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らららコッペパン ◆ra6PN0VFoc





夜闇の中、草原を走る白い車輪がひとつ。
グラハム・エーカーが操るD-ホイール、ホイール・オブ・フォーチュンである。
彼が目指しているのは東。一見するとブロリーがいたホテルに近づく危険な進路であるが…
その場から離れるという目的上、西へは行けない。
北は行き止まり、となると彼らの行き先は南か東しかなかった。
…要するに、どちらもブロリーと戦ったあの場所に近づくことは変わらない。
ならば、一回通ってある程度地理を把握している東の方がいいと判断したのだ。
D-ホイールをまだ残る夜闇の中で走らせつつ、ふと彼は思い出したように口を開いた。
その隣にいる妖怪へと。

「そう言えば…6時間ごとに放送があると言っていたな」
「…そうですね」
「動き回るよりは塔に留まり聞き逃さないようにしたほうがいいと思うが、君はどうだ?」
「…いいんじゃないですか」

文はずっと口も利きたくない、と言わんばかりの態度を取っている。
ちなみに彼女はD-ホイールに乗らずに脇を併走中だ。当然、それについていけるだけのスピードで。
グラハムにまた抱き抱えられて運ばれるよりは、多少疲労してでも自力で走ったほうがマシだと思ったらしい。
「飛ぶ」ことと違って「跳ぶ」ことは大して疲労しないことに、既に文は勘付いている。
そうである以上、文の能力ならD-ホイールについていくのは造作もないことだ。
もっとも、グラハムはグラハムでD-ホイールのスピードを大分緩めているのだが。

「…やれやれ」

軽く肩を竦めつつ、塔の目の前にD-ホイールを停車させた。
片やD-ホイールに搭乗、片や幻想郷最速の彼らにとって、一エリアを移動するのは大した手間ではない。
放送までは、まだそれなりに時間がある。

どうしたものか、と考えを巡らせるグラハムの隣で、

「じゃあまずは私一人で中を見てくるので、待っててもらえますか?」

一時的でもいいからなんとか一人になる口実を作りたい、と言外に見え見えなことを文は言った。
当然、その程度であっさり諦めるグラハムではない。

「内部がどれほど複雑かも分からないのに一人で探索というのは無策だ。
 どれほど時間が掛かるかまだ分からない以上はな」
「だってそれを室内で乗り回すわけにはいかないじゃないですか。
 なら私一人で見てきたほうが早いですし、安全です」
「それは問題ない。これは階段も平気で上れるらしい」
「…いや、どう見ても無理だと思うんですけど」
「そう言われても、解説書にそう書いてあった以上は真実だろう?
 それに」

その瞬間、くきゅるるるるる、と音がした。文のお腹から。

「まずは食事の時間だな。
 私はともかく、二度も戦ってきた君はそれなりに消耗していると思うがね」
「………」

事実なので反論しようがない。
結局文はグラハムと仲良く塔へお邪魔し、テーブルを見つけて共に食事をする羽目になった。
だが二人が手ごろな椅子に座り込んで、食事を始める寸前。




「失礼。
 ところで、テングとやらは食事の前に何かやるのかな?」

グラハムが、妙なこと言い出した。

「ハァ?」
「経済特区日本では、郷に入っては郷に従えという諺があるらしい。
 君が食事に何らかのマナーや規律を持っているのなら、付き合おうと思ってね」
「ありませんし、あったとしてもやりませんよ。
 あなたが礼儀正しい人だとは思えませんから、無駄です」
「成程。それはごもっともだな」

それだけ言うと、コッペパンを食べ始めた。厭味を軽く受け流して。
言うまでもなく文の支給品のそれではなく、普通の何の変哲もないコッペパンである。

(相変わらずどこからが本気でどこからがふざけてるのかよくわかんないわね…)

心の中でそう愚痴りつつ、文もコッペパンを口へと運び出した。
さて、文にああ言ったグラハムではあるが、彼自身も腹が空いてきていた頃合だ。
そのため半分近くを食べきるまでは、無駄口を叩かずに食事に集中していた。
小休止を兼ねてペットボトルの水を飲んだところで、ふとグラハムが文を見ると…
一口欠けたパンと睨み合いをしているばかりで二口目を口に運ぶ様子はない。

