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堀崎睦月‘S STORY 6 A cross is many secret thing

「ぐっ…。はれ?」
…俺は…おきたんだよな。俺は寝る前なにやってたんだっけ?
俺は見慣れた空間の中にいた。体には包帯が巻かれている。今はタンクトップと半ズボン姿だ。体を動かすと非常に痛い。俺は生きているらしい。そしてなぜか俺のベッドで寝ている。そしてなぜか布団が床に敷いてあり、中には
やはりというかなんと言うか、織口がいた。俺はとりあえず携帯を探した。俺のはなかったので織口のを借りることにした。織口は携帯をいつもバッグの中に入れていた。
バッグを探る← ピッ
がさごそ がさごそ てれれれーん 財布を手に入れた。
ふざけてる場合じゃない。
「携帯はどこだ?」
「はい。」
「うおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!」
「ふぇっ!!?」
織口起きてたのか…。驚かせないでくれ。
そして俺は携帯を見る。なんだ5月1日じゃないか。
うん?どうした織口?目を真っ赤にして。
「これ?昨日ぜんぜん寝れなかったからかな。」
あ、そうだ!あいつはどうした!?あの人型のモンスター!?俺記憶にねーんだよ!教えてくれ!?
「昨日ね、睦月が一人で残ったあとにね、大きな爆発があってそこに行ったらね、
あんたが四角い氷の中で血まみれになっててそこにね、『また来る。首を洗って待ってろ』って彫ってあったの。」
そうか、それはひどいもん見せちまったな。想像しただけでも…うぐっ!
と、いうことは結局のところ俺はあいつを倒せなかったのか。
「それでね、楓が急いで氷を溶かしてね、黒スーツの人が睦月の傷をふさいだの。」
その傷はどこにあるんだ?
「背中。そういえば睦月も十字架持ってたんだね。それのおかげで君は真っ二つにならなかったんだよ?」
俺は織口に写真を撮ってもらって自分の背中を見た。愕然とした。
「ひでぇな…。」
俺の背中には左肩から右わき腹にかけて深い傷がついていた。背骨の所も切れているはずなのだが、
どうしてだろう傷一つ見当たらない。
「背骨の所には傷が見当たらないんだがどういうことだ?」
「それはね、睦月を見つけたときに睦月の青い十字架が背骨のとこにあったの。
 多分私はその十字架が睦月を守ったと思うの。」
俺はその後、背中の傷は2、3日で消えるといわれ安堵したあと、十字架を買った店に行った。
「…引越か…?」
「ここにあったの?」
元々ここには何もなかったかのような空き地が俺の眼前に広がっている。
「なんかいわくがありそうなネックレスね…」
まあ、俺の命を救ったんだ。晩飯と、2500円なら安いもんだろう。
そして俺は傷が治り次第、その日に俺たち、俺、織口、音咲、楓さん4人は学校の屋上に来いと司令が来た。
結局俺はその日一歩も外に出してもらえず、監禁された人の気持ちが少しわかった。
で、次の日傷の直りが早かったために修行だと言われて河川敷で
「基礎体力が一番大事なんだからねっ!」
結局俺は走らされ続け、膨大な疲れを残したまま布団に入った。いや、倒れた。
織口はベッドでちゃんと寝ていた。はずだ。
それというのも織口は俺が目を覚ますと既に起きていて朝飯を作り終えているという律儀なことをしているからであって、おかげで確証を持っていえない。
水曜日である。執筆者も少し前を読み返さなければ計算できなかったが。
よって普通に授業はある。昨日は開校記念日であった。
いつもの通り授業を聞き流し―を疲れた俺の体が維持できるはずもなく俺の体は人畜無害な妄想の世界へと意識をいざなった。…織口は起きてたようだが。
さて放課後である。俺は昼飯を食べることもなく過ごした為、俺は夕飯を食っている。弁当を空にする作業を見ていた織口はおいしい?と聞いてきた。
「こういう感想は普通は自分が作ったものの感想を聞くべきだろう?」
「なら作ってあげよっか?」
俺は織口を華麗にスルーし、屋上へと向かった。
屋上には誰もいなかった。また、指令も何もなかった。
「どうしたの?」
ああ、織口か―って違う。こいつは誰だ。
声も容姿も織口に似ているこいつは違和感があった。そう考えていると上から封筒が落ちてきて中には
そいつを倒せ。倒さなければ世界は崩壊する。とだけ書かれていた。
おい待て。唐突過ぎるだろ。こんなに唐突だったら信長が怒るぞ。
ああ、信長の気持ちが少しわかった。これ以上わかろうとは思わないがな。

倒せってことはとりあえずモンスターな訳だが、俺にそんな割り切る心があると思うなよ?
