用語わすれたけど、事例をミニマルデザインにしていくことで、ブラッシュアップするみたいなー。そんなかんじのことを、ゲームシステムでやってみたい。
↑「オッカムの剃刀」という、カイゼン用語があるらしい。(わしの念頭にあったのは別のビジネス用語だけど... 思い出せない)


実際のところとしては、幾つかの、TRPGに必須と思われていたパラメーターを廃したシステムに感銘を受けたので、それらを統合してみたら、どうなるだろうか? という試みを行いたい。
以下は、とりあえずその草案。



1.能力値の簡素化について。

 エムブリヲマシンで感銘を受けたのが、クラスに類するパラを、そのまま能力値にした、というもの。筋力、知力では無く、ファイター、スカウト...という具合。
 でたとこサーガで感銘を受けたのは、スキルに類するパラだけで、判定値にしてしまったこと。能力値+スキルレベル=判定値ではなく、スキルレベル+スキルレベル=判定値。
 スキルやクラスの分類については、前にDXのエフェクト一覧を作成した資料から、効果ごとに作成すれば良いかと。基本は、「効果+対象+範囲」

 更に、でたとこサーガでは、フラグという、ヒーローポイントと、ファンブル値を兼ね備えた能力値がある。これをそのまま採用するのは、フラグの管理をする副次的パラが必要になるので、採用はしかねるが、一石二鳥の考え方は、参考にすべき。

 HP、MPを、行動力という数値に一本化してみる。という案。これにより、重要なのは、防御値(物理/エネルギー/精神/他? の分類を検討)と、スキルのコストという考え方になる。
 HP、MPを、バッドステータスに変換してみる。シャドウランの重軽傷のイメージ。でたとこサーガの烙印もそう。これがあれば、HP要らないんじゃない?という感想から。
 ダメージ管理案がふたつになったが、敵から受けたダメージ+スキルコストの合計が一定値以上だった場合、バッドステータスが加わる、というのはどうだろうか?←クリンナップフェイズを設けて、ダメージ合計の計算を行う必要が出てくるので、非推奨。
 バッドステータスは、判定値に影響を与えるもので、数を受け過ぎると、首が回らなくなり、判定基準値がマイナスになると、行動不能になる、という案。


2.判定の一石二鳥化について

 しょうてんの、誘い受け、流し、などの考え方は、とても戦略的で良いが、現在、能力値が不採用になるとしたら、これは使えない。
 そこで、攻撃スキルと同じスキルを持っているときのみ、回避ないし反撃ができる、という考え方をしてみるのはどうか?
 基本的に、PCの防御方法は、敵の攻撃を軽減する防御のみ。しかし、スキルで、敵の攻撃を1/0にする回避、更に、同一スキルによって反撃、という防御戦略をとれるようになる。

 更に、攻撃は、どんなスキルを使ってもよい、とする。敵を倒すのに、交渉スキルを使うこともあり得る、ということ。
 ただし、防御値に極端な差を設けることで、例えば雑魚的は殴るのが手っ取り早い、トカ、交渉不可の敵、などの違いを設ける。(この辺りは、サイコロフィクションが手本)

3.運用の自動化について

 Aマホや、でたとこサーガのように、目的を決め、その過程は、PLに考えてもらう、という方法は、TRPGの醍醐味である、協調行動がとりやすい良い仕組みだと思う。
 エンドブレイカーも、目的+手段+舞台を決めて、シナリオを作成する、という非常に簡素な方法の提案をしていた。シナリオに最低限必要なのは、シナリオの目的、目的を解決する段階、シナリオの舞台情報、以上、という、非常に簡素な意見。
 こういったものを活用した方が、シナリオクラフトのように、チャートを活用した、演出の押し付けでは無く、PLのアドリブ力を求めることで、より積極的な姿勢を引き出す良いアイデアになるのではなかろうか。

4.それでも入れたい個性について

 PC間交流を厚くする仕組みは、取り入れたい。
 考えているのは、ヒーローポイント、PC間コネクション、クエストを複合化した仕組みで、PCのクエストを、他のPCが参照しやすいような形式にしておき、そうした別のPCのクエストに関連する演出を行ったときに、ヒーローポイントが加算されるか、判定に修正が与えられる、という具合に、積極的に相手の物語を組み立てるような仕組みにする。
 クエストや、ロイスの活用を考えた際、より深く相手の懐に入った演出を行う支援システムはないか、と考えたときに発案したもの。

 でたとこクエストのアドリブ活用による、PC間の会話機会の向上、PCからの提案回数の向上を助長する仕組みは、大いに取り入れたい。
 しょうてんやシノビガミは、セッション中の調査対象が、PCやNPCの中にある、ことが最初に提示されるので、PC間交流が増える仕組みになっている。
 比べて、よくあるRPGでは、見えない目標を調査することから、GMからの探り出しが多くなっている。
 ということは、ラスボスや、ラスボスの情報を持っているNPCを、PCのスタート地点から見える構造上の場所に配置する、そういう仕組みが必要か。
  ↑ハンドアウトの活用。シナリオ上の要素を、ハンドアウト内に配置する仕組みを、より推し進めていくが吉?

