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    Phantasy Star Universe [失われた惑星]
           第一章【邂逅】

───また眠れば、また同じ夢を見る───
最近、夢を見る事が多くなった。他の種族から言わせて見れば、キャストの癖に夢を見るなんてお笑い草だな。と、言われるに違いない。だが、現実に私は夢を見る事がある。
正確に言えば、私はキャストと言うよりもガイノイド(女性型のサイボーグ)に近い。

───つまり、半人であり半機械だという事を最近知った───

半分が人間であるが故に、夢を見るのかも知れない。それは、人間だった時の記憶なのか思い出なのか両目を閉じて考えに耽っていると。薄暗い実験施設のような空間が、私の目の前に広がり始める。
その中で、私の親らしい白衣を着た人物が理解不能な言葉を呟きながら、目覚めと共に消え去っていく。そこに理性は無い。狂気と狂喜が混ざり合いながら、何処かで小さな女の子がすすり泣いているのが聞こえる。狂気に支配された男は言う。「もう少しの辛抱だから・・・」と、その言葉を聞き終えると。やがて、夜明けのほの暗い部屋の中で、私は言いようの無い悲しみにとらえられこみ上げてくる涙を必死に堪えるのだった。
それが、私のいつもの目覚めだ。いつも思う、それが私の生まれた時の記憶なのだろうか?と、まるでそこだけ欠落しているかのように。思い出そうにも思い出せないのでいるのだ。前に一度、GRM社の技術者にも相談した事があるが。十分に納得する回答は得られなかった。それもそうだろう、私は此処で生まれた訳では無いからだ。技術者は答えた。
 「貴女の身体検査をした結果。その殆どが、ブラック・ボックスで我々では調べる術がありません。
 一体何者ですか?」
私は一体何者なのだろう?考えれば考えるほど、答えは闇の中に消えていく。または、引きずり込まれる。出口を探そうにも、一寸の光もない暗闇を
彷徨い続けているかのようだ。
そう─── 私は、生まれた時の記憶がまったく無いのだ。そして、いつものように自分で自分を強引に納得させようと呟く。
 「まぁ・・・私らしくも無いか。」
 「過去なんて必要ない。今が大事・・・わかっているさ・・・」

意識を現実に戻すと、いつも喧騒なガイークの酒場でいつもと変らず一人で飲んでいる。周囲の奴等と言えば、各々自分の親友や仲間達と
自慢話を繰り返し広げながら、大声で話していたり、あと一歩で喧嘩になりそうになったり、それをなだめている者がいたりで。多種多様な会話が入り混じっている。
こんな時─── もしも、出来の良いキャストならば、こんなくだらない話を完全にシャットアウト出来るのだろうが、私にそんな機能が備わっていないのが辛い所だ。
 「仲間─── か・・・」
ふと、思う時がある。仲間を持つと言うのはどんな感じなのだろう?きっと周りの奴達のように、私もこんなくだらない話しをしたり、笑いあったりしているのだろうか?
私はいままで信頼できる仲間と言う者を持った事が無い。全く知らない人に、頼まれれば協力ぐらいはするが。それは滅多に無い事だ。たまにガーディアンズ本部から
仕事の依頼は来るが。その殆どが他愛も無い仕事ばかりで、私一人で十分なのだ。まぁ、ここで受付嬢のミーナを責める訳ではないが。彼女は彼女なりに、
私に気を使ってくれているのだろう・・・それはありがたい事だ。なぜなら、私はどちらかと言えば孤独の方が結構性に合っているのからだ。最近ではそう思うようになった。
いくら足掻いた所で、変らない事は変り様が無いと言う事に気付いたからだ。そして、今日と言う名の夜も更け、そろそろ引けようかと思っていた時だ。
最後の一杯をマスターに注文して待っている間に、男が一人話しかけてきた。まるで私を探していたかのように・・・

 「よう!しけた面してるなぁ?景気はどうだ?相変わらず一人で飲んでいるのが好きなんだなぁ。」
そう言って、私に話しかけてきたのは。見るからに怪しげなヒューマンの男だった。まったくもって迷惑な話だ・・・
やっとの事で今日の分の妄想が終わって、このまま私の厄介な機械の脳は酒と言う不純物で麻痺し始める。そして、これからゆっくり宿舎に帰って安らかな眠りが待っているはずだ。
それをこれから邪魔されるのは正直歯がゆい。
 「何か用か?悪いが話しかけないでくれ。」
あからさまに嫌な顔を作ってきつく言った。正直面倒だったし、私の事を侮辱でもしているのか?と、思っていたからだ。そんな私を無視して、男はまるで独り言のように話始めた。
 「正規の仕事よりも、良い儲け話があるんだが・・・丁度暇そうな奴を捜していてな。もし暇なら~
  ─── あぁいや、悪気は無いけどよ。あんたぁ乗ってみないか?なに、大損はさせないぜ?」
 「正規の仕事じゃないだって?つまり、私に賞金首になれと?
  そう、言いたいのか?名も知らず。まして仲間や友でも無いお前を信じろとでも?」

