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2006/09/30

『世界子どもの歴史3 中世』 著:阿部謹也

1984 第一法規出版 217P

全11巻の叢書。

子どものための歴史、ではなくて、子どもの歴史です。

学生との(この企画のための)特別ゼミを収録といった形です。

しかし、どうせその形式にするのであれば、もっと幅広い層を集めてほしかったところです。

学生は二人、両者とも中世の子どもに興味があるということで呼ばれたそうですので、

やはり話にそこまでの広がりが無い。

もっともそんなに広がってしまっては企画として困るからということはあるのでしょうけれど。

試みとしてはとても面白いものですので、その点、勿体ないなぁと思うことがしばしば。

基本的な流れは、アリエスの論は中世の子どもについてほとんど触れられていないので、

実態はどうであったのか、ということを、研究書や史料としてラント法を見て確認するという感じです。

これまた概念史の重要性を強く感じさせられますね。

推奨度

★★★★★

見出し

現代から中世へ アリエス『子どもの誕生』

アウグスティヌス─神を仲介とした親子関係 古代ゲルマン人の子育て カール大帝 聖者伝の世界の子ども

中世農村の子ども 中世農村の婦人 中世農村の「家」 貴族社会の青年 子どもの遊び 子殺し・捨て子・親子心中

 

2006/09/29

『魔女と聖女 ヨーロッパ中・近世の女たち』 著:池上俊一

1992 講談社現代新書 254P

著者が中世専門なので、近世の色は薄くやはり中世色が全体としては濃いです。

基本的にはヨーロッパの研究紹介という感じですが、構成自体は著者独自のものとのことです。

いみじくも著者が述べているように、ホントこの領域は難しく手が出しにくいところですので、

手引きとしては恰好の一冊になることかと。

しかし、この甘い蜜で誘われて行くと、手痛い苦味が待っていることでしょう。

個人的に一番興味深いのは、やはり女性知識人ですね。

推奨度

★★★★

見出し

魔女狩り 魔女集会「サバト」 魔女裁判と拷問 悪魔学の深層 魔女はなぜ生まれたか

閉ざされし聖女の園 男装する聖女 拒食する聖女 聖体をいつくしむ聖女 聖女の恍惚

魔女と聖女の狭間で モデルとしてのイヴとマリア 女のからだ 母性の勝利 娼婦とマグダラのマリア 異端のなかの女性たち

したたかな女たち 教会法と世俗の法 女性の仕事 権力をにぎった女たち 女たちの十字軍 中世の自由恋愛

女性の文化は存在したか 糸巻き棒の福音書 読書する女 聖なる治癒力 ベギンとピンツォケーレ 女性知識人の登場

 

2006/09/28

『十七世紀危機論争』 著:トレヴァ=ローパー他 訳:今井宏

1975 創文社 198P

歴史学叢書。

正直なところ、個人的にはもう史料としての価値の方が高くなっているんじゃないかという評価です。

現在では「十七世紀の全般的危機」というと、ここでいわれているような、経済的危機だとか、

社会と国家との諸関係という構造的問題のみならず、

気候変動による飢餓や心性・意識の急激な変革に伴う反動も全てひっくるめたものと考える傾向ですので。

推奨度

★★★

見出し

E・J・ホブズボーム「十七世紀におけるヨーロッパ経済の全般的危機」 H・R・トレヴァ=ローパー「十七世紀の全般的危機」

H・R・トレヴァ=ローパーの「十七世紀の全般的危機」をめぐる討論

 