こういうときよくあるのが『俺はどっちの命も選べない!可能性があるのなら両方助ける!』みたいなことで済ませる。
が出来たらな…。まあ俺には選べないわけだ。さてどうする、出来ることはいろいろある。例えば―
I can fly!!!!!!!!とか。あ、死ぬか。
「何難しい顔してんの?告白でもしようか迷ってるの?」
そうだな。迷ってる、告白について。多分これは出題者の望む答えを出さないとでれないんだろうな。
結局告白しなきゃならんのか。
はぁ…人生初めての告白が織口と世界を天秤に掛けたときの答えだなんて、どう道を踏み外したんだ俺は。
「悩んでるんだったらアドバイスしてあげよっか?」
アドバイス?親切な問題だな。
「自分の気持ちに素直になったほうがいいよ。」
予想された答えを返されたよ…。
「いい加減素直にならないと殺しちゃうよ?」
はいはい、もう少し待ってくれ…。殺す!?え?待て!
「うるさいっ!」
織口の放った光は俺の胴体の横をすり抜けて行った。本気だ。本気で織口は俺を殺そうとしている。
一閃、二閃と閃光がほとばしる。そのたびに俺の体から血が吹き出る。
「殺すなら一思いにって思わないのか?」
「ごめんね。なるべく長くやれって命令だから。」
そいつはよっぽどのサディストなんだな。
「どうしてもって言うなら止めをさしてあげてもいいよ。」
遠慮しておく。俺は他人につらい思いをさせるのは趣味じゃないんでな。
それに、俺に攻撃するときのこいつのつらそうな顔。
「俺の答えは決まった。目の前にいる奴一人救えないでどうして世界が救えるんだ。俺には目の前にいる奴だけでも守れる力が欲しい。その心を試す為のテストだろう?これは。」
視界が暗転する。俺以外の3人は既にそこにいて俺を待っていたようだ。待たせたな。
今までのは頭に送られた情報らしい。さっきのことは俺以外には伝わってしまったわけで。
「おあついですね。羨ましいですよ。」
「あら、織口さんに一本でしたか。」
「私のことそんな風に思ってたわけ?」
冷やかされた。その後はここに泊まるらしい。キャンプ用具1式揃ってたしな。全く、どんな学校だここは。
水曜日がそろそろ終わる頃、音咲が俺のところへ来て
「この前はどうも有り難うございました。正直僕はあなたがあいつを倒すものだと思ってたのですが違いましたね。
あの時はどうしようと思ってたんですか?」
あの時は…お前らを守りたかったしそれに、あそこに誰もいなくなったら他のSNN能力者が狙われるかもしれないだろ?俺は人を守りたかっただけだ。
「すごいですね。賞賛に値しますね。」
お前のその敬語のほうが賞賛に値すると思うがな。
「光栄です。あの時勝算はあったんですか?」
よくて同士討ちかと思ってたところだ。でもなんであの時あいつは俺を殺さなかったんだ?未だに尽きぬ疑問だ。
「あなたの命を救った十字架を貸してもらえませんか?」
それぐらい別にいいだろう。
しばらく音咲は十字架に色々していたようだったが諦めたように、何の気配も感じませんね。といって俺に返した。
「もしかするとそれはあなたにしか効果を発揮しないのかもしれませんね。」
といったあと『入口に楓さんがいます。話をしてあげてください。』と言ってSNNで消えた。便利な奴だ。
「睦月くん…?話…聞いてくれない?」
「いいですよ。入ってください。」
楓さんは入ってきたあとおずおずと腰を下ろし、
「先日はどうも、ありがとうございました。ちゃんと約束も守っていただけましたしね。」
楓さんは俺が何をするか知ってたんですよね?
