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Q&A ◆WWhm8QVzK6




予定通りタケモト達はモールにやって来た。
ときちくは視認する限りでは言葉を確認できなかった。というよりいないのは明白だ。
何らかの事情で置いてきたか。それならそれで問題は無い。
彼はさっきと同じように柱に身を隠し、階下の盗聴に勤しんだ。

会話を聴くあたり、どうやらエレベーターの底では戦闘が起こっており、タケモト達は
進入するのを諦めたようだと、ときちくは理解した。
3人がモールの入り口で駄弁りだしたので、位置を近くに変えて再び聴き続ける。

「流石に聴きづらいな……」

どうやら言葉のことを話していることは分かったが、会話の要点が掴めない。
推測は出来るが、それが一番危険だと彼は思っている。

(今は特に動く必要も無いし、事が収まり次第こっちは勝手にやらせてもらうとするか。ただ…)

やはり気掛かりなのが運営側の首輪による探知だ。
これを何とかしない限り潜入するのは愚か、隠密に動く事さえ出来ない。
監視カメラの死角を突けたとしても位置情報だけは丸分かりなのだから。
しかしときちくには策が無いわけでもなかった。

(位置音声偽装装置……あれを使えばその点は解決できるはずだ)

件の装置は、装置から半径10m以内の者の首輪の位置情報を改竄する。
その仕組みは、範囲内の首輪から発信される電波をジャミングし、偽の情報を機器によって発信するものだ。
その位置は固定されている。一旦装置を作動させた箇所から少し離れた場所に、装置の範囲内にいる者が
『いる』ように設定されているのだ。今まではイマイチ使いどころが無かったので特に気にもされなかったが
詰まるところ、これを使えば監視カメラの死角を掻い潜りさえすれば一切運営側に存在を知られる事は無いのだ。
但しそれは会場内での話であり、本拠地に乗り込んでしまえばどうしてもバレる事になるからその時点で用済みになる。
ただ、これで奇襲を仕掛けられることは確実だ。難点は、偽装した位置情報はいつまでも変わらない事か。
使う場所と時間に気をつけなければ、たとえ使用したとしても効果は低くなるだろう。

ところで、この装置をときちくは所持していない。
持っているのはタケモトだ。

(あいつなら多分利用するだろうけど……確かデパートの分は要らなかったから取ってなかったよな。
 つまりこの場にあるのは一つだけ、か。面倒だな…)

ときちくはタケモトが気を利かせて(勿論タケモト自身のため)デパートの装置も回収したのを知らない。
デパートに着いてから気づいて後悔したのだが、後の祭り。結局スネークたちと行動しなければならない、と
ときちくは真剣に悩んでいた。

(ああ、クソ…。どうしようかな……。本当にあいつらとは関わりたくないんだけど。あいつらが突入したら
 頃合いを見計らって後を追うか?いや、難しいな。探知機も偽装の被害を受けるんだから距離が攫めない。
 もし近すぎたら位置を教えてるようなものだからな。奪うのはほぼ無理だし…それをするならあいつらに
 行ってもらった方が戦力的にはマシだ。俺一人とか論外に決まってる。あー、なんで取っとかなかったかなぁ)

彼がタケモト達に接触を図らない限り、この事実には永久に気づけないだろう。
そうしてしばらく待機していると。

恐ろしいまでの激震が、ときちくの身を襲った。

「………ッ!!?」

声を上げそうなところを危うく堪える。
デパート全体が振動する。崩れてしまうのではないかという恐怖感が彼に沸き起こる。
揺れはしばらくして収まった。外の光景が見えないので彼には出所は分からない。
しかしそれもメタナイトの登場で理解が進む事になった。

メタナイトがエレベーターの穴から出てきたのにその出現をときちくが知らなかったのは、単に
入り口の3人に気が回っていたからだ。必然的に注意がそれるのは仕方が無い。

再度、彼はメタナイトの話に耳を傾ける事になった。



◆◆◆



「成程ね……」

大まかな事情を把握して、ときちくは格納庫に降り立っていた。
4人の会話はコメント一覧の存在を思い出したためにそれを活用している。
誰もいない、若干の血飛沫と鉄の残骸、そして熱の篭った広い空間。
ところでどうやって格納庫に入ったかと言えば、エレベーターの通路に備え付けられてある梯子を伝って
ワイヤーを切断されて下に落ちたカゴの、天井部分の蓋を抉じ開けたのである。

