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明治十一年の相楽サノスケ ◆1SKekTLbsk





「なんでぇ、なんでぇ、くそッ!」

 イラっと来たんでそこらの木を一本蹴り倒したが、全然気持ちが晴れねぇ。
 考えずとも当たり前だ、あんなモンを見せられて木一本くらいで収まる訳がねぇ!
 俺は今朝、志々雄一派をぶっ潰しに、そして安慈の救世の真意を確かめに葵屋を出たはずだった。
 だのに俺は突然訳のわからん連中に捕まっちまっていた上に、首輪を付けられ狂ったげぇむとやらに参加させられた。
 日本の未来が懸かった一戦に行くのを邪魔された挙句、こんな所で殺しあえだぁ?
 ふざけんなッ、まだ志々雄の方が自らの信念の元行動しているってぇ所で理解ができる!
 あいつらにゃぁ心底吐き気を催した、だから俺は志々雄の前に、あいつらと『喧嘩』することにした。
 神様でも気取ったあいつらにじきじきに教えてやる……。
 神仏を凌駕しうる、この俺の右の……。

「二重の極みでなぁッ!!」

 ズドンッ……!
 独特の衝撃音と共に、あらゆる抵抗を無にし粉砕する拳が地面を抉った。
 その威力は殴った拳を中心に、地面に大きなヒビを与える位のものであった。
 並みの人間には不可能なその威力は、左之助の尋常ではない力と、まさに極意と呼べるその『二重の極み』が合わさった結果である。
 だが、大地にその傷を穿った本人は、何か納得いかない様子で座り込んだ。

「……、怒りでうまく極まってなかったのか?
 まさか……、百の岩を相手に稽古して、普通に殴るのと同じように出せると思ってたが……。
 ちっ、幸先が悪いぜ。」

 手元の小石を拾い、先ほどと同じように二重の極みを放つ。
 無論、小石は砕けてしまうが、それでも彼は納得がいかないらしく、次の石へ、次の石へと、どんどん標的を変えていった。
 ………………。
 結局、彼が小石砕きをやめたのは、砕いた小石が十と数個に達してからだった。

「…………、調子が悪い……?
 いつもならもっと、こう、すぱーんっ、と弾ける筈なんだが……。
 くそっ、こんなときに調子が悪いなんて、これじゃまた斉藤の野郎にヒヨっこ扱いされちまうっ!
 畜生ッ!」

 こんどは主催者への怒りではなく、自分への怒りで両の拳を地面に叩きつける。
 そして、たたきつけたその体制のまま、しばらく固まって動くことができなかった。
 歯を噛み締めたまま幾分の時が流れ、様々な物に対する怒りを晴らすことができないまま、彼は顔を上げる。
 その目の先には、憎むべき主催者から渡されたデイバッグがあった。
 彼は実は初めからその存在に気が付いていた。
 だがそれに手を出すようでは、彼はまるで奴らの情けに縋ったようでみっともなく思えたのだ。
 しかし、ここに来て不調に――実際は彼の二重の極みにかけられた制限だが――陥ってしまった自分では、主催者と喧嘩するには力不足。
 いかに情けなくとも、草の根を齧ろうとも、奴らにたどり着くために頼らなくてはならないと、デイバッグを開ける決意をした。

「空けた瞬間爆発……、てぇのは無いみたいだな。
 …………、悲しいがこの道具の引きに頼らなきゃいけねぇ。
 頼む、俺に奴らをぶん殴る機会を与えてくれッ!」

 まるで溺れた時に投げ込まれたロープのように、目を瞑ったまま中身を掴むと、一気に引きずり出す。
 あふれ出る食料品や基本支給品、そして、彼が望みを全ての託した、ランダム支給品。
 それらをガッサガッサとかき集め、主催者が話したとおりに並べだす。
 だが、思わぬ事態が、彼の行く手を阻んだ。

「ん~と、これが食糧でこっちが筆記用具、そんでもってこれが水……、か?
 硝子じゃねぇようだし、中身が透けてるが、これがらんだむ支給品ってのじゃないだろうな、うん。
 地図に……、紙……、………………?
 なんだこの丸いのは……、クルクル中身が回ってるが、これは磁石か?
 ん~で、この棒は何なのかねぇ? さっぱりわからねぇな、説明書もついてねぇみたいだし、どうしようもねぇな。」

