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嘘の歌姫 ◆/4zBz3jiVQ




 鬱蒼とした森。
 死体のそばですすり泣く少女。
 寄り添う植物。
 珍しいものが見えたな。
 人が集まりやすいと思い、病院に向かっていた俺は獲物を見つけ足を止めた。


 憔悴しきった様子で死体に向かって泣いている。
 その姿はまるで死体に懺悔しているかのよう。
 いや、救いを求めているのかもしれないな。


「死人に口無し。意味ないことをしてると、俺みたいな殺人鬼に斬られることになるぞ」
 このまま後ろから首を落とすのは、なんかつまらないなと思い声をかけてみる。
 少女がこちらに顔を向ける。
 虚ろな目。


「何か御用ですか? 嘘吐きさん」


 まともじゃないな、まったく。



◆ ◆



「ゆっくりしていってね!!!」
「うるさい、急いでるんだから!」
 後ろでゆっくりが魔導アーマーを動かして付いてくる。
 もしミクちゃんに会ったときに驚かせちゃいけないと思って私は魔導アーマーからは降りていた。
 特にいまミクちゃんはひどい目にあったばかりだから、きっと神経質になってしまってるんじゃないかと思ったのだ。


 静かな森の中、ふと聞こえた小さな話し声。
 誰かいるの?


 ゆっくりに待っているように合図をし、恐る恐る忍び寄り覗き見る。
 そこにいたのは――



◆ ◆



 目の前にいる人影。
 学生服を着た冷たい目をした男の子。


「おかしいな、俺は嘘なんてついた覚えはないんだけど」
 ナイフを持っている。
 この男の子がルイージさんに怪我をさせたのかな?


「だってこの場に死人なんていないじゃないですか」
 ね、ルイージさん。


「じゃあ、そこで倒れている憐れな犠牲者は何なんだ?」
 この人も嘘吐きなのかな。


「ルイージさんが死んだなんて嘘だよ」


 嘘、すべてが嘘、真っ赤な嘘。


「壊れた人間か、現実を受け止めることもできないとは惨めだな」
 嘘吐きさんがこちらに歩み寄ってくる。


 嘘吐きさんが何を言っても信じるわけないじゃないですか。
 手に持つナイフも嘘。
 嘘吐きさんはすべてが嘘。
 嘘、嘘、嘘。
 すべてが嘘なんですよね。
 嘘吐きさん?



◆ ◆



 木の陰からのぞいて見えた3人の人影。
 一人はよく知る人物であり恩人、ミクちゃんであることはすぐ分かった。
 そばに生えている植物が動いてるけどあれも支給品かな。
 そして倒れている男の人。
 あまり見たいものではないが、緑の服は血にまみれて黒く染まっている。
 死んでるように見えるがが、ミクちゃんは生きていると言った。
 生きているのかもしれないが、どちらにしろ助かるようにはとても思えない。
 そしてもう一人の男、手に持っているのはナイフ。
 ナイフには何かこびりついているがあれは血だろうか。


 男がミクちゃんに歩み寄る。
 あのまま手に持つナイフでぐさり、とかないよね……


 私は怖くなって懐から拳銃を取り出し、震える手で銃を構え少年に狙いをつける。
 構えてから分かったんだけど、重い。
 人に銃を向けているという緊張も手伝ってまともに狙いをつけられない。
 このままじゃミクちゃんに当たりかねない。


 だめだ、落ち着け私!
 目を閉じて息を大きく吸い込んで三秒数える。
 1、2、3、よし!


 私を覗き込む冷たい目。
 目を開くとナイフを持った男と目があっていた。
「拳銃を持ち出されるとさすがにね、とりあえず黙ってもらおうか」


 凍った。
 蛇に睨まれた蛙、まさにそんな感じ。
 私はただ男の動作を見ているしかなかった。
 引き金を引く余裕なんてない。


 男が取り出した葉っぱ。
 葉っぱ?
 それはあまりにも大きいかった。
 男がそれを私に向けて一振り。


 え?


 襲い掛かる衝撃。
 そして少しの浮遊感の後に来る痛み。


「な! 痛っ」
 今何をしたのかも分からないまま私は吹っ飛ばされていた。
 気がついたら手に持っていた拳銃はない。


「え? あ!」
 気がついたらミクちゃんも視界から消えていた。
 男は舌打ちをしてミクちゃんを探す。


 私は落ちていた拳銃を探す。
 私の唯一の対抗手段。
 あれがないと……よかった、あった。


 その瞬間鳴り響く甲高い金属音。
 私ははっとして顔を上げた。


 見えたのは男とその攻撃を防いだゆっくりの乗った魔導アーマーの姿だった。
 魔導アーマーから見え隠れする緑の髪はミクちゃんだろうか。
 おそらく、守ってくれたんだろう。


「ナイス、ゆっくり!」
 そう叫びながら、咄嗟に男に向けて拳銃を引く。
 あいつは間違いなく殺人鬼だという確信ができたためかさっきよりは引き金を引く抵抗心が和らいでいたのか。