その場所に動くものは彼以外存在しない。
オートマトンは先の戦闘で全て破壊されて機能停止したし、生きている者もここから出払った後だった。

「べジータ…か」

ここまで出来たならここで死ぬのは惜しいと、ときちくは素直に思った。
ドラゴンボールの事も若干気になってはいたが、あれで異世界のことにまで願いを干渉させたという描写は無い。
死んだら死んだでそれまでだ、ということだ。ただ、彼が惜しいと思った理由は、戦略的な面においてだ。

純粋な力だけでこれ以上の打撃はもはやこちら側に期待できないだろう。
ならばやはり隠密的な作戦のみに限られる。しかしそれは、条件が成立しない限り実行する事も出来ない。

(誰もいなくて…こうして俺が来たのに向こうから何のアクションも無いって事は、ここはもうある意味解放区間って事か。
 そんで、ここから正規のルートを通って奴らに辿り着ける可能性はゼロ、と)

べジータが開けた大穴から左90度に視界を変えると、大きな鉄の扉が存在する。
電子ロックの電源は落ちていたが、扉は閉まったままだ。つまり、ロックされた状態のまま解除される事は無い。
ここを通ることは不可能。ときちくはそう結論付けた。

一方、大穴の方向を見てみる。
幾重にも張られた防壁を貫き、まるで抉り取られた断面はバウムクーヘンのようだ。
これを登っていけば外に出る事が可能だ。しかし、彼は登らずその破壊された穴の部分をじっと見つめた。
と、ふと耳を澄ますまでもなく、何やら水の流れる音がする。
その穴のところから、聞こえていた。

「?」

思い切って大穴の部分を歩いて、調べてみる。
格納庫から数十メートルにようやくその出所を見つけた。
というより明らかだった。その部分は10m以上の直径の穴になっており、中から水音が轟々と鳴っている。
ときちくは首だけを覗かせ、中の様子を窺う。
中は真っ暗で、持ち前の懐中電灯で照らしてみるとそれの一端が見えた。

(そういうことか…あんな川の水がどっから流れてきてるのかと思ったが、こうやって循環させていたんだな)

それは、南に溜まった大量の水を再び北に戻し、再度利用するための水道設備だった。
大きなトンネルに巨大なパイプが3本、連なるようにして並んでおり、流水を運んでいる。
水音はここから発せられるものだった。

べジータが放ったのは必ずしも真北ではない。
角度にしてみればほんの数度にも満たないズレだが、若干東側に寄っていた。
そのためにこうやって水道のトンネル上部を若干掠めるような形で抉っていたのだ。

(蛍光灯はあるけど全く点いてないな…多分電気系統がやられたか?ならもし監視カメラがあったとしてもいけるかもしれないな)

ときちくの考えでは、あくまでも隠密に侵入するべきとしている。
メタナイトの話から北に運営の牙城が見えるようだが、そっちに行く気にはならなかった。
その場所は云わば敵の真正面。警戒していない筈がない。そこにのこのこ突っ込んでも蜂の巣にされるのがオチである。
尤も、戦闘機がある以上その方法での攻撃法も無くはないが、それはグラハムの役目だ。
大勢が一斉に侵入するならばどちらの方法を取るかは明白だった。
というのが彼の考えだ。

ときちくはそのまま何にも目を向けることなく、エレベーター伝いに格納庫から出て行った。

そしてもとの位置に戻り、まずは残り電源が5分を切った探知機を点ける。
モールに4人、そしてモールから少し離れた場所に一人。
これは多分咲夜に違いないと彼は思った。気にせずに他を確認する。
加えて図書館に一つ。これはメタナイトの話から推測するに、チルノだろう。
どうやって図書館に?と思ったが、それは本人の口から勝手に分かるだろうから保留。
そして、デパートには4人を表す点が……4人……、

「2人?」

目を疑った。
点が重なってるだけかと思ったが、拡大すればその可能性は消滅。間違いなく2人しかいない。

(え?なんで?何があった?)

