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Scarlet devil ◆WWhm8QVzK6









「なんてことだ……」

もはや何も分からなかった。
何があったのか理解することはもはや叶わない。
ただ、視えるのは結果のみ。
荒れ果てた大地には、それしか見えなかった。



◆◆◆



「美鈴……何故だ」

当然、応えは返ってこない。
物言わぬ亡骸は応える術を持たない。
語りかけることが無駄だと分かっているのに、それなのに、メタナイトは口に出さずにはいられなかった。
どうして自分達との合流を待たなかったのか。そこまでして、急がねばならなかったのか。
見る限り敵はブロリーに違いない。だとすれば尚更慎重にならねばならない筈なのに。
それとも、遭遇してしまい戦わざるを得なかったのか。
それすらも分からなかった。

「だが、ブロリー相手によくやった……」

せめて生きていて欲しかった。
別に倒れているものも、既に息は無い。
確かこの男は情報どおりであるならサンレッドという男の筈だが。
彼もブロリー討伐に加わったのだろう。危険人物だという情報だったが、本当にそうなのかは定かではなくなった。

彼らの荷物はなくなっている。
戦いの最中に消し飛んだのか、それとも誰かが奪って行ったのか。

「これからどうするつもりだ、メタナイト」

「…そうだな、残った者を探すしかあるまい。彼らをこのまま放置するのは忍びないがな……」

「それでいいだろう。…行くぞ、何時までも留まってはいられない」

二人は、その場を後にした。
徒労と虚しさを憶えながら、ひたすらに歩き続ける。

彼らは気がつかなかった。
近くの駅には生き残り、気絶したままのべジータが寝かされていたことを。
同行者を失ったショックでそちらにあまり注意が向かなかったのだ。
それに加え向かった方向が駅と真逆だったために、余計に関心の無いものとなってしまった。
そして、この場に意識のある生きた人間がいなかったこと。
誰かいさえすれば、そこから他に誰が生きているかを聞く事もできたのだが。
唯一戦いに参加していなかった美希は、咲夜に殺されてしまった。
そしてその顛末を見ている彼女は、もうこの場にはいない。

しばらく歩き続ける。
真円を描く月が、ようやく天頂へと上り詰めようとしている。
あと少しで、この殺し合いも一日が経過するのだ。
残りは一体何人いるのだろう。
その中から、何人救うことができるのだろう?

そんな中、遠くで赤い光が見えた。
明滅した光は素早く飛び交い、そこだけを照らしている。

「戦闘しているのか…?」

「急ぐぞ、手遅れになる前に!」

気持ちは同じだった。
これ以上命を溢してなるものか。
命は、そんなに軽いものじゃない。
間に合えという一心で、二人は走った。
距離にして約300m。あと、少し、持ちこたえてくれれば……!

唐突に、光が止んだ。
厭な予感が脳裏をよぎる。
だが、それに構わず走り続ける。
ここで危険人物を逃してなるものか、と。
スネークは頭の隅で、そんな事を考えている自分が嫌だった。
死んだと決め付けるには早い。早いが、理性は既にどちらかは死んでいると告げている。

着いた。
銃の射程距離内。
貌は薄暗くて見えにくい。

「動くな!」

ビク、と。
その影が揺れた気がした。
そしてメタナイトは驚く。そこには見知らぬ者と、見知った者がいた。
一人はその場に佇み、もう一人は―――


   ◆◆◆

時間は少し前に遡る。



「ごめんね、美鈴」

そっと、亡き従者の首筋に口をつける。
余り力を込めず、ゆっくりと、まだ固まらない血を啜り始めた。
そして直ぐに口を離す。
精々飲んだのは300cc程度。後ろめたさとその呵責で、長いこと血を吸うことは出来なかった。
でも、それだけで充分だ。強い妖怪の血は人間よりも遥かに力がある。おそらく殆どが回復に費やされるだろうが、それでいい。

近くで死んでいる男の血も吸った。
特に縁は無かったはずだが、この男の血も余り吸えなかった。
なんだか、今日は血を飲みすぎている気がする。それでもお腹いっぱいにはならない。

ふと、思い出したように、ブロリーの死体を撃った。
ダン、ダン、と二発。それだけでゲージは最大に溜まった。
それを何の感慨も無さそうに、彼女は見つめる。
ブロリーの血を吸わなかったのは、何だか硬そうだったからだ。
それだけの、理由。

