俺「ただいまー」
幼「あー良い所に帰って来た。ちょっと味噌取って」
これじゃ仕事帰りみたいだが、ゲームのパンフレットが欲しくてゲーム屋に行って来ただけだ。
俺「ほれ」
買ったばかりの味噌をドサッと置く。
幼「開けてよ!」
俺「んだよー……」
パコッ。ペリペリ。
俺「全部取って良いの?」
幼「良いよ」
ベリッ。
俺「ほい」
幼「えー!?
フィルム剥がしちゃったの!?」
俺「だから全部取って良いのか聞いたのに……」
幼「ガバガバじゃん」
みおがフタをしてみる。
パスッパスッ。
ブカブカでフタが出来ない。
俺「いつもくっつけたままにしてるような気がしたから聞いたのに」
幼「一番下のやつのことかと思ったんだもん……。
あーん……でもちゃんと見なかった私が悪いから怒るに怒れない……」
俺「みおのがキツキツだからちょうど良いよ」
幼「下ネタかよ」
俺「味噌の膜もみおの膜も取っちゃってごめんね」
幼「死ね。膜の責任取れ」
俺「どっちの?」
幼「どっちも。味噌の膜が200万で私のは500万だ」
俺「意外と高額な味噌の膜」
◇
幼「もうあっち行ってろ、役に立たないな」
俺「ずっとお前が喋ってたんじゃねーか……。
そういえば今日のご飯は何?」
幼「鮎の炊き込みご飯よ」
俺「鮎の炊き込みご飯?」
幼「和くん味が濃い方が好きでしょ?
鯛飯が好きなら鮎の炊き込みご飯の方が好きかもって思って」
俺「鮎ってどんな魚だっけ」
10年20年と魚を食わずに生きていると、名前だけじゃなかなかピンと来ない。
幼「それそれ」
包丁で指差すみお。ちょっとこわいぞ。ゾクゾク。
俺「おお、なんかこれぞ魚って感じの見た目」
魚っていうとなぜかメダカのでかいのを想像しますよね。
幼「美味しそうでしょ」
俺「でもこいつ、死んだ魚みたいな目をしてるぞ」
幼「死んだ魚だ!」
俺「みおって律儀に突っ込むよね」
最終更新:2011年10月25日 04:17