5.ボードゲームのゲーム性に学びたい

 仲間のおかげで、ボードゲームを遊ぶ機会が増えたのだけれども、多くのボードゲームは、非常に単純なルールで、複雑な戦術性を体現している。
 2.の、一石二鳥を狙うものと重複する部分はあるが、バランスを考えたゲーム性で、単純な仕組みの中にも、戦術を組み込んだ仕組みにできれば吉。

以上を踏まえて、どのようなルールにするべきか。

1.能力値の簡素化について。

 能力値は、でたとこサーガと、エムブリヲマシンの簡素さを例に挙げたが、最も簡素化した形は、東京NOVAに始まった、スタイルの仕組みが良いと思える。
 初期能力値としては、スタイルを三枚用意し、同じスタイルを重ね取りした場合、その分野に秀でた才能がある、ものとする。

2.特技の簡素化について。

 特技は、多くのシステムで採用している、様々な強化要素のものは、すべて排除する。他のスタイルでは代用できず、かつその道に精通している人物のみが扱えるような類のもののみを、特技化する。数は、できれば6個以内に抑えたい。(トランプの絵札に対応させる考えもアリかな?)
 他に、システム上の不利な要素を、一部のスタイルのみが軽減できる、という扱いにしても良い。
 その上で、汎用が利く技は、行動オプションという考え方で扱うようにし、PLのアイデアを、行動オプションで補えるようデータを努力する。
 行動オプション、という細かい取組をせず、単にいいアイデアがあれば、判定値にボーナスをつける、不利な立場であればペナルティ、くらいでもいいかもしれない。

3.コストの簡素化について。

 HP、MPの統合は、必須項目とする。
 耐久値は、バッドステータスで管理。ただ、そうすると行動不能の処理が難しくなるが、行動不能も、バステのひとつにしてしまおうと思う。
 でたとこサーガのフラグは、とても良い仕組み。今システムでも、コストについては、フラグと同じ考え方をとってもいいかもしれない。
 そうすると、
 コスト廻りは、ヒーローポイント&ファンブル値、バステ&耐久値、の二つで収まる。

4.絆の処理をどうするか。

 絆系ルールは、セッションシートに書き込んで、参加者全員で参照できるような仕組みにしたい。イメージとしては、しょうてんのオーデ。
 いくつかのシステムで、相手への想い、相手からの関係をそれぞれレコードシートに記入するルールがあるが、これは、セッション中、全員が参照する紙に記載してしまうことで、共通化できる。という考え。
 更に、全員の目につく場所に置く事で、各々のドラマ展開を、其々のPLが配慮できるようになる強みがある。

5.行動順について。

 4の絆系を多く持つキャラが、行動順が遅くなる、というのを考えたが、さて、どうだろう? 特技で、行動順を早くできる、というカバーを入れる手はあるけれど。

 スタイルを重ね取りしている枚数が多いキャラが、優先的に行動する、という案もある。重ね取り=レベルが高い、という考え方。
 打撃と交渉を、戦闘の中では、同じ解決方法にしよう、という考えがあるのだが、重ね取り順というのは、これに合致させやすい。
 戦闘時に使いづらいスタイルは、待機させて、別のスタイルの補助にする、という案も良いと思う。
 たとえば、賽子を一つ増やせる、というメリットにすると、2D6を3回行えるキャラと、3D6を1回+2D61回のキャラ、4D61回のキャラ、という行動回数ができるが... バランスはどうなんだろな?

6.判定について。

 しょうてんの、スルー、ガード、カウンターという区別が吉だと思う。
 特技でカウンターができるようになり、相性の良い相手には、回避が可能。それ以外は、防御のみ選択可、というアイデアを抱いている。
 防御は、ダメージ減少(バステの軽減)、回避は、1/0の博打、カウンターは、居合ないしクロスカウンター。クロスカウンターのみにした方が良いかな?

7.アイテムの扱いについて。

 アイテム扱わない、という手もあるけれど。防御値にロザリオを使う、みたいなことはしたい。
 賽子数を増やすか、出目を増やすか、どちらへの修正にするか? という考えどころがあるが、出目への修正がFAかな。
 賽子数は、スタイルの重ね取りで増えるのが基本なので、能力的な優劣を表現する部分になる。
 なので、達成値へのボーナスという扱いの方が、区別しやすい。

∞.希望点

 絆系を、セッションシートに入れるなら、もうひとつかふたつ、セッションシートで管理するパラメーターを用意したい。
 イニシアティヴは絆系に含めるつもりでいるが、雰囲気ルール(オーデ)みたいなものも取り入れたいけれど、データは増やしたくないというジレンマがある。
 現在PCのパラメーターとして設定しているものの中で、どこまでセッションシートに移管できるか、考えたい。
 可能であれば、セッションシート=キャラクターシート。手元には、レコードシートのみ、的な状態にしたい考えがある。ウィッチクエストは良い手本。


