山茶花と仲直りの勇気編


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[09/05/28書き込み]

男「どうなりました?」
俺「まあ、頑張って説得してみた。君の態度次第では許してもらえるかもしれないよ。
  まずは二人でないしょ話だ」
男「はあ……」

 ◇

俺「というわけで、足コキで許してもらえそうだ。良かったな」
男「いや……意味が分からないんですけど」
俺「嫌がってる感じで足コキしてもらって出しちゃえば良いってことだ。簡単だろ?」
男「いや、だから緊張して勃つかどうか分からないし」
俺「我慢出来ずに寝てる女の子の胸触るような奴が何言ってんだよ。その時勃起してたんだろ?」
男「その時は、男と話してるの見て嫉妬してたんで寝顔見てたらつい……」
俺「寝顔で勃起出来るなら大丈夫だろ。羊モードの時に罪悪感でオカズに出来ないだけで狼モードの時はむしろすぐイッちゃう感じなんでしょ?
  なら、実際に押し倒されてキスされたら勃起するだろ」
男「……そうかも」
俺「でもまあ、あれだ……どうしてもそれだけは無理って言えば許してくれるとは思うから、どっちか選べ。
  イカせてもらうか、謝るか。
  結局ゲップはしなくちゃいけないんだから足コキしてもらった方が得だと思うけどな」
男「そりゃ、どう考えても足コキの方が嬉しいですけど」
俺「まあゆっくり考えれば良いじゃん。俺は帰るわ」

 ◇

ズジャッ←すだれを通る音

俺「話終わった」
女「足コキする?」
男「ちょっ、声でかいよ」
俺「ああ、他の人の前で足コキとか言っちゃダメだよ?
  すごく恥ずかしいことなんだから」
女「あ、そっか」
俺「二人きりの時に小声で、逆らうと踏んじゃうよって耳元でささやくだけですぐに悔しくてビクビクしちゃうから」
女「すごい……じゃあ言うこと聞かせ放題?」
俺「そうだね」
女「でも、あんまりいじめるとかわいそう?」
俺「それは人によるかな。プライドない人だと女の子に踏まれても恥ずかしくなかったりするから。
  世の中には喜んじゃう人もいるみたいだよ」
女「マゾってやつ?」
俺「そうそう」
女「前にドラマで蹴られて喜んでるそういう役の人いた。
  あんな人本当にいるんですかねー」
俺「そんなひどいマゾはさすがにめったにいないだろ。蹴られて喜ぶなんてさすがに引くって」
男「蹴られて喜ぶわけないだろー」
幼「私は一人知ってるけど、その人は頭おかしいから」
女「そうですよね、ドラマって大げさだし」

 ◇

俺「普通はもっと大人しいと思うよ。ムチで喜ぶみたいなのはかなりハードな方じゃないかな」
女「一般的なマゾはどんな感じなんですか?」
俺「踏まれてゲップが出そうな時に止めると普通はほっとするのに、マゾはもっとしてって言うんだよ」
女「うわあー、超変態……」
俺「もし彼氏が踏まれて喜ぶマゾだったらどうする?」
女「えー……ドン引き」
俺「ドン引きだって。どうする?」
男「マズ、マゾじゃないですよ!」
俺「噛むなよ怪しいだろ」
女「あー、動揺してる」
男「違うんだよ」
俺「マゾだったら別れちゃう?」
女「そんなことはないですけどね」
幼「良かったね、マゾでも大丈夫だって」
男「あー、みおさんまでマゾ扱い……」
俺「俺の嫁のジト目かわいいだろ」
幼「あんた何言ってんの」
男「ドキドキしますね」
女「お前もお前で答えるな」
俺「帰ったらたくさんジト目してもらうんだ」
男「良いなあ……」

