お嬢様編C


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[09/06/18書き込み]

うん、やっぱり説明するの面倒だ。

俺「まあ……敬子が困ってたみたいで放っておけずについ声をかけたって感じにしといて下さい」
グ「困ってたって?」
俺「たまたま目撃したっていうか……一部始終を見てたんで」
グ「何々、詳しく教えてよ。何で家に?」

うっわー、この美食家めんどくせえ。

俺「……ちょっとしたことで困ってて、家なら解決出来たんで」
グ「すごい気になるんだけど。言えないってことはトイレ貸したとか?」
俺「そんなんじゃないですよ。ただ、大切な思い出なんで」
デ「二人付き合ってるの?」
俺「え?」
デ「だって大切な思い出とか」

しまった。彼氏面してしまった。まずかっただろうか。

 ◇

俺「あー……敬子、どう言えば良い?」
嬢「ん?
  ラブラブでしょ」
デ「えー、マジで!?」
嬢「うん。ね、和?」
俺「まあ……」
デ「でも、友達連れてくって言ってたじゃん!?」
嬢「最初、女友達も誘ったから。和は彼氏だよ」
デ「うわー、失恋だよ……」
グ「時松さんはお前には無理だろ。モテモテじゃん」
嬢「ごめんね」
デ「はあ……いつから付き合ってるの?」
嬢「付き合ったばっかりだよ」
デ「俺が告白した時は?」
嬢「まだ付き合ってないよ」
デ「あー、じゃあ仕方ないか……告白するのが遅かったとかじゃないもんな」
グ「振られてんならそこで諦めろよ」
デ「諦めたけどさあ!
  彼氏いないならまだ振り向かせればって気持ちがあるじゃん。すぐには諦め切れないって」
?「たしかに。好きな人がいるとかだと希望すらないもんな」

三人目の男は外見的な特徴も思い出せないんで『?』でいきます。無口だったし印象も薄いんであんまり出ないと思うけど。

 ◇

グ「どっちから告白したの?」
嬢「和だよね?」
俺「うん」
デ「付き合ったのは何が決め手だったの?」
嬢「断ったらかわいそうかなって」
デ「俺、かわいそうとすら思われてなかったのか」
?「大丈夫、俺もだ」
グ「お前も告白してたのかよ」
嬢「違っ、みんなかわいそうだけど」
グ「みんなて、俺告白してないぞ」
?「お前は頭がかわいそうってことだろ」
デ「それにしたって和さんは幸せだし」
嬢「和の告白はなんか、断ったら悲惨な感じで。和、泣いてたし」
俺「悲惨て」
デ「泣くとか超本気じゃん」
俺「いっぱいいっぱいでつい」
デ「その頃は結構仲良しだったの?」
嬢「ううん、告白されたのが初めて会った時だから」
デ「初めて!?」
嬢「でも良い人だなって思ってたから断れなかった」
デ「うわもうなにこれ帰ろうかな。へこむわー」
グ「面白いから帰るなよ」
男「さっきからるせーんだよガキィ!」

突然、中年が立ち上がりズカズカと俺たちのテーブルの前にやってくる。

 ◇

デ「あ、すみません……」
俺「静かにしますんで」

ここまではみんな、素直に謝っていたと思う。うるさかったのはたしかだし。
腹が立ったのは次の言葉だ。

男「振った男どもをはべらかして良い身分だなヤリマンがっ!」

店内がざわついた。

グ「……出ようか」
?「おう」
男「逃げんじゃねーよコラ。情けねー。そんなんだからバカ女に舐められんだ」

わざわざ頑張って悪口を思い出すのも嫌な気分なんでこれ以上は止めておくが、敬子が男を振り回してるみたいな言われ方をされ続けた。
幸いすぐに店員が来てくれてスムーズに店の外に出られたが、店員に止められながらも男はずっと怒鳴っていた。
以前、ファミレスでこういう話がしたくないと言ったのはこの思い出のせいでもあるのだ。
自分にしろいっしょにいる他の誰かにしろ、モテてるみたいな話は人がたくさんいるところであまりしたくない。情けない話だが、どうもこれ以後こわい。

 ◇

俺「ごめんな……俺のせいで敬子が悪口言われてっ、うう……」
嬢「大丈夫だよ。気にしてないから」
デ「いや、俺が興奮して大声連発しちゃったせいだよ」
グ「そうだ、テメーが悪い」
?「お前もうるさかっただろ」
嬢「ほら、和のせいじゃないってみんな言ってるよ。なんで和が泣くのよ」
俺「うっ、でもさ……」
デ「和さんは、自分の彼女の悪口言われて悔しかったんだよ」