そして彼女も歩き出した。
宛ても無く、適当に歩き続ける。ずるずると銃を引き摺りながら。
特に何も考えてはいない。
別に馬鹿だからではなく、考えることがないからだ。

死んだように虚ろな目で、少女は歩き続ける。
ただ、生きているだけ。目的も何も無く、ただ、生きている。
生命を止めないのは、死にたくはなかったから。
なぜ、と訊かれても今の彼女には応えられないだろう。

どの程度歩いただろうか。
気がつけば目線の先には小さく図書館が見えていた。
そしてさらに近くには、

「クク……こうまでも早く出会えるとはな」

出会うのがこれで3度目となる男がいた。


   ◇◇◇


「お前の知り合いの女は図書館にいなかったがな……何か手違いでもあったか。まあそれはいい」

白髪の男は一人呟く。
夜は静かなので、その内容は彼女にもよく聞き取れた。

「美鈴は死んだ」

その言葉に男は特に驚くでもなくほお、と息を洩らすと、

「成程……。あの遠くの戦闘はそれだったのか。お前にとっては都合がよかったんじゃないか?
 なにしろ自らの不貞を知られること無く死んだのだからな……」

少女は、無言で歩き出す。

「そうか……殺る気か。それも当然……お前は俺が憎くて仕方ないのだからな・・・・・
 ガーゴイル・パワード……召喚・・・!!」

立ち止まる。
目前には異形の魔物。
猛然と迫り来て鉤爪を振りかざす怪物に対し、フランドールは

「誰の――」

「っ――――――・・・・・・!!」

がちゃり、と。
ガーゴイル・パワードの脳天に銃身が当てられる。

「――都合がいい、って」

気づいたところでもう遅い。その時点で、引き金は既に弾かれていた。

緩急をつけた突如の速攻。
攻撃の体勢に入っていたモンスターが防御の姿勢を取れるはずも無い。
そのまま放たれた銃弾はいとも容易く額を穿ち、活動を停止させた。

だが、予想外にもフランの腹から血が滴っている。
ガーゴイル・パワードの一撃はギリギリで彼女の腹の肉を抉ったのだ。
しかし吸血鬼の機動力であれば避けるに難いことはない。怪我を負っていることを考慮してもだ。
赤木は畏れながらもその様子に訝しむ。
まるで、死にたがっているようなそんな――

「やっぱり、痛いよね」

否。
それは違うと赤木は断言した。

「こんなにも痛いなんて。この傷が治ってもきっとまた誰かに傷つけられる。……でもそれは、生きてるって事なんだよね」

誰に聞かせるでもなく独り呟く。

「死んじゃったら痛みは感じなくて済む。でもそれは、全部を捨てるってこと。うれしいことも、楽しいことも、何もかも無くなっちゃう」

それは彼女自身に告げているものなのだろう。

もう逃げられはしない。赤木はそう実感した。
でも、彼は心底愉しそうだった。

「だから私は死なない。――少なくとも、お前には殺されない」

「……ここまでか。それもまた運命・・・・・・・・・!」

逃れられないのは確定的。
ガーゴイル・パワードが瞬殺された時点で既に道筋は決まっていたのだ。
だが、死に対する恐怖は無い。
その点で、彼はこの吸血鬼と圧倒的に違っていた。
彼は、狂気に犯された者の包丁を構える。
対して、少女は銃を捨てる。

勝負というにも生温い。
生死の決着は、あっという間に着いた。


ごぼり、と。
血が口蓋から滴る。
それに構わず、彼は呟いた。

「リーチの差でいけるとも感じたがな……事実成功しても無意味だったか……」

赤木の刺した包丁はフランの右胸を完全に貫通している。
腕の長さの差で、攻撃が先に到達したのは彼の方だったのだ。
一直線に突っ込んでくるだけの相手ならば一般人でも対処できる。
しかし、フランは全く止まらなかった。
傷が深くなることも、貫通することも無視して赤木より少し遅れて左腕を突き出したのだ。
その左腕は完全に赤木の肋骨を貫き、心臓を鷲掴みにしている。

「へぇ…凄い。ちゃんと脈打ってるんだ」

圏外の痛みは大きすぎてもはや感知されない。
そのため赤木には痛みは殆ど感じられなかった。
ただ、意識が薄れていく感じがしただけ。

だから、そのままぐちゃりと心臓が潰されたこともよく分からなかった。
彼に出来たのは、自分の死を受け入れることだけだ。
それ以外の事はする必要も無い。



天才はそう考え、静かに眼を閉じた。


   ◆◆◆





紅い悪魔とはこの事だろうか。
全身がくまなく赤い血で濡れている。
それが彼女自身のものか、それとも他人のものなのかは混じりすぎて判別できない。
てらてらと滑り輝いているその血液は、粘りつくように彼女の身体を纏う。
むせるような血の匂い。血溜りの中に独り佇む。

