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とある館の暗殺者達 ◆hmPkMQW2u6





「ふう」

 全く面倒なことに巻き込まれたものだ。
 いつもの面倒とは比べ物にならないほどだけど。
 ここはどうやらどこかの館みたいだけど紅魔館でないのは確かね。
 それにしても一瞬にして別の場所に飛ばすなんてあの人間も普通ではないということか。
 何らかの技術を持っている可能性があるが今はそれを考える時じゃない。
 そんな事を考える時間はいくらでもある。
 だから今は状況整理に徹するべきね。

「ナイフは無し……か」

 服の何処を探ってもナイフがない。
 おそらくあいつらに盗られたか。代用するものは別になんでもいいのだけれど武器は慣れたものの方がいいに決まっている。
 それとこの首に付けられた首輪。
 自分で外すのはおそらく不可能かも。彼らが首輪を破壊出来るような隙をつくっているとは
 あまり思えない。ならば優勝を狙うしかない……。

 ふと、そばに置いてあるデイパックに気づいた。
 中を開けてみれば説明通りに様々なものが入ってある。
 武器になりそうなのは――――――

「なあ。お前、参加者だな?」

「人に話しかけるなら正面からにしたら?」

 振り向けば、黒髪の少年が後方に佇んでいた。
 服装もほぼ黒で統一されていて、遠目から見たら真っ黒にしか見えないかもしれない。
 成程、人間にしてはただ者ではなさそうだ。ここに呼ばれた人間は皆そんな感じなのだろう。
 少年はどこか不敵な笑みを浮かべている。
 一般人として対処すべきか。それとも……

「まあここに呼ばれたって事は……アンタもできるってことだよな?」

 決定。こいつはここで排除する。
 武器は確認してる暇はないけど、徒手でも対処は出来るだろう。

「まあちゃんとした得物がないのは仕方ないが……これでヤらせてもらう」

 少年が剣を鞄から抜き出す。どこかの天人が持っていたようなソレは橙色の光を
 煌々と発している。剣を抜きだすと同時に相手のデイパックが落ちた。
 相手の狙いは喉笛。一瞬で勝負を決めるつもりか。

『無駄』

 世界が、灰色に染まった。
 しかしそれを知覚できるのは私だけだ。
 止まった時の中では何人も行動することは敵わない。
 少年の動きは止まっている。私の喉があったであろう場所を目がけながら。
 さて、そのまま肋骨を砕くかそれとも背骨を折るか。
 待った。そんなことしなくても武器を奪えばいい。それで脳天に一撃入れれば終わる。
 そうと決まれば

「「!?」」


×           ×          ×          ×


 驚きはどちらのものでもあった。
 一人は標的の位置に対して。もう一人は自分の能力に対して。

 少年は間髪入れずに前方に飛び込んだ体勢のまま後方にいるメイド服の少女に蹴りを放った。
 動揺し反応が鈍ったせいであろうか。少女は攻撃を完全には躱わすことは出来ずそのまま吹っ飛ばされた。

「ガッ……!!」

 そのまま少女は後ろの壁にぶつかり、掠れた息を吐き出した。

「やれやれ……瞬間移動とは驚いたな。でも武器を奪おうとするならなんで俺の後ろに……」

 そう言うと少年は何か気付いたような顔をしてニヤリと笑った。

「ふ……ん。成程ね」

 少女は少年の様子に一抹の不安を感じる。

(まさか……今ので私の能力が気付かれた?それに一体どうなってるの?ほんの少ししか時間を止められないなんて)

 彼女―十六夜咲夜―の時間を操る程度。
 通常、彼女の時間操作に制限はなく、本来なら本人の好きなように時間を操ることができただろう。
 しかし、この場において彼女はその力に制限が加えられた。
 時間を操ることができるのは、2秒。

(どうする?また時を止めるべき?でも止められる時間がわからない以上迂闊に手は出せない……)