そうフォローしてくれたが、恐怖から解放されて気が抜けて泣いただけだ。
声も出せずに足だって震えて、こわくてたまらなかった。
敬子の悪口言いやがって、ぶん殴ってやろうか……などとは全く思わなかった。
とにかく敬子を逃がそうと、それだけを考えていた臆病者だ。

嬢「気にしちゃだめだよ」
俺「うん……」
デ「でも、こんなに泣けるなんてすごいね。
  時松さんのことそんなに好きなんだ」
俺「大好き……」
グ「告白の時もこんな号泣?」
嬢「うん。びっくりするでしょ?」
グ「これはマジで断りにくいな」

 ◇

[スケート場]

俺「わああ!」
嬢「きゃっ」

ズテッ

嬢「なんで転ぶ時に私を巻き込むのよ!」
俺「だって……」
嬢「もう本当に一人で滑って」
俺「置いてかないでよー」
嬢「ずっとお前といっしょじゃ私が全然滑れないじゃん」
俺「今滑ってるじゃん」
嬢「これは歩いてるって言うの!」
俺「一人じゃこわいよ」
嬢「ずっとしがみついてたらみんなの前でイチャイチャしてるみたいでしょ。
  気まずいじゃない」
俺「うう……」
嬢「ほら、離すよ?」
俺「離さないでえ……」
嬢「あのね……それじゃ上手くならないし」
俺「ひどいよ」
嬢「ばいばい」
俺「ま、待って」
嬢「あ、滑れるじゃん」
俺「あ、あ……うぎゃっ!」
嬢「気のせいか」

 ◇

ふう、こんなの最初から滑れるわけない。俺みたいに壁を掴みながら歩けるだけでもすごいもんだ。
赤ちゃんだって最初は壁とかを使って立ち上がるものなんだから。いきなり滑るのがそもそも間違いだ。
よし、今日は壁を十周するぞ。そしたら敬子もきっとほめてくれる。うんしょ、うんしょ……。

デ「おーい」
俺「ああ、どうも」
デ「苦戦中?」
俺「俺、運動ダメなんですよ。こわくて」
デ「俺も初めての時は全然だったよ」
俺「いや、二回目なんですけどね」

スケートは例の先輩と一度行っている。この時と同じように、女一人。彼女のクラスメイトの男二人と俺と彼女の四人だった。
たしかまだ付き合ってなかったにも関わらず先輩にしがみついてばかりで、上達した感じは全くしなかった。

デ「二回目なんだ」
俺「だけどその時も、女友達にしがみついて蹴られてただけで終わっちゃって」
デ「あはは。でもしがみつけて良かったんじゃないの?」
俺「そこまで考えてないですよ。もし一番仲の良い友達が男だったら余裕でそいつにしがみついてましたよ。
  その時たまたま知り合いがその女友達だけで。
  その子がエロ目的だろとか言わないでくれたんで助かりましたけどね」
デ「あー、エロい感じしないもんね」
俺「そうですか?」
デ「自然に触ってる感じ」

いやらしい感じがしないってことなのか、ナチュラルにセクハラなのかどっちの意味だろう。

 ◇

デ「休憩しない?
  俺疲れたし腹減っちゃったよ。ほら、お腹がこれだからさ」
俺「良いですね。俺、休むの大好きです」
デ「じゃあ行こう」

 ◇

[ゲームコーナー]

パパパパパ
チュドン

デ「なんか敵弾早くない?」
俺「ああ、たしかこのゲーム二人プレイだと早くなるんですよ」
デ「全然知らなかった」
俺「多分ですけどね」

 ◇

デ「やられた……げ!」
俺「ん?」
嬢「いないと思ったら君達はー……」
デ「す、滑ってこよっと」
俺「行っちゃった」
嬢「ふう。これ和の?」

ドサッと2P側の椅子に座り、俺の飲み物を持って聞く敬子。

俺「ああ」
嬢「んく……」
俺「……」
嬢「よくそんなの避けられるね」
俺「画面全体を見るんだよ」
嬢「今の当たってない?」
俺「今のは建物が出る前に左下にいると絶対に当たらないんだよ」
嬢「お兄ちゃんと同じようなこと言ってる……」

 ◇

俺「うわー、やられた」
嬢「50円でそんだけ遊べば十分でしょ」
俺「まあな。でも上野だと30円の店があんだよ」
嬢「こういうの好きなの?」
俺「好きだなあ」
嬢「ウチにあるけど」
俺「なんで?」
嬢「お兄ちゃんが好きだから」
俺「家行きたい!」
嬢「つば飛んだ」
ツールボックス

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