「でも、どうなんだろう……」

ぺろり、と指についた血を舐め取る。
付け根から、爪の先まで。

「死にたくないなら、なんで――」

敵を倒したという喜びも無い。
凄く無感動な自分がいることに、驚いた。
以前ならもっと感情を現していただろう。
でも、その感情が出てこない。
現せないのではなく、出てこないのだ。

「フラン!」

声が聞こえる。
とっくに彼女は気づいていたが、話しかけられるまで黙っておこうと思い、何も言わなかった。
どうせ、反応は決まっているのだから。

ちらりと一瞥する。
聞こえた声の主のほかにもう一人いる。
メタナイトとは違い、れっきとした人間のようだ。
その人間は、明らかに警戒心を向けている。
いや、これは明確な敵意だ。
この存在は危険だと、その刺すような視線が告げていた。

「メタナイト。仮面変えたの?」

「そんなことはどうでもいい!お前が……やったのか」

「見てたんでしょ?なら訊くことないじゃない」

当然の如く、フランは告げる。
表情は仮面で隠れて分からないが、動揺が見て取れた。

「お前……・・・本当に、フランか……?」

震える声で口に出す。
そうであってくれるなと、願うかのように。

少女は、静かに笑い顔を造ると、

「ねえ、メタナイト。その質問に何の意味があるの?」


断として、彼の思いを否定した。


◆◆◆



「動くな……!」

スネークは、銃を構えて声を張り上げる。
その姿勢には一瞬の油断も無い。
ピリピリと空気が張り詰める。

「始めまして。あなたは誰?私の事はメタナイトから聞いてると思うし話さなくてもいいよね」

スネークは口を閉じたままだ。
答える気は無いらしい。

「あ、そ。……で、何の用?まさか、『動くな』だけじゃないよね…?」

「フラン、何故その男を殺した…!」

メタナイトが叫ぶ。
理解できないとばかりに。

「殺されそうになったから殺したんだけど。なに?もしかして殺されなくちゃいけなかったの?」

「違う、お前なら逃げられる筈だろう!何も殺す必要はなかった!」

「万が一の事を考えなきゃ。私だって死ぬかもしれないじゃない。それに、こいつが私を殺そうとしたのは3度目。
 仏様よりは一つ足りないけれど、充分見逃した方でしょう?」

自分は正しいと主張する。

「……これで何人目だ」

スネークが質問する。
喋っているうちは、まだ安全だと見越して。

「5人?6人?……よくわかんないや]

吸血鬼は嗤って、よく憶えていないと返答した。
その無機質な嗤いに、スネークはおぞましさを感じた。

「私は自由に過ごしてるだけなのに、なんで文句言われないといけないのかなぁ?
 私のいたところじゃあ、誰も何も言わなかった。まあ、誰も死ななかっただけなんだけど。
 だから…、私の生活に首突っ込まないでほしいな」

フランは、自分は好き勝手やっていただけだ、と主張する。
その通り彼女は遊んでいたし、それで誰かが死ぬことは無かった。
周りが強かった所為もあるのだが。故にナニカを殺すことなどなかった。

「ふざけるな!お前がいた所でのルールがどうだったのかは知らないが、人間に適用されはしない」

「それなんだよねぇ。なんでいつも人間は自分達を中心にするのかな?
 それでいっつも自分達の意に沿わないことがあったらそれを排除する。
 それでも弱いから簡単に死んじゃうんだよね。遊びたくないなら最初から逃げればいいのに、
 最初から嫌だって言えばいいのに、それなのに勝手に殺しに来て、死んじゃうんだもの」

「美鈴は……こんなことをしたお前を赦さないぞ…」

一瞬、フランは口を噤んだ。
それをメタナイトは良心の呵責によるものと判断する。だが、

「――アンタ、美鈴をなんだと思ってるの?」

「何……?」

「たかだか一度知り合った程度で美鈴の何が分かってるわけ?美鈴は紅魔館の門番で、私の従者なんだよ?
 付き合った時間もアンタなんかよりもずっと長い。何も私は全部知ってるって訳じゃないけれど、アンタよりは
 間違いなく美鈴を知ってる。こんなことで私を否定したりなんかしない。美鈴は、少なくとも私のことを理解してくれる。
 ―――――それに、美鈴はもういない」

