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OP11 ◆UlkdrYaL6o


「ううん……」

体が寒い。また相談受付中に居眠りをしてしまったんだなと思う。
幸いにも俺の体は丈夫な毛並みで覆われており風邪を引くといったことはないが、冷えた床で寝ていられるほど我慢強くは無い。
閉じていた瞼を開け視界に写ったものを見た後、思わず俺は頬の肉をつねって痛みを確かめた。
視界に移った風景が余りにも非現実的すぎたからだ。これは夢に違いないと一瞬で判断することができたほどだ。
床にはタイルがモザイク上に敷き詰められている。しかし素材は一様でなく、舗装されず土が露出している区画もあれば赤いじゅうたんが引かれた場所さえある。
悪趣味を通り越して不気味なその床には、沢山の人たちが倒れていた。
壁は崩れ落ち、レンガの隙間からは鉄骨が見える。天井を見上げれば黄昏と夕焼けが同時に広がり、血の様に赤い太陽が地上を真っ赤に染めていた。

俺はアポロ、チーターマン三兄弟の長男だ。
俺達を改造した悪の科学者Dr.モービスの野望を打ち砕き、町で悩み相談の仕事をしていた善良なチーターだ。
うん、記憶はおかしくない。
でも、ここはどこなのか。何故このような場所にいるのか?
記憶はどこから途切れているのかがまったく繋がらない。俺は、一体何をしてこうなった?


繋がらない記憶を必死で手繰り寄せ、悩む時間さえ俺には与えられなかった。
そこへ一陣の暴風が通り抜け、俺の体はまるで金縛りのようにその場に縫い付けられてしまった。
その風の正体を探る俺が考えを巡らし気が付いた。
これは突風ですらない、ただの殺気に過ぎないのだ、と。
後引く汗、震える体、荒がる息がそれを示していた。それは並の人間ならその殺気によって正気を吹き飛ばすほどの猛烈な強さだった。
武道の達人が発するあの殺気を、どのような訓練を行えばこのような殺人兵器へと変える事が出来るのか。
俺は体さえ動かず、突然現れた黄金の賽銭箱とその上に浮かぶ真紅の少女を凝視する事しか出来なくなっていた。

「ようやくお目覚めね、不信神者ども」
真紅の少女が口を開き、戸惑い慄く俺達に開いた第一声がそれだった。
「あんたらに言う事は一つ、意義は認めないわ」
少女は言葉を続ける。俺は言葉の続きを待つことしか出来ない。

「あんた達には殺し合いをしてもらう」

少女から発せられたその一言を理解できず、意識の中で言葉を反芻した後にようやく理解する。皆もそうだったのだろう。
言葉が発せられてすぐは誰も動かず、言葉も発しなかった。
しかし幾らかの時間が経過すると、その言葉の真偽を理解し、殺気から開放された者達がどよめきを発し始めた。
殺し合いをしてもらう、と。
ざわざわ、どよどよと雑踏の声が次第に大きくなるころ、少女は二の句を紡ぐ。

「黙りなさい、余り煩いとここで殺すわよ」

その余りにも強く、冷徹な殺意の言葉により、再びざわめきは止まった。
先ほどと違う点は、あの縫い付けるような殺気は再び襲い掛からなかったことだけか。
少女の言葉を聞いて、俺はどうしても知りたい事があったから言葉を開いた。
「なぜ、俺たちが……?」

「そうね、教えてあげるわ」
どうやら俺は死ぬことなく、少女は俺の問いかけに答えてくれるようだった。
気になっていたのだ。何故俺たちが殺し合いをしなければならないのか、ならばそんなことをする理由は何なのだろうか。

「あんたら不信神者に償ってもらうのよ。私がどんな思いで神社を守っていたか分かる?
 分からないでしょうね、元旦にも拘らずまったく参拝者が無かった博麗神社のことなんてね。
 だから私は全てをブチ壊した。このお賽銭箱を一杯にするためなら何でもするってね。
 あんたらはただの生贄、それ以外の価値は無いわ」

