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もっと熱くなれよ ◆WWhm8QVzK6







死亡者、3人。加害者は逃走。



映画館の屋根に立ち、射命丸文は周囲の監視をしていた。
音が漏れない設備の映画館ではあるが何事も用心に越したことはない。
経過15分。周囲に人影は存在しない。
無論、あの野々原渚の姿も影形すらない。

(どこに逃げたか……)

時を止めたわけではあるまい。
そうであればあの場で全員瞬殺されている。
おそらく、あの翼が移動手段なのだろう。移動回数に制限がないとしたら、とてもではないが捉えることは難しい。
しかし、野放しにしてしまったということはまた犠牲者が出る事を意味する。
あの女の身体能力は、決して並の人間のものではなかった。

(確か手の骨を折ったとか言ってたわね。囲炉裏……だっけ。あの男も人間だったけど幾らなんでも
 攻撃を受けたらすぐに振り払って逃げられるでしょうに……男が相当トロかったか、もしくはあの女が規格外か……)

もちろん人間としての範囲でだけど、と文は心の中で付け足す。
まあ次はもうない。見つけた瞬間に殺害する。それをするのは別に自分でなくともいいのだが……などと考えていると
下方の入口に男が一人。

「どうだ、誰もいないか?」

「現時点では。あと、ちょうどスカートを覗ける位置に立たないでください。撥ねますよ?」

「ふむ、そんなつもりはなかったのだがな。それより降りてきてくれ。少し話し合いたいことがある」

「構いませんが……大方今後どうするか決めるんでしょう?」

「察しが良くて助かる。というかそれくらいしか話し合うことが無いのが現状ではあるが……」


     ※     ※     ※     ※     ※


遺体は全てあの部屋に置かれたままになっている。
無理に動かすこともないだろうという総意によってだ。
死んだ連れの2人はともかく、バラバラになった元人間(?)のサイコロステーキをかき集めるのに気が退けたからだろう。
というわけで、キョン子、アポロ、グラハム、文の4人は別の部屋にいた。あの場に散在した故人の荷物も持ってきている。

「さて、今後どうするかということだが……何か提案はあるか?」

すぐに返ってくる応えはなかった。
伽藍とした室内の中、陰鬱な感情を少なからず発しているのが二名。その内一人は今にも自殺しそうな勢いだ。
そんな空気を気にせず文は平然と応える。

「とりあえず一旦塔に向かって、それから中心の町の方に行きたいと思います」

「なんで塔に戻るんですか?」


「もしかしたら私達が去った後に誰かいるかもしれないじゃないですか。
 そう、例えば……あの女とか」

妖艶な笑みを浮かべ、文は自身の鼻に手をやる。
その舐める様な視線は自分に向けられながらも自分に対してのものではないと理解したが、キョン子は恐ろしくなった。

「殺すん、ですね」

その気に押されてついつい言葉に出てしまった。
その結論が、分かりきっていたとしても。

「ああ、貴方は安心してください。汚れ役は私達が引き受けますので、キレイなままでいていいんですよ?」

彼女はそれを聞くと、そのまま俯いてしまった。 
そんな中、誰にも気づかれることなく、ユベルは静かにほくそ笑む。

(キレイなまま、ね……。ずっとそんな風にいられるはずないのに。ああ、皮肉ってワケか。
 彼女もなかなか面白そうだけど今はこっちの方でいいや。純粋な方が満たしがいがあるしね)

その思惑がどう転ぶのか分からないが、少なくともキョン子の手を離れない以上ユベルもこれ以上の行動は出来ない。
だが、近い内にそれも崩されるだろう、と心の底で彼は思った。

「ところで、だが。我々はこのまま動かないほうがいいのかもしれない」

「はい?」

「「へ?」」

一瞬早く文が疑問の声を上げ、そして後にアポロとキョン子が同時に発声した。

「理由を聞かせてもらえませすか、グラハムさん」

情報収集のためにも、首輪の解除のためにも多くの人と出会わなければならないのは当然と考えているアポロは
落ち着いてグラハムの真意を求める。

「と云うより、大人数にならないようにすべきと言うことだ。顛末は体験したとおりだろう。
 殺し合いといいながら、どうも非戦闘員が多く呼ばれているような気がしてならないのだ」

