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少し頭冷やそうか(考察編) ◆WWhm8QVzK6







 ―――――――以上です。第三回放送は六時間後となります』






「……増えましたね」

「増えたな」

時刻は現在午前12時2分。
お天道様がちょうど天辺に昇って間もない頃で、当の太陽と云えば暑くも涼しくもない程度に
光線と熱線をそこら中にばら撒いている。まあ、俺たちは直射日光が遮断された現代社会の象徴でもある
オフィスビルで快適な休憩を営んでいるわけだが。そんな中でのあの定時放送は否が応にも精神を現実へと
引き戻されるのだから堪ったものではない。重要であることには変わりないけど。

何処彼処から集められた70人で殺し合いをするゲーム。
正直言って突拍子が無さ過ぎの、まるで空想小説みたいな出来事に本当に参加させられている。
誰が?俺が。
それで理不尽だと嘆く暇も無くこうやって見たくもない現実に目を向けているのだ。
これが本当に現実なのか?と、考え突き詰めていくとそれはもう哲学や精神論に突入してしまうので考えないことにする。
今まで以上に頭痛の種を増やすのもどうかと思うからな。

ちなみに今さっき「……増えましたね」とか言ったのはまだ二十代にも達していない少女、萩原雪歩だ。
このゲームで3番目に出会った人間であるが……きっとただの人間である。
くれぐれも瞬間移動したり刃物を扱う類の人種ではない。
斯く言う俺もその人種に当てはまるのだろうがその話はどうだっていい。
出会った時に成り行きで俺の傍につくことになり、駒になって貰った。
下心は無い。そんな気は断じて無い。いやまあこういう状況に置かれたらタガが外れて行為に及ぶ奴もいるんだろうけど
俺にしてみれば知ったこっちゃないな。そういう奴は生き残れないだろうから。フラグとかの話をしてるんじゃなくて、状況的に
周りへの集中力を欠いているだろうし、要するに隙だらけって事だ。下手したら相手にも殺されるんではないだろうか。

話を戻そう。
多分本人も知らないうちに駒になってしまった萩原雪歩なのだが、これがどうして、やけに従順に働いてくれる。
ホントびっくりしたんだよ?緑のヒゲを殺せって言ったらマジで殺してくれたんだから。何か裏があると勘繰ったね。
だってそうだろう?何の力もない(俺の主観で)少女がアカの他人の言うことにホイホイ従って人を殺すんだぞ?
多分裏はない、と思うんだが……その後も普通に従ってくれている。限りなく淡い幻想を抱いて、な。
ご褒美にあいつ等の言ってることが本当だったら生き返らせてやるのも悪くない。きちんと付いてきてくれるわけだし。
でもくれぐれも後ろからブッスリとかズキュンとかデュクシは止めてください。止めてくださいってもその時は既に遅し、なんだが。
いずれにせよコイツにも常に気を張って置かないとな。睡眠はしないからいいとしてとりあえず歩行時も休憩時も戦闘時もその後も
警戒しておくようにしよう。道半ばで死にたくはない。まだまだ知らなければならないことが俺にはあるんだ。

さて、他の参加者は近くにいないようだし幾つか考えてみようか。
まずは奴等の目的について。

 ・
 ・
 ・
 ・

奴等が誰なのかは考えるに値しないことだ。
大事なのは、何の為にこの殺し合いを企画したのか、という事。
即座に思いつくことといえば、『娯楽』か。
こんな馬鹿みたいに広い敷地と、やけに金をかけてそうな設備。
そこらの大金持ちの見世物になっている可能性は高い。二度言うが、誰だろうと関係はないんだ。
貴族趣味には退廃と残酷が付き物だからな。

問題は、連中の目的がそれだけではないような気がするところだ。
ちらりと名簿を見やり、考える。
俺は確かに、この名簿の名前を殆ど知っている。正しくは、見た瞬間に思い出したのだが。
但し、あの少女は逆に殆ど知らないらしい。これが意味するところは何か。

何故、知っている記憶を思い出させる程度に消したのか?

一時的にでも隠さねばならなかった理由。
だが、隠す必要はないはずだ。知っていようがいまいが、そんなのは関係ない。
もしくは、そもそも隠す必要がなかった?
ある事をしようとした結果にこの記憶障害が発生したとすれば――――――

  ズキン

「っつ……」

それは、何だ。
仮説は立てられる。だが材料が足りない。確証は得られない。
これ以上の思考は無駄と判断し、次の懸案に移るとしよう。


15人。
何の数字かといえば、そう。
第二放送で呼ばれた死者の名前の数だ。   ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 
ゲームスタートから第二放送まで、ではない。第一放送から第二放送までの死者数なのだ。
異常だ。異常すぎる。
最初の死者数が多いなら分かる。
あらかじめ数人単位で配置しておき、そこで殺し合いをさせようと目論んでいるなら当然の事だ。
現にこの糞広い敷地で館の中に3人もいたんだからな。正直言うと第一放送の死者が少ないと感じたくらいだ。
意図的に配置したにも関わらず、あの程度の死者しか出なかった。
それに関しては殺し合いに積極的な者が少ない、と考えれば筋が通る。

