「ヘタレのススメ」(2009/03/24 (火) 17:52:18) の最新版変更点
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*ヘタレのススメ ◆BRxsUzTn5A
(登録タグ) [[パロロワ]] [[ニコニコ動画バトルロワイアルβ]] [[カイト]]
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「ここか……」
地図を片手にKAITOは目の前にあるデパートを見上げる。
アレックスとの遭遇後、KAITOはF-3のデパートの方へと脇道にそれず、まっすぐに足を進めていた。
彼がデパートに着くまでの時間はそう長いものではなかった。
「入ってみるかな……誰か人がいるかもしれないけど」
KAITOは吸い込まれるようにデパートの中へと入っていった。
「…………」
KAITOがデパートに入ると、まず最初に目に飛び込んできたのは
上のフロアの床が盛大に壊れ、瓦礫の山となっているホールだった。
「何でこんなにデパートが壊れてるのさ……」
外観とは予想外なごらんの有り様に動揺しつつも、KAITOはデパートの奥へと足を進める。
ついさっきその原因を作った人物の一人と出くわしていることをKAITOは知る由もなかった。
「まぁ、こんなに壊れてるならさすがに人も来ないだろうし、ここでしばらく隠れさせてもらうかな」
KAITOは辺りを見回し、身を潜めそうな所を探そうとしたその時―――
『―――ようお前等!存分に殺し合ってるか?
最初に目覚めた部屋で聞いたあの声が外の方から聞こえてきた。
「そういえば、6時間ごとに放送があるって言っていたな……」
『んじゃ、この六時間の間に脱落―――つまり、死んじまった奴を言うぜ。
脱落者は、北条鉄平、はっぱ隊員……』
「…………!」
KAITOは呼ばれたやはりと思いつつも、心の中では
動揺を抑えきることはできなかった。
「……クッ、どうしてそんな気持ちになるんだ、俺は……」
KATIOは胸に手をあてる。
はっぱ隊員の名前が呼ばれた瞬間、KAITOは自責の念が
自分の心の中で暗い感情として渦巻いていた。
「あれは仕方ないことだったんだ……あのまま逃げなきゃ俺だって……」
湧き上がっていく感情を必死に抑えるため、KAITOは
自分は悪くない。という言葉を心の中で呪詛のように繰り返す。
数分後心を落ち着かせたKAITOは、先ほどの放送の内容を思い出す。
「……そういえば、放送が終わったら名前が載る紙があるって言っていたな」
KAITOはデイバッグの中から白い紙を取り出す。
先ほどまで真っ白だった紙は名前が連なっている名簿となっていた。
KAITOは名簿に目を通し、驚愕した。
「ミク、リン、レン……!テトやハクもいるのか……」
名簿の一番最初の方に、はっきりと自分を含むボーカロイドの名前が載っていた。
自分はもちろん、自分の弟や妹、そして自分と同じ世界でともに歌の仕事をしていた
ボーカロイドの2人の名前が。まだ放送で呼ばれていなかったことにKAITOは安堵する。
「助けないと……!」
KAITOは身を翻し、妹たちに会うため、デパートの出口へと向かった。
しかし、地面を駆けようと彼が蹴った足は、すぐにぴたりとその動きを止めた。
コ コ カ ラ デ テ イ ッ テ ド ウ ス ル ノ ダ ?
(この十二ヶ所もあるエリアの中を手がかりも何もないのにどう捜すんだ?そもそもミクたちだって
一つのエリア内をずっと留まってるとは限らない。すれ違う可能性だってあるじゃないか……
それにあの少年のような殺し合いにのってる奴らに出くわしたらどうする?