これは彼にとって予想外だった。
なぜなら、起こる要因など考えられなかったから。
ともかく探知機の電源を切り、思考に走る。
かろうじて推測出来るのは、誰かが暴走したという事くらいだ。

(まいったな……誰が死んだんだろうな?グラハムはまず無いだろうが……もし負傷してたら戦闘機に
 乗れないかもしれない。まあその場合はスネークに操縦してもらうしかないが、困ったな)

この時、ときちくはグラハムが死んだという事象を思いつけなかった。
前ならば考えただろうが、今は違う。あの中で一番戦闘力があるのは有無を言わさずグラハムだったし、
そんな彼が死ぬということを考えられなかった。先入観の支配に因るものである。

(まあこっちに向かってきているみたいだし、操縦できるどっちかに『アレ』を渡せばいいか。
 会うのは避けたいんだけど、戦力が減るのは嫌だからな)

どうせなら乗る人間の後をつけてこっそり手渡そう、と彼は考えた。
とにかくときちくは大勢と出会うのを限りなく避けたいらしい。
連中が事情を知っているならば必ずしも信用される事は無い、と思ってのことだ。
それを念頭において、彼は接触を図ろうと模索している。
さらに接触するのがスネークかグラハムならばまだ融通が利く。その他のメンバーは関わるだけ無駄だ。

しかしここで決定的なことに彼は気づけていない。
あくまでも隠密な行動を主張するならば、彼は残った者と同行する必要があることを。

(デパート組は勝手に来てるみたいだしもうじきここに着くか?ただそうなるとチルノが問題だな。まだ図書館から出ない
 なら、タケモト達とニアミスするかもしれない。……しょうがないな、俺が伝えに行くか。あいつらはチルノの居場所
 知らないみたいだし、チルノがどういう状態なのか確認する必要もあるしな。もし動けないなら、その場合の事を
 考慮しないといけない。面倒だな…)

チルノはときちくの件を知らないのでまだ気が置ける。それでも会いたくないことに変化は無いが。
彼にすれば渋々の決断だった。主戦力がこの状況で分散するのは拙いとの見方からだ。
タケモト達がいつまでもチルノを待つとは限らない。デパート組と合流次第事を起こす可能性も十分にありうるのだ。

「仕方ないが…そんじゃ図書館に行くか」

と、彼はコメント一覧の電源を切ると、こっそりとモールを抜け出した。
そして図書館に走る。
雨はようやく落ち着いてきたが、空は未だに曇ったままだ。



◆◆◆



さて、それが4時15分前の出来事。
日もだいぶ傾いてきた。と言っても、雲に覆われている以上その様子は漠然としか観察できないが。
咲夜はのんびりと外の様子を注視しながら、椅子に腰掛けていた。
様子を見るだけの、時間だけがただ過ぎていく。

(長かったわね……いや、短かったのかしら?これだけ広大な土地にも関わらず殺人のペースだけは順調だし)

咲夜が遭った人物は少ない。
その分リスクも無かった、と言うわけではないだろう。現に彼女はかなりの危険に見舞われた。
それでも彼女はこうして生きている。

《プルルルルルル》

「っはぁ!?」

突然鳴り響いた音に、咲夜は驚いて椅子から転げ落ちた、というより転げ落ちて身を隠した。
目を動かして音源を発見し、納得するも新たな疑問符を浮かべることになった。

電話が鳴っている。
備え付けてあった、何処にも通じている筈の無い電話が鳴っている。

何故?誰が?何処から?どうやって?