だが、今回はどうだ。
殺し合いに乗っている者がいると判断し、便乗した者がいるのか?
それとも規格外の存在が偶然にもグループで行動している所に遭遇したか。
考えられるが、それはないだろう。
奴等の言っていることが真実ならば規格外の存在はこの『殺し合い』にとっては必要無いものだ。
そんな奴がいればそれはただの『一方的な蹂躙』に成り下がる。
ゲームバランスとしてはクソゲーもいいところだ。
娯楽を主としているならばそんな真似はしないだろう。

結論として、偶然が重なったと考えるしかないのか。
残り44人。次の放送にこれ以上の名前が呼ばれたら……泣くよ?

「あの……これ、どうぞ」

「あ?」

目の前には雪歩がいる。
こっちに向かって来たのは分かっているのだが、差し出された物は何かが入ったビニール袋だった。

「何これ」

「こ、氷です。頭痛そうにしてたから冷やしたほうがいいんじゃないかと思いまして……」

ああ、成程。
さっきこの部屋から出て行ったのはそのためだったのか。そういや製氷機があったな。
それにしても隠せないレベルまで痛んでくるとはな……戦闘に支障をきたさなきゃいいんだが。
断る気もないのでありがたく頂戴しておくことにする。

「どうも」

そう告げると、それ以上は彼女に何も言わない。
ねぎらいの言葉を下手に掛けるつもりはない。ある一定以上の関係を築く必要は感じられないからだ。
反逆されるのは厭だが、親密にもなりたくない。
いや、というより、自分が関係をどうこうできると考えていることがおこがましいのか。
まあいいや。

手に持った鍵束を適当に弄くる。
この鍵は管理室にあったものだ。ビルを保護する管理室も人がいなければただの部屋でしかなく、易々と進入できた。
二階に位置するこの部屋は、このオフィスビル15階総てを監視するモニターが備わっておりセキュリティシステムが完備されている。
しかも水道、換気、配電のシステムすらもここで自動的に行われているのだ。
ちなみにシステムにつながってるパソコンを調べてみれば各階のシャッターを下ろすことも可能らしい。どうなってんだ。
システムの一極集中はどうかと思うんだが、それより各階にシャッターがあるとか意味がわからない。
どれだけの機密情報保持してるんだ此処は。その割に操作が楽だし。

と、自分がパソコンを扱えてることに何の疑問も持たず今度はパソコンを弄っていた。
パソコンのデスクトップに様々なアイコンが並んでいるが、どういうわけかインターネットのアイコンが見当たらない。
色々探ってみたが、どうもアプリケーションそのものが消去されているようだ。
しかし、ネットケーブルには接続されている。理解不能。

しかし、パソコンに向かっているとどうも懐かしいものを感じる。
そうだ。以前もこうやってキーボードを打ち込んで動画を編集して――――――

「づ……っ!」

猛烈な既視感に眩暈と吐き気がやってきた。
頭がぐらぐらする。視界が安定しない。光が点滅する。
なんとかそれを堪えた。先ほどのような無様な真似はもうしない。
そう、思った筈なのに

ザザッ

そう広くはない部屋。

明るい蛍光灯。

部屋に置かれた一台のパソコン。

その前に座っている人間。

見覚えの有る姿。

ただキーボードを叩き続け、画面に向かう誰か。

それは本当に何気ない、現代のとある青年の生活風景。



その姿を、自分はよく知っている。

だって、それは……

「俺、は――――――」


     ※     ※     ※     ※     ※


「―――――くさん!ときちくさん!」

意識が反転する。
何時の間に床に寝転んでいたのだろうか。
少女は何をそんなに必死に叫んでいるのだろう。死んでないのだからいちいち騒がれても困る。

「いい、構うな。大丈夫だ」

手であしらう。

「本当に大丈夫なんですか!?どう考えても普通じゃないですよ?」

わざわざ気遣ってくれるとは有難いが俺にそんなのはいらない。

「大丈夫だ」

再び紡ぎ返し、ようやく雪歩は退いてくれた。
心配そうな顔をしているが知ったこっちゃない。

椅子に座りなおし、ふうと溜息をついた。
頭痛は治まった。さっきの言葉も虚勢ではない。


けれど、確かめなければならないことが増えた。

今見えた記憶は確かに自分の物だった。
それははっきりと確信できる。

ならば何故、記憶の自分と今の自分の姿は違うのだろうか?
そして、この俺の暗殺者としての記憶、青年の記憶。

        ・ ・ ・ ・ ・
一体どちらが本物の記憶なんだ?