ちらりと、グラハムはキョン子の方を見る。

「そんな中で、無闇にいるかどうかも分からない技術者を求めて集うのは期待通りでない者ばかり。
 そして少し背中を押されればこのような事態が起こる。先に話したとおり、我々が経験したのはこれで二度目だ。
 3度目はあってはならないだろう。だから、ここを動かないほうがいいと言ったまでだ」

「ならば、首輪の解除は諦めろ……と?」

首輪の解除を諦める。
それは即ち、主催者への反抗を諦めるということに他ならない。
そしてそうなった場合に取られる方法は、一つしかない。

「そういうわけではない。もはや自分達で何とかするしかないと言うことだ。
 無闇に身を危険に晒すよりは無難だろう」

「だが!……!!」

「そうですねえ、下手に仲間を集っても危ないですしね」

「文さん……?」

「正直言って自分の身を守るので精一杯ですしね。精々守れたとしても一人程度。
 今回はそれも叶わなかったわけなんですが……それとも、安易な正義感でまた誰かを死なせるつもりですか?」

「……ッ!!」

「私はフラッグの事を守れるがな」

「貴方は黙ってください。シリアスな空気が潰れるでしょう?」

無言が続くこと30秒。

「わかりました……私一人でここを出ます」

唐突に、アポロは苦々しく発言した。

「え!?」

「どうするつもりだ?」

「首輪を解除できそうな人を探してきます。私一人なら、貴方達を危険に晒すことはないのでいいでしょう?」

「本人がいいならそれでいいが……」

「次の放送までに戻ってきます。間に合わず、放送で私の名前が呼ばれた場合には構わなくて結構です」

「でも、そんな……」

「気にしないでください、生きている限り必ず帰ってきますから」

     ※     ※     ※     ※     ※

必要最低限の装備を整え、ある程度の荷物をグラハムに渡してアポロは映画館を後にした。
もし死んだとしても、無駄に支給品が奪われないようにするための措置だ。
そもそも、一人では扱える武器も限られるので彼はそれに何の反論もなく承諾した。
草原を颯爽と歩く後ろ姿はさながら獣のようだ。あ、半分獣か。

「まあ、体よく動かしたってことになるんでしょうね」

「捉え方によってはそうなるかもしれんが、あれは彼自身の覚悟だ。憂慮する必要は無い」

「はい?そんな気はないんですけど」

「おや、私の読み違いだったか。こう見えてフラッグの扱いには慣れているつもりだったが……」

なるほど、といった顔でグラハムは頷く。
それにしてもこの二人、傍から見ればなかなか気が合っている様に見えなくもない。
尤も、現実は違うのだが。

「二人とも、何でそんなに気楽にしてられるんですか?」

「?」

椅子に座ったままのキョン子が声を発した。
声を発したのは別に驚くべきことではないのだが、重要なのはその内容だ。
文は「はて?」と言いたげな顔でキョン子の事を見てる。
演技だか本気だか分からないのがコワい。

「情報集めをアポロさんに任せっきりにして……これじゃあ逃げてるだけじゃない。
 本当に生きて帰る気があるんですか!?」

キョン子は内容量が半分ほどになったペットボトルを握り締める。

声を荒げる少女。
少女を見やる天狗。
天狗を見つめる変態。

「本当に、可笑しなことを言うわね。貴方は」

ヒトの形をした化け物が、哂う。

「そもそも自分から死にたい生物なんているんでしょうか?別に絶望しているわけでも無しに……。
 少なくとも望みが有る以上は生き続けるつもりですよ。私は諦めませんから」

だったら、どうしてアポロさんのように行動しない。
生きたいと思うのならそれなりの行動をすべきではないのか、と少女は詰め寄る。

そう、言おうとしたのだが。

「何ですか?言いたいことがあるなら、言っておいたほうがいいのでは?」

「あ……いや、いい」

少女は、矛盾に気づいた。 
生きたいと、死にたくないと思っているにも関わらず何も出来ていないのは果たして誰なのか。
自分のことを棚に上げて、抗議しようとしているのは誰なのか?


