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「バレンタイン編01」(2009/02/16 (月) 06:34:03) の最新版変更点
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うーん…携帯持ったまま寝ちゃったのか、電池が切れてら…充電充電。
なんかメールがたくさんきてるな。
◇
幼【何時に来る?
別に来なくて良いけどな】
◇
幼【おい冗談だぞ
チョコも作ってやったぞ、仕方ないから】
◇
幼【もしかして風邪が悪化して寝てるのか?
だったらごめん、明日お見舞い行く。返信しないで良いからね】
◇
や、やばい。これは怒られるぞ。
俺【長官殿、朝七時までゲームして寝てたであります】
幼【すぐに来い、はたかれに】
俺【サー、イエッサー】
◇
ガチャガチャ
俺「あのー…お待たせしました…」
幼「…」
俺「あの、その…特に約束してなかったので…起きたら行けば良いのかなと思っていまして…夜からではまずかったでしょうか?」
幼「…いくらなんでも起きるのが遅すぎるわよ、バカ。
電話しても圏外だし、携帯の電源切って寝込んでるのかと思うでしょうが。家の電話もないし」
俺「ごめん」
幼「バーカ」
俺「そ、そうだ…チョコありがとな…絶対作ってくれると思ってたよ」
幼「…」
俺「どこにあるの?
早速食べようかな」
幼「…冷蔵庫にあるよ」
◇
冷蔵庫の中に、長方形の箱がある。
俺「これか!
結構大きいな、食べても良いか?」
幼「食べたい?」
俺「うん」
幼「絶対残さない?」
俺「全部食べるよ」
幼「じゃあ良いよ」
俺「んじゃいただきま…」
パカッ
幼「どうした?」
俺「いや…」
幼「食べろよ」
俺「いやいや…」
幼「私のチョコが食えないのか?」
俺「いや、これカレーのルーですよね」
幼「私がチョコって言ったらチョコなんだよ」
◇
俺「無理です」
幼「ふーん、全部食べるって言ったのに…また約束やぶるんだー」
俺「ごめ…はくしょん」
幼「ちょっ」
俺「ごめ…ごめ…くしょん、はくしょん、は…は…はくしょん!
…はあ」
幼「風邪治ってないの?」
俺「うん…」
幼「薬飲んだ?」
俺「いや、起きてすぐ来たから。ご飯食べてないから当然薬も飲んでない」
幼「言えよ!ってか来るなよ!」
俺「ごめん。だから食欲ないからこれは本当に無理で…はくしょい!」
幼「バカ!」
◇
幼「食べたらさっさと寝なさいよ」
俺「いつもうまいなあ、お前のご飯」
幼「ただの焼きそばでしょ。どうでも良いけど焼きそばとご飯って変じゃない?」
俺「俺はご飯といっしょに食べるのが好きなんだよ」
幼「ふーん…」
俺「うまうま…」
幼「全くもう。なんでこんなにしょっちゅう風邪になるわけ?」
俺「体調管理が出来ないからだよ。
俺は家では『なくて七風邪』と言われているんだぞ。ゴルフ的にはハンデが年に十回はもらえるからまだ今年の風邪引いた回数はマイナス七回だよ」
幼「わけわからんことを自慢気に言うな!」
俺「エロゲをやると無茶な理論に慣れるんだよ」
幼「歌詞もすごいもんな…」
俺「そもそもまずキャラが全員18歳以上なんだからな」
幼「高校通ってるじゃん」
俺「学園に通ってるのであって高校ではない。実は35歳だったりするんだ」
幼「どんだけ授業受けてんだよ」
◇
俺「普通に全部食べちゃったわ、お腹すいてたのかな」
幼「はい薬」
俺「薬も良いけど、本当のチョコは?」
幼「食べちゃった」
俺「はい?」
幼「あの箱に入ってたんだけど、お前のメール見て食ってやった」
俺「じゃあ…チョコないの?」
幼「ない」
俺「だったらお前を食べる」
幼「生理」
俺「…つまんない」
幼「寝てろ」
◇
幼「後で、カレー食べられそう?」
俺「うん、もう治りそう」
幼「あんたの治りそうは当てにならないから」
俺「カレー食べたい」
幼「本当に風邪は大丈夫なのね?」
俺「うん。俺が嘘言ったことあるか?」
幼「あんたその場しのぎで生きてるじゃない」
俺「その場しのぎの杖大好きだからな」
◇
幼「起きたか」
俺「というか俺寝てたの?」
幼「寝てたかシカトしやがってたかのどっちか」
俺「寝てました」
幼「んで、どう?」
俺「んー治った感じ。
心配した?」
幼「それよりこいつ強すぎなんだけど」
俺「適当にボタン押してれば勝てるよ」
幼「無理無理」
俺「貸してみ。難易度イージーなんだろ?」
幼「うん」
俺「だったら基本的にガードとか技出さなくても□、□、□、△…これの繰り返しでごり押しすれば大体のやつはなんとかなるから。
まあ確かにこいつは結構強いけど△ちゃんと使えば勝てるよ」
幼「うわ、一回で勝ちやがった。なんだこいつ」
俺「別に俺はアクションゲーム上手くないぞ?
イージーなら初心者向けんだからやり方さえ覚えればお前でもクリア出来る」
幼「お前でもって何よ」
俺「ん?
何これ?」
枕の近くに小さい箱がある。
幼「知らない。てか死にそう」
幼なじみはこっちを向かずに必死でゲームをしている。
俺「見て良い?」
幼「知らんての」
◇
パカッ
俺「チョコじゃん」
幼「そりゃっ!」
俺「え、お前作り直してくれたの?」
幼「うわわっ…」
俺「こんな早く出来ないよな…買ってきたの?
でも手作りっぽいな…食べたってのが嘘だったのか?」
幼「ぎゃあ!」
俺「ありがと」
幼「…知らないって言ってるでしょ、バカ。やられるから話しかけるな」
幼なじみの横顔が赤くなっていたのは気のせいではないだろう。
食べている間、幼なじみがチラチラ見ていたのも気のせいじゃないだろう。
俺「おいしいよ」
幼「良かったね」
俺「良かったよ、優しい彼女がいて」
幼「…ありがたく思いなさいよ」
俺「お礼にキスでもいかがです?」
幼「いらん」
俺「キスして下さい」
幼「…後でね」
俺「今」
幼「こら…ふむっ!…ぷはっ…はあ…」
俺「チョコもおいしいけどみおはもっとおいしいや」
幼「変態!」