2006/09/27

『世界子どもの歴史5 絶対主義・啓蒙主義時代』 著:江藤恭二

1985 第一法規出版 218P

全11巻の叢書。

子どものための歴史、ではなくて、子どもの歴史です。

もう20年前ですが、よくこの叢書を出したな、と感心するばかりです。

時間の許す限り、全巻読みたいですね。

各巻の書体というか形式は、各著者に完全にお任せだそうです。

この巻は、短い論をいくつも挙げて個々を見ることにより、簡潔にスッキリと全体をまとめています。

内容は以下の通りですが、子どもの歴史といわず、この時代そのものの理解にもとても役立ちます。

推奨度

★★★★★

見出し

「危機」の時代 新しい人間像の出現 一七世紀の文化史的背景 社会的ユートピアと子ども

宮廷生活と王子生活 近代初期市民階級の代表的な育児論・児童教育論 サロン生活と子ども 民衆のための学校と子ども

ペローとフランスの民話 『世界図絵』の成立 カンペ『ABC読本』 ロビンソン物語の発展

標準母国語の誕生と民族文化の発展─ドイツ民衆初等教育の原動力 「学校劇」の誕生とその展開 子どもをめぐる生活現実

革新的な子ども観と教育思想

「啓蒙」の世紀の理念と現実 「汎知学」と「百科全書」 一八世紀の文化史的背景

少年時代のゲーテ 少年時代のシラー ジャン・パウルの人間形成とその著作『レヴァーナ』

 

2006/09/26

『刑吏の社会史 中世ヨーロッパの庶民生活』 著:阿部謹也

1978 中公新書 200P

んー、気になって論文検索してみましたが、結局この阿部さんの仕事以後、

まったく日本で刑吏研究が進んでませんね。

まぁ、この阿部さんの著作以上のことを調べ上げるというのは、なかなかに骨が折れるというか、

誰も手が出せない状態なのでしょうか。

この裏の心性史・社会史というのは、まだまだ掘り下げていく価値があると思うのですが。

まぁ、ギンズブルクの仕事なんていうのは、方向性としては似ているのかな。

にしても個々の刑吏はホントにスゴイですね。

教養高く人体構造に精通していて腕も剣豪のようでなくてはならないとは。

推奨度

★★★★★

見出し

中世社会の光と影 刑罰なき時代 都市の成立 中・近世都市の処刑と刑吏

 

2006/09/25

『法史学方法論と西洋法史』 著:林毅

2000 敬文堂 182P

先日のミッタイス『自然法論』の訳者、これまでの研究総括ということで出された論文集+講演集。

基本的にヘーゲリアンでマルクシストだと明言しているので、そこのところこそ合いませんが、

基本的に方法論や法史を述べている限りはその匂いも特に強くないので、読んでいて気になりません。

一部と二部で色合いが違い、一部が方法論考察、二部が方法論展開。

方法論展開の最後の方は、その楽観的社会主義思想が前面(というか全面というか)に出ているので、

合わない人にはキツイかと。

法史学研究史やミッタイス紹介など、とても役に立ちます。

法史学・法制史学などというと、とんでもなくカタイイメージがありますが、

これを読むと(例えばハンス・フェールの見解などを見ると)法史というのも文化史の一部だと見ることができ、

目から鱗なことでしょう。

推奨度

★★★★

見出し

法史学の学問的性格と存在価値─一つの覚え書 法史学の課題と方法─ドイツの法史学者達の見解

法史と現在─H.ミッタイスの見解の検討

ゲルマン古代の民衆裁判 ドイツ封建社会における国家と法 ドイツにおける都市自治の伝統 西洋封建法の特質と人権

近代資本主義の運命と社会主義の可能性 21世紀における法と政治が目指すべきもの

 

2006/09/24

『近代法への歩み』 著:H・コーイング 訳:久保正幡/村上淳一

1969 東京大学出版会 190P

ドイツ法史のとても簡潔でスマートな概説書。

 

読んでいて気になったのが、~世紀という時に、頭に「第」がついていること。

別にどうでもいいことですが。

推奨度

★★★★★

大見出し

中世盛期 中世末期と近世への移行 絶対主義と啓蒙 第一九世紀の法発展 現代の課題と傾向

 