生贄と少女は言った、ただそれだけの理由で選ばれたと。
元旦に参拝が無いからという理由でこのようなしょうもないことを考えたらしい。
それがどれだけしょうもない理由だとはいえ、目の前の少女は本気で殺し合いをさせたいらしい。

「霊夢さん、それでは答えとして不適当なのでは?」
「あら下僕のひろゆき、ならあんたがさっさと手短に説明しなさい」
少女と俺の押し問答が終わったところで、再び何もない空間から一人の男が現れた。
ひろゆきと言われたその男が、少女に変わって説明を続ける。

「ご紹介にあずかりました西村ひろゆきです。
 それじゃあみなさんにおいらが殺し合いのルールを含めて説明しますね」
ひろゆきはまず自己紹介を行い、そこへ言葉を付け加える。
「アポロさんが言ったことですが、この殺し合いの参加者は霊夢さんに頼まれておいらが独断と偏見で選びました。
 先ほど霊夢さんが言ってくれたと思いますが、みんなが最後の一人まで殺し合いをするとこのお賽銭箱にお金が溜まるよ  うになっています。そういった理由があって生贄と霊夢さんはおっしゃったわけです、分かりましたか?」
俺に向かってひろゆきは詳しい説明を付け加えてくれた。
ようやくこの状況を理解し始めた俺は、ひろゆきという男に相槌を交わす。
それに満足したのか、ひろゆきは更に言葉を付け加えた。

「自分たちがどういう立場なのかを理解しただろうし、んじゃ続いて殺し合いの詳しいルールを解説しますね……」
ひろゆきはコホンと一息付き、ルールとやらを得意げに語り始めた。

「これからみんなには殺し合い専用の特別会場に移動してもらい、そこで殺し合ってもらいます。
 いわゆる一つのバトルロワイヤルって奴で、基本的になんでもありです。
 ただ殺し合いをするのもなんなので、みんなの武器は没収しました。
 それだけではなんなので代わりにこちらから便利な支給品を用意させていただきました。
 中身は超強い武器からただのゴミまで色々あるため、運がよければ超強い人でも倒せちゃったりするかもです。
 このバトロワ中、6時間に一回死んだ人のことやバトロワ会場の禁止エリアについて、おいら達から直々に説明してあげますので聞き逃さないようにしてくださいね。
 じゃ、なんか分からない事や聞きたい事があれば質問してください」
ひろゆきは一旦ここで質問は無いかと聞くが、誰も一言も発しない。
おずおずと口を開こうとしたものも居たが、ひろゆきはそれを無視して説明の続きを始めた。

「既に気が付いた方もいらっしゃるかもしれませんが、あなた方の首には爆弾付きの首輪が付いてます。
 おいら達に逆らおうなんて考えたら、ドカンってことです。先ほど説明した禁止エリアに入っても爆破しますのでご注意をお願いします。
 それで重要な事ですがみんなが積極的に殺しあわないと困るので、24時間以上誰も死ななかったらこちらから全部の首輪を爆破するので気をつけてくださいね」

ひろゆきが長々と説明し、一息をつくと懐からリモコンのようなものを取り出した。

「ただ説明しても分からないと思うので、ちょっと実演を行いますね」
ひろゆきがリモコンのボタンを押すと、ピピッ……ピピッ……という規則正しい電子音が鳴り始めた。
音源が特定されると、首輪の生贄となった男の周囲に居た人間達はパニックを起こし、我先にと逃げ始めた。

「ビリィィィィイイイイイ!!!!!」
「トータス!」

屈強な肉体を持った消防士風の男は咆哮を上げ爆散した。その首輪の爆発にあわせて首と胴が生き別れになった。
ドサリと音を立てて男の胴は倒れ、焼け付いた肉体からは血が滲み出ていた。
その光景を目撃した人間の一部が大パニックに陥り、悲鳴と怒号が回りに響く。
トータスと叫んだ大柄の男は、その場でがっくりと膝を付いて言葉も出ないようだ。
…………糞ッタレ。