――――――何も出来ていないのは、私じゃないか。


でも、怖い。
何も分からないまま死にたくない。
自分はまだ、生きていたいんだ。
何の力も持っていない。活路を導く知恵もない。
そんな奴が高らかに生を謳うのは間違っていると言われるかもしれない。
だけど、私は、元の世界に帰りたい―――――


項垂れる少女を目にして、文は別の椅子に腰掛けた。
水を喉に通し、また少し鼻に手をやる。
その行為に重要な意味はない。単に鼻が痒いだけだ。
こうしている間にも、殺し合いは続いているのだろう。

始まりより半日。
彼女は、もう気楽に情報収集が出来て誰かと出会える時間ではなくなったと感じた。
既に力のない雑魚は悉く狩られ、残っているのは狡猾な者や純粋に力の強い者だけなんだろう。
首輪を外す技術を持つ者が生きているかも怪しい。
そもそも、そんな者がいるのかどうかも怪しいのだが……

正直、運が悪かったと言わざるを得ない。
出会う者は大体が彼女の期待を下回る者で、そして彼らはどんどん切り捨てられていった。
期待に沿える人間に出会えなかった以上、既に脱出を講じようとも後手でしかない。
もはや脱出の見込みがないのだとしたら、身の振り方も考えなければなるまい。

(でも…まだその時じゃない)
脱出の望みは完全に消えたわけではない。
自分が動けば、見つかるかもしれない。
そうだ、そもそも足手纏いの事なんか気にしなくていい。
大事なのは、自分が生き残ること。
脱出するのが何人になろうが関係ない。

その中に、自分さえいればいいのだから。

「アポロさんを追いましょう。今ならまだ間に合います」

「え!?」

「何?」

二人の驚きも無理はない。
探索に否を唱えた者が、方針を転換したのだが。
と言っても、従来の方針に戻ったに過ぎない。

「何と言うかやっぱり自分も動かないといけないでしょうしね。貴方の言うとおりですよ、キョン子さん」

「私は、別に……」

「君がそう言うのならば私は構わない。この身を賭けて、フラッグを守り通す」

「どうも。さて、それじゃあ荷造りでもしましょうか。善は急げと言いますしね」

唐突な心変わりにキョン子は不信感を覚えながらも、粛々と行動する。
内心で、こんな風に方針をコロコロ変えられては堪ったものではないと思いながら。
その度に自分の不要さを思い知らされるからだ。

整頓することものの10分。
一部は自業自得とは云えども後味が悪すぎるので合掌。
各々の思いで黙祷を終え、映画館のエントランスを出る。

現在午後2時ジャスト。
地球の法則に従うなら気温はマキシマムに達しているのだが、この3人はどうも冷えたままだった。







当然だ。
太陽の熱じゃあ、人の心を暖めることは出来ないんだから。


【D-2 中部/一日目・午後】
【アポロ@チーターマン2】
[状態]:健康、悲しみ
[装備]:養由基の弓@三国志?(矢残り6本)、逆刃刀・真打@フタエノキワミ、アッー!
[道具]:共通支給品、、果物ナイフ@現実
[思考・状況]
基本思考:ゲームの転覆
1:中心部に向かい、首輪を解除できる人材を探す。第三放送までには映画館に戻る。
2:戻れなかったら……。
※羽入と蜂はDr.モービスの生物兵器だと思っています。
※新堂の死体を発見しました。みさおには伝えていません。
※羽入と軽く情報交換をしました。
※現時点で、射命丸たちが追いかけているのを知りません。