 少年は少女を警戒してか迫っては来ない。
 しかしそれでも余裕の表情は崩さない。いや、まるでこの状況を愉しんでいるかのようだ。
 そんな時少年が口を開いた。

「ところでさ。アンタ、名前はなんて言うんだ?」

「……」

 呆けるのも無理はない。この場においてそんな質問をするなど場違いにも程がある。

「ふざけてるの?」

「真逆、巫山戯てるわけじゃないさ。墓標に名前を刻まないといけないだろう?」

 嗚呼、と少女は嘆息した。

「十六夜咲夜よ。そうね、貴方の名前も聞いておこうかしら」

「要らないな。もう死んでるし」

「は?」

「冗談だ。今は生きてるわけだし。七夜志貴だ、よろしく」

「……墓は作らないわよ」

「そうだ、もう一つ聞きたいんだけどさ」

「何?」

「アンタこれからどうするんだ。優勝狙うのか?」

「当り前よ。帰る方法がそれしかないならそうするしかないわね……」

「あっそ、じゃあ再開するか」

「ッつ……!何よそれ!!」

 しかし近寄ることはない。
 少年、七夜志貴に遠距離の攻撃手段がないのであればそのまま組み伏せることも可能だろう。
 しかし距離が遠いので時間停止が解除されるまでに果たして辿り着けるかは怪しいところだ。

(待ちの姿勢か……厄介ね。何か状況を打開できない限り―――――)

 刹那、二人の鼻先を何かが翳めた。
 その何かはそのまま咲夜の左方にある玄関の扉に突き刺さった。

「ナイフ……?」

 確かにナイフだった。
 二本のナイフが二人の頭の延長上に床と平行に突き刺さっている。
 しかし、それはダガ―ナイフやアーミーナイフの類ではなく、ただの果物ナイフであったが。

(なにか……いる?)

 気配が感じられない。一切の気配がない。七夜が何らかの能力を使用したような素振りはない。
 むしろ彼もまたナイフが飛んできた方向を警戒していた。

「何かいるな。どうするよ?」

「……」

 咲夜は答えない。
 もう一度、七夜は奥を見やる。

(さてどうするかな。気を抜けばまたナイフ投げられるしかといって逃げられるかどうか……)

「てオイ。」

 彼が咲夜の方向を向いた瞬間、すでに彼女はその場から消滅していた。
 正面玄関のドアは開いており、果物ナイフもきっちり抜かれている。

「あー、マズくないかこれ?」

 相手の気配を探ることはかなわない。少女はとんずら。

「仕方ないな……おい、いるなら出て来いよ。お前だよお前、ナイフ投げたやつ」

 出てくるわけがない。
 しかし状況打開のために呼びかけてみたのだが……

「……マジで?」

 出てきた。
 服は白く、顔はフードを被っていて見えない。体格から結構な青年のようにも見える。
 それより七夜が不思議に思ったのは、そいつが姿を現した瞬間に気配が駄々漏れになったからだ。
 いままで全く気配を感じさせなかったのはなんだったのかというくらいである。

「なあ、あんたはどうするつもりなんだ?殺し合いに乗るのか?」

「……」

 そいつは答えようとしない。
 それどころか、そのまま踵を返して奥へと引き下がってしまった。

「あ、待てオイ!」

 しかし追いかけてみたもののつきあたりの廊下で見失ってしまった。
 そこから先は色々なドアや二階への階段などがある。この屋敷はどうやら相当広いらしい。

(また気配が全く感じられない……でもアイツ、何がしたかったんだ?)

「まあいいさ。それよりここに何時までもいるわけにはいかないな。適当に
 歩いてたら『殺し合い』が出来る奴にはいくらでも会えるだろ」

 彼はそう呟くとそのまま開け放された玄関のドアから出て行った。



×           ×          ×          ×




 メイド服の少女が林を抜け、草原を走っていた。
 走りながら、道端に落ちている石ころをデイパックの中に放りこんでいる。
 石礫とは云えど投げつければそれなりにダメージは与えられるのは確かだ。
 どうやら投擲用の武器は支給品に入っていなかったようだ。
 投擲用として外部から手に入れたのは果物ナイフ2本と石礫数個のみ。

(時間操作が可能なのは2秒程度かしら?……まったく理不尽ね。でもいいわ、
 よくわかったことがある。今はまだ殺し合うべきじゃない。下手に最初から動きすぎれば
 疲労を付け込まれるかもしれないしね。それでも必要な時は流石に殺さないとダメだけど……)

「さて、これからどうしようか」

 彼女は人が集まりそうな場所は避けるべきだと思った。
 余計なことは背負いたくない。誰か殺し合いに乗っていない人間と出会っても命乞いには取り合わないつもりだ。
 後で厄介にしかならないと感じているのだろう。

