2004年12月02日 MYTH 旅日記その6


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見ていた夢はガジョル渡河攻防戦の最前線の様だ。
最初に目にしたのは、水面に映った剣と盾を持って湿原を進む自分の姿だった。
粘りつく地面をかき分ける様にして前へ進んでゆく自分の足。
波紋で歪む自分の鏡像。
周りには自分と同じ格好をした兵士たちが黙々と歩いている。
少し離れたところを同盟軍のfir'Bolg兵たち。
ひょこひょこと子供の様に小走りで進むドワーフ。
前方からすえた臭いと暗雲。
後方からは隙あらば襲おうと後をつけているグールたち。
隊長が叫ぶ。
「早く援護に行かないと戦線が持たない、急ぐぞ」
足の遅いドワーフたちが爆薬を濡らさない様にするため、進む速度が遅くなっている。
「雨が降りそうだ、やばいな・・・」
隣を歩いていたドワーフがそうつぶやいていた。

雨が降り、ぬかるみに変わった前哨陣地が目の前に広がっている。
周りには味方の死体とおびただしい数の投げ槍。
気が狂った様に前方に向けて矢を放っているfir'Bolgの兵士。
雨で不発になった火炎瓶がそこかしこに散らばり、その周りには火炎瓶を投げた本人のものであろうバラバラの肢体。
自軍の兵力は1/3程に減っている。残りも無傷のものは誰もいない。自分も左肩に槍が刺さったのか、じくじくした痛みを抱えていた。
「来たぞ」
斥候が川岸から戻ってきてそう叫んだ。
黒い闇が広がっていく様にソラルの大群が河面から姿を表し、ゆっくりと、そして着実に近づいてくる。
「いいか、十分に引きつけてからたたけ!」
ソウルレスの毒槍で串刺しになった隊長の代わりに指揮を採っていたジャーニーマンがかすれた声で命令を下す。
毒によってボロボロに腐食し、何の役にも立たなくなった鉄板が彼の身体からカランと音を立てて外れた。
人間相手なら1発で仕留められるのに、アンデッドではfir'Bolg部隊の弓矢でも簡単に倒れない。
敵を2〜3体斃している間にドワーフの攻撃範囲に進んできた。
火炎瓶を投げるが雨のためほとんどが不発だ。
囮として1人のウォリアーが陣地から出て行くが、その囮で稼げる時間はほんのわずかだった。
暗闇の向こうから悲痛な叫び声と金属のぶつかり合う音が聞こえた。
ソラルは向きを変え、こちらに向かってくる。
河の上をゆらゆらとソウルレスが進んできたのを見、fir'Bolg兵は弓を射る相手を変えた。
これからは我々の仕事だ。全員剣を抜き、盾を構えて陣形を整えた。

何人何十人とソラルを切ったために血糊がつき、切れ味も鈍った剣はすでに「切る」道具ではなく「たたく」道具に変わってしまっていた。
3度敵を撃退したところまでは憶えている。
その後何度撃退したのだろうか。
そのたびに味方が少なくなっていき、その分敵の攻撃も激しくなっていった。
新たなソラルの波状攻撃。
これ以上の戦いは不可能に近かった。
だが敵が陣地にはい上がって来た瞬間、一発の火炎瓶が今まで不発だった火炎瓶を誘爆させて敵を一掃してしまった。
一瞬の轟音の後、味方数人をも巻き込んだ爆発だったが、敵を撃退したのだ。
ドワーフが金切り声を上げて発狂した様にわめいていた。
fir'Bolg兵は爆発で生き残ったソラルを確実に仕留めていく。
陣地に進入した敵は我々ウォリアーが掃討していく。雨霞と血煙、爆発の噴煙が戦場の霧となって周囲がよくわからない。
だれかが「撃退したぞ」とわめいているのを聞き、放心状態になって盾を地面に突き刺し、そこにもたれかかった。
終わったのだ。
臨時指揮官のジャーニーマンがドワーフを治療している。
ソウルレスの槍で傷ついた部分は膿を持ってひどい臭いを発する。
戦場自体が嫌な臭いだ。
だがその臭いとはまた違う腐った臭いがした。
その臭いに気づいた時は既に遅かった。
振り向いた時、視界に入ったのは手にナイフを持ち、よたよたと近づいてくる奴だった。
逃げ出すだけの時間がない。
最後に見たのは奴が自分の胸にナイフを突き立てる瞬間だった。
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