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地理学って一体、何でしょう?


 「地理学」って何? そう聞かれると、どんなイメージが浮かびますか?

 小学校の時、授業で地元の商店街とか、駅前とかを歩いたけど、あれが地理学?

 中学校の時、ひたすら世界の国がどこにあって、何が有名で…とか、
学校で習ったような気がするけど、あれが地理学?

 高校では、日本史を選択したから、地理の授業は受けてない。。。

 小学校や中学校、高校で習う「地理」は、学校教育を構成する何本もの柱のうちの1本なんです。ですから、その後地球市民として、国民国家の国民として、民主主義社会を構成する1人の人間として、いやそんな大袈裟な話でなくても、1人の人間として、1人の親として生きていくための礎になるものです。

 学国の国旗を覚えてなくても生きていけるでしょ?ってことは、よく聞かれます。そりゃそうです。でもそれは「地理」の勉強じゃなくて、地理の”知識”を身につけているだけ。

 数学や理科という教科が、数式を解くこと、自然現象を学ぶことが目的なのでは
なく、論理的に「答え」を導き出すことで、自分自身はもちろん、誰にでも理解、
納得して貰うための練習であるように、

 国語や外国語という教科が、人から伝えられることをより正確に受け取ったり、
その人の言いたいことを理解できるように、その背景にある事柄を感じる。
そして、自分の言いたいことを、適切に人に伝えるための練習であるように、

 音楽や美術、保健体育、技術・家庭という教科が、人を知り、己を知ることを
通して、自分をより理想の自分に近づけるため、そして自分のため、人のために
生きる一人の人間となるための練習であるように、

 社会という教科も、社会現象を学ぶことが目的なのではなく、身の回りで
起こる現象を見て、知って、わかる(理解し、納得する)ということを通して、
様々な立場の人の視点になりきって、事実として存在する資料をいかに分析し、
考え、自分の考えをどうまとめるか。答えを予測し、また導かれた結果から、
どのような課題を見つけ出すか、こういった“発見”をするための練習ではないか。

 あくまでも私の解釈、考えでしかありませんが、このようなことが、
社会科の役割なのではないかと思っています。

 その中で、地理は「時間」ではなく、「空間」という軸に沿って、
上のような目的を見出す科目です。

 でもこれは、地理学ではなくて、学校教育での「地理」。


 では、大学で学ぶ「地理学」って何!?

 「学問としての」地理学は、私たちが住んでいる地表の「空間的な仕組み」を
対象として、農村や都市の在り方、経済活動の空間的な仕組み、私たちを取り巻く
自然環境を見つめ、世界の様々な地域を理解し、地球環境や自然災害、発展途上国の
開発、国土保全から農村や都市の問題など、今日的問題の解明を目指しています。

 つまり、言い換えてみれば高校で習う「地理」と「現代社会」を組み合わせて、「なぜ、これがここにあるの?」という謎を解明し、課題への対策を打ち立ててる学問です。

 実際に地理学の研究対象とされている課題の例を噛み砕いて示すと...
  • 農村地域で問題となっている後継者不足や高齢化に、どう対応するか?
  • 商品を作る工場と売る商店の立地は、どう配置すれば効率がよいのか?
  • シャッター通りと化している商店街は、そもそも何が問題なのか?
  • 大きな赤字を抱える地方行政や公共交通は、いかに運営するのが適切か?
  • 都市での過密問題に対して、どのような対策を施すべきか?
  • 市町村合併によって直面していた課題は解決されたのか?
  • 少子化対策は、都市と農村ではどのように効果が異なるか?
  • 地域の伝統行事は、どのようにして今日まで維持されてきたのか?
  • 昔の町の様子はどのようなものであったのか?
  • 方言はどのようにして伝播したのか?
  • 観光地として売り込んでいるのに、どうして観光地として人気がないのか?
  • インフルエンザは、どのようにして拡散していくのか?
  • 集中豪雨はどうして発生するのか?
  • どの程度の規模の地震が、どの地域に発生し得るのか?
  • 地球の気候変動は、地域の生態環境にどのように影響を与えたか?
  • どのようにして、現在の地形が形成されたのか?

などなど...

 地理学を勉強するということは、単にその地域を把握するというのではなく、
社会空間での「気づき」を見つけることが最大のテーマとされ、「社会空間を
見る目」を養うことが目的であると言えます。

 地理学を勉強した結果に養われる力として、フィールド(現地)での行動力や
コミュニケーション力、データ分析に必要な論理的思考力などが挙げられます。

 ここで地理学を分析し、他の学問とは何が違うのか、あるいは何が同じなのか、
それぞれ検証してみようと思います。


 以上のように、地理学を様々な視点から分析してみましたが、いかがでしょうか。

 なるほど~と思われる方がいらっしゃれば、バカ言うなょって思われる方も、
同じ数だけいらっしゃるでしょう。でも、考えが賛否両論なのは、当然。

 色んな学問を見てみると、法学は法律によって人を守るための学問であり、
医学は医療によって人を救う学問であると思われがちなのでは?

 では、歴史学や文学、哲学や数学、あるいは天文学では人の支えにはなれませんか?

 もしできない・・・と仰るのであれば、それらの学問は、何のために存在するのか。すべての学問が人を守り、人のためになることに繋がっているからこそ、
学問は存在するのだと、いえ、学問に関わっていると自覚がある限りは、人のためになることをしなければならないのだと...管理人はそう自負しています。

 ここに書いてある内容は理解し難いかもしれませんが、地理学は他の学問、領域と
どれだけ密接に関わっていて、お互いに欠かせない学問だということです。

 逆から見てみれば、他の学問、領域と密接に関わりを持って、繋がっている
ことで、地理学も「人のため」の学問であるということを、納得していただける
のではないかと思います。

 2009年度人文学科オリエンテーションガイダンスにて
          地理学分野担当の河合より  2009年度新入生の皆様へ