2006/09/22

『中世の風景(下)』 著:阿部謹也/網野善彦/石井進/樺山紘一

1981 中公新書 272P

というわけで一ヶ月以上経ちましたが下巻を読みました。

自身、日本史にそこまで明るくないのが惜しまれます。

日本史西洋史問わず中世に詳しければ、もっと面白く読めたはずなのに。

しかし詳しくなくとも面白い。

やはり、ヒンツェが述べるまでもなく、

封建制という見地からすると日本とヨーロッパは非常に酷似しているせいもあってか、

その他の点でも怖いくらい似ている部分が列挙するのが面倒なほど色々あります。

例えば法制問題とか。

興味深いのは、津田左右吉の自由についての論考を引っ張ってきて、

網野さんが概念史的な問題を投げかけているところですね。

日本人が概念史やるには、やはりまず日本で進めてからでなければならないことを、つとに痛感。

推奨度

★★★★

大見出し

音と時 農業 売買・所有と法・裁判 家 自由 異端

 

2006/09/21

『中世への旅 農民戦争と傭兵』 著:ハインリヒ・ブレティヒャ 訳:関楠生

1982 白水社 252P

中世への旅というか、実質的に近世。

ランツクネヒトとゼルドナー(傭兵)の具体的な違いがどのあたりにあるのか……

ランツクネヒトが一番活躍したのはイタリア戦争期で、

三十年戦争の時代になるとランツクネヒトはすでに単なるゼルドナーになっている、

と書かれていますが、よく分からない。

しかしこれを読んで一番印象に深く残ったのはフルンツベルクですね。

フルンツベルクを題材にした物語がそこまで有名じゃないというのが不思議なくらい、

特異で魅力的な人物だと思います。

ちなみにナツィのフルンツベルクはこの人が由来。

オマケ?として、ヴァルター・シェルフの論文が附記されてます。

推奨度

★★★★★

見出し

「ランツクネヒトが酒を飲むとき……」 皇帝の「有能なクネヒト」 フルンツベルクとシェルトリーン─ランツクネヒトの野戦指揮官

ランツクネヒト対ブントシュー ゲッツ・フォン・ベルリヒンゲンとフロリアン・ガイヤー─農民のための闘士

戦争の惨禍 ティリーとヴァレンシュタイン─傭兵の司令官たち

ヴァルター・シェルフ「「笛を吹き太鼓を鳴らして」─歌に歌われたランツクネヒトと農民と傭兵」

2006/09/20

『絵画の略奪』 著:ヒュー・トレヴァー=ローパー 訳:樺山紘一

1985 白水社 91P

白水社アートコレクション。

このシリーズは本書以外にもあるのかどうか不明ですが、あれば手に取りたいところ。

大体現代の各国美術館に所蔵されている展示物は、17世紀に略奪によって入手したものである、

という、それを知らない人にとってはかなり衝撃的なことを述べています。

かくいう私も知らぬ一人だったわけでして、確かによく考えればその通りなのですが、意外な盲点。

そこを衝いたトレヴァー=ローパーは流石です。

戦争の世紀といわれる17世紀が略奪の絶頂期で、それ以後は、他王家のものを略奪することがなくなった、

つまり戦争の質が変わったというのも興味深い。

これは軍事史とも絡み合ってくるわけで、この略奪論を単純に美術史にくくれない理由のひとつでしょう。

もちろん図版は豊富。

推奨度

★★★★★

 

2006/09/19

『自然法論』 著:ミッタイス 訳:林毅

1971 創元社 111P

歴史学叢書。

ミッタイスにあっては、自然法とは法のイデアと考えるのが一番しっくりきますね。

つまり、実定法を修正する拠り所となるものとでもいえましょうか。

法論とありますが、ガチガチなかたっくるしいものではなく、読みやすいです。

推奨度

★★★★★

見出し

自然法理念の現象形態 自然法の古典時代 自然法の現代的意義

 