「知って……いたのか」 

訊くまでも、なかった。
当人が知っているのだから。

「で、どうするの?アンタ達が何もしないなら私はこのまま行くけど。そうだね……咲夜でも探してみようかな」

メタナイトは、応えられない。
自分が抱いていた想像は、何だったのかと。

「でも、そっちの方は……ほっといてくれないみたいね」

フランは、スネークを睨んだ。

「当然だ。貴様の裁量で、これ以上人を殺されては適わない。
 それに、十六夜咲夜と合流するのなら、なおさら放っては置けん」

目の前の敵に勝てるとは思わないが、スネークは見逃すことが出来なかった。
それは彼の信条に反する。

「どういう意味?」

「奴は……俺の目の前で2人の参加者を殺した」

その台詞がどういう意味を持つか、フランはすんなり理解した。

「なら、アンタは放っておけないね」

フランは、一歩前に進み出た。
目前に銃があることなど気にも留めずに。

「私は殺したいから殺しただけだけど、咲夜は人間だから違う。
 出会ってすぐ殺したんじゃなかったら、きっと理由があるはずだよ」

そう言うと、フランは足に力を篭め、


「!!」


瞬時に両方の膝蓋骨を撃ち抜かれた。


   ◆◆◆


がくん、と体が落ちる。
さらにそれと同時に両肩を撃ち抜かれる。
前に進もうと力を入れていた所為で不自由になった脚はバランスを崩し前のめりに倒れる。

「最後に一度だけ言う。考えを改めて無為な殺人を止める気は無いのか。
 おとなしくすれば、お前も帰れるかもしれないんだぞ」

最後に一度だけ。
スネークは、フランに譲歩した。

フランは体を震わせて、

「それは……――――攻撃する前に言うことだよね」

吸血鬼の身体が跳ね上がる。
スネークの指の動きより速く。
弾丸が地面に到達したときには、フランは既に上空にいた。
拍子にスネークの顔に血が滴り落ちる。
それは、彼女から流れ落ちた血液だった。

「これ以上私から奪うなら……お前の命を奪ってやる」

紅い双眸が光る。
それは天空の月よりも、輝いて見えた。

フランは自分の身体を見る。
今つけられたばかりの傷は当然治っていない。
真二つになった右手はほぼ元通りに。
脇腹の刺し傷も血が止まっている。
全身の痛みもあまり気にならない。
疲れは――どうにかなる。
美鈴と男から飲んだ血はまだ余っている。
それに加え、夜が味方をしている。回復力は昼と段違いだ。

今は、吸血鬼の独壇場。

6発目をスネークが放とうとしたとき、目の前を紅色の雨が覆いつくす。
その時点での標的の駆逐は不可能と判断。
咄嗟に回避行動に移る。
地面を抉り穿つ無数の弾幕。
その一つ一つが必殺の威力を所有している。
一発でも喰らえば何処に当たろうとデッドエンド。
当たったその瞬間に動きが鈍り、動かぬ的となるからだ。

メタナイトは既に別方向に退避している。
それでいい、とスネークは思った。
彼は今丸腰だし、狙われる理由はない。
巻き添えを食う必要はないのだ。

狙いが雑であるが故に避けるのはまだ楽だ。
しかしスタミナが問題となる。
あちらの弾幕が途切れるのが先か、こちらが力尽きるのが先か。
身体の負傷度を見る限りあちらが先だと思いたいのだが、様子からしてそれはあるまい。

最後の一発をフランの方向に適当に撃つと、すぐさま弾奏を交換する。
残り一発しか入ってない拳銃を大事に持っていても仕方ない。
本当に必要なときに、畳み掛けねばならないのだから。
それは、すぐにやってくると確信して。


「アソバンカーーー!!!」


弾幕の炸裂音に負けじとした大叫音が草原に響き渡る。
フランは思わずその声の方を振り返る。
そして一瞬だがスネークがフランの狙いから逸れる。
それが、合図だった。

複数の弾丸がフランの肉体を貫通する。
今度は撃ち落すことを目的とした銃撃だ。
無論、殺害の意味も含めてだが。

右手に命中した弾丸は治りかけの傷をまた広げ、そこから血が溢れ出す。
左肘に命中した弾丸は関節ごと骨と肉を破壊する。
右の羽根の付け根に命中した弾丸は飛行を不安定とさせ。
最後の弾丸はフランの額を滑るだけに終わった。
特別フランの頭蓋骨が硬いわけではない。
頭蓋骨の構造上銃弾はまともに命中せねば、文字通り頭を『滑る』のだ。
しかし、結果的にそこから出た血は彼女の左目を塞いだが。

