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ルガール運送㈱入社式 ◆CMd1jz6iP2





「あぅあぅあぅあぅ……」
月明かりの下、巫女姿の少女が座り込み震えていた。
彼女の名は羽入。この殺し合いに巻き込まれた一人である。

後一歩のところで防げなかった梨花の死。
次こそはと、羽入も決意を固め惨劇前の雛見沢に戻ったはずだった。
だが、目の前に広がった光景は雛見沢のそれとは異なり、首には捕らえた証であるように首輪が付けられていた。

「曲がりなりにも、神である私を捕らえるなどと……」
羽入は、雛見沢村で崇拝される守り神「オヤシロ様」そのものである。
一説には宇宙人、鬼だと言われているが、人とは異なる力と姿を持つ彼女は、大昔の人間にとって、神と呼ぶに相応しいものだったのだろう。

「うぐ……あぅ~! どうすればいいのです、ボクはどうすればいいのです~!」
そんな彼女だが、現在は神々しさゼロの狼狽中である。
神口調の時の一人称から、地の「ボク」へと戻ってしまっている。
突然殺し合いを告げられて、飛ばされた先が真夜中の墓場なのだから仕方ないのかもしれないが。

だが、その狼狽は周囲の異変によって中断を余儀なくされる。
突然、目の前が暗くなった。
今は真夜中。暗いのは当然だが、それでも月明かりがあった。
それすらも消えたことに疑問を感じ、恐る恐る顔を上げる。

そこには、やたらガタイのいい隻眼の男が月明かりを遮るように立っていた。

「こんなところでn「ハリケーンミキサー! なのです~!」ぐぶぉ!?」
ヤられる前にヤれ。
梨花の後ろで見続けてきた「部活」では、攻めなければ負ける。

長身の男が行動に移る前に、羽入は渾身の頭突きをもって相手を宙に舞い上げた。
痛む頭を抑えつつ、羽入はそのまま走り続けた。

ここは殺し合いの場。そこで大声を上げ、うろたえていればどうなるかなど子供でもわかる。
「(やっぱり、見えていたのです。ボクは実体化させられてしまっている……!)」
本来、羽入の姿は古手梨花にしか知覚できないため、隠れるという意識が抜け落ちていた。
神であろうと、おそらくは平等に死が訪れる仕組みになっているというのに。

それに気づくのが遅れ、ピンチを招いてしまったが、なんとか切り抜けられた。

そう、安堵の息を漏らし走り続けようとさらに力強く踏み込み、

「面白い縦運送だった。だが、少し高度が足りなかったな」
足が、地面からとうに離れていることに気づいた。

「あ、あぅ!?!」
頭が後ろから掴まれていた。
羽入を片手で掴みながら、羽入が走るよりも速く、まるで滑るように駆ける人物。
誰かなど考えるまでもない。先ほど羽入が吹き飛ばした隻眼の男。
不意の一撃からなんなく着地し、追いつき掴みかかる。
その動作を、当然のように男はこなしていた。

「さて……それでは私の運送技をお見せしよう!」

そのまま地面を滑るように、常人では成し得ない速度でルガールは更に速度を上げた。
この速度で叩きつけられれば、人の頭などトマトのように潰されてしまうだろう。

「(梨花……梨花は、ここにいるのですか? もしいるなら、どうにか生き延びて……っ!)」
届くかどうかもわからない祈りを済ませ、羽入は目を瞑り己の最期を待った。

1秒
5秒
10秒

待てど待てど、衝撃は来ない。
「(う、うう……じ、実はもう終わってたりするのですか?)」
即死すぎて、自身の死も認識できなかったのだろうか。
さきほどから、よくわからない雑音が耳から入ってくるのを煩わしく思いながら、羽入は考える。

「(……えっ? みみ、から?)」
徐々に、恐怖で麻痺した五感が蘇っていく。
雑音が、意味ある言葉だと理解するのにも時間はかからなかった。

「聞こえているのか。頭は冷えたか、と聞いているのだが」
目を開くと、墓石が鼻先数センチ手前の距離にあった。
止めたのだ。花を摘むように奪えた命を、あえて奪わなかった。

そこから考え出される結論は。

「ボクの、早合点……だったのです、か」
その事実を受け入れ、羽入は掴まれたままの頭を抱えたくなるのだった。

謝罪した羽入に、隻眼の男……ルガールは「よくあることだ」と気にした様子もなかった。
「自己紹介が遅れたな。私の名はルガール・バーンシュタイン。ルガール運送㈱の代表取締役だ」
「ボクは、羽入と申しますです。ルガールは、う、運送屋さんなのですか?」
正直、まったくそうは見えない。
良くてマフィア、悪くてこのゲームの主催者というのが羽入の第一印象だった。

「ああ、非常に困っている。大事な荷物の運送中だったというのに、こんな場所に連れてこられてしまってな。
荷物も盗まれたようだ……これでは信用ガタ落ち、社員にも客にも顔見せできん」

