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医学的観点からのアプローチ




 医学と地理学、考えてみても、共通点があるとは思えないような気がします。

 それでも、地理学の研究対象に医学の視点は必要ですし、医学の研究には、
地理学の考え方が活用されることがあります。

 まず、最近「地域医療」という言葉を耳にする機会が多いような気がしますが、
いかがでしょうか。これは医学というよりは「地域」における医療という行為が
対象であるとも言えるので、むしろ地理学の考え方があてはまるのではないかと
思います。つまり、「地域医療」という制度は地理学や社会学の発想に基づいて
いますが、そこで行われる医療という「行為」は、医学というわけです。

 ここでの「地域医療」という制度が地理学の発想に基づくというのは、ある1つの
人が住んでいる地域には、最低限のライフライン、インフラとして学校や郵便局が
設置されています。それらと同じように、それぞれの地域や、一定の人口密度などの
「判定基準」によって、何らかの形で医療機関が配置されるという発想だからです。

 逆に、地理学では「ある地域」を対象とする際、人間生活にとって最も重要な
ライフラインの充実度を、その地域に対する1つの指標とします。そこで対象する
ライフラインの1つには医療機関も挙げられ、その地域に医療機関が存在している
かどうか…ということも、地理学にとっては、重要な視点の一つとなります。

 また、医学には「感染」ということがあります。感染そのものが、どう分布して
いるか、もしくはどう分散していく危険性があるか。地理学の研究者が、分散の
可能性を研究したという例は極めて少ないですが、感染と分散という考え方は、
空間の広がりと、その可能性という点で、地理学の考え方が多いに役に立っている
と言うことができるのです。

 医学の研究自体に地理学と重なる分野を見つけ出すことは難しいことですが、
医学における行為の現状を地理学的な視点で把握、分析し、その成果を医学に生かす
ことは、医学の効率性を考え、医学の更なる進化、発展を考える際には有効な手段の
ひとつであると言うことができるのではないでしょうか。