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言葉にするのなら 「ロクデナシ」 ◆CqqH18E08c




                 何が目的なのか?
             それを探すのはお前じゃないか?

                 何が黒幕かって?
          そもそも「何の」黒幕なんだ?存在するのかい?

                 何が突破口かって?
           「突破口」なんて本当に存在するのかい?

             さて、こんどはこちらからの質問
                 これは「何の話」だい?


                     meguⅡ

◆◆◆

――とり……運び……う……

 聞こえるのは男の声。
 店……よくわからないのです。
 運ぶ……ルガールなのですか?無事でよかったのです。
 でもごめんなのです。城之内と秋山を守れなかったのです。
 ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。

――わ……た……

 女の声。リカ……いや、リカはここにいないのです。
 誰なのでしょうか?分からないのです。
 わ……た……?綿……?
 綿流し……?
 ごめんなさい。城之内と秋山は死んでしまったのです。
 罪は償うのです。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。

 ここは暗いのです。
 どこなのですか……?ルガール。教えて欲しいのです。

 僕はどうしたらいいのですか?
 罪は僕が受け入れて流さなければならないのです。
 ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。

◆◆◆

「とりあえずこの店の中に運びましょう」
「わかったてヴぁ」

 アポロ達一行はE-2の道具屋まで来ていた。
 みさおは羽入を店の中に運び入れ、蜂に入り口付近にいるように伝えていく。
 殺風景で品物もかなり少ない店ながらも薬草などの最低限のアイテム及び生活必需はわずかではあるが常備してあった。
 アポロはタオルを取ると自らの支給品である水で濡らしそれを羽入の額に乗せる。
 みさおに近くの川まで水を取りに行かせアポロが応急処置をすればアポロ自身の支給品を使わずに済んだのだが川の周囲には新堂誠の遺体があるのだ。
 それをみさおに見せるのは酷な話であるし戦闘があった場所の近くには危険人物がいるお恐れがある。
 そんな所にみさお1人で行かせるのは論外と言わざるを得ない。

「アポロォ……こいつ大丈夫なのか?」
「えぇ、命に別状はないでしょう。しばらく待つか水でも欠けてあげれば疲労は激しいですが目を覚ますと思います。ですが……」

 アポロは羽入を見る。
 それにつられるようにしてみさおも羽入を見る。
 一見すればただ気を失い倒れているようにも見えるが――

(ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめん――)

 羽入は誰にするともなく謝り続けていた。
 それはフランの罪を受け入れらなかったが故なのか、城之内と秋山を守れなかったせいなのか
 それとも自分の世界での記憶が原因なのか、それともその全てが要因なのか。
 とにかく羽入が誰へというわけでもなく謝り続けていることは事実だった。

「いったいこいつは誰に謝り続けてるんだ?」

 みさおは疑問を口にする。
 さきほどからずっと謝罪の言葉をうわごとのように発し続ける羽入。
 その謝罪の相手をしらないみさおは疑問を口にする。 

「わかりません。あの場で怪我をしていたこととあの蜂から守られていたことを考えると
 この子は恐らく誰かに襲われ同行者を失ってしまったのではないかと思います。自分のミスか、不注意が原因で
 それ以外は私は思いつきません。」
「でもそれだけじゃなく逆に誰かを襲ってその誰かに対して謝っているという可能性は……危ないってヴぁ!!」

 アポロの言葉に反応し僅かにではあるが羽入と距離を取るみさお。
 そんなみさおの方は見ずアポロはうなされている羽入の顔を見続ける。

「恐らくそれはないでしょう。これは甘い思考なのでしょうがこんなにも許しを請うて気絶しているこの少女が……
 殺し合いに乗っているとは思えませんし。思いたくありません。」
「アポロがそう思うなら多分そうなんだってば!私はアポロを信じる」
「いいんですか?みさおさんの考える可能性も十分あります。あくまで私の希望的観測なのですが」

 アポロの言葉に軽く信じると言ってのけるみさお。
 それに対してアポロは疑問を返す。

「私は殺し合いなんて言われても実感がわかないてば。そんな私の考えより今まで戦ってきたアポロの考えの方が信用できる」
「みさおさん……」
「それにアポロはミュータントの戦士なんだろ?もしこの子がいきなり襲ってきたとしてもアポロは私を守ってくれるってば」