 そう、彼にはあくまで"明治時代"の一般知識しか持ち合わせていなかった。
 方位磁針はギリギリ理解の範疇であっても、プラスチックペットボトルや懐中電灯などまだ普及していない時代。
 彼はそれゆえに、何が"特別"なのか判断できないのであった。
 それでも、一つ一つ品を見ていけば、必ずランダム支給品に当たる。
 彼はようやくランダム支給品に手を伸ばすことができた。
 しかし、まだ、彼がやってきた時代の壁が立ちふさがる……。

「あん? なんだこの円盤は。
 …………、説明書が付いてるな、これがらんだむ支給品か……。
 どれどれ、"クスィデのナチラプータス"??
 "ドンタスの群抜ていおに性作動密精、ドーピス、ーワパ"??
 "るきでも事るめ止秒数を時らさ"??
 "るなにうよるえ使てっよにとこむ込し差に頭、ばえ合が長波とドンタス"??
 ……、何の暗号だ、読めねぇぞ、くそっ。」

 ……、明治時代と現代では、横書き文字の読みが逆なのである。
 悲しきかな、彼にはそのことに気が付くきっかけすら与えられなかった。
 理解していれば、彼の力になりえたものなのだが、明治時代だから仕方がない。
 彼はやや落胆しつつ、次の品に手を出した……。

「ちっ、どうやら俺の手に余るモンらしいな、次だ次……っと。
 なんだこりゃ、カパカパ開くが中に薬が入ってるわけでもなし、文章が書いてあるわけでもなし。
 説明書すら付いてないって、どういう了見だコラァ!」

 そして、次に出てきたのは携帯電話。
 これは、明治どころか今の時代を生きるおじいちゃんおばあちゃんですら手こずる代物である。
 黒電話はおろか、『電話』そのものが開発されたばかりの時代の彼にはなおさら扱える物ではなかった……。
 これもまた理解していれば、様々な面で活用できるのだが、明治時代だから仕方がない。
 彼は祈るような思いで、最後の一つに手を伸ばした……。

「………………。
 これが最後の一つだが…………。
 どうみてもこれは光りモンだ、俺の趣味じゃねぇし、こんなところで持っててもしかたねぇ。
 …………、結局最後もハズレか……。」

 そう、最後の一つ。
 彼が手にしたのは青い宝石が飾られたペンダントである。
 これまでの中で最も頼りにならなそうな品だ。
 だが、そんな彼の失望は突然払拭されることとなる
 最も、彼の望んでいた形ではないのだが……。

『Don't worry! I'm not a pendant!!』
「なななななんでぇ!?
 ど、どこにいやがる! でてこいっ!!」
『I'm here! Look down at your hands!!』
「くそっ、悔しいが気付けなかったっ!
 こっちもこんなところに連れ込まれて覚悟決めてるんだ! こいッ!!」
『Ah......hmmm.』

 当然の事だが、明治初期の一般人が英語をそう理解しているはずもない。
 彼にしてみれば、突然訳のわからぬ音が近くから聞こえてきて戦々恐々なのだ。
 まぁ、繰り返し何度も言うが、明治時代だから仕方がない。
 これは、インテリジェントデバイスの方で頑張ってもらうしかない内容なのだから……。

『... OK,I'll try it to match it to your language.
 …………。
 あー、私の言葉が通じてますか?
 通じていたら手元の宝石を見てください、それが私です。』
「……………………あ?」
『どうやら通じたようですね。
 私はマッハキャリバーと言うインテリジェントデバイスの一種です。』
「………………。」
『あなたがもし、私に協力してくださるならば、現状の説明を、
 そして、なるべく早く、私の相棒であるスバル・ナカジマの元へ返却をお願いしたい。』
「………………。」
『…………、もしかして、まだ通じていませんか?
 おそらく、貴方が用いている言語は日本語だと思ったのですが……。』
「………………………………な。」
『?』
「なんじゃこりゃあああああああああああッ!!」

 科学の発達で、AIと言うものの知られている現代ならともかく、明治時代はまだ、妖怪などが信じられていた時代である。
 しかも、左之助にいたっては、海外から入ってきた機械などを、"妖怪が動かしている"のだと思っているのだ。
 そんな彼の前に突然しゃべる石が現れれば驚かざるを得ない。