今の俺には銃があるけど……もし、弾が無くなったら……)
立ち止まっていたKAITOは踵を返し
デパートの出口に背を向けながらとぼとぼと奥の方へと戻っていった。
『見て見ぬふりをするつもりか』
KAITOの中にアレックスの言葉が再びよぎる。
その言葉は心の中で今までよりも重く、重くのしかかってきた。
「……そうじゃない……そういうことじゃないんだ……!」
KAITOは頭を抱え、その場に座り込む。
KAITOは踏み出せなかった。妹たちを助ける一歩。
デパートから抜け出す一歩という勇気が。
自分の命と妹たちの命を天秤にかけてしまっている自分が、情けなく思えた。
「ミク……リン……レン……」
自分は妹たちを見殺しにしている。
そんな思いがKAITOの自責の念をさらに大きなものにしていく。
「すまない……本当にすまない……俺には無理なんだ」
東から朝の光が上り、デパート内に差し込む。誰をも優しく包み込む優しい光はKAITOを包み込むことはなかった。
光がKAITOを避けているのか。それともKAITOが光を避けているからなのだろうか。
代わりに響くたった一人の男の嗚咽。その声はデパートの中をむなしくこだますだけだった。
【F-3 デパート内/朝】
【KAITO@VOCALOID】
[状態]:健康、苦悩
[装備]:ベレッタM96(残弾数11/11)@現実
[道具]:支給品一式 ハンバーガー4個@マクドナルド、クレイモア地雷×5@メタルギアソリッド
必須アモト酸@必須アモト酸
[思考・状況]
1:死 に た く な い
2:ミク、リン、レン……許してくれ……
3:生きるためなら例え卑怯な事をしても許されるはずだ
4:アレックスは気になるが、とても追える勇気なんてない
5:当面はデパートに隠れ、他の参加者が来るのを待つ
[備考]
1:基本支給品は一つにまとめました。
|sm100:[[放送聴いてから弱音余裕でした]]|[[時系列順>第二回放送までの本編SS]]|sm102:[[COOL&CREATER ビリーと××を M.C.ドナルドの洗脳なのか? 最終鬼畜弟カガミネ・L]]|
|sm100:[[放送聴いてから弱音余裕でした]]|[[投下順>101~150]]|sm102:[[COOL&CREATER ビリーと××を M.C.ドナルドの洗脳なのか? 最終鬼畜弟カガミネ・L]]|
|sm66:[[アレックスに主人公をさせてみた(後編)]]|KAITO|sm:[[]]|
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*ヘタレのススメ ◆BRxsUzTn5A
(登録タグ) [[パロロワ]] [[ニコニコ動画バトルロワイアルβ]] [[カイト]]
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「ここか……」
地図を片手にKAITOは目の前にあるデパートを見上げる。
アレックスとの遭遇後、KAITOはF-3のデパートの方へと脇道にそれず、まっすぐに足を進めていた。
彼がデパートに着くまでの時間はそう長いものではなかった。
「入ってみるかな……誰か人がいるかもしれないけど」
KAITOは吸い込まれるようにデパートの中へと入っていった。
「…………」
KAITOがデパートに入ると、まず最初に目に飛び込んできたのは
上のフロアの床が盛大に壊れ、瓦礫の山となっているホールだった。
「何でこんなにデパートが壊れてるのさ……」
外観とは予想外なごらんの有り様に動揺しつつも、KAITOはデパートの奥へと足を進める。
ついさっきその原因を作った人物の一人と出くわしていることをKAITOは知る由もなかった。
「まぁ、こんなに壊れてるならさすがに人も来ないだろうし、ここでしばらく隠れさせてもらうかな」
KAITOは辺りを見回し、身を潜めそうな所を探そうとしたその時―――
『―――ようお前等!存分に殺し合ってるか?