 まあ、もちろん銃弾は大きく外れたが、牽制になったのか男は飛びずさる。
 鳴り響く銃声と想像以上に大きい反動にびびりながらも咄嗟にミクちゃんに声をかける。


「ミクちゃん大丈夫?」
 銃はもう落とさないようにきっちり握った。
 銃で牽制しつつミクちゃんの方に『凡骨にもわかる!魔導アーマー完全大喝采マニュアル』を投げる。


「大丈夫だったら、そのアーマーで援護して!」
 そう声をかけつつ男のほうに向かって走り出す。
 銃が当たらないなら外しようのない距離まで近寄ればいい。


 逃げるっていう選択肢は使えない。
 さっきの男の動きは相当素早かった。
 女の子二人の足じゃとても逃げ切れない。
 詐欺してバーボンして切り抜けるっていう手もあったけど、なんにしても材料がない。
 偽の首輪起爆装置はまだ使えないし。


「面白くなってきた」
 男はそういいながら、私に向かってナイフを突き出す。
 私は予想していたその攻撃を左手で受け止める。


 左手に鋭い痛みが走るけどできるだけ残った右手に全神経を集中する。
 そして、銃を男に押し当てて引き金を――


「うぐっ」
 鈍い痛み。
 私は蹴り飛ばされていた。
 地面の上を転がされて、また銃を取り落とす。


「その程度の犠牲じゃ俺は殺せないよ」
 私は腹の痛みと、何かを吐きそうになる衝動をこらえた。


「悪くない発想だけどね。普通の人間にしては上出来だよ。まあ残念だったな」
 男は冷たくそう言い放ち、冷たい微笑を浮かべる。
 なんか言い返そうかな、と思ったんだけどなんか重い感触がして私の意識は途切れた。



◆ ◆



 テトちゃん、なんで私に銃を向けるの?


「拳銃を持ち出されるとさすがにね、とりあえず黙ってもらおうか」
 嘘吐きさんが目を向けた先、そこには銃を構えたテトちゃん。
 その銃口は私のほうを向いているように見えた。


 テトちゃんも?
 テトちゃんも私を殺そうとするの?
 みんな、みんな、そうなの?
 嘘、嘘、嘘。
 何も信じられない。


 私は走り出していた。
 疲れていたはずの体も気にならない。


 逃げ出したかった。
 残酷な現実から目をそらしたかった。
 救いが欲しかった。


「どこに行くつもりだ?」
 でも現実からは逃げられない。


 そばにいたあおばしげるが私をかばってくれたんだけど。
 よく分からない扇で吹き飛ばされる。


 男がナイフを持ち飛び掛ってくる。
 死ぬのかな、なんて考えてるうちに男は迫ってきて――


 痛みはなかった。


 目を開くと眼前に巨大な機械。
 よく分からないけど助かったのかな。
 そうだよね、機械なら私を裏切らない。
 私を助けてくれる。


 足元に落ちている本。
 表紙からしてこの機械の説明書かな。


 目の前の機械を見上げる。
 きっとこれは私を守ってくれるんだ。
 私を助けてくれる救世主。


 私は機械に乗り込んでみるとそこには生首が二つ。
 テトちゃん、2人も殺しちゃったんだ。
 私は絶望した。
 見つめ返してくる瞳が怖くて運転席の外に放り投げる。
 そして、説明書を見ながら機械を動かし、





 見たくない現実を踏み潰した。


◆ ◆



 予想外だった。
 緑髪の少女が赤髪の少女をよく分からない機械に乗って踏み潰した。
 あの少女がこんなことをするとは思えなかったが、まあ正気じゃないんだろう。


 機械の足の下の少女は目を見開いたまま気を失っていた。
 下半身は潰されている。
 まあ、助からないだろうなと思いつつとりあえず目の前の敵に目を向ける。
 緑髪の少女は俺を見つめている。
 俺を助けたってわけではないだろうし。


「意外なことをするんだな、知り合いだろ」
 機械の上の少女の目、気を失っている少女に負けず劣らず生気がなかった。


「ねえ、消えて」
 ぼそりと少女がつぶやく。
 機械が足を動かす。


「嫌だね、俺の獲物を一人奪ったんだ。代わりになってもらわないと」
 機械に乗ったところで負ける気はなかった。
 よく分からない植物はこちらの様子を伺っているが、あっちは後回しだ。


 極死・七夜で一気に片をつける。


 いくら機械に乗っているからといって運転席は守られていない。
 この技、ナイフを投げ自分は上から襲い掛かる。
 つまり、ナイフに貫かれるか首を捻じ切られるかの二択を問う技。
 一瞬で勝負はつくだろう。


「極彩と散れ」


◆ ◆



 あれ、私は……
 目を覚ますと体の感覚はあんまりなかった。
 痛いってのは分かるんだけど実感が伴わない。
 たぶん限界を超えてるんだろう。
 それに、腕しかまともに動かない。


 死ぬんだろうな。
 それは避けることはできないんだろうと思う。
 でも、死ぬのは怖くない。
 もともと一日限りで消える存在だったんだから。
 ミクちゃんが救い出してくれなければ私は嘘のまま終わる歌姫だったんだし。
 これ以上を望むのは傲慢なのかもしれない。