 ◇

俺「それじゃまた。二人ともありがとね」
女「こちらこそ」
男「ありがとうございました」
幼「仲良くね」
俺「俺達みたいに仲良く」
幼「勝手に手を繋ぐな。調子に乗るな」
俺「いて」
女「あはは」
俺「優しくしてくれない……」
幼「あ、すねた。まあ知り合いもいないし駅まで手を繋いで帰ってあげるから」
俺「みお優し……いてっ」
男「ぶはっ、またやられてる」
幼「こっちはダメ。右手にして」
俺「何で?」
幼「指輪が汚れる」
俺「俺が買った指輪なのに……」
幼「じゃあね。頑張ってね」
女「はい」

 ◇

俺「ふう……今日は疲れたな」
幼「ふふー、良いでしょこれ」

婚約指輪を眺めながら自慢してくる。

俺「元気だな……」
幼「そりゃあ元気よ。指輪買ってもらったもん」
俺「嬉しいか」
幼「嬉しい」
俺「……やっぱり、ちゃんと結婚式しようか」
幼「え、何でよ」
俺「俺友達いないし、普通には無理だけど身内でさ」
幼「無理しなくて良いって!
  そもそも私の方がお金ないし」

結婚するんだから俺が少し多めに出して後で返してもらっても良いとも思ったが、
男にむやみにおごられるのを嫌がる彼女のことだから借金みたいなのも嫌いかもしれない。

俺「……まあ慌てる必要ないよな。これから先ずっと俺のものなんだから」

そう言うと、幼なじみはクスッと笑った。

 ◇

幼「……あんたの、押しが弱いのって結構助かったりする」
俺「ああ……タマがさ、前からすごく結婚嫌がってるんだよ。
  また結婚したいって言われただの、絶対に結婚は嫌って言ってるのに何度もウザイだの。
  だから結婚関係はちょっとこわくてさ。プロポーズする時はすごくこわかったよ」

みおやヨーダの離婚や従妹の父親のことなどを知っているので、
結婚後に仲良くいつまでも過ごせる確かな自信がなく結婚が不安だったことは言わなかった。
みおは親が離婚した本人なんだ、みおだって……いや、みおの方が俺よりはるかに不安かもしれない。
不安だからといって三年、五年……と様子見するわけにもいかないだろう。
案ずるより産むが易しだ。

幼「あの日はよく頑張ったよね」
俺「断られて喧嘩になったらと思うとこわくて……」
幼「お前は同じことしつこく言わないから喧嘩にはならないでしょ」
俺「そうかな……あ!」
幼「何?」
俺「あのさ、喧嘩してどんなに腹が立っても指輪を外さないでほしいんだ」
幼「これ?」

 ◇

俺「みおがそれをしてる限り、喧嘩しても指輪を見て何度でも謝れると思う。
  もし実家に帰っちゃったら追いかけるし、怒らせて口を開いてくれなくてもずっと話しかけてさ。
  でも、指輪を外されると……もう嫌われたのかなって思っちゃう。前に喧嘩した時みたいに。
  俺、昔嫌がられてるの知らないで好きな子にしつこくしちゃったことあったんだ。その子がこわがってるって教えてもらうまで気付かなくて。
  まあ、教えてもらったってよりもいじめっ子の女子数人にストーカー気持ち悪いからしめるって呼び出されて蹴られて……みたいな感じなんだけど。
  その時のせいで、あまり強く仲直り出来ないんだ。謝りたいけどこわがらせてたらどうしよう、会って話がしたいけど嫌かもしれないって。
  だからそれから付き合った人とも、一度喧嘩すると大変なことになっちゃって。本当は仲直りしたいのに言えなくて別れちゃったり。
  でもさ、その指輪をみおがしてる限り俺は絶対仲直りしようって頑張るよ。それはみおと俺の婚約の証だから、指輪をしてるってことはまだ俺のこと好きなんだって思えるから。
  指輪さえしてれば、大嫌いって言われても離婚するって言われても抱きしめて離さない。
  その指輪は俺の仲直りの勇気のためにも必要なんだ。だから買ったんだ。俺もほしかったから」
幼「ん、分かった」

頷く幼なじみの横顔は少し嬉しそうに見えたが、どんな気持ちなのかは分からなかった。
俺にはそれが少し悔しかった。
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