやすい一冊ですが、研究書の風も呈してすらいます。

本当に、「時代が悪かったね」としか言い様がないですが……

金森さんの手腕にやられただけかもしれませんが、

こんな境遇の中でも、まあ、それなりの幸せはあったんじゃないかなとは思いますよ。

問答無用で名前も記憶されずに処理されていく人々もたくさんいますからね……

推奨度

★★★★

 

2008/04/23

『自分のためのエコロジー』 著:甲斐徹郎

2006 ちくまプリマー新書 141P

エゴで以てエコ。

全く正論過ぎて困る。

気持ち良くなろうと思うなら環境良くするのが一番じゃね、というのが基本スタンス。

単に環境にやさしく、とかそんなんじゃスローガンとして弱いですよ。

環境保護するとこんなに利益がありますよ、コレ。

植物を利用していかに家を涼しく暖かくするか、という点に集中して色々と実践している著者ですが、

それを本書でも紹介しています。

自分もそんな機会があったらいい家つくろう……

推奨度

★★★★★

 

2008/04/21

『コマ大数学科特別集中講座』 著:ビートたけし×竹内薫

2006 フジテレビ出版 155P

たけしを甘く見すぎていた……凄いなあ。

ここまで数学バカだとは思ってませんでした。

「あ、あれ、モンテカルロ法のやつだ」

なんて台詞がいきなり(当人からすればそれは全くイキナリなものではなく、自然なもの)出てくる芸人は、

まずもってたけしだけでしょう。

下の『爆笑問題とウルトラ7』の後書きで、『編集会議』編集長は爆笑問題を一押ししているが、

まだまだ太田じゃたけしの足下にも及ばないなという印象。

年季が違うといえばそれまでか。

推奨度

★★★★★

 

2008/04/20

『爆笑問題とウルトラ7』

著:なぎら健壱/立川談志/淀川長治/

小林信彦/橋本治/山田洋次/ジョン・アーヴィング

2002 新潮文庫 261P

原著は『対談の七人』

お目当てはアーヴィングですが、淀川さんスゲー……と感服したりもしました。

さすがにふざけるにふざけられない相手ばかりなので、太田も結構真面目に話していて、

やっぱりこういう方が本を読む側としては良いなあ、と。

もちろんお笑い芸人としては失格なんでしょうが、

そもそもこの人達ってそういうお笑い芸人概念みたいなものをぶっ壊そうとしているんですよね。

そんな彼らを相手にお笑い芸人失格だ、と批判するのはそれ自体がお笑いというか滑稽というか。

ともかく誰との対談とっても面白いです、特に映画論が秀逸、オススメ。

推奨度

★★★★★

 

2008/04/18

『知識だけあるバカになるな!』 著:仲正昌樹

2008 大和書房 198P

こういう本に登場するくらいに有名になってきたか、ヘルダー……

著者の専門が思想史だからという理由でしょうけれど、それでも何だか感慨深い。

挑発的な表題ですが、編集の意向でしょうか。

あながち、著者自身がノリノリでつけてそうということは否定できません。

さて一言で済ませば、大学入る前に読んでおくべき一冊、

あるいは大学一年生二年生でもまだ間に合います。

「学ぶための入門書」です。

こういう本が出なければならない事態そのものがアレですが、

アレな事態が来ればいい本が出る、という意味ではまあ歓迎してもいいのかな……

推奨度

★★★★★

 

2008/04/16

『世にも美しい日本語入門』 著:安野光雅/藤原正彦

2006 ちくまプリマー新書 137P

うーん、駄目、久々に合わない本に出会った。

世にも美しい数学、の方は面白かったのですが。

日本語を称揚するあまり他の言語をけなしすぎ。

挙句の果てに、英語とフランス語の関係について史実と異なることを言い出すのだから目も当てられない。

それでもまったく光るものが無いかというとそういうわけでもありません。

子どもにどんどん難しい漢字を覚えさせろ、画数で習う年齢を分けるなんて非科学的なことをやめろ、

という意見には大いに同意です。

推奨度

★★

 

2008/04/15

『往復エッセー 人間について』 著:日高敏隆/篠田節子

2004 産経新聞社 206P

内容より以前に、そうかこういう形式の本でも行けるのか、と感心.