私の経験上こう言う奴は対外。賞金首として同盟軍か非常に厄介なグラール教団などに睨まれている者か、モトゥブのローグスに所属している者か又は、未だに存在している
ブラック・ペッパーに雇われている暗殺者のどれかである。
そんな事を考えている私をまるで気にしてないかの用に、ヒューマンの男は淡々と話しかけてくる。

 「ふっ・・・ライセンスが大事なのもわかるが。だが、どうだ?一山あてようって気はないか?
  合法であれ非合法であれ、リスクはどっちも同じだと思わんか?それに、アンタみたいな一人者
  の方が秘密は守るタイプだろ?それでも気に入らないんなら、アンタを雇うさ。どうだ?」
 「私を雇うか・・・まぁ良いだろう。どちらにせよパーツ換装に金が必要だし、そんなに稼げるのなら
  稼いで措きたいのも山々だ。良いだろう、それで?どんな仕事だ?」
 「パーツ換装?まぁいいさ、詮索はお互い無しだ。それじゃ、ここでは人目が気になる。向こうの席に
  俺の仲間が待っている。詳しい内容はそこで話そう。」

そう言ってヒューマンの男の後をついて行くと、酒場の一番奥のテーブル席に、
子供のニューマンの男といかにも胡散臭そうなキャストの男が向かい合わせに座っていた。ずいぶんも前から待っていたようで、子供に見えるニューマンの男は携帯ゲームにすべての精神を集中していて。
一方、キャストの方はと言うと、得体の知れない液体をグラスに注ぎながらゆったりとしたペースで飲んでいる。私に話しかけて来たヒューマンの男が、席に着くと、私も習ってその後に続いた。
 「待たせたな。」
そう言いながらヒューマンの男は席に着いた、キャストの男がヒューマンの男に焦点を合わせて発言した。
 「ずいぶん待たせてくれる物だな、女か?」
 「ボクは、だれでもいいーよぉー、むしろおねぇーさんみたいな美人なら大歓迎さ!おかげで、
 むさ苦しさが少しは解消されたしね。このまま全員男だったら抜けようかと思ってた所だったよ。
 まったく残念だ・・・」
 
 本気なのか冗談なのかその真意を汲み取る事は出来ないが、子供のニューマンは薄ら笑いを浮かべた顔で、はっきり聞こえるように呟いた。それを聞こえていないかのように他の二人は飽きれた顔を作りながら、
黙って聞いているようだった。数分間の沈黙があったのち、ヒューマンの男がそろそろいいか?と言わんばかりその場を仕切ってきた。
 「さ~て、何はともあれまずはお互いの為に、自己紹介から始めないか?最初は俺から名乗ろう
  俺の名は、ゼルト・クリスフォードだ。ゼルトと呼んでくれ。」そうヒューマンの男、ゼルトは簡単に説明した。何処かで聞いた事がある名前なのだが、思い出せない。どこだったのだろう・・・?そんな事を考えていたら、さっきのお世辞の上手な子供のニューマンがやっと自分の番が来たと、
 軽く咳払いをして自慢げに自己紹介を始めた。
 「コホン─── さて、それではいよいよお待ちかね。次は僕から紹介させてもらうよ───
  僕の名前はあの有名な天才ハッカー、カイル・レビニアさ。まさか?僕の名前聞いた事無いなんて
  言わないよね?無かったらそれこそモグリだよ、おねいちゃん。」

こればかりは、さすがの私でも聞いた事がある。確か3年前、今現在は倒産した大企業がニューマンを媒体にして天才ハッカーを創造したと言う話が、民間やガーディアンズ達の間で一時話題になったはずだ。そのニュースは他所に渡り、あの有名なテレビジョン番組
グラール・チャンネル5にて紹介された覚えがある。たしかその番組に出演してた時は、その大企業が倒産すると言う噂が方々で言われていた時で、彼のリークによって問題になり倒産まで追い込まれたはずだ。良く外を出歩けるなと?と思っていたらその事に気付いたのか。
 「まぁ、今日はお忍びだからね。ボクがここにもいる事を誰にも言ったらダメだよ?おねいちゃん。」
 その割にはずいぶん派手な格好をしているな。と思ったが、どうもニューマンのセンス
と言うのは、キャストである私には理解できない物だなと思った。そして、最後に私とは
違う完全なキャストの男が簡単に挨拶した。
 「グラハムだ。よろしく。同じキャストと見たが俺の足手まといにはならないでくれそれだけだ。」
 一瞬どっちがと、言いそうになったがやめておいた。キャストと言うのは殆どがこの、グラハムと同じだからだ。私が特別と言えた訳でもないが、大した気にしていないよう
に振る舞った。
 「さて、次はあんたの番だぜ?お互い仲良くやろうや。なぁ?グラハムよ。」
 私の事を汲み取ったのか、ゼルトがすかさずフォローに入った。別に気にしていないが、
ありがたいとは思ったのかもしれない。そんな事を気付いてないかの様に、私はここに
いるこれから共に戦う仲間達に名乗った。

  ・・・私の名は?・・・

 「私の名は、アーミア。それが私の名だ・・・」