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「放送聴いてから弱音余裕でした」(2009/03/24 (火) 17:51:48) の最新版変更点
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*放送聴いてから弱音余裕でした ◆w2G/OW/em6
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『それじゃあ、次の放送が聞けるように存分に殺し合ってくれ…』
そのセリフと共に、空に浮かんだ右上の姿はふっつりと消え去った。
「……Shit!」
澄み渡った明け方の空に向かい、アレックスは激し苛立ちの声を上げる。
強い怒声を含んだその声に、隣に座って放送を聴いていたハクがビクッと震えた。
「……すまないハク、驚かせるつもりは無かったんだが」
「い、いえ気にしないで下さい……それにしても」
普段から俯きがちの顔を更に暗い表情にして、ハクは呟く。
「もう11人も……人が」
「ああ……クソッ!」
再び怒りが湧き上がり、声を荒げるアレックス。
放送で呼ばれた、殺された人々の名前。二人とは関係のない人物ではあったが、それでも確かな『人が死んでいる』という事実。
そして、その事に何の感情も抱かないほど、彼らは冷血な人間ではなかった。
(たった6時間で11人……殺し合いに乗った人間はそれなりの人数がいるに違いない。
そしてその中には、バルバトスの様な強者もいくらかは含まれているはず……)
果たして、手負いの自分にそいつら全てを打ち倒すことができるだろうか。
しかもハクやKAITOの様な戦う力の無い者達を守りながら。
答えは、どう考えても否だ。全快の時でさえバルバトスと互角、いやこちらの不利だったというのに……
「あの……アレクさん?アレクさーん?」
ふと気が付くと、ハクが目の前で手をひらひらと振っていた。
考え込みすぎて彼女の声が聞こえていなかったらしい……普段頭を使わない弊害か。
「ん……ああ、すまんハク。どうしたんだ?」
「えっと、さっき放送でも言われてたんですけど……名簿に、名前が浮かび上がってるんです」
そう言って彼女が差し出した冊子には、ずらりと人名が連なっている。
「アレクさんも知り合いがいるかどうか、確認した方がいいんじゃないか……と、思って」
「ああ、そうだな……ハクの知り合いは、いたのか?」
「はい……KAITOさんの他にも、何人か」
ミク、リン、レン、そしてアレックスが会ったというKAITO。
ハクとは比べ物にならないくらいの人気者のVOCALOIDでありながら、亜種の彼女にも優しく接してくれる彼女達。
死んで欲しくない、無事でいてほしい……弱虫の彼女にも、そう願う事だけは出来た。
「……それで、アレクさんの知り合いは」
「何人かいるな。頼りになりそうな奴も、そうじゃないのも」
強者と戦う為に各地を回り、大勢の人々と出会い、戦ってきたアレックス。その内の何人かの名前が名簿に乗っていた。
ルガール・バーンシュタイン。『ルガール運送(株)』というそれなりに有名な運送業者の社長で、強面だが根は立派な紳士である事は知っている。
七夜志貴。基本的に怖い物無しで空気を読まなくてクワガタの話しようぜな性格なのだが、異質な体術と殺人嗜好を持つ油断できない青年。
トキ。有情であり非情、冷静沈着な北斗神拳の拳法家。『命は投げ捨てる物』などと言ってはいるが、本来は悪人ではなかったはずだ。
DIO。知り合いの中では、危険度はトップクラス……時を止めるという不思議な能力を使う吸血鬼。普段は穏やかな性格に見えるが、本性は紛れもない極悪人だ。