「あんまり煩いともう一人殺しますよ、静かにしてください!」

ひろゆきが怒鳴りつけると、その脅し文句にしたがって再びその場は静まり返った。
しかし、全ての人間がその言葉を理解できたわけではなかった。黒髪の少女がフラフラと賽銭箱の前へと躍り出ていた。
ひろゆきの顔がしくじったと言わんばかりに歪む。ひろゆきが止める間もなく少女は賽銭箱に頬ずりを始めた。

「凄いですねこの賽銭箱、金ぴかに光ってますよ!」
黒い少女が頬ずりを始めた瞬間、真紅の少女の顔が見る間に歪んでゆく。
瞬間、最初に見せたあの怒気がこちらを薙ぎ倒さんと襲い掛かってきた。
俺は見た、少女の顔が一瞬のうちにこの世ならざる鬼の顔へと変わるのを。
黒髪の少女は何が起こったのかさえ理解していない。きっとこの気違い染みた光景を前に狂ってしまったのだろう。
「そこのお姉さん気合入ってますねー、どのアニメのコスプ……」



『魔神「死狂い」』



お札を高く掲げた後に鬼は、お払い棒を横へ一閃する。
一瞬のうちに数多の斬撃が黒髪の少女を襲い、少女の体を血飛沫へと一瞬で変化させた。
少女の体だったものから生まれ、爆散した血飛沫は勢いを失うことなく、呆然と眺めていた俺達を紅く染め抜けていった。
それは俺の想像を超えた強さだった。死狂いと発したあの斬撃は、観測することさえ叶わぬ圧倒的な暴力の嵐。
強さの次元が、格が違うとしか言えなかった。放たれた戦慄は理解する事さえ困難であり、理解してしまえば壊れてしまうほどの強さだった。
恐怖に震え、何もすることができない。抵抗さえ馬鹿馬鹿しい絶対的な暴力だった。

「殺す……ころす……コロス…………」
「あ、あわわわわ。霊夢さんの機嫌が悪くなってしまった。
 このままじゃみんな殺しあう前に殺されてしまうから、さっさと転送しちゃいますね!」
慌てたひろゆきは霊夢という鬼に構わず、早口で説明を始めた。
それから不意に、足元の感覚が弱まる。

「最後に一言、最後まで生き残れたら霊夢さんから直々にお賽銭の余りでどんな願いでも叶えてあげるって言ってました!
 もちろんこの殺し合いで死んだ大切な人を蘇らせたりもできますので、頑張って生き残ってください!」

真紅の鬼が全てを壊さんと襲い掛かる直前、眼前の光景が反転して何も見えなくなった。
鬼の世界から解放された俺は、退く事さえ許されない悪夢の殺し合いが始まったのだなと直感的に理解した。



【トータス藤岡@レスリングシリーズ 死亡】
【南極さくら@ペンギン娘はぁと 死亡】



主催者

【鬼巫女@ニコニコMUGEN、東方Project二次創作】
【西村博之@ニコニコ動画】

参加者
【アポロ@チーターマン2】
【ビリー・ヘリントン@レスリングシリーズ】



主催者紹介

  • 鬼巫女

元ネタは東方二次創作同人誌「鬼巫女」らしい。
正月に賽銭が集まらないことにブチ切れ、ダークサイドに落ちた霊夢。
能力は「あらゆる干渉を否定し我を通す程度の能力」
ニコニコMUGEN界に突如現れた鬼神。絶対的な力を持ち、かなりの強者でも勝負にさえならない圧倒的な強さを持つ。
MUGEN凶悪・論外トーナメント優勝者、現実さえブチのめした実績がある。事実上MUGENの頂点に立っていた。
機嫌が悪くなるほど強く、機嫌が良くなると普通に撃破可能な強さまで弱体化する。
見た目・MUGENでの性能その他はニコニコ大百科、またはこちらttp://www30.atwiki.jp/niconicomugen/pages/923.html


  • 西村博之

ご存知2chの元管理人にしてニワンゴ取締役。
公式動画などでたまに顔を出す。







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