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1月18日頃。
たまたまニュースを聞いていたら、ちょっと気になる話があった。
プロ野球で活躍した小林繁さんが亡くなった件だ。
俺「小林……?」
幼「ん?」
俺「おばあちゃんが好きな選手かも……」
パワプロの攻略本を本棚から取り出す。OBデータを見るためだ。
パワプロは全盛期の有名な野球OBが解禁されてチームをアレンジして入れられるようになっている。
野球ファンならそれぞれの選手に一時間語れるような素晴らしい選手ばかりなんだろうが、俺は野球に関心がないので真弓だなんだと言われてもデータを見ないとピンとこない。
俺「……やっぱりおばあちゃんがファンだった人だ」
幼「そうなんだ」
俺「おばあちゃん大丈夫かなあ」
幼「そんなにファンだったの?」
俺「うーん、時期的にそんな野球にハマってないと思うけど……」
おばあちゃんはかなり野球が好きで、自分の好きなチームが負けると機嫌が悪くなってしまうほどだ。
心身に余裕があった頃や俺がいる場合はそうでもないけど、負けた時は娘に八つ当たりすることもあるようで苦労しているらしい。
そして、結構ミーハーな所があって坂本九さんの飛行機事故の時はすごく落ち込んだらしい。
俺「電話した方が良いのかなあ」
幼「したら喜ぶよ」
俺「でもニュース聞いてなかったらわざわざ教えちゃうことになるしな」
幼「あー……」
俺「でも新聞に出るか」
幼「出るでしょ」
俺「いや、もう目が悪くて新聞なんて読めない気も……」
おばあちゃんは前に白内障で目の手術をしている。
手術をしたらすごく視界が良くなり喜んでいたらしいが、最近また目がよくないらしい。
さっきから「らしい」ばっかりですまんが、よく分からないのだ。
幼「とりあえず普通に電話して、おばあちゃんがその話をしてきたら落ち込まないでって言えば良いじゃん」
俺「話すことないよ」
幼「なんかあるでしょ。『元気?』とか」
俺「えー……最初みお電話してよ」
幼「なんで私が電話するのよ!」
◇
俺「だって緊張する」
幼「和君が電話した方が喜ぶよ」
俺「なんて言おう。みおのこと話したらどう思うかな。孫の顔をおがませてやっからまだ死ぬなよ、みたいな感じで」
幼「言い方悪いな」
俺「こんな言い方しないけどさ」
幼「当たり前だ!
おばあちゃんびっくりするわ」
俺「まずお母さんに先に様子見に電話してもらおう」
幼「ダメだこりゃ」
◇
幼「お母さんに電話しないの?」
俺「今メール書いてる」
幼「和君のお母さんメール苦手じゃなかったっけ」
俺「苦手だけど、電話やだもん」
幼「思春期かお前は」
俺「よくメールに電話で返してくんだよなあ」
幼「あるある。ウチもそう」
俺「パケホーダイなのにもったいない」
幼「お母さんパケホーダイなんだ」
俺「着歌を入れたいって言ってさ」
幼「ハイカラだ」
俺「うわ、やっぱ電話だ……」
母からの着信。
幼「良いじゃん、たまには話すれば?」
◇
[通話後]
俺「俺が電話した方が喜ぶってさ」
幼「そりゃ、みんなそう言うよ」
俺「電話はなあ。クリスマスやお年玉の手紙も返したことなかったし」
幼「返しなさいよ」
俺「みおにも返せないのにおばあちゃんに返せるかよ」
幼「あっ、そうだよ私も送ったのに!
和くんなんで返事しないのよ!」
俺「でも、いっしょに泳ぎたいみたいなこと書いてあったから頑張って泳げるようになったんだよ」
幼「それにしたって『今頑張ってプールに通ってます』とか返事あればすごい嬉しかったのに」
俺「あの頃は若過ぎた。中学二年くらいに最初の手紙があったら女の子の体に興味津々で食いついてたと思う。
最初に返事しなかったら俺の性格的にきついからなあ」
幼「バイバイする時は泣いてんのに手紙返さないとかひどいよね」
俺「そういや、なっちゃんやヨーダも帰る時いつも泣いてたのかな?」
幼「私達だけじゃない?」
俺「なんで泣いてたんだろ。
俺、おばあちゃんの家から帰る時でも泣いた記憶ないぞ」
幼「和くんは昔から私のこと大好きだったから」
俺「それだとみおも俺のこと昔から大好きだったことになるぞ?」
幼「うん、ずっと大好き」
俺「そ、そっか」
なんだか照れる。
幼「大きくなっても和くんが優しいままで良かった」
俺「みおだって優しいままで良かったよ。しかもきれいになってさ」
幼「再会した時ドキッとした?」
俺「したよ。あんなの見とれちゃうよ」
幼「スケベー」
俺「今でも見とれる。そんで薬指見て、こんなにかわいいのに俺の嫁なんだって」
幼「バカ」
俺「大好きだよ」
幼「もう、なんか恥ずかしい」
俺「困ったこととかいつでも言ってね。手伝うから」
幼「夫がおばあちゃんに電話してあげないので困ってる」
俺「それアリかよ」
頑張っておばあちゃんに電話しました。ヘトヘトになりました。