(どんなに長くても2日くらいでしょうね……お嬢様、すみません。必ず紅魔館に帰りますので)

 彼女は結果的に優勝を狙うという形をとった。
 状況が状況である以上仕方のないことなのかもしれないが
 その選択により、彼女がどのような運命をたどるかは誰にもわからない。

 そう、決して誰にも―――――


【A-3草原/1日目・深夜】
【十六夜咲夜@東方project】
 [状態]:疲労度小 、腹と背中に打撲(小)、
 [装備]:果物ナイフ×2
 [道具]:基本支給品、 石礫×6@現実(会場内)、ランダム支給品1~3(確認済み。投擲用武器は無し)
 [思考・状況]基本思考:優勝狙い。 
 1:最初はなるべく戦闘しない。
 2:どうしようもない場合は即座に暗殺。
 3:参加者が減ってきたら慎重に本格的に行動する。

【備考】
 ※七夜志貴の名前を知りました。
 ※ときちくは姿しか知りません。
 ※時間操作は2秒が限度です。
 ※飛行が可能かどうかはわかりません。


【A-3館前/1日目・深夜】
【七夜志貴@MUGEN】
[状態]:普通
[装備]:緋想の剣@東方project
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~2(支給品は確認済み)
[思考・状況]基本思考:殺し合いをする 
 1:『殺し合い』をする。
 2:死んでも構わない。
 3:白いの(ときちく)が気になるが後回し

【備考】
※十六夜咲夜の名前を知りました。
※ときちくは姿しか知りません。
※咲夜の能力を推察しました。

【緋想の剣@東方project】
 東方緋想天のキャラ、比那名居天子の武器である。
 緋想の剣は、必ず相手の弱点を突く事が出来る、天人にしか扱えない剣である。
 でもそれじゃあ支給品として成り立たないので誰でも扱えることになっている。
 相手の弱点の気質を天気としてあらわす。



×           ×          ×          ×


 去ったか。
 だがそれでいい。しばらくはつまらない小競り合いをするつもりはない。
 何故俺が……いや、どうやってこんなところに連れてきたのかはわからないが俺はここで
 殺し合いをせねばならないということか。ようやく最後の標的を殺害するところだったのに
 こんな茶番に参加させられるとは困ったものだ。左さんにも示しがつかない。
 やはりここにはいないみたいだが……。
 こんなことは許されるはずはない。じきに奴等にも神の裁きが来るだろう。
 それをするのは俺とは限らないのだろうが……

 それにしてもあの2人の少年と少女。まだ幼いのに相当な手錬だったな。
 しかしむやみに戦う必要はない。
 深追いしてくるなら即座にデュクシポイッチョすればいいだけの話だ。
 だがあの少女は厄介だな……でもどこかで見たことはあるような気がするんだが……。

 ーーーズキ……

「痛っ……」

 頭痛がする。
 まるでその頭痛が思い出すなとでも言ってるかのようだ。
 しかしすぐに頭の痛みは退いていった。
 まああの少女が誰かなど気にする必要はないだろう。
 今度会った時に名前を聞けばいい。会えればの話だが。

 しかし、厨房からある程度の武器を調達できるとは運がよかった。
 それにいくつも部屋があるようだし屋敷を破壊されない限りは隠れ場所にもってこいだろう。
 しばらくはどこかの部屋で休憩しておくか……。


【A-3館の2階の客室/1日目・深夜】
【ときちく@時々鬼畜なゲームプレイシリーズ】
[状態]:普通
[装備]: ナイフ×4、包丁×3
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~2(支給品は確認済み) 、フライパン、フォーク
[思考・状況]基本思考:何としてでも生き残る。
 1:自分からは殺さない。
 2:自衛のための殺害は已む無し
 3:しばらく休憩
 4:あの少女は……
【備考】
※七夜志貴と十六夜咲夜の姿を確認しました。名前は知りません
※元世界の知識はかなり封印されているようです。
※館の厨房からナイフ×4、包丁×3、フライパン、フォークを調達しました。



sm22:ルガール運送㈱入社式 時系列順 sm24:TOUGH BOY
sm22:ルガール運送㈱入社式 投下順 sm24:TOUGH BOY
十六夜咲夜 sm36:それでは朔夜をはじめよう
七夜志貴 sm59:全ては愛しき貴方の為に
ときちく sm60:しねばいいのに






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