経験値配分は、パーティー全体に対して一定量が与えられ、それを協議の上で各々に割り振る、というルールにする場合、
 与えられた経験値を人数で割り、余剰分は活躍したPCに与えられる、という図式になるであろうことはありありと見て取れる。
 実際、わしが行ったアリアンロッドとかダブルクロスなどで、「シナリオに貢献した云々」にチェックがつかなかったPCを見たためしが無い。

 ぶっちゃけ、特定のPLが他の参加者の不興を買ったとしても、よほどの場合でないかぎり、なぁなぁで済ましてしまうのは、TRPGが調和を重んじるゲームであることからも仕方ないことである。

 そこで思い至ったのが、女神転生TRPG。
 あれは、経験値を、ロウ、カオス、ニュートラル、グッド、イーヴィル、ヒーホーといった項目に入れる仕組みをとっており、しかも卓を囲んだPLたちが、挙手を行って経験値の算出を行う方式である。

 同じように、経験値を「経験値」ではなく、「経験値/種類」としてみてはどうか、と考えてみた。

「あなたは、他の人たちからはこういう行動をしている、と見られているんですよ」というのを、この「経験値/種類」で表現して、PLに態度の改善を図れるようなルールにできれば、最善。
 ビバの、人間と魔獣に経験点が入る仕組みを取り入れるとうまくいきそう。
 ビバの場合は、良いロールプレイをしていれば人間用、悪いロールプレイをしていれば魔獣用なかんじの区切りだったけれど、
 そこで、プレイスタイルを大別し、、どういったロールプレイをしていたかによって経験値を与える、という方法をとる。
 得た経験値によって、成長できる分野を限定すれば、より積極的に、PLにロールプレイの改善を、求められる... かな?

 別のシステム用に考えついたネタだけど、「勲章」と「トロフィー」で経験点を管理する、という手法を思い立った。
  • 「勲章」は、セッション終了の証に、PCに対して与えられる称号。ひとつひとつ異なる。
  • 「トロフィー」は、セッション終了後に、プレイヤー同士で協議して配布しあうプレイヤー経験点。まとめていくらで計算。

 トロフィーが、後に残る形ではないけれど「経験点/種別」の特徴を体現できていると思う。これは元々、FEARの「それじゃぁよくできましたので皆さんに」な出来レース経験点への反目から生み出したもの。トロフィーの数までしか経験点は無いので、自ずと各PCに割り振られる経験点には差が生まれる。
 勲章は、どうかなぁ。元ネタがCWだから、ファンタジー系RPGを念頭に入れていたけれど、「勲章」自体はロボゲーに合う響きではあるねぇ。

'14.1
 上記案は、PA以外のシステムに採用することも念頭に置いたアイデアであるが、先日、キャンペーンを遊んでいた友人が、キャンペーンの回数を徒に増やし過ぎたせいで、PCが強力になりすぎて苦労した、という話しを聞き、改めて「勲章」を、名声点のような意味合いを含めて採用してはどうだろう、と考えた。

 カンパニーへの経験値は、すべて「勲章」とし、セッション終了時に、シナリオ上で設定した条件をクリアした証として勲章を与える。
 各勲章には、具体的な経験点(名声点)が存在し、カンパニーは、この経験点を消費して、規模の拡張を行う(ボードゲームの要素を取り入れ、経験点にも種類を設ける予定)
 勲章が増えたり、名声点の総計によって、自動的にカンパニーの規模が格上げされるので、PCは、いつまでも身軽な小企業勤めではいられなくなる。
 これにより、強さに伴う責任が発生し、「強いのに場末」といったちぐはぐな環境でのセッションを抑制できる。
 強力になりすぎたカンパニーで、キャンペーンを続ける際の意識改革、ないし、手に余るカンパニーで遊び続けることを消極的に押しとどめる役割が担えるものと思う。

 最近では、まよきん、S=W2,0、グランクレストなど、やはりPAと同じく、共同体を扱うTRPGでは多く採用されている仕組みなので、(ただ、他のTRPGでは、規模を大きくするのは選択肢であり、「強いけど弱小のまま」がありえる)PAでも積極的に採用して行きたい。

 トロフィーは、「~したで賞」を複数用意し、それを割り振る、としたい。
 他のTRPGとの違いは、ひとつのトロフィーは、一人しか得られない、とすること。
 となると、最大PL6人で遊ぶゲームだと仮定して、トロフィーは7個以上必要か...? 極力均等では無くしたい(それによって、個々が、他のPLよりも頑張ろう、という意欲を引き出したい)が、全員がトロフィーを最低ひとつは入手できるようにしないと、経験値を得られない人が出てくることになる。
 ...PC向け経験点については、もう少し別の入手方法を考えた方が良いな。トロフィーという考え方は諦めて、メガテン系の評価型に落ち着くべきだろうか? 勲章とトロフィーは、できれば対比で両方採用したいんだけどなぁ。

'21.8
 アイデアの追加ではないが、一筆。
 この記事を作成した頃は、F.E.A.Rの作品でよく見られる「セッションに成功した_1点」といった、項目形式のプレイヤー経験点について、あまり評価していなかった。ごくごく当たり前の内容をいちいち経験値化するということに批判的だった。
 ただ、よくよく考えてみる。ごくごく当たり前の内容をいちいち経験値化しているのは、毎回その当たり前の事柄が、実践できていたかの確認作業なのである。
 中にはセッション途中で寝落ちしたり、最初から卓を破壊する目的で参加する人間もいる。(経験したことがある)
 そういった事項を、毎回の確認事項によって回避することは、とても重要。基本的事項の確認は、一般社会のなかでも人的失敗を回避するために日常的に使用されている。

 既成のシステムを取捨選択するときには、そのシステムが成立した背景、担ってきた役割、副作用といったことをよく精査しよう、という反省。
最終更新:2021年08月02日 17:19