内容も、動物行動学者の日高氏がうまく篠田氏のシニカルな言を受けて上手く答えているのが、

バランス取れていていいです。

人間だって動物じゃんかよ、というのが根底にあるので、

そこを納得できるかどうかでその他の内容についての判断が変わるでしょう。

推奨度

★★★★

 

2008/04/13

『心くばりの文章術』 著:高橋麻奈

2008 文春新書 201P

恐ろしいほど早く読める本。

つまりそれだけ内容が詰まってません。

私は何も得るモノがありませんでしたが、

文章に自信がないという人にはこれくらいの本がいいのかもしれません。

そういう意味で推奨度4つ。

推奨度

★★★★

 

2008/04/12

『子どもたちは象をどう量ったのか? 寺子屋の楽しい勉強法』 著:西田知己

2008 柏書房 201P

最近寺子屋ブーム?なんですか?

後書きにそんなことが書いてあったので……よく知らないのですが。

当然当時は国語算数理科社会なんて科目分けはされてません、読み書き算術、です。

それを今風に四科目に分けて各教科見開き20頁ずつ紹介してます。

散々教育方法やら何やら研究して改善してきたはずなのに、江戸時代の方がすぐれてね?

と思うことがしばしばな、昨今の教育現場は一体何なのやら……

推奨度

★★★★★

 

2008/04/10

『「科学的」って何だ!』 著:松井孝典/南晋坊

2007 ちくまプリマー新書 174P

松井氏の考え方、姿勢態度、意見が、教育論以外全て私と同じで噴いた。

ここまで似てる人っているのかと……今度別の著作も手に取ってみようかと。

ハスの研究については是非頑張っていただきたいところです。

そのうち成果が出版されることを楽しみにしていましょう。

推奨度

★★★★★

 

2008/04/08

『構造主義がよ~くわかる本』 著:高田明典

2007 秀和システム 236P

後ろの参考文献リストに解説まで載っているところが素晴らしい。

しかし構造主義=科学的思考、非構造主義かつ非ポスト構造主義はナンセンス、

という著者の考えはいささか一面的に過ぎるのではないかと反発を覚えてしまうわけですよ。

確かに説得力はありますが、うーん、と。

「構造主義的思考」を概観するにはもってこいの一冊、しかし個々の詳細はコレじゃサッパリ。

いやそりゃ仕方ないです、後は頑張って勉強しろよ、と。

ところでラカンがハブられているのには理由があるのだろうか……

推奨度

★★★★

 

2008/04/06

『生命科学の冒険 生殖・クローン・遺伝子・脳』 著:青野由利

2007 ちくまプリマー新書 190P

下記のホワイトのテーゼは、そのまま本書において紹介されている、

宗教的な理由による生命科学に対する反発へと適応することができます。

生命科学を批判する際、外からの規範やら何やらで攻撃するのはまったくの論外。

本書の構成内容そのものは非常によく現代的な問題を概観できて、よろしいかと。

推奨度

★★★★★

 

2008/04/05

『科学と宗教との闘争 改版』 著:ホワイト 訳:森島恒雄

1968 岩波新書 180P

初版は1939年。

そもそも原著は1876年、そのため非常に進歩史観が強いです。

しかし宗教的なというか教条的な理由で科学を弾圧することは、結果的に全て宗教科学双方を害することになっている、

という明快なテーゼは今にも通じる真理でしょう。

21世紀に至ってもいまだこのことが理解されていないように思われます。

嘆かわしい。

時代的制約を考慮に入れて読むべき古典的名著です。

推奨度

★★★★★

 

2008/04/03

『サルが食いかけでエサを捨てる理由』 著:野村潤一郎

2006 ちくまプリマー新書 143P

結局何で食いかけで捨てるのかは分からないんですけれどね。

しかしそのおかげで、高いところにあるエサをとれない動物たちが恩恵に預かっている、

全て自然はつながっている精巧なメカニズムなんだということを言ってました、そのくだりでは。

全般的動物学の本で、犬と猫ってどれくらい違うのかとか、生きものの気持ちとか、

表題以外にも色々な切り込み方をしています。

誰が読んでも面白いと思えるでしょう。

推奨度

★★★★★

 

2008/04/01

『ことば談義 寐ても寤めても』 著:山田俊男/柳瀬尚紀

2003 岩波書店 192P

碩学の対談は面白いなあと再認した次第。

ことばに対する姿勢というものを思いっきり顧みさせられます。

感覚的に合わないことばは使わないというスタンスは同じく。

スタンスという片仮名言葉自体嫌いっぽいですが、

姿勢を前文で出したのでかぶせるのも何だかという感じで……

……みたいな文の途切れさせ方も嫌いっぽいですよ。

推奨度

★★★★★