「…パンは不慣れなのか?」
「まぁ、これはあんまり好きじゃない、かなぁ、とは…」

こくこくと頷く文。
幻想郷にも洋風文化が存在しないわけでもないが、ほとんどは米食中心。
魔理沙なんて13枚しかパンを食べたことがないくらいである。
ましてや妖怪の山という東洋妖怪中心の場所に住んでいる文は、基本的に米食派だ。
が、この場合問題なのはそんなことではなく。

「食べ方が分からないというなら、手取り足取り教えt」
「それくらい分かります!」

そうピシャリと言って文は二口目を口に運び…露骨に顔を顰めた。
…要するに、このコッペパンはまずい。美食家でなくともそう思えるくらいまずい。
なるほどな、と呟きながらグラハムはコッペパンを口に運ぶ。

「あくまで餓死しない程度の食料、ということだろう。味は考慮外なのも当然だ。
 でなければチョコレートが特別なものとして入っていたりはしない」
「…だったら私のチョコレート食べないで下さいよ」

ジト目で抗議する文を無視してコッペパンを飲み込むグラハム。
はぁ、とため息を吐きつつ、文は話題を変えた。

「グラハムさんは平気なんですか?」
「軍人だからな。いつでも美味いものが食べられる身分ではないさ。
 AEUの糧食は異様に凝った物らしいが…酒場でも行くか?」
「は?」
「いや、あまりにもパンが嫌そうな顔をしているからな。
 ここから北にある酒場なら、何か他に料理があると思うが」
「別にパンが嫌いってワケじゃないです、けど…」
「だが、このパンは食べたくない、と」
「亡霊姫じゃないんだし、そんな贅沢いいません!」

そう言ってコッペパンを口に運ぶ文に、再びグラハムは肩を竦めていた。
一応、彼自身は「今回は」純粋な善意から言ったつもりだったのだが。

(やれやれ、からかい過ぎも考え物だな)

心の中で、グラハムはそう呟いた。
もっとも少しは自重する気になったかというと、まったくそんな気はないが。

グラハムの視界に、新たな光が入る。外では既に日が昇りはじめていた。
夜が終わる。影は隠れ、この殺し合いは新たなる局面へ移る。
それを気にすることもなく、穏やかでない仲の二人は極めて穏やかな朝を迎えた。


【C-2・塔/1日目・早朝】
【グラハム・エーカー@機動戦士ガンダム00】
[状態]:ほっぺたにビンタ痕
[装備]:ハネクリボー@遊戯王GX(使用可能まで8時間)、言葉のノコギリ(レザーソー)@school days
[道具]:支給品一式(一食分食糧と水消費)、ホイールオブフォーチュン@遊戯王5D's
[思考・状況]
1.フラッグ(文)に惚れた
2.フラッグを守る
3.フラッグはツンデレらしいな
※参戦時期は一期終了後(刹那のエクシアと相討ちになった後)。

【C-2・塔/1日目・早朝】
【射命丸文@東方project】
[状態]:精神的疲労(小)
[装備]:七星宝剣@三国志Ⅸ
[道具]:支給品一式(一食分食糧と水消費)、究極のコッペパン@ニコニコRPG
[思考・状況]
1.情報収集。自己保身を優先する。特に究極のコッペパンは絶対に自分で食べる。
2.主催者の方が強そうだったら優勝狙い、脱出できそうなら脱出狙い。それまでは1に徹する。
  少なくとも人数が半分以下になるまでは立場を確定させない。
3.優勝狙いが確定しない限りグラハムと一緒にいてやる(ただし優勝狙いに決めたら速攻で殺す)。
4.もしチルノさんとかがいたら……手元に置いておこうっと。
5.ブロリーと出会ったら何を犠牲にしても全力で逃げる。



sm79:おまいら、バトロワどの敵まで勝てる?(ブロリー編) (後編) 時系列順 sm81:メルト
sm79:おまいら、バトロワどの敵まで勝てる?(ブロリー編) (後編) 投下順 sm81:メルト
sm47:愛の嵐 グラハム・エーカー sm90:塩くれてやる! -若本製塩編-(前編)
sm47:愛の嵐 射命丸文 sm90:塩くれてやる! -若本製塩編-(前編)






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