2006/09/18

『ルイ14世の軍隊 近代軍制への道』

著:ルネ・シャルトラン 彩色画:フランシス・バック 訳:稲葉義明

2000 新紀元社 50P

オスプレイ・メンアットアームズ・シリーズ。

個人的にはもう少し軍隊生活の内実などを知りたかったところですが、

しかし何故か服飾関連の記述が多かったです。

何色の何これを着ていたとか付けていたとか。

戦術面の解説もそれほど無かったですね。

推奨度

★★★★

見出し

ルイXIV世の時代 1661年当時の陸軍 部隊、制服そして武器:メゾン・デュ・ロワ 正規歩兵隊 正規騎兵隊 軍旗と騎兵連隊旗

 

2006/09/17

『身分制議会の起源と発展』 著:O・ヒンツェ 訳:成瀬治

1975 創文社 186P

歴史学叢書。

論文二本収録。

身分制をとっていても議会制をとるとは限らず、逆もまた然り。

身分制で議会制という、この併せ持ちがヨーロッパの特徴であり、

それを世界的に見ると非常に珍しいパターンである、と。

大体こんなところが簡単な理解です。

推奨度

★★★★

見出し

西欧の身分-議会制の類型学 代議制の世界史的諸条件

 

2006/09/16

『中世ヨーロッパ都市と市民文化』 著:フリッツ・レーリヒ 訳:魚住昌良/小倉欣一

1968 創文社 141P

歴史学叢書。

レーリヒ独特のドイツ語なのでしょう、訳文も癖があって、文字が小さいことも手伝いかなり読みにくいです。

内容も専門的かつ、まとまって進まずにあっちこっちへクネクネしていくので、

相当頭を使って読んでいても一筋縄には理解できません。

市民文化、という時の市民というのは、都市民程度の概念理解でいいかと思います。

決して近代的な市民ではないでしょう。

推奨度

★★★★

見出し

新文化勢力の台頭 東部ヨーロッパへの進出 都市と国家 帝国と国民諸国家の狭間 リューベックとニュルンベルク 都市の住民

都市門閥と手工業者 市政の展開

 

2006/09/15

『中世の法と国制』 著:フリッツ・ケルン 訳:世良晃志朗

1968 創文社 141P

歴史学叢書。

見出しがそのままテーゼになっているので、ここで私が内容に触れることもなく。

議論の分かれるところではあるそうですが、しかし私などは、

このケルンのテーゼには納得できるところ大いにありなのです。

推奨度

★★★★

見出し

法は古いものである 法は良きものである 良き古き法は非制定的・不文的である 古き法はより新しき法を破る

法の改新は古き法の再興である 法律観と法生活

法的制約の原則(君主は法に拘束される) 人民代表の原則(君主の同意取得義務) 責任の原則(抵抗権) 過渡形態

時間的中世と概念的中世

 

2006/09/14

『メルヘンの深層』 著:森義信

1995 講談社現代新書 198P

社会史・法制史的な見地によるメルヘン読解。

つまり、何でもかんでも性性性にしていく阿呆な心理学的読解とはほぼ無縁な、

素晴らしいメルヘン系著作なわけです。

メルヘン=フロイト論!がウッザーな人にはうってつけです。

当然すぎてつけ足すまでもありませんが、

個人の解釈なので全部が全部納得できるようなものではありません。

推奨度

★★★★

見出し

長靴をはいた猫―金も才能もない男の出世術 シンデレラ物語―代父母の保護下にある意地っ張りな女の子

白雪姫と魔女裁判―虚言癖のあるわがままな女の子 赤ずきんちゃんと人間狼―赤い色の大好きな女の子

ヘンゼルとグレーテルの社会学―子捨てか親離れか ジャックと豆の木―男の生態学

がちょう番のおんな―未熟な女のお嫁入り 三枚の蛇の葉と傭兵の出世物語―文無し男は「喧嘩」する

いばらのなかのユダヤ人―差別する側にたつ男のやり口

青ひげ物語としたたかな女―夫の財産をすっかりせしめる法

 

