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奴が行く ◆5RtyfADmTk




太陽がほぼ真上に位置する時、静まり返る駅の構内にアレクは殺し合いにのった
金髪の眼鏡をかけたクラッシャーと呼ばれた少年と、リンと呼ばれた少女、
その二名について考えをめぐらせていた。
あのクラッシャーという少年はどうやら積極的に殺し合いに乗っており、既に二人も殺した。
そしてKAITOが言うにはリンがああなってしまったのもクラッシャーのせいらしい。
もしKAITOの言うことが本当ならば、早急に手を打たなければならない。
(問題はKAITO自身が賛同してくれるかどうかだな。)
自分の隣にいるKAITOを一瞥してみると、
自分の命を断とうとした銃を今度はお守りのように膝元に抱えて座り
ガタガタと震えていた。
顔色からは生気が感じ取れず、俯いたままではあるが、
その顔からは何度も確かめるようにアレクに視線を向けていた。
その様子にアレクは聞こえぬよう小さくため息をついた。
丁度その時、アレクが放ったため息が合図となるよう、放送が始まった。



「そ、んな……」
思わず声が出る。
「どうしたんだ?」
アレクが俺に問いかける。
「ミクとテトが……、ボーカロイドの仲間が死んだ……」
放送が始まって、アレクが言ってた危険人物が死に
ハクが本当に死んだことを改めて実感させられ、そしてテトと、ミクも死んだことを聞いた。
予想以上に震えが止まらずに、
口は少し開きガクガク震えながら手で体を抱きしめて、
顔をうずくまって枯れたと思っていた涙を流していた。
多分、テトと、ミクの死を契機に先ほどの恐怖も蘇ってきたらしい。
恐怖と同時に、憎悪も蘇り、俺の中にクラッシャー同様に
二人を殺した犯人を殺したいという気持ちが浮かび上がる。
だけど、そいつが俺より強い奴だったら?
そいつが俺たちよりも仲間がいたら?
そう考えるだけでも俺は気持ちに歯止めをかけてしまった。
―――ああ、そうだ、俺はそうまでされても殺されたくない、死にたくない。
プライドとかそういう問題じゃない、至って普通の感情だ。
ただ……、それが愚直なまでに行動に出やすいだけなんだっ……!


「KAITO」
急に掛けられた声により、俺は思わず身体を震わせた。
そういえばアレクが何か言っていたようだった。
顔をあげると俺に声をかけたアレクが、
どことなく申し訳なさそうにしてたのを感じ取る。
そういえば、二人が死んだのを聞いた時、俺はずっと泣いていたままだった。
心なしか、アレクの表情に俺が殴った頬がやけに強調されているようだった。
「……、あ、ああ、さっきは殴ってほんとごめん……」
俺は涙を拭いながら、逆恨みでアレクの頬を殴ったことを思い出し
急に申し訳なくなり謝罪をした。
「い、いや、こ、これはアレクに見捨てられたくなくて謝ってるわけじゃないんだ。
 俺だって、謝らなきゃいけないということはちゃんと……」
「……お前はどうする?」
唐突にアレクが俺に問いかける。
「……俺は……死にたくない…………だから……」
言葉に詰まる。死にたくないからどうしたいというんだ俺は。
死にたくないからこのままガタガタ震えるのか?
死にたくないから人気がない場所で隠れているのか?
死にたくないから――――人を殺すのか?
違う!俺は殺したくない……!、自分で殺したくはない、でも、でも
結局答えが出ず、俺は顔を下に向けて黙っていた。
「……俺はあの二人を放ってはおけない。いずれまた人を殺すだろう」
「……で、でも危険すぎる!あ、あのクラッシャーという奴は身体能力が凄いじゃないかっ…………!」
自分が発した憎む相手を謙遜する言葉に自己嫌悪が蠢く。
クラッシャーは確かにぶち殺したい。
けど、クラッシャーと一緒にいるリンに会いたくはなかった。
色艶やかでどこか魔性を感じさせ、上品でどこか残酷さを垣間見せる。
あれを健気で悪戯っぽいリンと言っていいのかと疑問を浮かび上がらせる。
あれは本当にリンなのか?いや、リンの皮をかぶった何かなんじゃないのか?
と自問自答している内にまたしてもアレクが言葉を放つ。
「だけど、俺はあの二人をこのまま野放しにはしたくない」
「……、このまま会ったって……、余計な混乱や誤解を招くだけじゃないか!」
アレクの絶対に譲らぬ態度に思わずイラつき、激しい口調で申し立てた。
「リン自身も……洗脳されているせいか戸惑っているだろうし……俺自身もリンを殴ってしまったし……
 こういうのは改めてお互い整理をつけたほうがいいんだ!!」
喋っていく内にこれまでの出来事が欝憤となって溢れ出し、思わず語尾を強める。
今ぬけぬけと会いに行くと余計な事態を招く可能性がある。
何にせよ2人も殺したクラッシャーが再度激昂し、
手違いでリンが殺されるかも知れない、最悪アレクも、俺も。
そうなってしまうのは絶対御免だ。
そう思うとますます焦りや不安が俺を駆り立てて、言葉を紡ぎだす。
「決して怖いとか、逃げたいとかそんなんじゃないんだ!
 わかるだろ!?俺はあんなことをしてしまったんだ!そしてあんな言い訳をしてしまったんだ!
 許してくれるはずがないんだ!だから、だからっ……!」