フランの視界には犬が映る。
勿論それは愛犬ロボ「てつ」である。
スネークがフランに話しかける前に、こっそり彼女の後ろに回りこませて、
頃合いを見計らって叫ぶように指示したのだ。
単純な誘導作戦ではあるが、それでも功は為された。

しかし、フランは墜ちない。
身体に8発の銃弾を受けながらも止まることはない。
先程の隙で撃てたのは4発。これ以上の陽動は無理だ。
フランはてつに向けて10発の光弾を撃っただけで、それ以上の興味をなくしている。
それに対してつは、フランの狙いが曖昧だったこともあってかギリギリのところで洗礼を免れた。

あれで墜ちないとなれば、後はかなり厳しい。
放たれた弾がスネークの肌をかすめ、擦過傷や切り傷を作っている。
血液の流出量から考えて、全力での行動は難しいものとなっていた。
残りで、どれだけ相手を削れるか。

ダン、と一発。弾幕とは異質な音がする。
同時に、フランの左羽根が千切れた。
バランスを失い、彼女の身体はそのまま地面に近づく。
スネークは銃弾を放っていない。ならばこれは、

「すまない、フラン……!」

メタナイトによるものだった。
彼の手には銃が構えられている。
それは、フランが捨てたクリムゾンに他ならない。
仲間だった者を傷つけることになってしまった彼の心中は、察して余りあるものだった。

ドシャ、と厭な音がする。
これでフランを地面に落とすことが出来た。
結果的にスピードと飛行能力を削り、これで形勢はかなり有利となる。
――かに思えた。

「謝るなら・・・・・・・・・・」

思い知らされる。
いくら脚を穿とうとも。
どれだけ血を流させようとも。
いかに飛行能力を奪おうとも。

この吸血鬼に、さしたる意味はなかったということを。

ぶちぶちと肉を引きちぎる。
フランが墜ちた位置は何処だったか。
それは、赤木の死体の上。
そこで、フランは赤木の右腕を引き抜き離断させ、

「・・・・・・最初からやらないでね」

めらり、とその腕が燃える。
炎の魔剣を造るのに媒体が剣である必要は無い。
掌は柄。手首は鍔。腕は刀身。
轟と、僅かの間に炎の柱は十数メートルにも伸びて、

それを、フランはメタナイトに向かって大回転させた。

「……っつ!!!!!」

視界が赤で塗りつぶされる。
よもやこのような方法で使うとは誰が想像できようか。
初見の人間は二倍の驚きである。

スネークはフランの後方にいた為、間一髪地面に伏せることで助かった。
それでも上方の熱で意識が参りそうにはなったが。
だが、確実に狙われたのはメタナイトだ。
アレを喰らって無事とは思えない。
最悪、死。

歪む視界を見渡す。
あってくれるなと願わんばかりに。
そしてその幻想は、

叶った。

「うおおおおおああああっ!!!」

メタナイトは走る。
割れた仮面を盾にして、辛うじての直撃を防いだのだ。
それでも仮面は殆ど溶け、ゼロの仮面も4割が熱に冒されている。
その手には、クリムゾンを。
撃つという本来の用途には使わず、

そのまま、フラン目掛けて振り下ろした。

それをフランは炎の剣で受け止めようとする。
が、いとも容易く叩き折られ、銃身はフランの左鎖骨を打ち抜いた。


「ガッ・・………ぁ、あああああああああああああああああああああああああああッッ!!!!!!」


初めて、フランは叫んだ。
でも動きだけは止まらない。
裂かれた右手をメタナイトの顔面に突き出し、そのまま握りつぶした。

「くあ……っ!」

肝心の顔面には空を切るが、破片がメタナイトの顔を襲う。
飛ぶように離脱したメタナイトはバランスを崩し、そのまま滑り転んだ。
そのときに離してしまった銃は、フランの手に。