十六夜咲夜。瀟洒で落ち着いた物腰の性格の謎めいたメイド。彼女もまた、時を止める能力を持っている……DIOの娘、という噂は信憑性が高い。
「ルガールとトキは味方になってくれるはず。七夜の奴はどっちに転ぶか分からないが……アテにはしない方がいいだろう。
DIOと十六夜咲夜。この親子は要注意だな……DIOは殺し合いに乗る可能性が高いだろうし、咲夜も何をするか分からない性格だ」
「何ていうか、凄い知り合いが多いみたいですね……」
「ハハ……まぁ、顔はそれなりに広いからな」
ハクの言う『凄い』に含まれたニュアンスが何となく想像できて、苦笑いする。
釣られてハクも薄く微笑みを浮かべたが……ふと、また暗い表情に戻ってしまう。
「でも……強い人が味方に大勢いて、殺し合いを止めれたとしても……あの右上や左上って人達から、逃げれるでしょうか……」
「あんまり悲観するなよハク、きっと大丈……」
大丈夫と言おうとして、アレックスは言葉を止めた。
ハクの言わんとしていることが分かったのだ……彼女が無意識に手をやっている、首輪によって。
「確かに、腕っ節の強い奴は知ってるが、機械となるとさっぱりだな……ハクはどうだ?機械の知識とかは」
「VOCALOIDは歌う為に出来たロボットみたいな存在だけど……機械に詳しいかと聞かれると、ちょっと」
全ての人間が、人体に完璧な知識を持っているわけではないのと同じような物らしい。
また1つ、主催者打倒の為に必要な事が出来てしまった訳だ。
「ごめんなさい、役に立てなくて」
「いや、別にハクが謝る必要はないさ。こんな物騒なもんを作っちまうあいつらが問題なんだ。
こんな小さいのに頭1つを吹っ飛ばせる爆弾、勝手に文字が浮かび上がってくる紙……どう考えても普通じゃないぜ」
「確かに、すっごい技術ですけど……」
そうフォローにならないフォローをしてみるも、ハクの表情は依然曇ったままだ。
元来ネガティブな性格なのだろうが、場所が場所だ。気を強く持たないとこの先無事でいられない。
さて、どうやって励ましたものか……
「……どうして、あの人たちはこんな名簿を作ったんでしょう?」
ぽつり、とハクが呟いた。
突然の突拍子もない疑問に、アレックスは聞き返す。
「どうして、って……俺達に、知り合いがいるかどうか確認させるためじゃないのか?」
「でも……だったら、最初から普通の名簿を入れておけばいいんじゃないのかな、って……
なんで、最初の放送の時に名前が出てくるような……面倒な物を作ったんでしょうか?」
―――――その発想は無かった。
確かにこんな不思議な技術の名簿よりは、普通の名簿の方が作るのに楽なはず。
それをわざわざ、技術と手間暇をかけて特殊な名簿を作ったという事は―――
「確かにその通りだぞ、ハク……きっと、普通の名簿じゃいけないに違いない。
何か、最初に白紙にしておかなければいけない理由があったんだ」
「え?ええっと……白紙にしないといけない理由、ですか?」
名簿の有無。即ち、知人及び大切な人に関しての情報の有無。
この殺し合い―――バトルロワイアルでは、それはかなり重要なものになる。
そう、例えば。
「例えば最初に殺し合いに乗る気がない人間も、大事な人がこの場所にいれば、その人を生き残らせようと殺し合いにのるかもしれない。
加えて、放送で死人が出たって事を聞けば危機感も大きくなるだろうし……そうして、殺し合いに乗る奴を増やす為、とか」
「で、でも……もし最初に殺し合いに乗ってた人が、放送で大事な人がここにいるって分かって……
その人と一緒に帰りたい、って思って乗るのを止めちゃうって事が、あるかも……しれないです……けど」
「む……そうか……」
口調は弱々しく自信がないものの、ハクの意見は筋の通った納得できる物だ。
参加者の人間の同行に関しては、どちらの可能性もありえると言ったところ……なら、殺し合い促進の為ではないのか?