 アポロの言葉には何の証拠もない。
 ただ漠然とした感覚でこの子は殺し合いに乗っているとは思えないと言っただけである。
 しかしそれに対してみさおは良くいえばアポロを信頼し、悪く言えば何も考えず単純に言葉を返した。
 その単純で同じに純真な言葉はアポロの心に突き刺さる。
 この状況で特に何も考えず初めて会った”良い人”だからと言うだけでも信頼するみさお。
 実際にまだ戦闘を行っていないということも要因としてはあるのだろうがその言葉はアポロの心に何かをつけるのには十分だった。

(信頼されるとはいい物ですね……犠牲者は私の見ていないところで出続けているのでしょう
 私は無力なただのチーターです。ですが私の見えるところの命。みさお……せめてこの命は守りたい
 信頼に応えるためにも、私がミュータントの戦士でい続けるためにも)

 信頼してもらえる。頼ってもらえる。
 それが戦士としてどれだけありがたいか。
 同時にその信頼が戦士としてどれだけの重みになるのか。
 それをアポロは実感した。
 見えないところの命を救えず迷った自分を励ましてくれたのは誰だったか。
 それを思い出し僅かな時間ではあるが感傷に浸る。

「アポロ?アポロォ?」

 そんな彼を心配する声。
 そんな声が近くにあるのだ。その声は墓場で彼を励ました。
 その声の主を守れずして誰が戦士だろうか。
 信頼され、頼られ、そして励まされる。そんな相手を守るのが戦士ではないだろうか?

「……。すみません。ちょっと考え事をしていました。」
「また墓場の時みたいに落ち込んでるのか?希望はちゃんとあるんだってば」
「いえ、落ち込んでるわけではありませんが……」

 また励まされてしまった……そんな心中が生まれる。
 みさおは一介の高校生ではある――いや一回の高校生であるが故に眩しいものを持っている。
 アポロにはその眩しいものを持つ彼女がとても素晴らしいものに思えた。

「ありがとうございます。そしてすみません」

 自然と出たその言葉。
 別に何に感謝しているというわけではない。
 ただ一緒にいる。そのことに感謝するのだ。

「アポロ?本当に大丈夫か?」

 いきなり謝るアポロに困惑するみさお。
 そりゃいきなり謝られたらだれだって驚く。
 後ろから足音まで付いてくるなんていうことがあれば驚くどころか病気になってしまう。
 そんな病気の原因(?)がこの場にいるがそれはまた別の話である。

「いえ、大丈夫です。」

 いきなり謝った自分自身に苦笑しながら彼は返す。
 あんな行動を取られたら困るということが自分でも分かったのだ。

(また余計な心配を掛けてしまったようですね。信頼に応える前に心配をかけない様にするべきでしょうか)

 苦笑を続けながら。あたまを掻く。
 そんな彼に顔を近づけ追及するみさお。

「本当の本当にか?」
「大丈夫です。大丈夫ですからそれ以上顔を近づけないでください。」

 彼を心配している顔。
 そんな顔を心底守りたいとまた思うアポロ。
 チーターのミュータントである自分に対した恐怖も持たない人も珍しい。

「心配だから顔を近づけるんだってヴぁ、そうだアポロ。このアイス食べるか?」

 そんなことを言いながら自分のデイパックからアイスを取り出す。
 そんな彼女うはとても無邪気で――

(本当に私は心配をかけてばっかりで……私なんかよりもみさおのほうがよっぽど落ち着いている……)

 多少抜けているところのあるアホの子とはいえみさおは落ち着いている。そうアポロは感じ始めていた。
 抜けていて危なっかしいのは事実。しかしそれと同時に戦闘に遭遇していないとはいえこの状況下希望があると言い切れる心。
 落ち着いて最低限自分にできる行動こなす程度の力。
 力が自分に劣るとはいえやれることは立派にやっている。

「あまりお腹はすいていないですが頂きましょう。」

 そんな彼女を見ながらアイスを貰おうとするとどこからか腹の音が鳴った。
 それはアポロから出されたものではない。実際にアポロはそこまで空腹感を感じてはいないのだから。
 かといって気絶している羽入からその音が出たわけではない。ならば当然その音の出どころは残る一人からでしかんく――