「(あぅあぅ……園崎組みたいなところとの、ヤバイ取引に違いないのです……)」
羽入の脳内では麻薬とか拳銃の裏取引が再生されている。
そんなこととは知る由もないルガールは、羽入への質問を投げかける。

「それで、さっきのことだが……あんなところで何をしていた?」
その言葉に、羽入は情けなく狼狽していた自分を思い出す。
詳細は伏せ、ルガールに語る。
今まで、諦め続けていたことがあったこと。
それを再びできると信じた矢先に、この場所に呼ばれたこと。

「なるほどな……決意の矛先を見失い、どうすればいいかわからなかったのか」
「情けない話なのです。でも、あなたのおかげで何とか落ち着けましたのです」
感謝を込めておじぎして、羽入は立ち上がる。

「ボクはもう行くのです。ルガールも気をつ「どうするつもりだ?」え?」
片方しかない眼で、射抜くように羽入を見つめるルガール。

「お前はこれからどうするつもりだ。この殺し合いの場で、何を目指す。
殺し合いを否定するだけでは、お前が信じたことすら果たせんぞ?」

逃げ回るだけでは、何の解決にもならない。
そんなことは、100年のループで嫌というほど思い知っていることだった。
だからといって、殺し合いに乗ってしまうことは主催者に屈することを意味する。
ならば、どうするか。

「理由をなくしてしまえばいいのです」
このゲームを続けなければならない理由。
それは、首にある生殺与奪の証である首輪に他ならない。
「そうすれば、みんなであの主催者たちを痛い目にあわせてやれるのです!」

その言葉に、ルガールは薄く笑う。
「……なるほど。ゲームの破壊が君の望みか。
そういうことならば、バトルロワイアル主催者宛への君の運送……ルガール運送㈱社長、ルガール・バーンシュタインが承った」

「ほ、ほんとうなのですか!?」
「だが、まずはそこまでの障害を突破せねばな。お届け先の住所、運送手段……どちらも現時点では不明だ」
ルガールが言うように、主催者の本拠地がわからない。
そして首輪がある以上、そこにたどり着いても消されてしまう。

「やはり、危険なのです。ルガールを巻き込むわけには……」
何よりも危ない橋だ。そう簡単に決めていいものではないと羽入はルガールを止める。

「なに、かまわん。良い新入社員候補が見つかったことは僥倖だとしても、私も運送の邪魔をした報いを、運送にて返さねば気が済まん」
多分、先ほど自分が食らったのを止めないのだろうなと羽入は思い……発言の一部に首をかしげる。

「……新入社員候補?」
「小さな会社だが、やりがいのある仕事だぞ、羽入?」

「あぅ!?」
いつの間にかスカウトされている状況を、まったく飲み込めない羽入。

「先ほどのハリケーンミキサーは優秀な縦運送技だ。我が社で磨けば即戦力に慣れるぞ」

あぅあぅと言葉も出ない羽入を尻目に、ルガールはディパックを開く。
「丸腰では心もとないだろう。私には無用の長物でな、受け取れ」
渡されたのは、奇妙な刀だった。
「あぅ……刃と峰が逆さまなのです」
これならば当たり所にもよるが、戦いになっても殺し合いを避けられるだろう。

「では羽入、そろそろ行くとしよう。まずは人の集まりそうな場所へ向かうぞ!」
「は、はいなのです!」
不安を抱えたまま、歩き出したルガールについていく羽入。

主催者拠点への運送は、まだあまりにも遠い。

【F-1 墓地/1日目。深夜】
【ルガール・バーンシュタイン@MUGEN】
[状態]:健康
[装備]:無し
[道具]:共通支給品、不明支給品*0~2(武器はない)
[思考・状況]
1:主催者を倒し、荷物を取り返す。
2:首輪を解除できる仲間を集める。
3:社員や八雲紫が巻き込まれていないか確認する。
4:羽入を新入社員としてスカウトする。
※同じMUGEN出展の者や、MUGENでキャラが作成されている者については知っている可能性があります。
※ルガール運送㈱の社長なので、KOFのルガール・バーンシュタインとは異なります。
※G・ルガール、オメガ・ルガールに変化可能かは不明です。

【F-1 墓地/1日目。深夜】
【古手羽入@ひぐらしのなく頃に】
[状態]:健康、不安
[装備]:逆刃刀・真打@フタエノキワミ、アッー!
[道具]:共通支給品、不明支給品*0~3
[思考・状況]
0:神様なのに就職先が決まったのです。
1:首輪を解除できる仲間を集める。
2:梨花や仲間たちが巻き込まれていないか確認する。
※参戦時期は、皆殺し編終了後です。
※オヤシロ様としての力が使えるかは不明です。



sm21:は!か!た!と!と!ら! 時系列順 sm23:とある館の暗殺者達
sm21:は!か!た!と!と!ら! 投下順 sm23:とある館の暗殺者達
ルガール・バーンシュタイン sm50:神様が見た月夜の臆病風
古手羽入 sm50:神様が見た月夜の臆病風






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