 彼が絶句し、叫び、再び絶句し、再起動するまで、また少し時間を要した。
 明治時代だから仕方がないね、うん。

「…………。」
『…………。』
「……まぁ、なんだ。
 つまりは、お前は人間じゃねぇ!ってことでいいのか?」
『イグザクトリィ、その通りでございます。
 私は機動六課のスバル・ナカジマと共に戦うに作られたデバイスです。』
「ううむ、いまいちでばいすとか良くわかんねぇが、それは置いといて。
 戦うために作られたって、何ができるんだ?」
『おおよその魔術師の支援なら、一通りこなす事ができます。
 ただ、私は相棒たるスバル・ナカジマの為に改造がしてあるので、ほぼ、専属と言っていいでしょう。』
「………………。」
『私は近代ベルカ方式による魔法を扱う事ができます。
 これは、古代ベルカ方式を…「なぁ、質問させてくれ。」……、なんでしょう?』
「まじゅつしとか、まほうとか、それはなんだ?」
『………………。』
「………………。」
『………………。』

 明治時代だから仕方がないね、うん。


【D-5 草原/一日目・深夜】
【相楽左之助@るろうに剣心~明治剣客浪漫譚~】
[状態]:健康、多少混乱
[装備]:マッハキャリバー(ペンダント状態)@魔法少女リリカルなのはStrikerS
[道具]:支給品一式、スタープラチナのディスク@ジョジョの奇妙な冒険Part6ストーンオーシャン、携帯電話@現実
[思考・状況]
1:まじゅつしとかまほうとかなんなんだー?
2:主催者相手に『喧嘩』する。
3:友人、知人と合流する。
4:弱い奴は放って置けねぇ。
5:主催者になんとかたどり着く方法を模索する。
6:ゲームに乗ってる奴が相手なら、殺すのもやむなし……か?

※支給品一式とランダム支給品の見分けが微妙についていません。
※二重の極みの威力が落ちているのは、自身の不調だと考えています。
※マッハキャリバーは改造後です。
 ただ、搭載されているリボルバーナックルが両手分か片手分かは後の人におまかせします。

※D-5の草原の一箇所に木が折れ、地面にヒビが入り、石が大量に砕けているところがあります。

【スタープラチナのディスク@ジョジョの奇妙な冒険Part6ストーンオーシャン】

『スタープラチナのディスク
 パワー、スピード、精密動作性において抜群のスタンド。
 さらに時を数秒止める事もできる。
 スタンドと波長が合えば、頭に差し込むことによって使えるようになる。』
 これが説明書の内容。
 ディスクと波長が合えば、たとえミジンコだろうとスタンドを使うことができる。
 表面にはうっすらとスタープラチナが写っている、硬いが柔軟性にも富むので破壊はできない。
 実際に止められた時は2~5秒、もっと解かりやすく言うと、ザ・ワールドの半分である。
 パワーやスピード、精密動作性ではザ・ワールドを最終的に上回った。
 ちなみにディスクを入れられた人は本来の持ち主と同じように使えるが、
 攻撃を受けるなりして気絶させられると、頭からディスクがはみ出して、抜き取れるようになってしまう。
 また、死にゆく人の頭に入れると、いっしょにディスクも消えてしまう。
 ……、本来の持ち主の承太郎の娘であるジョリーンですら受け付けられなかったこのディスク、誰が扱えるのか?
 そこは、無敵の「スタープラチナ」でなんとかしてくださいよォ――――――ッ!!

【携帯電話@現実】

 ご存知無いのですか(ry
 二つ折りのごくごくありふれたもの。

【マッハキャリバー(+リボルバーナックル)@魔法少女リリカルなのはStrikerS】

 ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm2973855
 普段はペンダントの形状をしているが、本来はローラースケート状である、自らの意思を持つインテリジェントデバイス。
 またリボルバーナックルという手甲状デバイスを格納している、こちらには意思がないが、マッハキャリバーが操っている。
 しゃべり方は敬語だが熱い性格、また、主であるスバル・ナカジマの事を第一に考えている。
 当初は自身は"道具"であるというような素振り(?)をしていたが、持ち主の意思を受け、相棒と呼び合う仲となる。
 空中に道を作る魔法「ウイングロード」などを使うが、それらについてはここでは割愛させてもらいます。
 なお、作中で一度壊れ、そのときに改造され重さが2.5倍になっている。
 元の重さはわからないが、魔法無しで装備するとなると相当重いだろう……。



sm32:緑、抗い、決意にて 時系列順 sm49:TPO? 何それ美味しいの?
sm32:緑、抗い、決意にて 投下順 sm34:熱き血潮に
相楽左之助 sm65:デバイスは儚き覚悟の悪に






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