「腹減っちゃったってば」

 笑いながら自分の頭を小突くみさおの姿があった。
 やはりどこか抜けていて、ぐーたらなのが彼女なのだ。

「アイスよりも普通に食事をした方がよさそうですね」
「そうみたいだぜ」

 アポロは軽く溜息を付きながらも笑みを浮かべる。
 その笑みにつられるようにしてみさおも笑みを浮かべる。
 それはこの場にはある意味で相応しくないとても平和な光景だった。
 時間は過ぎ去りすでにもう昼。

「この子も起こした方がいいかな?」
「どうでしょう?疲労は激しいと思いますがかといってこのまま傷が治るまで看ているわけにも行きません
 まだ起こすのは明らかに速いでしょうが早く起こしたほうがよいと思います」

 みさおは羽入を見ながら聞く。
 怪我人を起こすかどうかの判断は普通の高校生である自分が判断するよりも戦士であるアポロが決めた方が良いと思ったから。
 アポロは本来ならば起こすべきではないと思いつつ現状を考え自分の言葉を伝える。
 それをみさおを聞くやいなや速攻で反応する。

「なら起こすぜ。おーい」

 みさおはペチペチと羽入の頬を叩く。
 アポロは羽入が突然襲ってきても大丈夫なように臨戦態勢を整える。
 何度か頬を叩いたのち――

「う……うぅん?」

 羽入は意識を取り戻した。

◆◆◆

 ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。

 守れなかったのです。
 ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。

 許しなんて求めないのです。
 ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。

 僕が全部悪いのです。
 ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。

◆◆◆

「大丈夫かぁ?」

 目を開く羽入の瞳に映るのはレナの姿
 しかしレナはこの場にいるはずもない。
 ここは羽入が本来いる場所ではないのだ。

「……??」

 レナの幻影は羽入の前から一瞬で消え去りみさおの姿が現れる。
 別にレナとみさおが似ているわけではない。少し髪の色が似ている程度だ。
 それでも羽入の目には一瞬ではあるがレナの姿が見えた。
 それは彼女の不安から来た妄想なのだろうか。

「安心してください。私たちはあなたに害をなすものではありません。」

 羽入がレナの幻影と今の状況に困惑していると視界の外から話しかけてくる声がした。
 そちらを視界の中に収めながら、それと同時に視界に収めるのを拒否しながら質問をする。

「ここはどこなのですか……?」
「E-2の道具屋です。あ、体はまだ起こさない方がいい。疲労が激しいようなので」

 羽入が体を起こそうとするのをアポロは止める。
 気絶したままの方がよっぽど危ないとはいえあの戦闘から対して時間もたっていないのだ。
 羽入の体には疲労が濃く残っている。このような場でなければ病院に入院させるのが正解である。

「あ……あぅあぅ」

 実際に体を起こそうとし痛みが発したのか羽入は体を起こすことを諦める。
 とりあえず現状危険がないのであれば僅かな時間でも休養を取ろうとの判断。

「あの蜂はお前の仲間なのかぁ?」

 みさおが店の入り口に佇む蜂を指さす。
 蜂は店の入口で警戒するでもなくぼけーとしながらなにやら本を読んでいる。
 蜂の身でなんとも針を器用に使っているのだ。
 主の安全を確保したので「働きたくないのでござる!」というわけでオタクまるとしての趣味読書に精を出しているのだろうか?
 というかいつのまにデイパックから極意書とり出したのか、まったくもって疑問である。

「そうなのです……えぇと……むてきまる、戻るのです」

 そんな風に器用に本を読むむてきまるに羽入がボールを向ける。
 そのボールから放たれた一筋の光がむてきまるに当たると極意書を残してむてきまるはボールの中に戻った。

「おおー凄いんだぜ」
「あの大きな蜂……むてきまるというのですか……その小さなボールに入るとは、興味深いです」

 極意書を拾い羽入に返しながら賞賛の言葉を述べる二人。
 別に羽入がそれをやったわけでは無く支給品の力なのだが素直に褒められる彼女。
 そんな褒められながらも羽入はハッと気が付いたように暗い影を落とす。

「……私を見て恐れたりしないのですか?角のある私を見て」

 羽入は自身の引け目である角のことを口にする。
 普段の彼女ならざる行為。通常時の羽入であればこのようなことを口走ることはまずないだろう。
 しかしなぜだか分からないが咄嗟に口走ってしまった。