確かめる必要が、ある。
そうと決まればいずれ此処から動かなくてはなるまい。
だが、今はまだその時ではない。
無闇に動いても死を早めるだけだ。自身の力を考慮しても十全な戦闘力とは言えない。

ならば自分はどうすべきか。
決まっている。
石橋は叩き過ぎるに越したことはないだろう?

なるべくここに居座り、参加者が減るまで表立った行動はしない。
そうだな。残り20人未満になったら行動してもいいだろう。
もしこのビルに入られるようなことがあれば?
相手の行動を観察しつつ、情報が得られそうなら話し合う。出来なさそうなら逃走か戦闘だ。
これだけの設備があればどちらの算段もつく。

(そうだ、そういや……)

「なあ、一階を水浸しにしてくれ。足場残すくらいにな」

「また、何かやるんですか……?」

「何もやらないわけないだろ?ほら行った行った。今なら他の奴誰もいないから大丈夫だ」

それもそうですね、と納得したような表情で管理室を出て行った。
本当に聞き分けのいい奴で、助かる。

さあて、ここからが正念場だ。
中途半端で息絶えるか、それとも真実に辿り着くか。
知る権利はあるはずだ。問答無用で俺たちをこんな所に連れ込んでいるんだからな。
そのくらいの見返りを貰わないと割に合わないしな。





なあ、そうだろ?



【A-1 オフィスビル2階 管理室/一日目・日中】
【ときちく@時々鬼畜なゲームプレイシリーズ】
[状態]:健康、精神疲労(小)記憶の混乱(思考は正常)
[装備]: ナイフ×3、包丁×3、ブレード@サイべリア フライパン
[道具]:基本支給品*3、フライパン、フォーク、張遼の書@ニコニコ歴史戦略ゲー 、
首輪探知機(残り48分) 銃(14/15)@現実、モンスターボール(ネイティオ)@ポケットモンスター
【思考・状況】 基本思考:生き残り、真実を知る。
1: 参加者が20人を切るまで基本的に動かない。
2:誰か着た場合には十全に対処する。
3:囲炉裏……麻生太郎……?
4:雪歩を利用するが、念のため警戒しておく。
5:自分からは殺さない。
6:自衛のための殺害は已む無し。
7:頭痛が治まってよかった。

【備考】
※七夜志貴と十六夜咲夜の姿を確認しました。名前は知りません。
※元世界の知識はかなり封印されていましたが、2割程度解けたようです。
※囲炉裏に関しては今は『知っている』という程度だけです。
※ローゼン閣下(麻生太郎)に関することがフラッシュバックしました。
※自身の記憶に関してのフラッシュバックがありました。
※元々の能力などのせいで他の参加者に比べ疲労が激しいようです。
※自分の記憶がおかしいと自覚しています。


     ※     ※     ※     ※     ※



ときちくさん、大丈夫だったんでしょうか?
頭痛はなくなったみたいだけれども……やっぱり心配です。
ときちくさんには感謝してます。あそこで声を掛けてもらえなかったら、きっと私もう死んでたかもしれません。
私じゃあきっと一人になったら生き残れない。それじゃあ願いも叶えられない。

だから、ときちくさん。
私、頑張りますから、あなたも頑張ってください。
きっと――――――




【萩原雪歩@THE IDOLM@STER】
【状態】:健康、精神疲労(小) 、決意
【装備】: コアドリル@天元突破グレンラガン
【道具】:ナイフ、支給品一式×2(水少量消費)ジャージ@へんたい東方 
     デスノート(鉛筆付き)@デスノート

【思考・状況】 基本思考:優勝して全てを元通りにする。
1:一階を水浸しにする。
2:ときちくについていく。
3:死にたくない。
4:殺すのは辛いけど、頑張らなきゃ……。
※ルイージのデイパックは雪歩が持っています


【オフィスビルの構造について】

15階建て。屋上有り。
エレベーター、階段有り(非常階段含む)。電気、水道の供給有り。
各階に監視カメラ、スピーカー、シャッター付き。
2階の管理室でビル内のシステムの操作が可能(パソコンが普通に使えるなら誰でも出来る)。
1階はホールのようになっており、広々としている。


sm149:夢からさめても 時系列順 sm151:「正解」と「理想」 -Killer Queen-(前編)
sm149:夢からさめても 投下順 sm151:「正解」と「理想」 -Killer Queen-(前編)
sm130:Chain of Memories ときちく sm178:電子の塔
sm130:Chain of Memories 萩原雪歩 sm177:INMYDREAM






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