2006/09/13

『中世社会の構造』 著:クリストファー・ブルック 訳:松田隆美

1990 法政大学出版局 154P

りぶらりあ選書。

図版たっぷりで、それらを眺めているだけで当時の社会情況が見えてきます。

教皇と乞食、それから、乞食と教皇、という逆さまな章題で終わっているように、

そういった小洒落た文章もあったりして、西洋史に造旨の深くない人でも気軽に読めるものです。

推奨度

★★★★★

見出し

教皇と乞食 国王と王権 教皇と司教 教皇と国王の選出 農民、都市民、領主 乞食と教皇

 

2006/09/11

『ヒストリカル・ガイド ドイツ・オーストリア』 著:坂井榮八郎

1999 山川出版社 208P

あれ、そういえば人には奨めておいてちゃんと自分で読んでいなかったな、ということに今さら気付き。

一番よくまとまっていると思うドイツ史入門。

参考文献表も初学者にはとてもためになることでしょう。

本筋は、構成がまず面白い。

通史をやってから、次に社会史文化史の諸相へと移る、

これが変に入り組まずに混乱することなく理解できてイイ。

他のシリーズと比べて一段うまく出来上がっている理由は、この構成にあるでしょう。

推奨度

★★★★

見出し

「ドイツ」というところ ローマ帝国から神聖ローマ帝国へ 神聖ローマ帝国の光と影 宗教改革から絶対主義の時代へ

神聖ローマ帝国の崩壊から二つの帝国の建国へ 二つの世界大戦の時代 第二次世界大戦後のドイツとオーストリア

王朝と宮廷文化 教会と教会文化 城と騎士文化 中世の都市と市民生活 農村と森の社会文化史

 

2006/09/10

『90分でわかるデリダ』 著:ポール・ストラザーン 訳:浅見昇吾

2002 青山出版社 123P

90分でわかるシリーズ。

これはいい。

デリダはわからないということが、90分もかからずによくわかるでしょう。

デリダなんてのはまともにその著作から入ったって分かりませんし、私のように嫌いになるだけですから、

まずこういった著作から、そのワケワカラナサを念頭に置いてからぶつかっていった方が、

よく砕け散れると思います。

しかしデリダのやろうとしていることは、もっとうまくローティがやっているような気がしてならないのですが。

いや、しかしローティがデリダのようなことをしているかといったら、それは全然違うのですが。

デリダの意図を無視して他の人が解釈したところのデリダの結果がということです。

推奨度

★★★★★

2006/09/09

『歴史を語る 学生との対話』 著:井上幸治

1979 二玄社 234P

著者の、実証から始まり積み重ねて理論へと登りゆくという考えは、

根柢に進歩史観的なところがなきにしもあらずですが、

史学をやる上では確かに飛び抜けた例外的な天才でもない限り、

いまや避けて通れぬ方法論でしょう。

もう30年も前のものになってしまっていますが、しかし今読んでもそんな古くささを感じない。

だから、歴史学は実証の方こそ進んではいるものの、そこまで大きな転換は起こってないのでしょうね。

ちなみに学生との対話という副題ですが、定年の著者からした学生であって、

おそらく相当歳いっている研究者も混じっています。

推奨度

★★★★

見出し

文学と歴史と 歴史の学問的構造 歴史の方法─実証と理論 歴史的批判精神 二つの視点

 

2006/09/08

『紋章の歴史』 著:ミシェル・パストゥロー 監修:松村剛 訳:松村恵理

1997 創元社 158P

知の再発見双書。

紋章と単なるロゴは全くの別物なのですね。

ロゴマークがいわゆる単なる「記号」であるのに対して、紋章はどちらかというと「文章」的なところがあります。

だから、解読というより、読解という方が正しい。

そこを弁えて紋章を作り使用しないと、それはただのロゴを紋章だと言い張っているだけになってしまう。

日本の家紋はまた違いますねえ。

推奨度

★★★★

見出し

紋章の歴史 紋章の図柄と色彩 紋章学、この知られざる学問

 