「知ってました。でも私は止められるだけの力がなかった。なら応援をと思っただけです。」
「何で音咲にしても楓さんにしても知り合って日が無いのにそんなに心配してくださるんですか?」
楓さんは少し考えた後
「人が人を好きになるのに時間は要りますか?」
と聞いてきた。俺は思わず飲んでいた缶コーヒーをぶち撒けるところだった。
「もちろん、Likeのほうでですが。勘違いされましたか?」
するだろうね。俺もこんなことは2回目なのにまだ慣れないね。
「織口さんはあなたが起きたとき目を真っ赤にしてましたよね?」
はい、確かしてましたね。
「どう言ったかは知りませんが、あれはあなたが自分たちを守る為に大怪我をしたことについて、
自責の念、心配の念で泣いていたのです。多分一晩中。」
そう言って楓さんはどこかへ消えた。
俺は一人になった。さっき言われたとおり、十字架に色々してみる。
SNNエネルギーを籠めてみた。―変化無し。
十字架を氷漬けにしてみた。―変化無し。
十字架をプールのときより熱い温度で熱してみた。―変化無し。すげえなこれ。
「俺も寝るか。」
そう言ってテントに向かう。音咲が外で寝袋にくるまって寝ていた。そういうことか。
俺も寝袋にくるまって寝た。俺も女に生まれたらテントの中にいたのかな…?いねぇな。

翌日、俺は真っ白い空間にいた。
「どこだここは。」
声に出す。俺も起きたときはパニくったが意識がハッキリした今は冷静だ。
俺はしばらく歩いてみる。が、全てが真っ白なので影も真っ白だ。おかげで床があるのかも実感が涌かない。
ガンッ!
壁にぶつかったようだ。鼻が痛い。マジで痛い。
「ここはどうなってんだ?」
「知りたいか?」
俺は今、初めて背筋がぞっとする思いをした。
「そんなに驚くなよ。前にも会っただろ?」
俺がもう二度と会いたくないやつランキング1位のやつが現れた。
―アルガエス―だったっけ?
「俺はお前を殺しにきた。それだけ言えばいいよな?」
俺は反射的に逃げる。俺はまだ死ぬつもりは無い。ここには俺しかいないらしいしな。
「お前が逃げると仲間が苦しむぜ?」
は?俺は振り向く。
「織口に楓さん。音咲まで!?」
俺以外のやつらが皆いた。だが、そいつらは起きているのだが、目に生気が無い。
「お前の仕業なのか?」
「…突き詰めればそうなるが…。こいつらが苦しむのは自分の心の弱さのせいだな。」
俺はどうしたらいいんだ?
「お前は俺と戦えばいいんだ。」
「わかった。いいだろう。俺が逃げるようなことになったら…そいつらを殺すのか?」
「お前が逃げることすらできないんだけどな。」
俺はあいつの下から氷の槍を突き出した。
ガシャン
「こりゃなんだ?」
まるで効いてない。俺の攻撃じゃ倒せないのか?
「お前、やる気あんのか?」
そう言った瞬間、あいつは消えた。この前も同じことをやってきたってのに。
俺は瞬間的に伏せる。そして振り向きざまに手をかざす。
「やってみろよ。俺にそれをやってみろよ?」
俺はアルガエスを内部から凍らせた。完璧に凍ったはずだ。
「勝ったのか?」
声に出す。俺は皆のもとに行く。
「やったね!倒したんだね!」
「すごいですよ!僕たちじゃ歯が立たなかったのに!」
「あなたはいつの間にそこまで強くなったんですか?」
三者三様の労いの言葉だ。俺は油断しきっていた。
「そこまで強いと嫉妬しちゃうよ!」
「そうですね、僕もですよ。」
「同感ですね。」
「なら殺しちゃいますか?」
「それもいいかもねっ!」
「賛成です。」
は?マジですか?