最初に目覚めた部屋で聞いたあの声が外の方から聞こえてきた。
「そういえば、6時間ごとに放送があるって言っていたな……」
『んじゃ、この六時間の間に脱落―――つまり、死んじまった奴を言うぜ。
脱落者は、北条鉄平、はっぱ隊員……』
「…………!」
KAITOは呼ばれたやはりと思いつつも、心の中では
動揺を抑えきることはできなかった。
「……クッ、どうしてそんな気持ちになるんだ、俺は……」
KATIOは胸に手をあてる。
はっぱ隊員の名前が呼ばれた瞬間、KAITOは自責の念が
自分の心の中で暗い感情として渦巻いていた。
「あれは仕方ないことだったんだ……あのまま逃げなきゃ俺だって……」
湧き上がっていく感情を必死に抑えるため、KAITOは
自分は悪くない。という言葉を心の中で呪詛のように繰り返す。
数分後心を落ち着かせたKAITOは、先ほどの放送の内容を思い出す。
「……そういえば、放送が終わったら名前が載る紙があるって言っていたな」
KAITOはデイバッグの中から白い紙を取り出す。
先ほどまで真っ白だった紙は名前が連なっている名簿となっていた。
KAITOは名簿に目を通し、驚愕した。
「ミク、リン、レン……!テトやハクもいるのか……」
名簿の一番最初の方に、はっきりと自分を含むボーカロイドの名前が載っていた。
自分はもちろん、自分の弟や妹、そして自分と同じ世界でともに歌の仕事をしていた
ボーカロイドの2人の名前が。まだ放送で呼ばれていなかったことにKAITOは安堵する。
「助けないと……!」
KAITOは身を翻し、妹たちに会うため、デパートの出口へと向かった。
しかし、地面を駆けようと彼が蹴った足は、すぐにぴたりとその動きを止めた。
コ コ カ ラ デ テ イ ッ テ ド ウ ス ル ノ ダ ?
(この十二ヶ所もあるエリアの中を手がかりも何もないのにどう捜すんだ?そもそもミクたちだって
一つのエリア内をずっと留まってるとは限らない。すれ違う可能性だってあるじゃないか……
それにあの少年のような殺し合いにのってる奴らに出くわしたらどうする?
今の俺には銃があるけど……もし、弾が無くなったら……)
立ち止まっていたKAITOは踵を返し
デパートの出口に背を向けながらとぼとぼと奥の方へと戻っていった。
『見て見ぬふりをするつもりか』
KAITOの中にアレックスの言葉が再びよぎる。
その言葉は心の中で今までよりも重く、重くのしかかってきた。
「……そうじゃない……そういうことじゃないんだ……!」
KAITOは頭を抱え、その場に座り込む。
KAITOは踏み出せなかった。妹たちを助ける一歩。
デパートから抜け出す一歩という勇気が。
自分の命と妹たちの命を天秤にかけてしまっている自分が、情けなく思えた。
「ミク……リン……レン……」
自分は妹たちを見殺しにしている。
そんな思いがKAITOの自責の念をさらに大きなものにしていく。
「すまない……本当にすまない……俺には無理なんだ」
東から朝の光が上り、デパート内に差し込む。誰をも優しく包み込む優しい光はKAITOを包み込むことはなかった。
光がKAITOを避けているのか。それともKAITOが光を避けているからなのだろうか。
代わりに響くたった一人の男の嗚咽。その声はデパートの中をむなしくこだますだけだった。
【F-3 デパート内/朝】
【KAITO@VOCALOID】
[状態]:健康、苦悩
[装備]:ベレッタM96(残弾数11/11)@現実
[道具]:支給品一式 ハンバーガー4個@マクドナルド、クレイモア地雷×5@メタルギアソリッド
必須アモト酸@必須アモト酸
[思考・状況]
1:死 に た く な い
2:ミク、リン、レン……許してくれ……
3:生きるためなら例え卑怯な事をしても許されるはずだ
4:アレックスは気になるが、とても追える勇気なんてない
5:当面はデパートに隠れ、他の参加者が来るのを待つ
[備考]
1:基本支給品は一つにまとめました。
|sm100:[[放送聴いてから弱音余裕でした]]|[[時系列順>第二回放送までの本編SS]]|sm102:[[COOL&CREATER ビリーと××を M.C.ドナルドの洗脳なのか? 最終鬼畜弟カガミネ・L]]|
|sm100:[[放送聴いてから弱音余裕でした]]|[[投下順>101~150]]|sm102:[[COOL&CREATER ビリーと××を M.C.ドナルドの洗脳なのか? 最終鬼畜弟カガミネ・L]]|
|sm66:[[アレックスに主人公をさせてみた(後編)]]|KAITO|sm114:[[ゆっくり考えるでいいさ]]|
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