そうして身構えている間も、コール音は止まることなく鳴り続ける。
咲夜は恐る恐る、その受話器をとった。

「誰?」

≪こちらバトルロワイアルを運営させてもらっている、右上という者です。ゲームは楽しんで戴けていますでしょうか?≫

この声は――。
忘れもしない、憎き仇……というわけではないが、心底ムカつく奴のご登場だ。
咲夜は努めて冷静に応対する事にした。

「つまらないけれど退屈はしてないわ。下らないゲームをどうも有り難う」

≪それは残念。折角参加してるんだから愉しんだほうが特なのにな。まあ健在で何より≫

「ところで何のために?私達にライフラインのサービスでも始めたのかしら」

≪当たらずも遠からずと言いますか、ゲームに真剣に取り組んでくださってる貴女だけに特別サービスをしたいと思いましてね。
 ええ、他の輩はどいつもこいつもゲームそっちのけで……ぁあ、わかってるって。ハイハイ、そんじゃ本題といきましょうか≫

電話が鳴った時点で、おおよそ誰からのものか彼女には予想がついていた。
そして今の話からして運営側が持ちかける話というのは――。

「私に貴方達直属の駒になれ、ということかしら?」

≪……ほぉ、さっすが。読みがいいね。伊達にここまで生き残ってないな≫

「それじゃあ、私は何をすればいいのかしら。貴方達の意向に沿う事で、私はどんな見返りをもらえるのかしら」

≪了解、それじゃあして欲しいことからいってみようか。簡潔に言えば、積極的に殺しまわってほしいってことだ。
 時間制限をつけたのに言うのもなんだが、このまま時間切れってのはちょっと体裁が悪いんでな≫

「それが出来るならとっくにやってるわ。その点はそっちも分かっているんでしょう?」

≪ああ、だからこっちもある程度の支援をするよ≫

「生半可な支援はお断りよ。私の勝率が最低でも7割を超えるような条件じゃないと、とても呑めないわ」

≪……おいおい、分かってないようだから言っておいてやるよ。これはあくまでもゲームだ。ゲームである以上は特定の
 参加者に対して極端に優遇する事は出来ない。参加者を抹殺したいだけなら俺達だけで出来る。こっちが出来るのは
 条件を対等にするくらいだ。それ以上ゴネるんなら、この話は無かった事にさせてもらう。スペアプランも用意してあるんでね≫

それを聞き、咲夜はクスリと笑った。

「貴方は本当にそれでいいのかしら?」

≪何度も言わせ「いいえ、それは無いわね。貴方…いや、貴方達はこうせざるを得ない理由がある。それこそ、優勝者を出すこと
 以外にね。私には貴方達がゲームの結末にそこまで固執しているとは思えないわ。だって、ゲームオーバーって結末も時間制限を
 設ける前からルールにあったでしょう?それはつまり首輪爆破による全滅をも許容している事に他ならない。これだけの大掛かりな
 ゲームに、方針転換はほぼ有り得ないと思うのだけれど。それとも、これは貴方の独断かしら?」

≪好きなように推測するがいいさ。こっちはあくまでもコストを削減したいだけなんでな≫

「……ふぅん、いいけれど」

≪というかそっちに断るメリットは無いだろ。承諾すればメリットしかないけどな。そっちの要望に関しては、こちらが
 可能な限り応えさせてもらうよ。条件を対等にするくらいのを≫

「言ってる内容は変わらないけど……まあ、いいわ。承諾しましょう」

咲夜にしてみればおいしい話だ。
残りの参加者からは信用されていない以上、対主催の立場を取るのは至難の業だ。
この場合だと運営の助け舟に乗って立ち回ったほうがまだ生き残る道はある。
残りの時間で、優勝を目指すには。

≪こちら側から出せる支援と言えば新しい武器…っても一つくらいだが、それと輸血パックかな。吸血衝動はネックになりそうだし≫

「それもいいけれど、別に欲しいものがあるわ」

≪ほぉ、何を?≫

「情報を」

≪情報ね≫

「ええ。参加者のこと、自分のこと。それと、貴方達のことを」

≪――可能な限り≫



◆◆◆



このゲームにおいて情報は命に等しい。
情報の取得、選択が生死の分かれ目になるほどに。
人によっては無価値なものにもなり、宝にもなる存在。
咲夜はその開示を要求した。