俺の腹に冷たい感触ができた。俺はそこに手をあてる。なにか、鋭いもの。それが俺の腹に―
「うぐっ…。な…にす…んだよ…。」
俺は痛みを堪えながら必死に聞く。
「俺の名前の意味、覚えてるか?」
アルガエス?なんでこいつが…。
「俺の名前の意味は悪夢だって言ったはずだぜ?」
痛みが薄れていく。腹にはまだ鋭いものが刺さっているが不思議と痛みは無い。
俺は…もうすぐ死ぬのだろうか。
「とりあえず、お前には死んでもらわなきゃいけないからな。とりあえず死んどけ。」
もう…死んだな。マジでこりゃくたばったな…。まだやりたいことはあったけどな…。まあ、運命か…。
『それでいいの?』
織口の幻聴まで聞こえてきた…。もうダメだろうな…。人間的にも…。
『このまま死んでいいの?』
いや…死にたくないに決まってるだろ…。
『じゃあ諦めちゃダメだよ!』
俺の脳裏に今までの思い出が走馬灯のように駆け巡る。ああ、今までいいことが多かったな…。
『そのいいことを死んだら味わえないんだよ?』
…そうだな。なあ、もう…3秒はたってないか?
『十字架に強くなりたいって願ってみて!そうしたらこれからも一緒に―』
途中で途切れた。
俺は強く、強く願った。目の前のこいつより強くなりたいと。
その刹那、俺の胸の辺りから鋭い、そして青白い剣が突き出た。俺…死んだのか?
アルガエスは大きく飛びのく。俺は胸の辺りを見てみる。
「十字架?十字架が剣に?」
十字架が剣になっていた。触るとひんやり冷たい。一瞬、氷じゃないかと疑ったが、違うようだ。






番外編 4と5の間   THE HAPPY OF ONE DAY DON`T YOU?

珍しく俺の携帯がなる。でない理由も無いので、俺は電話に出た。
「誰だ?」
いささか失礼だが俺の電話番号を知っているものは5人だし、その誰も非通知ではかけてこない。
因みに知ってる奴は母、父、妹、哉基(中学時代の同級生。腐れ縁)、織口だけだ。
「今日午後2時、駅前の山本ベーカリーに来い。」
切れた。なんて失礼なやつだ。俺より失礼な奴がいたとは思いもしなかった。
ピルルルルルルル
携帯がまたなった。また非通知だ。
「はい。どなたですか?」
俺はなるべく長く話をしようとした。
「織口七恵と二人で来い。」
切れた。ああ、なんでまた気持ち悪い電話をかけられなきゃいけないんだ。ああ、神よ、我を救いたまえ。
「君が電話?珍しいね。誰からだったの?」
「多分…SNN関係者…。」
ああ、わかってたさ。あのプールの選択のときにもうわかってたんだ。わかってても嫌なことがあるだろう?
例えば―毎週の校長の長話とか。別に校長と親しいわけじゃないから注意すら出来ない。理不尽じゃないか?
「電話で指令なんて珍しいね。まあとりあえずそこにいこうよ。」
「待て。お前は今何時かわかってて言ってるのか?」
「午前9時11分だけどそれがどうしたの?」
どうしたの?じゃねえよ。あと5時間も外にいてどうするんだと聞いてるんだ。
「そうだったの?あと5時間あれば買い物とか色々できるし、それにずっとここにいたら腐っちゃうよ?」
お前は俺の部屋のこの惨状の上に一体何を買うって言うんだ?それと腐りそうならお前でてけよ。
「冷たいなぁ。さ、行こう?」
俺だって残りたいわけじゃない。確かに俺の家は汚い。それは全て織口の買ってきたもののせいだ。
1Kの部屋にとってこれはきついものであり、同時に片付けるのも面倒だからな。
そんなわけで俺たちは街に繰り出した。
「なに買おうか?」
「頼むから何も買わないでくれ。」
織口は不満そうだったがしぶしぶ従った。こいつにも俺の部屋を汚す自覚はあったようだ。
「明日片づけしましょ。」
…自覚はあったがなぜかそのとばっちりは俺に飛んでくるようだ。
「拒否権は?」
「拒否権も何も睦月の部屋を片付けるんだから睦月がやらないわけにはいかないわよ!」
前言撤回。こいつは俺が部屋を汚したと思ってるようだ。もう呆れたとしかいえない。
が、このやり取りは痴話げんかのように通行人に見られたらしく、通る人が皆ほほえましそうな目で俺を見てきた。
なんで俺ばっかこんな目に…。織口は顔を赤くしていた。多分俺も赤い。
結局1時には俺の右手にはレジ袋が握られることとなった。ああ、かっこわりい。
2時山本ベーカリーの前にいる。山本ベーカリーは支店などは無いから駅前と言わなくてもわかるはずなのだが。
まあいいだろう。
すげえいいにおいがする…。
「…おなかすかない?」
このパターンは俺の奢りパターン!最悪だ!お前は俺のアパート生活を終わらせたいのか!?