 かすれる視界で見えたのは魔導アーマーに乗ったミクちゃんと向かい合う男。
 助けなきゃとは思うんだけど銃はどこに言ったのか分からない。


 手に届く範囲にあった支給品はひとつ。
 とりあえず胸ポケットにいれていたのが幸いだった。
 まあ、カメラなんだけど。


 撮った弾幕をかき消すことができる魔法のカメラ。
 正直弾幕ってものの定義がよく分からないんだけどね。


 まあ、ナイフで切りかかったら意味がないんだけど、と思いつつもファインダーをのぞく。


 ファインダーからのぞいた世界。
 それは不思議とゆっくりに見えた。


 男がナイフを投げる。
 ゆっくりと流れるナイフを写真に写す。

 ナイフは消え、上から飛び掛る男は魔導アーマーの腕に吹き飛ばされていた。


◆ ◆


 油断した。
 まさかナイフが消えるとはな。
 ロボットの腕はこちらに矛先を向ける。


 こちらは空中にいる以上かわすことはできない。
 とりあえず、衝撃に備える。
 受身さえ取れれば戦闘に支障は出ないだろう。


「ぐっ」
 思ったより大きい衝撃。
 耐えられないほどではない。
 体勢を立て直そうとしたときに二回目の衝撃が襲い掛かった。


 やれやれ、一般人といってもなめるんじゃなかったな。
 太い木の枝に頭をぶつけてしまったらしい。


 俺の意識が消失する。


◆ ◆



 男の姿は見えない。
 気を失っているだけなのか、もしくは死んだのか。
 再び姿を現さないということは当面の危険は避けられたのだろう。


 ゆっくりの姿が見える。
 涙を流しているのか。
 こいつらって泣くんだな。


「信じてたのに、嘘吐き」
 ミクちゃんが小さくこぼす。
 魔導アーマーの上に乗ったままだった。
 とても悲しんでいるような気がする、私はそう感じた。


 なんかよく分からないけど、ミクちゃんを救いたくて薄れる意識でかける言葉を捜す。
 あんまり時間がなくて取り止めのない言葉になってしまったけど。


「君は実に馬鹿だな、私の嘘を乗り越えさせてくれたミクちゃんは嘘をきっと乗り越えてくれるんだから」


【重音テト@VOCALOID(亜種) 死亡】

【A-3 森/一日目・午前】
【七夜志貴@MUGEN】
[状態]:脳震盪 打撲
[装備]:サバイバルナイフ@現実、果物ナイフ
[道具]:基本支給品(食料・水-1)、三国志大戦カード(UC董白)@三国志大戦、葉団扇@東方project、包丁
[思考・状況]基本思考:殺し合いをする 
1:障害物がある場所を優先的に探索。
2:『殺し合い』をする。
3:死んでも構わない。
4:白いの(ときちく)が気になるが後回し。
5:あの女(渚)はどうでもいいが鎧の男(ブロントさん)とは殺し合ってみたい。

【初音ミク@VOCALOID2】
[状態]:混乱、恐怖、精神疲労(限界突破)身体疲労(限界寸前)
[装備]:ルイージの帽子
[道具]:基本支給品、あおばシゲル@MF2死ぬ気シリーズ
[思考・状況]
0.混乱

【オボロゲソウ「あおばシゲル」の思考】
思考・状況]
1:嘘付きからミクを守る
2:ミク……

※指定された命令以上のことはできない。しかし殺傷力の高い技も存在する。
※ルイージの死体(帽子無)が放置されています
※初音ミクは今現在正常な判断ができません。精神に多大なショックを受けたようです。
※テトの支給品(基本支給品、ランダム支給品(0~2)ゆっくり霊夢、ゆっくり魔理沙@ゆっくりしていってね!、偽起爆リモコン(4-5時間使用不可)、拳銃(0/6 予備弾24)@デスノート)は魔導アーマーのそばにあります。
※射命丸文のカメラ@東方projectはテトの死体のそばにあります。
※ミクは七夜を見失っています

【射命丸文のカメラ@東方project】
東方文花帖(ゲーム)で射命丸文が使うカメラ。
弾幕を消すことが可能、普通のカメラとしても使用可。
連写はできず、撮った後フィルムを巻かないといけない。


sm102:COOL&CREATER ビリーと××を M.C.ドナルドの洗脳なのか? 最終鬼畜弟カガミネ・L 時系列順 sm104:伝説のスーパーサイヤ人の殺し合い訓練学校 [強制参加]
sm102:COOL&CREATER ビリーと××を M.C.ドナルドの洗脳なのか? 最終鬼畜弟カガミネ・L 投下順 sm104:伝説のスーパーサイヤ人の殺し合い訓練学校 [強制参加]
sm89:こわれるこころいんばとろわ 明く茂る誠い心 重音テト 死亡
sm85:一里四辻・一鹿六兎 七夜志貴 sm110:狂喜「サウンドプリンセス」
sm89:こわれるこころいんばとろわ 明く茂る誠い心 初音ミク sm110:狂喜「サウンドプリンセス」






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