「KAITO」

言葉の途中を遮られ、思わず黙る。
その声色が普段通りなのか、とても冷たいものだったかはわからなかった。
だけど、その眼からは何かを悟ったような眼差しが感じられた。
「一旦、図書館に行って休もう」
俺はアレクの突然の提案に思わず驚いた。
「お前は先ほどの件と今の放送で頭が混乱している。
 他の参加者が降りてきそうな駅では気持ちが落ち着かず
 整理もつけられないだろ。
 ……あの二人のことは、その後でいい。」
「で、でも図書館に人がいたら」
「このままでは何も出来ない……、ボヤボヤしているとより強い武器を持った奴や
 先ほど以上の徒党を組んだ連中に見つかるかも知れない」
「…………」
俺は押し黙る、そして俺にはわかってる。
それは最善とは言えないが凶とも取れない選択肢なことも。
「ここから図書館に行く距離は短くて誰にも遭遇せず行けるだろう。
 それに図書館はここより広くて、情報が多い筈だ。
 もしかしたら友好的で知的な人物がいるかもしれない。
 なぁ、KAITO……少しでいいんだ、少しだけ勇気を振り絞ってくれないか?」
俺がここで頷くことも。

結局俺は、図書館に行って今後の為に整理をつけようということになった。
だけど決してリンを見捨てたわけじゃない、アレクの言うように放送があって多少混乱しているだけだ。
一旦ちゃんとした施設で休めば気持ちの整理もつくはずだ。
何も……何もやらしいことではないんだ。俺みたいな臆病ものには時間が必要なんだ。
そう思いながら駅から遠ざかろうとしている俺に
テト、ミク、ハクの視線が俺の背中につき刺さっているようだった。