「なんか買ってきてあげよっか?」
は?大丈夫かお前?
「いらないならいいんだよ?」
「いや、買ってきてくれ。種類は何でもいいからな。」
織口は店の中に入って行った。なに買ってくるかな…。いかんいかん。煩悩を消さねば。
織口が店の中に入って1分、俺のところに男女の二人組みが近づいてきた。見た所、高校生のようだ。
「君が堀崎君かい?」
俺の名前を開口1番に持ってきやがった。動揺するな俺。BE COOL BE COOLだ。
「ああ、お前たちは何者だ?」
男女の二人組みは少し考えているようだ。ああ、それにしてもこいつらのルックスのよさ。俺が哀れだね。
男のほうはモカブラウンの髪で短いのだがなかなか決まっている。顔立ちは整形でもしたんじゃないかと思うほどいい。身長は高く、足は長い。
女のほうは黒髪で正統派のストレートだ。顔立ちはやはりいい。だが俺にとっては異性なので見ていると癒される。
異性じゃなかったら羨望と憎悪のまなざしを贈呈したけどな。
二人とも格好は街に来るような格好だ。ああ、センスもいい。
「私たちは能力者です。もう一人の方がいませんがどちらに?」
俺はパン屋の中を指差した。納得した様子だ。
「あとで今からする話を伝えておいて下さいね。改めて言います。私たちは能力者であなたと同じ高校の1年A組にいる者です。実は今日私の携帯にここに来るように言われたのですが…その様子だとあなたも同じようですね。」
この人は鋭いな。あ、名前聞かなきゃ。
「私は観奈原 楓です以後お見知りおきを。」
「音咲 秀です。」
言われた。まあいいそんなことは。
「なんで一介の一生徒の音咲でいいか?は俺のことを知ってるんだ?」
「あなたは前にSNNバトルをしてましたよね?あのときですよ。」
お前はいなかった気がするんだが…。動揺してたからかな。
とりあえずどっか落ち着けるところに行こうとしたら
「いえ、遠慮しておきます。今日は指令が来ていましてね。見に来ますか?能力も教えられますし。」
俺がどうしようかと考えていると織口がアツアツのカレーパンとシュークリームを買ってきてカレーパンを俺に渡した。
あちっ。紙袋とかないか織口?マジで熱いんだが。
「ないよ。ところでこの人たちは?司令官だったりするの?」
司令官じゃなくて1年の能力者だ。なんだその明らかにしらけたみたいな顔は。
「この人たちも俺たちと同じようなものが来ていたそうなんだ。それで、一緒に話そうと思ったんだが、指令がきてるらしいんだ。なあ織口行くか?」
「もちろん行くわよ!」
指定された時間に既になっていて、織口の能力で行った。便利だな、おい。
二人の戦いは完璧だった。音咲のほうは戦いに適した能力ではないようだった。
楓さんのほうは見たまんま炎で攻撃力が高そうだった。
モンスターは4体出ていてそれらはバラバラに突っ込んできた。
音咲がバラバラに突っ込んできた奴を全て穴にいれ、ある一点に戻した。変な能力だ。
楓さんは炎を体から拡散させるように出した。
そしてその全てを音咲の能力が捕まえて、モンスターに包み込むように放った。カレーパンをまだ食っていた俺は間抜け面で突っ立っていた。
「僕の能力は説明しないとわかりにくいんですよ。僕のは空間を操るんです。ちょうどマジックシリンダーのように。」
「私のは説明するまでもありませんね。」
「こっちの説明はいるか?」
「いえ、いいです。」
それからの俺たちは電話番号教えたり、メールアドレス教えたり、だらけきっていたと思う。
夜である。織口は睡眠薬でも盛ったように寝ている。俺?何もして無いぞ?そんなことしてみろ、俺は川を渡ることになる。ほんと可愛い奴だな。日ごろの恨みを晴らしてやる。ほっぺをつつく―
アイワズメイドヒットインアメリカ~!