「--------死ね!!」


銃が、炸裂する。
それは、銃弾を発射した。

と、いうことではない。
言葉通り炸裂したのだ。
その意味は、状況はスネークとメタナイトにとってはっきりと見えた。

フランの右腕は原形をとどめていない。
それどころか、全身がぐちゃぐちゃだ。
銃の破片が体中に突き刺さっている。
銃の暴発。それが、彼女に起きた事態だった。

高温により熱された銃身は、フランドールを殴ることにより曲がり、銃としての機能を為さなくなっていた。
真相は、あっけない自業自得によるものだったのだ。


フランは、その場に力なく崩れ落ちた。
一言も声を上げずに。

もはや回復力も残っていない。
血も足りない。生命を維持するだけの体力は無い。
視界がぼんやりとしてくる。
そこに映るのは、黄色く輝く月。

黒い影が現れる。
それが誰なのか、彼女にとってはどうでもよかった。

「咲夜は、アンタになんか殺されないよ」

男は無言のままだ。
その手には、キラリと光るナイフがある。
なんだか、見覚えのあるようなナイフだ。

ふと、フランはどうして自分がこんなに傷ついているのか不思議に思った。
思えば赤木と最後に戦ったときから、身体を傷つけてばかりだ。
もしかしたら、心のどこかでは死にたいと思っていたのかもしれない。
美鈴が死んだから、自暴自棄になっていたのか。
だとすれば性急なことだ。まだ会いたい人間はいたのに。
フランは、微かに笑う。


その胸には、厳かに銀のナイフが突き立てられた。








【赤木しげる@闘牌伝説アカギ 闇に舞い下りた天才   死亡】
【フランドール・スカーレット@東方project   死亡】


【D-4 草原/1日目・真夜中】
【メタナイト@星のカービィ(メタナイトの逆襲)】
[状態]顔面打撲、顔面に切り傷、火傷(小)、肉体疲労(大)、精神疲労(大)、左肩に銃創(処置済み)、ゼロマスク (半分破壊)
[装備] ゼロの仮面(顔が入るサイズに改造、半分が損壊)@コードギアス
[道具]支給品一式、
[思考・状況]
基本思考:参加者の救出及びゲームからの脱出
1:フラン……。
2:これからどうする…?
3:殺し合いに反対する者を集める
4:脱出方法を確立する
5:触覚の男(呂布)との決着
6:十六夜咲夜を警戒
[備考]
※E-2付近の川底で何か見たようです(気のせいという可能性もあります)
※フランドール、スネークと情報交換をしました。また、東方project出展のキャラについてそれなりの情報を得ました



【ソリッド・スネーク@メタルギアソリッド】
【状態】肉体疲労(大)、精神疲労(中)全身に擦り傷、切り傷
【装備】コルトパイソン(2/6、予備弾14/36)@現実、TDNスーツ@ガチムチパンツレスリング、越前の軍服
 愛犬ロボット「てつ」@日本郵販テレホンショッピング
【持物】やる夫の首輪、ハイポーション@ハイポーション作ってみた、馬鹿の世界地図@バカ日本地図、全世界のバカが考えた脳内ワールドマップ
 咲夜のナイフ@東方project、さのすけ@さよなら絶望先生、基本医療品
【思考・行動】
基本思考:情報を集める。また、首輪を専門の奴に見てもらう。
1:……。
2:これからの行動方針を決める。
3:自分から攻撃はしない。見つかった場合も出来れば攻撃したくない。
4:十六夜咲夜のような奴が居れば、仲間に誘った後、情報を聞き出した後倒す。
5:てつを使用し、偵察、囮に使う。
6:十六夜咲夜を警戒。
[備考]
※馬鹿の日本地図の裏に何か書いてあります。
※ミクが危険人物という情報を得ましたが、完璧に信用はしていません。
※盗聴されている可能性に気付きました。また首輪に電波が送られているか何かがあると思っています。
※電波を妨害するチャフグレネード等の武器を使えば、どうにかなると考察しています。
※てゐからは千年以上生きている、知り合いの事を話してもらいました。
※メタナイトを通じて、美鈴、咲夜、フランドールの関係について新たな情報を得ました。

※フランの荷物はD-4草原にあります。
※フランがサンレッド、ブロリー、美鈴の支給品を回収しました。



sm208:変に落チルノ? 時系列順 sm210:Bad People!?
sm208:変に落チルノ? 投下順 sm210:Bad People!?
sm194:アポロ13 -そして誰もいなくなるか? 赤木しげる 死亡
sm203:正義の味方 -Round ZERO BLADE BRAVE-(状態表) フランドール・スカーレット 死亡
sm192:Yell "dead human" メタナイト sm219:雨降って地固まる
sm192:Yell "dead human" ソリッド・スネーク sm219:雨降って地固まる






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