「アポロを見てたら別にそんなこと気にならないぜ」

 そんな彼女に軽いノリで単純明快にみさおは答える。
 みさおが指をさす先にはチーターのミュータントであるアポロの姿。
 羽入がなんとなく視界の中に入れるのを拒否してしまった存在である。
 そのアポロは微笑みを浮かべており、こんな存在をなんとなくという理由で拒否してしまった羽入は自分を恥じる。

「あぅあぅ。」

 寝転がりながらいつもの世界でしていたようにあぅあぅと呻く羽入。
 たしかにこのチーターと一緒にいれば角程度では驚かないだろう。

「そういえば自己紹介がまだでしたね。私はアポロ、チーターのミュータントです」
「私は日下部みさお、ハンバーグとミートボールが好きな普通の高校生だぜ」

 みさおとアポロは軽く自分の名前を名乗る。
 だがそれに羽入は即座には答えない。
 警戒――というわけではないが自分の名前を名乗って問題ないだろうかなどといった思考のためである。
 羽入にしてこのようなタイプの思考は珍しいと言えるだろう。
 このような思考を行うのは羽入がこの状況で動揺しているのかそれとも仲間を失った悔やみが原因なのか

「……」

 短い沈黙。
 だがそこまで長い時間の沈黙ではない。
 アポロもみさおもなぜすぐに答えないかぐらいは楽に察しが付く。
 あれだけの怪我をしていて「ごめんなさい」と言い続けていたのだ何かあったと分からない方がどうかしている。

「そんなに警戒しなくても大丈夫ですよ、最初に言ったように私はあなたに害をなすつもりもありませんしこの殺し合いに乗るつもりもありません
 気を張っているばかりでは大事な時にミスをしてしまいます。もうちょっとらくにしてください」
「そうだぜ、なにか危ない目にあったみたいだけど少なくとも今は落ち着いてほしいぜ」

 みさおとアポロは再度自分たちがこの殺し合いに乗っていないことを証明し落ち付いてもらうために言葉を出す。
 羽入は自分が落ちていると思いながらも自分に火があることを素直に認める。

「ごめんなさいなのです。僕は羽入というのです。」

 そこから僅かな時間ではあるが羽入とアポロ&みさおの情報交換が行われた。

◆◆◆

「なるほど……それでそのフランという奴に仲間を……」
「そうなのです。ボクがもっとしっかりしていれば……」
「だからそうやって気を張り詰め過ぎるのがダメなんだってば!そんなんじゃ見つけたい真実までのがしちまうぜ?」

 そうなのです。僕は見つけたい真実を逃してしまったのです。そのせいでルガールが……
 ルガールはまだ生きている可能性があるのです、だから無事でいてください、ルガール。
 でもここは不思議なのです。店と言う割には品物が少ないのです。
 あいつらが意図的に少なくしたのでしょうか?

「さて、情報交換もある程度終わったところですし昼食と行きましょうか
 大した量はありませんがここに食材はありました、いまから食事を作ろうと思います。」
「私も手伝うってウ゛ぁ!」

 料理は得意分野。
 もっと親しくなるためにもここは料理をふるまうのです。

「えぇっと……僕も手伝うのです」
「怪我をしている人に無理はさせられません。そこで寝ていてください。私たちで作っておきますので」
「そうだぜ、無理をしちゃダメなんだぜ」

 確かに体中が痛い。
 素直に好意をうけて寝ておくのです。

 わざわざ気を使わせちゃって悪いのです……
 料理に行くなら1人で十分なのに2人でいった、僕に時間をくれたわけです。
 本当ならもっと落ち着いて城之内や秋山の死を悲しむべきなのでしょう。

 でもここで考えなきゃいけないのです。
 悲しいけど……悲しいけどここで止まったらさらに死ぬ人が出てくるのです。
 わざわざ僕に一人で考える時間をみさおとアポロはくれたのです。
 この時間を有効に活用しないと。

 まずあの最初に襲われた時に中断してしまったことの続きです……ルガール。無事でいてください。
 でもここで止めたらダメなのです。考えなければ。

 最初に考えることは人選。
 人選がまずおかしいのです。パッと見ると完全なランダムとしか思えないのです。
 でも完全なランダムにしては猛者や強力なアイテムが多すぎる。
 僕にしてもルガールにしてもあのフラン、DMカードにむてきまる。明らかに一般人とはかけ離れているのです。
 戦闘力を持つ存在と持たない存在。殺し合いというゲームを相手が楽しむ嗜好があるならこれは明らかにおかしい。