「うおおおおっ!!!!!?」
…なんだ着メロか…。織口は…寝てるな。まあでるか。
「はい、なんでしょう楓さん?」
今かけてきたのが音咲であろうものなら俺はうなずくことしかしないだろう。
まあこんな夜中に楓さんの声が聞けるんだからよしとしよう。
「夜中にすいません。でも指令ですから許してくださいね♪」
うぅ。可愛い。もしかして楓さんファンクラブでもあるんじゃないのか?
「指令ってなんですか?こんな夜中に働かせるなんて俺は馬車馬じゃないのですがね。」
気づいたら愚痴をこぼしていた。やばい。盗聴されてたら俺は楓さんファンクラブに殺されてしまうのではないか?
「はい、非常に申し訳ないのですが今からできるだけ早く学校の門に来てくれませんか?」
わかりました。と伝えて交信終了。織口め運のいい奴だ、仕返しはまた今度だ。
どうやら指令は俺と楓さんに出されたものらしい。さっさと終わらせないと明日も睡眠学習になる。
俺は言われてから4分で来た。夜空に氷のそりが今も走っているだろう。
「来てくれてありがとう。ここで私がモンスターだといったらどうしますか?」
「そんな冗談止めてくださいよ。楓さんがモンスター?ありえませんね。」
門に着くなり楓さんの奇襲を受けたが軽くスルーする。ごめんなさい、スルーして。
「まあいいでしょう。あなたには今選ぶべきことがあります。」
選ぶべきこと?
「あなたは先日織口七恵のパートナーとなりました。そのときは理不尽な選択でパートナーになられましたね?」
その通りです楓さん。
「あなたの力はこの世界にとって非常に有益であることもわかりました。」
そうですね。2位だからすごいんでしょうね。
「そしてあなたがモンスターに寝返ったら非常に危険だと上の方々は考えました。上の方にも色々いて、
モンスターとの共存を目指す少数の穏健派。モンスターの殲滅はその他が全て望んでいます。
そしてその内の有力な派閥があなたの処分を決定しました。」
処分?決定?もしそうなら…。
俺は反射的に後ろに飛びのいた。
「そういう話をしに来たわけじゃないんです。織口さんはのお父様方は穏健派の人でそのお父様が色々と便宜をはかってくれたんです。」
「織口の父親が…?その便宜で俺はどうなるんですか?」
「チャンスが与えられました。1度きりの。」
チャンス?一体なんだそれは?
「あなたに今から将来を選んでもらいます。そのために2択の質問を用意しました。」
その質問で嫌だと答えたらどうなるんです?
「あなたのSNNに関する記憶は全て消えます。能力はわかりませんが、とりあえず思い出すことは無いでしょう。」
「いいでしょう。質問に答えます。」
どんな質問が来る?
「あなたの始めての戦闘のときあなたは織口さんを守りたいと思った。それは織口さんだったからですか?
あなたの知らない所で今も人が襲われている。そう教えられたらあなたはその人を全身全霊で助けますか?