――――これで良かったのだろうか?
ふと、アレックスの脳裏に若干後悔の念が過った。
確かに図書館はこの駅の構内より広いはずだ。
しかし、広いこと以外は「そうなって欲しい」という希望で語った。
図書館に人がいないことも、
人がいてもそれが善良で友好的な者であるかどうかはわからない。
それに、今の状態のKAITOを、比較的隠れやすいであろう図書館に連れていくことは
ある意味、カイトに隠れさせることを促せているものだ。
あるいは籠りたがるかも知れない。
それは、リンや弟分のレンを助けたがっていて、
ハクやミクやテトの死を悲しむようなら、あまり良い手段とは思えない。
KAITOが自殺をやめた時、本当にこいつはもう駄目だと考えた後に、
「いや、もしかすると」と改めて再度考えてみようとしたが、すぐにやめた。
例え洗脳されてたとは言え妹分のリンを盾にし、ハクを見捨て、
俺自身も望んで無かったとはいえ自殺も未遂に終わらせた奴が
こんな短時間に変われる筈がない。
生半可な希望の種は絶望の花を咲かせる。
少なくとも、現時点では「こいつはこういう奴だ」と納得しなければいけない。
そう思いながら、KAITOの方に振りかえると視線が地面に寄りがちなせいでもあるのか、
表情が黒く塗りつぶされているようではっきりと見えない。

(それに、あの二人の事もこれ以上放っておけない)
クラッシャーとリンはどんな事情にあるにせよ、マスターと慕ってくれたハクを殺した。
だから絶対に探さなければいけない。
先ほどの放送で、バルバトスという危険人物が死んだことに若干の安堵をおぼえたが、
とある館の執事をしていて、かつ殺人鬼と噂のある七夜志貴、そして相当手腕だったと聞く、運送業者社長のルガールが死んだ事に驚いた。
だが、誰が殺したのか、どうやって殺したのかは、今考えても仕方がないことだ。

なんにせよ、俺はここで挫けちゃいけない……、俺には勇気と力があるみたいだからな。

【D-4 駅の外/1日目・午後】

【アレックス@MUGEN】
[状態]:極度の疲労、全身に打撲。左腕に刺し傷。悲しみ
[装備]:なし
[道具]:支給品一式×2、九条ネギ@現実、伯方の塩(瓶)@現実、魔王(芋焼酎)@現実、福沢玲子のシャーペン@学校であった怖い話
[思考・状況]
1:KAITOと共に一旦図書館へ向かう。
2:自殺しなかったのは良かったが……駄目だこいつ……
3:バルバトスが死んだことに安堵
4:クラッシャーとリンを警戒
5:殺し合いを止める為、仲間を集める。知人や、首輪が解除できそうな人物を優先。
6:あのピエロに出あったらどうしよう……
7:温泉にはいつか行きたい……
※F-3のデパート内に、床に大きく穴が空き、壁が一部粉々になっている部屋が一つあります。
※トキ、DIO、十六夜咲夜をMUGEN出展の彼等と誤解しています。
 また、MUGEN内の扱われ方からDIOと咲夜が親子だと思っています。
※名簿が最初白紙だったのには、何か理由があると考えています。
※弱音ハクの支給品を拾いました。



【KAITO@VOCALOID】
[状態]:健康、精神的疲労(小)、苦悩、少し混乱
[装備]:ベレッタM96(残弾数11/10)@現実
[道具]:支給品一式、ハンバーガー4個@マクドナルド、クレイモア地雷×5@メタル
ギアソリッド、必須アモト酸@必須アモト酸、2025円が入った財布(ニコニコ印)@???、ハーゲンダッツ(ミニカップ)×3@現実 ]

1:アレックスと共に一旦図書館へ向かう。
2:それでも俺は死 に た く な い
3:リンを洗脳してハクを殺させたクラッシャーを憎悪。殺してやりたい。
4:生きるためなら例え卑怯な事をしても仕方がないだろ。正当防衛の一種だ
5:リン、レンが心配。特に洗脳されているリンが心配

sm160:俺より強い奴に遭いに行く! 時系列順 sm165:燃えつきろ!! 熱戦・烈戦・超激戦――俺がやらねば誰がやる・天体戦士編――
sm160:俺より強い奴に遭いに行く! 投下順 sm162:恋独の追跡者(チェイサー)
sm135:それでも僕は死にたくないⅤ アレックス sm167:忙しい人のための「図書館へ行こう!」
sm135:それでも僕は死にたくないⅤ KAITO sm167:忙しい人のための「図書館へ行こう!」






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