日常編93

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幼「ねー、これってどうしたの?」 床で俺のおもちゃ箱を小一時間いじっていたみおが質問してきた。 俺「何が?」 幼「十銭とか」 みおが見ていたのは日本の昔のお金だった。半銭やら一銭やら五銭やら十銭やら五十銭やら。 俺「だからお父さんに買ってもらったんだって言ったじゃん」 幼「えー、記念硬貨とかだけかと思ってた」 俺「逆に記念硬貨は買ってもらってねーよ。自動販売機のお釣りで出てきたやつとかだよ」 幼「この五円玉は普通の五円玉?」 俺「よく見ろ楷書体だろ。フデ五って言ってギザ十みたいなもんだよ」 幼「楷書体……普通のはどんなんだっけ?」 俺「普通はゴシック体だろ」 幼「ゴシック体……だっけ?」 俺「中に本があったろ。んー……ほれ、ここ。昔のだから『国』って字が古いだろ」 楷書体の方は『日本國』と書いてあるのだ。 幼「えー全然知らなかった」 俺「まあ昭和32年の以外は価値はない」 幼「面白ーい。   ねえ、和くんのどれかちょうだい」 俺「前にもあげなかった?   まあ良いけど」 幼「どれでも良い?」 俺「うん」 幼「じゃあこの一番おっきな500円玉」 俺「分かった」 幼「お守りにしよっと」 俺「大きい方がピストルで撃たれた時とかにガードになりやすいもんな」 幼「そういうドラマチックなお守りじゃねーよ」  ◇ さらにコインの本を読み続けるみお。 幼「この一万円玉でかっ!   この絵って原寸大でしょ?」 俺「多分な」 幼「すごーい。超偉そう」 俺「みおみたいだな」 幼「なんですって!」 俺「はは、冗談だよ」 幼「許さん。あぐらかけ」 俺「なんで?」 幼「良いから」 あぐらをかくと、みおが上に座る。 幼「これで足が痛くないわ」 俺「座布団持ってくれば良いじゃん」 幼「うるせー。遠いから面倒だし、背もたれあった方が良いんだよ。黙ってもたれてろ」 俺「背もたれにもたれるんだから俺が背もたれ側だともたれてろじゃなくてもたれられてろじゃないか?」 幼「もられらっ……もたれられてろ」 俺「もられら。もられらもられら。   もらもらだって」 プギャー。 幼「お前もう一生このまま動くな」 俺「みおの座布団のまま!?」 幼「幸せでしょ?」 俺「うーん……」 幼「幸せって言わないと四つんばいにして座るぞ」 俺「幸せ」 幼「じゃあ試しに四つんばいでも座ってみてあげる」 俺「結局四つんばいにさせるのかよ。力ないんだから無理だよ」 幼「やってみなきゃ分からないでしょ!   ほら早く……」 俺「やったことあるじゃん……」 幼「よいしょ」 俺「おもっ……」 幼「重くない」 俺「うぐ……」 幼「力ないなあ」 俺「ふぎゃー」 幼「ぎゃっ、急に崩れるなよ!   危ないだろ」 俺「無理っす」 幼「じゃあつまんないけど普通に座るか……あぐらかいて良いよ」 俺「そもそも人の上に座ることに面白さを求めるなよ」 またあぐらに戻す。 幼「どっこいしょ」 みおが遠慮なく座る。 俺「ふう疲れた」 幼「……お尻のとこカタイんだけど?」 俺「お前が四つんばいにさせて乗るのが悪い」  ◇ 幼「これ何のゲーム?」 おもちゃ箱のバッジコレクションを見ていたみお。 バッジの一つを取り出す。 俺「それはゲームじゃねーよ。かち歩きだな」 幼「かち歩きって何?」 俺「飲まず食わずで20キロとか43キロとか歩くのをかち歩きって言うんだよ。小学生では一位だったからそれ貰った」 幼「飲まず食わずで!?   大丈夫なのそれ」 俺「大体はゴールすると飲み物と食べ物を貰えるよ」 幼「いやいや、それでも倒れたりとかしないの?」 俺「リタイア出来るけど大体は完走するよ。歩きだからマラソンみたいに時間に間に合わないこともないしね」 幼「和くん平気だった?」 俺「いや、わりと大変だったぞ。フルマラソン見てて『あんな歩いてるのと変わらないし簡単じゃん』とか言ってる奴いるけど歩いても疲れるよ。   やらないでバカにしてる奴は歩きでも良いから一度フルマラソンやってみるべき」 幼「お腹空いた?」 俺「お腹はあんまり空かなかったな。   小学生の頃は給食のせいで実質的に一日二食だったから昼は食わなくても別に」 幼「喉は?」 俺「喉もそんなに」 幼「お前おかしいって!」 俺「まあ胃袋ちっちゃかったから他の奴より大丈夫だったんだろ」 幼「でも喉渇くのは関係ないでしょ」 俺「まあ渇いたことは渇いたけどさ。みおなんて根性あるから100キロくらい歩けるんじゃね?」 幼「歩けるわけねーだろ!   2キロ目から文句たらたらだわ」 俺「文句言いながら結局最後まで歩くタイプ」 幼「や、100キロは途中で歩けなくなるだろ」 俺「でも剣道の試合中に女の人がアキレス腱がすごい音を立てて切れてもケンケンで戦おうとしてたぞ。   女は痛みに強いからいけんじゃね?」 幼「いやいや無理だろ!   それはその人がすごいだけだろ!」 俺「でもみおも痛いの我慢して子供産もうとしてるじゃん」 幼「だってそれは痛いの仕方ないじゃん」 俺「俺だったら絶対産みたくないぞ」 幼「あっお前ひどっ。私の子供産めよ、ふふ」 俺「絶対ヤダ」 幼「なんだとー!   じゃあ私も産んであげないからな!」 俺「ははは、なんだそれ」 幼「孕ませちゃるー!」 ドサッ。

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