能力値の設定について

 能力値=スタイル(ロール)は、近年専門用語化している、戦闘分担の用語から、まずは考えるべき。
 用語の分類を勉強してはいないけれど、自分の経験から言えるのは、

 アタッカー 攻撃専門職。ダメージの最適化の特技
 タンク   防御専門職。かばう、ダメージ軽減の特技。
 シューター 攻撃特殊職。後方からの攻撃や、範囲攻撃など。
 メイジ   汎用特殊職。世界観体現用
 ヒーラー  防御特殊職。回復、ダメージ軽減の特技。
 スカウト  探索専門職。探索系の特技。
 バフ    汎用特殊職。支援&妨害系の特技。
 ネゴ    探索専門職。交渉系の特技。バフに含まれるか?

 以上を、どのような配分でスタイルに落とし込むか。
 そのまま使うのも吉だが、だいたいにおいて、スタイル(ロール)には、世界観がそのまま落とし込まれている。東京NOVA、でたとこサーガ、そしてわしが昔作ったアローナンというデータもそう。


能力値と特技(1と2)の簡素化

 そもそも能力値を儲けず、特技のみにしてしまう、とどうなるだろうか?
 クトゥルフの印象に近くなるので、能力値では無く、特技パックの設置、という考え方になる。
 すると、上記分類が生きてくるし、汎用性も高まる。(というか、世界設定はスタイルの分類を増やすことで対処可能)

●枠組みが無くなることで、特技の取得の際、選択肢が膨大な数になる
●能力値を無くすことで、しょうてんで使われている、回避/防御/反撃のじゃんけん要素が扱えなくなる
●スタイルの重ね取りによる、判定値の変動も使えなくなる。ただ、これは特技で対応可能。

 この三点が難点。特に、簡素化を後退させてまで、二つ目の要素を組み込むことが、最終的な長所と考えられるかどうか。
 ...まぁ、簡素化が目的なんだから、この案は実行すべきなんだろうな。


※ちょっと一言。

 アナログゲーム、特にカードゲームを見ていて思ったのだけれど、簡素化ということでは、やはり東京NOVAクルードが一番なのかもしれない。
 ブレカナの、アルカナをスタイルに当てはめ、判定は、トランプか、ダイスを使う場合は、セイクリッドドラグーン(神我狩)のダイスプールを活用、という案。


'21.7

 瀧里フユ氏が動画で指摘していたこととして、わしがこのブログで行ってきていた、個々のルールからはじめて一つのシステムを完成させるのは、相当困難であり、(実際30年くらいやってるしな)テーマから掘り進んでいった方が、良いそうな。
 なので、それに倣って、上記案を取捨選別していこうかと。

  • スーパーロボット級とリアルロボット級が存在し、どちらもプレイヤーユニット可できる世界
 この骨子を成立させるためには、まずへクス戦闘ルールはとりあえずお預けにするのが吉。縮尺の違いは、ある程度概念化していかないと、ものすごい複雑化する。
 彼我の距離や、サイズ差を命中判定に取り入れる着想に関しても、変動値ではなく、常用値に組み込む。

  • アセンブルの楽しさを味わい、自分だけのオリジナルロボットを組む喜びに浸れるデータ
 と、言っても、そもそも「バトルテックは複雑でいやだ」というのが動機の根本にあるので、組み合わせの数は控えねばならない。
 以前は、取得できるパーツデータに【マニピュレーター】というのを考えていたこともあったが、これをアームパーツの特性(スキルなど)とする方が良さそうだ。
 外装の数はアーマードコアに準じるが、内装は外装のデータにある程度依存させる方式が現実的か。FCSは腕、ブースターは足のデータに内包する、と。
 ただ、ジェネレーターの出力が機体の概容を決める、というデータ構成には持って行きたい。。。

  • 老化した脳みそにもやさしい、可能な限り簡素な戦闘ルール
 とにかく参照する最終データの数は少なくすること。命中/ダメージと、回避or防御 だけにするのが理想。
 判定の回数は極力少なくすること。これについては、エネミーデータのMR(モンスターレート)化を進めた上で、賽子を振るのは、プレイヤーのみ、という構成にする。
 以上を踏まえた上で、戦術的な要素の強化を含めるために、エリア戦闘とZOC、支援砲撃兵と遊撃兵といった役割分担が発生する戦場ルールを検討する。

  • キャラクター交流を促進するシステムとしての、カンパニー(ギルドや王国的なもの)の導入
 カンパニーのルールは、複数人で動かすスーパー級ロボの実現にも応用できる(したい)
 また、ボードゲーム的な楽しさを導入するきっかけにもできそうである。より簡素化を目指す全体像の中でも、個性付けとして残しておきたい部分。
最終更新:2015年08月11日 02:08