【D-2 映画館前/一日目・午後】
【射命丸文@東方project】
[状態]:疲労(小)、脇腹に中程度のダメージ、服がボロボロ
[装備]:七星宝剣@三国志?
[道具]:支給品一式×2(一食分食糧と水消費)、究極のコッペパン@ニコニコRPG
    緋想の剣(気質が十分集まった状態で小規模な地震を起こせる。天候変化の有無は後の書き手さん次第)@東方project
    モンスターボール(空)@いかなるバグにも動じずポケモン赤を実況
[思考・状況]基本:一番大事なのは自分の命、次がチルノさん。後はどうでもいい。
0.脱出は怪しいかもね……。
1.アポロの後を追う。
2.情報収集。自己保身を優先する。特に究極のコッペパンは絶対に自分で食べる。
3.主催者の方が強そうだったら優勝狙い、脱出できそうなら脱出狙い。それまでは2に徹する。
  少なくとも人数が半分以下になるまでは立場を確定させない。
4.優勝狙いが確定しない限りグラハムと一緒にいてやる(ただし優勝狙いに決めたら速攻で殺す)。
5.ブロリーと出会ったら何を犠牲にしても全力で逃げる。
6.呂布を警戒。
※自分の方針を再確認しました。
※野々原渚が何らかの特殊な移動手段を持っていると考えました。

【グラハム・エーカー@機動戦士ガンダム00】
[状態]:ほっぺたにビンタ痕
[装備]:ガリィ@FF11 FF?、ゴブリンバット@ニコニコRPG
[道具]:支給品一式×2(一食分食糧と水消費)、ホイールオブフォーチュン@遊戯王5D's
    DMカードセット(天使のサイコロ、悪魔のサイコロ、スタープラスター)@遊戯王シリーズ
    不明支給品(1つ)、ヒテンミツルギ極意書@ニコニコRPG
    キッチリスコップ@さよなら絶望先生
[思考・状況]
1.フラッグ(文)に惚れた
2.フラッグを守る
3.もう自分のミスで誰かを死なせてはならない。
※参戦時期は一期終了後(刹那のエクシアと相討ちになった後)。
※キョン子、大河、羽入、アポロ、みさおと情報交換しました。


【キョン子@涼宮ハルヒコの憂鬱】
[状態]:健康 、悲しみ、文に対する怖れ
[装備]:DMカード【ユベル】@遊戯王デュエルモンスターズ、くず鉄のかかし@遊戯王シリーズ
    言葉のノコギリ(レザーソー)@school days
[道具]:支給品一式×3(食料、水一食分消費)、長門有希のギター、Ipod(少佐の演説の音声入り)@HELLSING
     カレーセット@るろうに剣心、うまい棒セット@現実 、ピーマン@星のカービィ
     アイス詰め合わせ@VOCALOID、海賊帽子@ミュージカル・テニスの王子様
[思考・状況]
0:……自分は、どうすればいいの?
1:生きて帰りたい
2:殺し合いには乗らない
3:とりあえず文さんたちと一緒にいる
4:町へ行きたいけど贅沢は言わない。
5:異世界という確信を得るため情報を得る。
6:ユベルはなんで放送のこと知ってるの?
※グラハム、大河と情報交換しました。
【ユベルの思考・状況】
1:大好きだよ、十代……
2:十代に会うためこの世界を『愛』(苦しみと悲しみ)で満たす。
3:そのために女(キョン子)を利用し、痛みと苦しみを味あわせる。
4:彼女も誰かを愛しているのかな……?フフフ……
5:あの女(文)もちょっと面白そうだ……。
[備考]
※ 制限によりユベルは参加者の体を乗っ取ることができません。
※ 参加者との会話はできますが、自分からの実体化はできません。
※ バトルロワイアルの会場を異世界の一つだと思っています。
※ 自身の効果以外で破壊された時、第2形態、第3形態に進化できるかは不明



sm165:WE GOTTA HOT POWER(後編) 時系列順 sm167:忙しい人のための「図書館へ行こう!」
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sm151:「正解」と「理想」 -Killer Queen-(後編) アポロ sm179:禁止エリアの抜けた先
sm151:「正解」と「理想」 -Killer Queen-(後編) 射命丸文 sm179:禁止エリアの抜けた先
sm151:「正解」と「理想」 -Killer Queen-(後編) グラハム・エーカー sm179:禁止エリアの抜けた先
sm151:「正解」と「理想」 -Killer Queen-(後編) キョン子 sm179:禁止エリアの抜けた先






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