 アポロもそうなのですアポロは僕やフランと同じように明らかに人外、そんな存在とみさおが戦ったとしてみさおが勝てる可能性は少ないのです。
 城之内や秋山も一緒。一般人が人外級の存在と戦ったとして勝てる可能性はまずないのです。
 ならなんでそんな一般人をあの主催者とその後ろにいる存在は呼び出したのですか?
 そこになにか鍵かルールがあるはず。

 でもここで逆に考えないと。
 呼び出したくて呼び出したのではないと仮定したら。
 ルールを守りたくても守れなかったとしたら。

 まず最初に目がいくのは強力な戦闘力を持つ参加者なのです。
 僕も含めて明らかに人の身ではありえないレベルの力を持つ者が多い。
 出会った人は少ないですが一部のエリアにこれだけの猛者が集中しているとは考えにくい。
 主催の目的がそのような力を持つ者同士の戦いを見たい。もしくは一掃だと仮定するならば。

 まず呼び出したい猛者がいる。
 そしてその猛者を連れてくる際に引きずられるようにして連れてくる参加者がいたとするなら。
 それならば僕を呼び出すのに鉄平が巻き込まれた、ということで僕の知り合いについては説明が付くのです。
 鉄平はイレギュラーな存在、僕が呼び出される時に巻き込まれたということで。
 でもこれだけでは他の知り合いがいない参加者について説明ができないのです。

 だからこそここで重要になるのが強力なアイテム、支給品の存在。
 DMカードやむてきまるという存在は僕の世界ではありえない。
 でも少なくともDMカードは城之内の世界に存在する。
 城之内が軸となりDMカードが呼び出されたのではなくDMカードが軸として城之内が呼び出された。
 これならば一般人である城之内がこの場にいることに説明が付きます。

 でもこの法則は秋山とみさおには適応されないのです。
 なぜか、秋山の知っている参加者もみさおの知っている参加者もこの場にはいないから。
 でもまだこの場には分からないことばかり。
 他の参加者が呼び出されるのに巻き込まれたとのではなく、城之内のように支給品の呼び出しに巻き込まれたとするならば――
 これは十分に可能性がある。まだ僕はほとんどの参加者に合っていないし支給品もあまり見ていないのです。
 ならば秋山やみさおの世界の強力な支給品がないとは限らない。いや、ある可能性は非常に高いのです。

 戦闘能力を持たない一般人をこんな殺し合いに巻き込んだところで誰が得するのか分からない。誰得なのです。
 得がないならば別に参加させる必要がない、ならさっきのように参加させざるを得なかった。
 イレギュラーな存在と考えたらある程度は説明が付く。
 そして名簿には伯方の塩とかいう明らかに人外の名前がありました。
 ”塩”ってなんですか”塩”って
 でもこの塩がもともと参加者ではなく支給品として配られるはずのものだったとしたらまた変わってくるのです。
 支給品として配られるはずだったものがなんらかの影響を受け意志を持ってしまいやむなく参加者とした――

 これで十分説明ができるのです。なんらかの影響というのがよく分からないけれどこの状況、それ自体が訳が分からないのです。
 ならばイレギュラーとして考えた方が自然なのです。イレギュラーで意志を持った支給品。
 でもこうなるとあまりにもイレギュラーが多い……逆に出来すぎな気がする。

 実は全部イレギュラーなどではなく誰か――主催が得するように仕組まれたものでイレギュラーなんて存在しないのでは――
 いや、それはないのです。もともと別世界から呼び寄せるなんて言う無理な行為をしているのです。
 本来時を超えるだけでも力を大きく消費する無理な行為。それどころか時空、空間を超えるなんてそれ以上の無理があるのです。
 それだけの無理をしてイレギュラーが起きないはずはない。
 本来離れている世界を繋ぎ合わせそこから参加者を呼び出しこの場に召還する。
 これだけのことをやってイレギュラー一つ起こらない……ありえないのです。それどころかイレギュラーだらけになって当然。

 むしろこのイレギュラーは必然。
 つまり主催者の目的は僕やルガールのような参加者とDMカードやむてきまるのような強力な支給品を集めそれを眺めると。
 でもそ集める際に必然的に起こるイレギュラー、秋山やみさおのような存在を一緒にまとめて処分を兼ねたこの殺し合いに参加させた――
 これならば名簿の不規則性に説明が付きます。

