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ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい
ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい
ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい
ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい
ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい
ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい

その日、興宮に建てられた『雛見沢大災害慰霊碑』の前で、
巫女服姿の女性が、
数時間以上にわたって延々とごめんなさいを繰り返していた。






たたりころしへん、いりぃのばあい






前原圭一が、沙都子に橋から突き落とされた翌日、
たかのんは歓喜に震えていた。
「ついに、ついに私が神になるときが来た。
私は念願の神となる。ああ、なんて、心地よい日なのかしら。」
待ちに待った神となる日がやってきたのだから。

その、たかのんの後ろに、一人の男が現れた。
「そうですか、それは実に喜ばしいことです。
ですから、私もたかのんを神にしてさしあげましょう。」
声を掛けられたたかのんが振り向くと、
そこにいたのは、死んだはずの入江だった。
でも、足がなかった。
しかも、その姿もどこかおぼろげだった。

「は? まさか… 幽霊?」
「はい。冥土で固有結界発動しまくって、
わずか一日で冥土を追い出されて、
成仏できなかった入江です。
私の愛する沙都子さんにも逃げられてしまいました。
不思議でなりません。
私はただ、お近づきのプレゼントとして
沙都子さんを始め、
冥土にいた生命全てに、手当たり次第に、
『二度と脱げない呪われたメイド服』を、
着させてあげていただけなのですが。」

「・・・・・・・・・。」
本物だ。本能よりも直感でたかのんはそう思った。
「それで、いまさら何をしに現れたの?」
「はい、元はと言えば、
たかのんが私に睡眠薬飲ませたのが原因です。

私は冥土を追い出されて以来、
固有結界メイドインヘヴンを失いました。
もう、メイド服は作れないのです。

ですから、私はたかのんを心より呪っています。
いえ、生涯、入江はたかのんを呪い続けます。
なので、たかのんに取り付いて、
一生涯変な服を着させ続けようと思いました。
抵抗しても無駄です。
なにしろ、今の私はたかのんへの呪いから、
新たな固有結界を得ました。
その名も、【めいどいんへぶん】。」


「……………………。」
「ええ、私は呪っていますよ。
そして、私は『メイド服以外』であれば、
どんな服でも作れるようになりました。
それが、私の【めいどいんへぶん】です。
私は、『冥土をメイドOnly』にした罰として、
一つの呪いをかけられ、冥土を追放されました。

私はその呪いによってメイド服だけは作れないのです。
ですから、たかのんのことは呪っています。
なので、たかのんには、
この私の【めいどいんへぶん】、存分に味わってもらいます。

なお、どの服も呪われているので、
私の意思抜きに着替えることはできません。
そして、私が選んだ服の上に別の服を着ようとしても、
私の服の呪いによってその服は自動的に消滅します。
あと、あたりまえですが、エロは禁止です。
いいですか、私の作る服は一応全て「健全」なものです。」




このとき、鷹野は猛烈に嫌な予感がしていた。




メガネをギンギンに光らせた入江が近づいてくる。






そして・・・



一ヶ月の後、


ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい
ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい
ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい
ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい
ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい
ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい

その日、興宮に建てられた『雛見沢大災害慰霊碑』の前で、
絶対に脱げない巫女服を着たたかのんが、
数時間以上にわたって延々とごめんなさいを繰り返していた。


「許して、私が悪かったから、どうか許して。
この入江を誰か消し去って、何でもする。
何でもします。何でもするから。
ユルシテェェェェェェェェェェェェェ。」











数年後・・・





たかのんは別の意味で神となった。











コスプレや着ぐるみはましな方。
富士山の形をした帽子をかぶらされ、
深紅の色した真ん中に神とでかでかと書かれた白いシャツを着て、
純白で青玉模様のはいったスカートをはかされ、
一日を強引にしかも人前で過ごさせられることなど、
日常茶飯事となっていた。

世界中のあらゆる変な服ばかりを、
毎日のようにとっかえひっかえ、
とても、変な組み合わせで着させたあげく、
たかのんに入江は悲しそうに言うのだった。
「ああ、メイド服の方がいい。」
そして、入江の宣言通り、
入江がたかのんに着せた服は脱げないのだった。

何度もたかのんは脱ごうと試みた。
しまいには鋏で切ってみたり、
服に火をつけてみたりした。
だが、鋼鉄でできているのか、
布としか思えない肌触りのそれは、
ガキィンという音を立てて、鋏が通るのを拒み、
もちろん、燃えることもなかった。












たかのんは、入江に取り付かれて以来、
幾度も自殺を試みた。





でも、その度に入江がたかのんの体を操って自殺を止めるのだった。
「いやぁ、駄目ですよ鷹野さん。
私は貴女を簡単には殺しません。
ああ、メイド服のほうがいい。

この私が、あなたを呪っている限りは。
ああ、メイド服のほうがいい。

一生涯、たかのんを祟りきると誓いましたから。
死ねるのは寿命のときだけです。
ああ、メイド服のほうがいい。」






たかのんは、祈祷師だの、霊媒師だの、幾人にもお払いを頼んだ。
だが、お払いしてくれたのはサマ師だけで、
本物はみんな、鷹野を見た瞬間にさじを投げた。
そして、その誰もがこう言った。

「それは、かの有名な冥土のイリーです。
冥土の鬼にすらメイド服を着させ、
しかも、その服はどうやっても破れない上に、
決して脱ぐことも、
その上に何かを羽織ることもできなかったといいます。
さらに、たった一日で、冥土の住民全てに、
その、呪われたメイド服を着させ、
今ではメイド服をきていない生命は、
冥土には存在していないそうです。

あまりの怒りに冥土の住民は力を合わせて、
イリーからメイドインヘヴンを奪い、
さらに、二度とイリーがメイド服に
関係することができないように、
のろいをかけ、冥土から永久に追放したといいます。
たぶん、この世の中に、いえ、この銀河、いえ、
この宇宙も、たとえ、その外に広がる世界でも、
最強の鬼神的な幽霊です。
あきらめてそのまま、寿命を迎えてください。
いいですか、おはらいなどするだけ、無駄です。」

霊媒師であれば、誰もがイリーの存在を知り、
霊界ではイリーは禁句であり、
伝説となっていたのだった。






ならばと、たかのんはメイドを見れば成仏してくれるかも、
と思い、メイドを雇ってみたら、
たかのんの目の前で、メイドさんのメイド服は
なぜか、肉襦袢に華麗な変化を遂げた。
「私、冥土を追い出されたときに、
決してメイドを拝めない呪いをかけられているんです。
私が見える範囲内に入ってきた瞬間、
メイド服は肉襦袢になってしまうのです。
だから、たかのんを呪っているんです。
ああ、メイドが見たい。」









そのうち、やけになったたかのんはいつしか、
奇怪な服ばかりを着る、
変態神として、世界の頂点に君臨することになるのだった。


「ああ、メイド服のほうがいい。」


その切ない声はたかのんが
地球史上初の歴史的変態として、
寿命でこの世を去るまで、
いつまでも、いつまでも、たかのんの後ろから聞こえてきたと言う。