≪替わりました、左上です≫

「……何故さっきの奴は話さないの?」

≪答える必要はありません≫

咲夜は、やりにくいな、と思った。
ちなみに左上に交替になった理由。右上が喋り続けると口が滑りそうだから、ということである。

≪では、どうぞ≫

「そうね。……まず、参加者の能力と位置情報、それに人物の相関関係を教えてもらえるかしら」

≪――可能です。但し、参加者が一度も他の参加者に対して使用していない能力は教えられません≫

「なぜ?」

≪答える必要はありません≫

初めに、参加者の能力と相関関係。
これは残りの参加者に対抗するためには一番重要なものだ。
運営側が承諾したのは、これによって咲夜のリスクに対する忌避感を減らせると考えたからだ。
それに現存の参加者の戦闘に関する能力は咲夜は既に体験している。
残りの参加者は能力と呼べるほどでもない代物だから、教えても構わないようだ。

そして咲夜は左上からの言葉をメモにまとめた。
左上からは「~が可能」「~を持っている」と、詳細までは教えられていない。

(成程、戦闘可能な存在は8人中5人ってところね。一番厄介なのはチルノかしら。よくもまあこんな面倒な能力
 身に付けたものね……妖精の領域超えてるんじゃないの?)

≪次は?≫

「…ええ。これは個人的なことだけれども…私の吸血鬼化について」

≪それに関しては発生する吸血衝動への対策として輸血パックの支給が提案された筈ですが≫

「そうじゃないわ。私が訊きたいのは……」

≪?≫

「……私が、人間に戻れるかってこと」


吸血衝動に関してはさして気にしていなかった。
咲夜が考えたのはむしろその後のこと、自分が果たして、人間に戻れるのか、戻る方法があるのか。
それが一番気になって仕方がなかった。

≪成程、では順をおって説明しましょう。まずは貴女が吸血鬼化する要因となったDIOの事から。
 彼は元々は人間です。未成年の頃に、少々特殊な方法で吸血鬼になりました≫

「特殊な方法?」

一般的に、吸血鬼化は、吸血鬼であるものに血を吸われることにより起こる。
しかしDIOは、それには当て嵌まらない。

≪はい。彼は石仮面という装置により脳に対して強烈な刺激を加える事により、身体に変異を生じさせる方法で
 吸血鬼となりました。貴女にとっては初耳でしょうが、彼の世界特有の事象なので気にしないように≫

強烈な刺激とは要するに脳味噌に直接骨のような針をブッ刺すことだが、そこの説明は省かれた。

≪そして彼に血を吸われた者、彼に体液を体内に入れられた者は吸血鬼となります。DIOの変異した細胞が
 健常体を侵食する形で行われますが、……いや、その説明はいいでしょう≫

「あと何行?」

≪3行で。しかしその効果は我々の能力制限によって弱められています。彼が血を吸ったとしても、血をかけたとしても
 死者はゾンビになって蘇りはしません。しかし生者に関しては、身体が徐々に吸血鬼化するという症状が見受けられます。
 我々の実験では、おおよそ2週間で完全な吸血鬼になります。しかし適切な治療を行えば治ります≫

「本当に?」

≪事実です。元を殺した上で身体の変異した部分を創り直せばいいわけですから≫

「優勝したなら治療は行うんでしょうね」

≪優勝できれば、の話ですが≫

「……わかったわ。それじゃあ次。もしあいつらが私から逃げて、そっちの施設に入った場合は私はどうすればいいの?」

≪その可能性もありますね。その場合は、追ってきても構いません。禁止エリア指定もあなたに限り解除します≫

「? 禁止エリアに指定されているの?なら入られる心配はないじゃない」

≪残念ですが残り参加者の大半が禁止エリアを無視できる状態にあります。詳しくは、彼らから直接訊いてください≫

「そうさせてもらうわ……。じゃあ、最後の質問」

≪どうぞ≫

「優勝者には願いを叶えると最初に言ってたわよね」

≪ええ≫

「なら、参加者達を生き返らせるってことは、出来るのかしら?」

≪それは―――≫



◆◆◆



左上の話を全て聴き、咲夜は電話を切った。
受話器を元の場所に戻し、ふぅ、とため息をつく。

「やっぱり無理か……」

覚悟はしていたことだ。
あってもおかしくないとも思っていた。
しかしこれで決心が固まった。
そうであるならば、絶対に自分は生き残らなければならない。

(なら、誰を潰す?もっとも効率的で、リスクの低い方法は……)