 しかし本当に卑劣極まりないのです。
 人選についてはこんなものでしょうか?
 人選がおかしいように見えるのはそれがイレギュラーの塊だから。

 問題はそのイレギュラーの要因。
 一つは参加者及び支給品を呼び寄せる際に巻き込まれた場合。
 鉄平や城之内のような存在のこと。
 これだけでは現在の時点ではみさおと秋山がなぜ参加しているのか説明できない。
 でもおそらく場が進むにつれて強力な支給品――もしくは他の要因が見えてくるはずなのです。
 ともかくそのイレギュラーを除けば人選は納得いくものに見える。
 これが真実なのです。最も参加した側から見たら選ばれた時点で納得はできませんが。

「他に考えることは……首輪……」

 そうなのです。首輪。この首輪があるせいで僕たちは殺し合いに乗ることを強制させられているのです。
 何のために付けられたか――それは当然殺し合いを強制すること。主催する側のほうが強いのを主張するため。この2つがあげられるのです。

 でも殺し合いを強制するだけならば自分の方が圧倒的に強いということを示すだけでも十分なのです。
 僕のようにそんなことをされても乗らない参加者いるでしょうが好戦的な奴ならば殺し合いに乗ってしまうでしょう。
 別に好戦的でなくとも絶望した人間が殺し合いに乗るという可能性は極めて高い。
 だから別に首輪なんかをつける必要はないのです。ならなんで首輪をつけたのか――

 首輪が付いていれば参加者を制御しやすくなる。参加者を制御できる。ここがポイントなのです。
 主催が圧倒的に強いならば制御なんていらない。力づくで抑え込めばそれで解決する話。
 なのになぜ主催は制御しようとしたのか。それは主催する側が圧倒的に強いとは限らないから。
 もしかすると参加者の中には主催より強い人が入っているかもしれないのです。
 首輪を取り付けるだけであれば僕のように時を止める能力を持つ人が一人いれば事足りる。
 首輪さえとりつけてしまえばそれだけで参加者は主催に対抗できなくなる。

 それにあの右上と左上の背後には誰かいる。
 ならなんで背後に隠れる必要があるのか、圧倒的に力があるならば先頭に出てきても良いはず。
 即ち主催者側の方が僕たち参加者側よりも強いとは限らない。
 ここが突破口となるはずのです。

 ……あぅあぅ。
 これ以上はきつくて考えがまとまらないのです。

◆◆◆

「アポロォ?羽入、大丈夫か?」

 みさおは軽い料理を作りながらアポロに問いかける。
 店には軽い食事程度ならば作れる設備と僅かではあるが食料と調理用具があった。
 それに自分に支給された食品を使っているのだ。

「分かりません。少なくとも無理に全ての責任を自分の中にため込んでいるように思えます」
「責任かぁ……そういうのは全部ほっぽり出したくなるぜ」
「全ての責任を投げ込むのはよくありませんがある程度であれば責任は投げだしてもいいと思います
 羽入さんのようにあそこまで思い詰めるのはよくありません」

 責任はすべて投げだすのはよくないが抱え込むのはよくない。
 適度な責任は自分を動かすための力となるが過度に責任を抱え込むとそれはストレスとなる。
 そのストレスは判断力を失い集中力もを損なう。

「今の私たちにできるのは見守って安心させて彼女のストレスを軽減させることだけでしょう
 こんな危ない状況でストレスを軽減させると言っても意味がないことかもしれませんが」

 自分の言葉に僅かに苦笑しながらアポロは続ける。
 別にアポロが料理をしているわけではないので語りかけることぐらいはできるのだ。

「あと、これから先ほどあったという戦闘の話と角の話は禁句ですよ?
 この話を出すとまた彼女は責任を全て自分の中にため込んでしまうと思うので」
「それくらいは私にも分かってるってば。なんか気にしてることぐらいわかるて」
「ははは、申し訳ありません」

 そんな風に料理を作りながら放送の時間が近づく。
 現状ではわりと平和なその光景である。


 しかしオヤシロ様と呼ばれた存在は気が付いているだろうか?
 自らがおかしな思考を働いているということを
 ストレスで危険な状況に陥り1人思い悩む。
 相談さえすれば解決する。信じる力を持てば解決する。
 その可能性があるのにもかかわらずただ一人、オヤシロ様は悩む。
 そしてオヤシロ様は知らない。
 自らの仮説が仮定の上に仮定を重ねただけでなんの証拠ないということを
 自分の思い込みに思い込みを重ねているだけだということを

 このオヤシロ様と呼ばれた存在の思考をどこかで見たような覚えがあるのは私だけだろうか?

