日常編40

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幼「起きた?」 俺「うん……」 幼「なんか息荒かったよ?」 まだ起きるには早い時間のようだ。心配そうにみおが見つめている。 俺が勝手に起きたのか、みおが心配で俺を起こしたのか。 俺「夢見てた……ふう……」 幼「こわい夢?」 俺「いや、学校に行く途中に部活の先輩と会っていっしょに学校に行く夢なんだけど」 幼「女?」 俺「うん……」 幼「女ね」 俺「女」 幼「その人は実在の人物で?」 俺「うん」 幼「元カノか」 俺「いや、元カノじゃない方の」 幼「ふーん……仲良かったの?」 俺「休みの日に遊びに行ったりはしなかったけど、二人で上野に買い出しとか行ってて結構話したんだ。   まあ呼び捨てにしてたし先輩後輩のわりには仲良かったのかな」 幼「元カノと似た感じだ?」 俺「元カノとは似てないかな。元カノは嫌がる時はなんでも直線だったからね。   たとえば家に行ってみたい時に元カノの場合は『汚いからウチには誰も入れられない』ってきっぱり言ってたから諦めてたけど、その先輩は家に行きたいって言うと毎回上手くかわすタイプでね。   部活を引退した後は遊ばなくなったし、本当は呼び捨て馴れ馴れしいとか思ってたのかもな。空気読めないし」 幼「それはないんじゃない?」 俺「それなら良いんだけどね」 幼「女の子全員と仲良しだったの?」 俺「いや、同級生は気の合う人は辞めちゃってね。最後は苦手な人しか残ってなかったよ」 幼「和君の苦手な子ってどんなの?」 俺「サボってると怒るんだよ。ひどいだろ」 幼「普通だよ」  ◇ 俺「先輩いる時は元カノと筋トレ組んでたからね。   ずっと筋トレしてるフリだけでサボってたからさ、急にまともにやろうとしても無理だよ」 幼「思いっきり自業自得じゃん」 俺「そうなんだけど言い方がね。気が強くてね」 幼「でも和君の友達って気が強いの多くない?」 俺「その人は背が高いからなんか怒られてもつまらないんだよ。   俺より10センチ程度小さい方が嬉しい」 幼「ロリコンか」 俺「なんだろなー、見た目がちょっとギャル系だったからかな。肌も茶色で」 幼「ギャル苦手?」 俺「苦手な理由がよく分からんから外見なんだろな。不良ぽくてこわかったんだろう。   あと、話が全く合わなかったからな」 幼「そういえばお前ってどんな話をしてるの?」 俺「ゲームの話も漫画の話もメガネ以外とはほとんどしなかったからな。   メガネ以外との話はよく覚えてないな」 幼「メガネくんって同じ部活だった人だよね」 俺「そうそう、先輩に振られてしばらくして辞めちゃった奴。   そいつとは話が合ってね。小説も結構借りたんだ、バトルロワイヤルとか」 幼「バトルロワイヤル懐かしいね」 俺「小説読んだ後にノッポと三人でバトルロワイヤルの映画行ってね。男友達とまともに予定して休みの日に出かけたのはあれが初めてで、男三人だったけど嬉しかったなー……」 幼「男の友情だ」 俺「ポップコーンとか買っちゃってさー、ゲーセンにも行ったんだ。   普段は学食とか部活とかいっしょでも休みの日にわざわざ何かするって不思議とあんまなくてさ」 幼「ん、分かる」 俺「俺の私服が全部ダサくて困ってたんだけど、メガネが迷彩服で来たから安心したよ」 幼「迷彩服てすごいね」 俺「あいつは迷彩服大好きだからな。迷彩服と特殊警棒と催涙スプレーがないと不安になるっていう」 幼「病気だろそれ」  ◇ 俺「実際、絡まれた時に駅前で催涙スプレー使って逆に自分の方が警察に捕まったからね」 幼「バカでしょその人」 俺「俺その日はたまたまいっしょじゃなかったから良かったけど、マジで危なかったよ。俺も怒られるとこだった」 幼「運が良かったね」 俺「俺まで加わったら確実に絡まれてただろうからね」 幼「人数増えるのに絡まれる確率上がるのかよ」 俺「弱点が増えるだけだからね。デメリットばっかでメリットなし」 幼「お前剣道やってたんだろ?」 俺「別に竹刀持ち歩かないし」 幼「警棒借りてガードすりゃ良いじゃん」 俺「いや、軽く小手とかしても手首の骨折っちゃうくらい剣道って威力あるからね。警棒だと危なっかしいよ」 幼「そうなんだ」 俺「うん、ホーリーランドでやってた」 幼「漫画じゃねーか!」 俺「あの漫画は剣道がすげー強いから好きだ。俺まで強いような気がしてくる」 幼「お前は確実に弱いよ」

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