もしあなたが織口さんと一緒に居たいから、関係を持って居たいから。等とお考えなら能力は剥奪します。
そんな腑抜けた理由で能力を持ってもらっても困るんです!そんな人ならこの世をどうこうできる力は持っちゃいけないんです!」
俺は質問に対する答えを考えるのに必死だった。だが頭がよかろうがすぐに答えは浮かばない。
「答えは月曜日でもいいですよ。私も思いつき程度の答えを聞いてあなたの能力が消えるのは嫌ですからね。」
ああ、癒し効果たっぷりのはずの楓ボイスが黒く聞こえる。精神的にきついものがあるね。
今日は土曜日。俺はそのせいもあってか一度も寝なかった。どう答えを出そうか朝になるまで考えていた。
朝になって織口が俺に、何かあったの?と聞いてきたから
「織口。お前はなんで指令を受けてモンスターを倒したりしているんだ?」
「なんでだろうね~。」
織口は少し考えた後
「やっぱやれることはやっておきたいじゃん!」
と言った。
そうか、ありがとう。参考になったぜ。
「なあ織口。今日俺はどうしても一人でやらなきゃいけないことがあるのだが、いいか?」
「別にいいけど。指令がきたら電話するからね。」
そのあと俺は音咲に電話をした。音咲の返事はOKとのことで、俺の家の玄関で待っていてくれと言われた。
3秒後に音咲は来た。俺は音咲に公園に向かいながら訊ねた。
「なあ、音咲。」
「なんでしょう?」
「お前が指令を実行するのはどんな理由があるからだ?」
音咲は公園に着くまで考えていたようだ。
公園に着くと
「今は、大切な人が能力者で、その人が皆を守ることを望んでいるからですね。」
そうか、ありがとう。大いに参考になった。
「もしかして聞きたいことはそれだけですか?」
「あ、やっぱだめか?」
「別にいいですけどね。どうせ今日は暇でしたしね。」
なんでだ?お前くらいの容姿ならもう彼女くらいいるんじゃないのかと思っていたが。
「僕は仕事が忙しいんですよ。それにね…。いえ、いいでしょう。すいません。しんみりしちゃって。」
いや、別にいい。むしろこっちが悪い。俺はその理由をお前が話したくなるときまで待つ。そのとき俺が聞くかどうかは別だがな。
「ありがとうございます。僕の家に来ませんか?僕も一人暮らしなので気軽にいらしてくださって結構ですよ。」
「じゃあ行かせてくれ。興味はあるからな。」
こいつの家は立派なマンションだった。セキュリティーがしっかりしていて緊張を覚えた。
ここです。と言われてきたのは302号室だ。音咲が鍵を開け、中に入った。
「広いな。それにきれいだ。男の住んでる部屋かここは?」
音咲の家は俺の家の3倍はあり、部屋は2部屋ある。そして床には何も転がってなく、ちゃんと整理されている。
「とりあえずここに座ってください。今、茶菓子を持ってきます。」
音咲はそう言ってキッチンに消えた。持ってきたのは煎餅、グリーンティーだ。
「なんでお前は同い年なのに敬語を使うんだ?」
音咲は困ったような顔をした後
「なるべく言いたくなかったんですが、あなただけですよ?僕は高校に入るまで家を継ぐために育てられてました。
そのために礼儀作法勉学経済など多数にわたって英才教育を受けました。その結果染み付いて癖になってしまったんです。家のことはまだ聞かないで下さい。」
そうだったのか。ごめんな。
「そんなことよりもゲームしませんか?こんなことをしてても退屈でしょう?」
そう言って音咲が持ってきたのはなぜか、オセロだった。新品だった。
「僕もやるんですけどね、引っ越してきたばかりでは友達も出来ませんしやる機会がなくて困ってたんですよ。」
わかったいいだろう。
「賭けないか?」
「何をですか?」
「次何かを買うときの奢り。」
「いいですね。多分喫茶店一食分だと思いますけどね。」
俺と音咲はオセロを始めた。新品の音はいい。なんかこう、すがすがしい。
勝負が終わったあとの盤上は黒と白の同点だった。
「引き分けだったな。」
「そうですね。では割り勘でお願いします。」
そうだな。あ、気づいたことが有った。
「お前晩飯どうするんだ?」
「弁当を買いますけどそれが何か?」
「お前の力で楓さんと織口を連れてこれるか?」
「はい。ですがそんな人数でどうするんですか?」
「俺が作ってやるよ。」
音咲が正気ですか?と聞いてきたのが腹が立ったがそれを抑えて分担をした。