◆◆◆

【E-2/道具屋/1日目・昼】
【日下部みさお@らき☆すた】
[状態]:健康
[装備]:ゴブリンバット@ニコニコRPG
[道具]:共通支給品、キッチリスコップ@さよなら絶望先生、アイス詰め合わせ@VOCALOID 果物ナイフ@現実
[思考・状況]
基本思考:人なんて殺せね~けど生き残りて~な~…
1:羽入を守ってやるぜ!軽く料理でもつくるか
2:デパートに行きたかったぜ
3:新堂も探してやっか
4:柊…あやの…あいつら心配してんだろうな…
5:アポロ見た後だと、角生えてるとかどうでもいいな。
6:蜂が小さいボールに入るとは驚きだぜ
※ゴブリンバットは新堂の支給品です
※羽入と軽く情報交換をしました

【アポロ@チーターマン2】
[状態]:健康、悲しみ
[装備]:ガリィ@FF11 FFⅣ、
[道具]:カレーセット@るろうに剣心、共通支給品、不明支給品0~1
[思考・状況]
基本思考:ゲームの転覆
0:モービスの仕業か! 許さん!
1:羽入のストレスが心配ですね
2:新堂さん……
3:首輪の解除についても考えるべきですね…人材を探しましょう
4:自分の得意とする武器(弓矢・ボウガン)がほしいです。
※羽入と蜂はDr.モービスの生物兵器だと思っています。
※新堂の死体を発見しました。みさおには伝えていません。
※羽入と軽く情報交換をしました。

【古手羽入@ひぐらしのなく頃に】
[状態]:不安、疲労大、全身に痣、腹部に怪我
[装備]:逆刃刀・真打@フタエノキワミ、アッー!、海賊帽子@ミュージカル・テニスの王子様
[道具]:共通支給品、うまい棒セット@現実 ヒテンミツルギ極意書@ニコニコRPG、ピーマン@星のカービィ
くず鉄のかかし@遊戯王シリーズ、モンスターボール(むてきまる)@いかなるバグにも動じずポケモン赤を実況
DMカードセット(天使のサイコロ、悪魔のサイコロ、スタープラスター)@遊戯王シリーズ
[思考・状況]
基本思考:首輪を解除して、運命を打ち破る。
0:思考して主催の目的などを見極める
1:これからどうしよう?
2:ルガールが無事か心配
3:フランが今後どう動くかに期待と不安
4:(城之内……森乃進……ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。)
※参戦時期は、皆殺し編終了後です。
※オヤシロ様としての力は使えるようですが、非常に疲労するようです。
※思いつめていて多少判断力が鈍っている恐れがあります。
※右上左上の後ろに何かがいると断定しました。
※来た世界が違う人間がいると断定しました。
※九頭龍閃を習得しました。
※ヒテンミツルギ極意書に出てきた刀と逆刃刀・真打が同一のものと気づいていません。
※くず鉄のかかしは後10時間、天使のサイコロは12時間使用不可です。
※咲夜という人物が同じような時間操作を使用すると推測しました。
※美鈴という人物がフランと知り合いであると知りました。
※戦闘力の低い一般人はイレギュラーとして巻き込まれたと推測しました
※むてきまるが九頭龍閃を習得したようです
※アポロとみさおと情報交換しました



sm128:テーレッテー!なんと腰抜けな神々の遊び! 時系列順 sm131:血に洗われて眠る星のルガール -THE KING OF FIGHTERS-
sm128:テーレッテー!なんと腰抜けな神々の遊び! 投下順 sm130:Chain of Memories
sm121:惨劇起きてすぐ覚醒~狂気の最終鬼畜オヤシロ様(後編) 日下部みさお sm151:「正解」と「理想」 -Killer Queen-(前編)
sm121:惨劇起きてすぐ覚醒~狂気の最終鬼畜オヤシロ様(後編) アポロ sm151:「正解」と「理想」 -Killer Queen-(前編)
sm121:惨劇起きてすぐ覚醒~狂気の最終鬼畜オヤシロ様(後編) 古手羽入 sm151:「正解」と「理想」 -Killer Queen-(前編)






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