2006/09/07

『ハプスブルク家』 著:下津清太郎

1984 近藤出版社 146P

全体的にかなり固くて、まるで教科書を読んでいるかのような、事実断言的なつくりになっています。

事実確認用の資料として読むぶんには丁度良いものなのでしょうが、

日常的な読書にはオススメできません。

近代の方は、それでも著者の主観が少々入ってきてはいますが。

もちろん、そちらの方が読んでいて面白いことは面白い。

推奨度

★★★

見出し

オーストリアの土地と人 ハプスブルク家の興隆とその消沈 ハプスブルク家の世界帝国 ハプスブルク家とブルボン家の争覇

ハプスブルク家の啓蒙政策 ハプスブルク家とナポレオン帝国 ハプスブルク家とウィーン体制 ハプスブルク家と三月革命

ハプスブルク家とドイツ連邦 ハプスブルク家とロマノフ帝国との争覇 ハプスブルク家の終焉 ハプスブルク家なき共和国

 

2006/09/06

『中世の世界経済』 著:F・レーリヒ 訳:瀬原義生

1969 未来社 126P

社会科学ゼミナール。

都市経済→国家経済→世界経済と、経済は順に進みひろがっていくという従来の図式を否定。

中世にあっては「世界」経済であって、それが国家経済へと縮小していくのが近世であり、

再び世界経済になるのが帝国主義時代であるというのが、レーリヒの主張要約です。

この論は、確かに待たねばならないところが多いですけれど、非常に面白い。

推奨度

★★★★★

見出し

中世の「世界」 「都市経済」と商品取引 毛織物商業と毛織物生産 需要充足にあたっての消費者の態度

バルヘント・麻織物生産の構造 ハンザの南北結合の機能 遠距離商業でつねに取り扱われるその他の商品

実際の都市経済における二元性 世界経済的連関性の意識 国際関係の法的保障 中世の世界経済と近世重商主義

歴史的帰結 歴史叙述の課題

 

2006/09/05

『封建制の危機 第2版』 著:ヒルトン 訳:吉田静一/武居良明

1969 未来社 142P

社会科学ゼミナール。

論文三本収録。

ひととおり読んでも、封建制そのものがなかなか捉えづらいところがあります。

ただ、農民運動や資本主義の萌芽が封建制を崩したという、現在の通説を概観するには便利。

もちろん、中世貨幣経済が資本主義とは言いがたいのですが。

推奨度

★★★★

大見出し

封建制の一般的危機 資本主義とは何か 一三八一年以前のイングランドの農民運動

 

2006/09/03

『大学の起源』 著:C.H.ハスキンズ 訳:青木靖三/三浦常司

1977 社会思想社現代教養文庫 202P

中世の大学論概説。

大学とはこうしてできあがった、というようなものももちろんありますが、それのみならず、

当時の大学でいかなるものを教えていたのか、当時の学問論はいかなるものであったのか、

スコラ学と結び付けて簡明に論じられています。

いわゆる社会史的な部分も入りこんでいて、中世史理解に大学理解は欠かせないと思わされる一冊。

付属資料も豊富で、記述も簡明かつ面白い。

推奨度

★★★★★

大見出し

大学制度の発生 大学教育 学生の生活

 

2006/09/02

『中世ローマ帝国 世界史を見直す』 著:渡辺金一

1980 岩波新書 234P

一般的に、ビザンツ帝国は没落していってそのままトルコに消された、という理解が強いのですが、

著者によれば、ビザンツは中世を通して「世界システム」の中心だったとされます。

私の理解ですと、これは中華秩序を築いて「世界システム」の中心だった中国と同じような立ち位置ですね。

周りの諸状況こそ違いますが。

そういった世界システム論的なところもあり、今なお古くささを全く感じさせられません。

ただ、最後の、プランテーション論は少々蛇足だった気が。

推奨度

★★★★

大見出し

民族移動と中世のローマ帝国 帝王の光輝と限界─中世政治神学の比較史のために、ビザンツの場合

森の民と砂漠の民─比較社会史の一つの試み

ローマ領シリアにおけるオリーヴ・プランテーション村落の興廃─地中海的生産様式の一類型