「音咲は楓さんと織口をここに連れて来てくれ。俺はその間に料理をするから。」
「材料は冷蔵庫に有りますが…やはり…食べれますよね?」
俺は鼻から水をSNNで流し込んでやった。苦しむがいいさ。
「わかりました。期待しておきます。楓さんはすぐにこれると思いますが織口さんは僕が迎えに行きます。」
では。と言って、でていった。会って二日の人間をそこまで信用するか?と聞きたいが嬉しいので不問にする。
冷蔵庫には色々会った。だがそのほとんどが冷凍食品だった。
俺は肉INピーマンとドライカレーを作ろうとした。
まずピーマンを切る。包丁を使うことなど容易いのだが刃物だから怖い。俺には曲芸は出来ないな。
「答えは出ましたか?」
は!?えっ!?ちょっと待ってください!?ってあれ、楓さんじゃないか。
「もう出ました。ですが明日まで待ってください。本当に後悔しないか考える時間をまだとって無いので。」
俺は精一杯の虚勢を張る。まだでてないけどな。
「そうですか。なら大丈夫そうですね。楽しみにしてますよ。」
何をですか?と聞きたいがそれはいけない気がした。
俺は調理に戻る。ピーマンはもう切った。次は肉の下味だ。
俺は醤油ベースのたれに肉を漬け込んだ。
さあ、ドライカレーだ。まず、ミンチを冷蔵庫からだし放置する。
人参やたまねぎ、グリーンピース、とうもろこしを取り出した。
たまねぎを炒める。俺はこの作業にこだわりを持っている。俺はこの作業に必ず1時間かける。強火でだ。
その間、俺はマジで集中する。勉強よりも集中する。マジで難しいが。
たまねぎはうまく炒められ、人参を細かく刻み、ミンチをカレー粉で炒め、それに付け足して他のを全部入れた。
ここまでは順調だ。あと米だが、SNNで炊くか。SNNで炊いた飯は特別うまいわけでもなく、普通の味だった。
ドライカレーは出来た。ピーマンの肉詰めは温かい方がいいだろう。
後は待つだけか…。と思ってキッチンを出たら揃ってた。
「出来た?」
織口だ。少しは音咲を見習え。
「何言ってるの?独り言?」
ぬかったぁぁ!!!今日は泊めてもらおうかな…。
「おいしいといいですね。」
「そうですね楓さん。」
俺は音咲に料理を運ばせた。俺は肉を焼かなきゃならんからな。
「「いただきます。」」    「おいしそう!」
音咲、楓さんペアである。 織口である。褒めてくれるのは良いんだが二人を見習え。
やはり料理は見た目がいいものは大体おいしいもので、絶賛された。なかなか嬉しかった。
その後皆が家に帰ったのは10時であった。俺と織口は音咲の能力で帰った。あ、靴忘れた。織口も?マジか。
月曜日
俺の体は二日連続の徹夜には耐えられないようで、俺は青春の1ページを睡眠学習で飾った。
放課後に楓さんに電話をした。答えを伝えたいと言ったら屋上に来てくださいといわれた。
ここだけだったら恋愛イベントに見えるんだが。な…。
俺は紳士的に歩いていった。そのとき既に楓さんはいて、俺を待っていた。
「答えを、お聞かせ下さい。」
俺は少し間を置いて
「わかりました。俺はこの世界の人を全て守るとは言わない。相手が襲われていても全力では助けないと思う。
でも俺は今やれることを全身全霊でやる!それじゃあだめですか?」
俺は審判のときを待つ。結局俺の出した答えは織口と同じだが、この目標には俺自身の意思もある。
これでだめだと言われたら俺は全身全霊で抵抗するね。
「まあ、今はいいでしょう。それでは能力者としての指令を全うする人生でいいですね?」
そんなことはもちろん、OKさ。じゃなけりゃ必死に考えるわけが無い。
なんたってもともとこの状態を維持できる答えを探してたんだからな。
多分今回のチャンスは俺以外の生徒にも行われたはずだ。多分ここで能力者を辞める奴がいるんだ。
巻き込まれたらすぐに、諦めろ。って格言を知らないのか。巻き込まれることが少ないんだがな。
「あなたが能力者を続ける答えを持ってきたことは私個人としても嬉しいんですよ。あと、今週の水曜日に私の家に来てくれますか?」
本当ですか?でも俺一人でですか?まあ、それでもいいかな…。…いや、いかんいかん!煩悩を消せ!
「もちろん、織口さんと一緒にですけどね。放課後になったら教室にいてください。私が迎えに行きますから。」
ああ、嬉しいことなのだが…。嫌な予感がするんだが…。まあいいだろう、気のせいだ。
「わかりました。楽しみに待っています。」