時計は4時を回った。
残り8時間。事を起こすには十分な時間だ。
殺すのは全員でなくともいい。主催に立ち向かう心を挫かせればいいのだから。
それとも――。

ふと、後ろを見れば輸血パックが2つ置いてあった。
迷わず行け、ということか。

(いつ行くかは、私が決めるわ。何をするかも)

天を仰ぐ。
残り時間は、もう、短い。



◇◇◇



「おいおい、何もホントのことばっかり言わなくてもいいだろうが」

「下手な事を言って士気が下がられても困ります。それに、私は本当の事しか言ってません」

「お前な……」

右上と左上は監視カメラで咲夜の姿を視認しながら、椅子に座ってくっちゃべっていた。
周りでは職員が慌しく走り回っている。

「吸血鬼化のことも意味深に黙っとけば焦ったかもしれないのに……」

「ごちゃごちゃ五月蝿いですね。切り落としますよ」

「どの部位をですか……」

左上は答えられる範囲で、咲夜に本当の事しか言わなかった。
わかっているのに、それが右上はどうも気に食わないらしい。

「けど、それを言うんなら、あれはなんなんだよ」

「何がですか?」

「願いの話だよ。別に秘密でも良かったと思うがな」

左上は目を細めて右上を見た。

「死んだ者が生き返るわけがないでしょう。嘘をついてどうするんです」

「いやまぁ、ずるい言い方だなと思ってよ。それは確かなんだが……」

「確かなら論ずる必要はありません。死んだ者は生き返らない。これはこの世界で絶対なのですから」

「そーですね……」

この世界で死んだ者は生き返らない。
これは変えようのない、揺ぎ無い法則だ。
仮にドラゴンボールなどの、他世界では復活に足る条件を持ち込んだとしても、世界がその効果を抑えてしまう。
逆も然り。この世界は、そのような幻想を許容しないのだ。

「ともかくやることがたくさんだな。面倒な事にならないように、咲夜に頑張ってもらうしかなさそうだ」

「それは言いすぎですね。彼女に頼らなくともこちらが入らせなければいいだけの話」

「そう上手くいくなら最初から心配してないっての。どうもイレギュラーな事が起こりすぎなんだよなぁ」

「それは否定しませんが…」

「じゃあ俺は仕事に戻るとしますか…。撤収作業も遅れる見込みになったし」

「完了時刻は22時ジャストです」

「分かってるっての。ああ、疲れるな……」


テンションを若干下げ気味に、右上は部屋から出て行った。


【C-4 草原/2日目・夕方】
【ときちく@時々鬼畜なゲームプレイシリーズ】
[状態]:左肩下に刺し傷(応急処置済み)、左肩に銃痕(応急処置済)、顔面左の負傷
    拳に痛み、全身にダメージ(小)、恐怖感、安心、疲労(大)、精神疲労(中)
[装備]: ナイフ×2、包丁×2、フライパン、ステアーTMP(15/30、予備弾倉残り6)@現実
    プレミアム首輪改
[道具]:[ときちくのデイバッグ]
支給品一式×6(食料・水三食分消費)フォーク、 、無限刃@るろうに剣心、毒蛾のナイフ@ドラゴンクエスト
 亀の甲羅×2@マリオシリーズ、銃(10/15)@現実、首輪探知機(残り5分)
 アシストフィギュア(サイボーグ忍者)@大乱闘スマッシュブラザーズX(4時間使用不可能)
 モンスターボール(ネイティオ)@ポケットモンスター至高のコッペパン@ニコニコRPG
 予備弾丸セット@オリジナル
[バクラのデイバッグ]
DMカードセット(翻弄するエルフの剣士(使用可能)、鉄の騎士ギア・フリード(8時間使用不能)、)@遊☆戯☆王
 普通のDMカード@現実 共通支給品、コメント一覧@ニコニコ動画、、タミフル@現実、モンスターボール(空)
 DMカード(ブラックマジシャン(10時間使用不可能))@遊戯王、KAITOのマフラー@VOCALOID、
【思考・状況】 基本思考:運営に復讐する。
0:図書館にいるチルノを迎えにいく。
1:格納庫に可能な限り安全に侵入する方法を考える。
2:他の参加者とは出来るだけ接触しない。必要に迫られればその限りではない。
【備考】
※自分の元世界がどんな場所か、自分がどんな存在が理解しました。
※元々の能力などのせいで他の参加者に比べ疲労が激しいようです。
※オフィスビルのネットは主催者と繋がっていると推測しました(真偽は不明)
※映画館での出来事を知りました。
※会場のループを知りました。
※殺し合いの目的をショーだと推測していますが、漠然と不安も抱いています。
※予備弾丸セットの中身のうちコルトパイソンの弾丸はスネークに、
近代ベルカ式カートリッジはチルノに渡してあります。
※格納庫が脱出経路であると考えました。
※べジータの大穴で地下のトンネルを発見しました。

【C-4 塚モール近辺の民家 / 2日目・夕方】
【十六夜咲夜@東方project】
[状態]吸血鬼化、右腕不随、攻守半減、疲労(中)
[装備]時計型麻酔銃@名探偵コナン、日光遮断のための服装、メス32本
[道具]支給品一式(水抜き)、
 ライトセイバー@外人が想像したとてつもない日本が出てくるゲーム(RedAlart3)、
 痛PSP@現実、マスクザ斉藤のマスク@ニコニコRPG、輸血パック×2
 [装備] 
[思考・状況]基本思考:????
1:????
2:気を払いつつ休息を取る。
3:対主催組の仲間割れに乗じて優勝を狙いたい。
【備考】
※時間操作は4秒が限度です。停止した後に使用するには数秒のブランクが必要です。
 疾風のゲイルの効果が時間停止に効力を及ぼしているかは不明。
※主催者側が参加者を施設を中心として割り振ったと推理しました。
※高い能力を持つ参加者は多くが妖怪と考えています。
※サムネホイホイ(出だしはパンツレスリングだが、その後別の映像は不明)は、A-5の平原に投げ捨てられました
※一度幻想の法則から外れた者ももう一度幻想の法則の中にもどせば幻想の法則が適用されると推理しました。
※ヤバいDISCがINしました。スタープラチナの真の能力にも気づきました。
※吸血鬼化しましたが、本家吸血鬼と比べると回復やパワーアップが小さいです。
※基本支給品と計量匙、及びフジキがC-4からD-4にかけて散らばっています。
※塚モールで火事が再発していますが、雨のため火勢はそれほどでもありません。
※べジータと情報交換をしました。しかし自分が吸血鬼であること、美希やDIOを殺害したことは伏せています。
※阿倍さんのツナギ@くそみそテクニック、便座カバー@現実はDIOのデイバッグと一緒に病院の奥の部屋にあります。
※激しい吸血衝動に襲われ自我と本能がせめぎあっています。しかしドナルドの魔力が消え次第半減します
※ときちくの言った事には半信半疑ですが、状況を利用できると考えました。
※現存する参加者の大まかな能力、相関関係、位置情報(2日目午後四時現在)を手に入れました。



sm250:運命の輪(逆位置) 時系列順 sm252:[[]]
sm250:運命の輪(逆位置) 投下順 sm252:[[]]
sm247:Interlude Ⅱ ときちく sm:[[]]
sm250:運命の輪(逆位置) 十六夜咲夜 sm:[[]]
sm250:運命の輪(逆位置) 右上 sm:[[]]
sm250:運命の輪(逆位置) 左上 sm:[[]]






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