「他の理由か……うーん」
「他の……何でしょうか……」
普段頭を使わない、脳筋と言っても過言ではないアレックス。それが精一杯頭を使うとなると……どうにもこうにも、苦労する。
ハクも考えて込んでいるようだが、彼女もそんなに頭脳派ではないらしい。
―――――数分後。
「駄目だ……さっぱりわからん」
「……私もです」
知恵熱でオーバーヒート余裕でしたと言わんばかりの様子で、お互い根を上げる。
はぁ、と二人同時に溜め息……慣れない事は、する物ではないようだ。
「まぁ、ゆっくり考えていくしかないだろう……こんな所で考え込んで襲われたりしても困る。
デパートに行けばKAITOがいるはずだ。後で、三人でじっくり考えよう」
「そうですね……三人寄れば文殊の知恵、って言いますし」
「モンジュ……なんだそれ?日本の食べ物にそういうのがあった気がするが……」
「それ……たぶん『もんじゃ』です。さっきのは日本の諺で……」
他愛無い会話をしながら歩きだす二人。
現状は決して希望を持てるものではなかったが……彼等は少なくとも、絶望はしていなかった。
◇ ◇ ◇
「そういえばハク、さっきはお手柄だったじゃないか」
「え?お手柄って……何がですか?」
「名簿が、何で白紙なのかって事さ……ハクがそう言わなかったら、きっとその事に気付かずにいた。
ハクのお陰で、右上や左上の思惑にちょっと近づけたんだぜ?」
「そ、そんな……さっきのは、絶対にまぐれです。
それに、そういう風に考えたのだってアレクさんだし……私は特に何も……」
「ハクが言ったから、そういう風に考える事ができたんじゃないか……もっと、自分を誇っていいと思うがな」
「……そう、でしょうか?」
「ああ……きっと、そうさ」
【F-3 南部 草原/1日目・朝】
【アレックス@MUGEN】
[状態]:疲労(中) 全身に打撲。左腕に刺し傷。
[装備]:無し
[道具]:共通支給品
[思考・状況]
1:デパートに向かい、KAITOと合流する。
2:ハクと一緒に行動。
3:殺し合いを止める為、仲間を集める。知人や、首輪が解除できそうな人物を優先。
4:バルバトスと会ったら倒す。
5:KAITOは人を見捨てられるような奴なのかと疑っている。
6:あのピエロに出あったらどうしよう……
7:温泉にはいつか行きたい……
※F-3のデパート内に、床に大きく穴が空き、壁が一部粉々になっている部屋が一つあります。
※トキ、DIO、十六夜咲夜をMUGEN出展の彼等と誤解しています。
また、MUGEN内の扱われ方からDIOと咲夜が親子だと思っています。
※名簿が最初白紙だったのには、何か理由があると考えています。
【弱音ハク@VOCALOID(亜種)】
[状態]疲労(中)
[装備]無し
[所持品]基本支給品、九条ネギ@現実、ハーゲンダッツ(ミニカップ)@現実、伯方の塩(瓶)@現実
魔王(芋焼酎)@現実、福沢玲子のシャーペン@学校であった怖い話
【思考・状況】
1:デパートに向かい、KAITOと合流する。
2:アレックスと一緒に行動する。
3:殺し合いを止める為、仲間を集める。知人や、首輪が解除できそうな人物を優先。
4:財布どうしよう……?デパートに着いたら探してみよう。
5:酒場がちょっと気になる
6:橋に置き去りにした、振り付けマスターのおじさんもちょっと気になる。
7:自分だけの歌を歌いたい。
【備考】
※設定はマスターでなく、ボーカロイドとしての彼女です。
※衣装にあるスピーカー等の装備は飾りに変えられています。
※2525円が入った財布(ニコニコ印)はデパートB1階レジに放置されています。
※バルバトスを危険人物と認識しました。
※振付マスター@完全振り付けマスターは顔を破壊されました。まだ機能はしている可能性があります。E-2の橋の下で踊っています。
※名簿が最初白紙だったのには、何か理由があると考えています。
|sm99:[[駆け抜けろ!雪原・思考・実は無駄?]]|[[時系列順>第二回放送までの本編SS]]|sm101:[[ヘタレのススメ]]|
|sm99:[[駆け抜けろ!雪原・思考・実は無駄?]]|[[投下順>51~100]]|sm101:[[ヘタレのススメ]]|
|sm83:[[傷心融解]]|アレックス|sm:[[]]|
|sm83:[[傷心融解]]|弱音ハク|sm:[[]]|
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*放送聴いてから弱音余裕でした ◆w2G/OW/em6
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『それじゃあ、次の放送が聞けるように存分に殺し合ってくれ…』
そのセリフと共に、空に浮かんだ右上の姿はふっつりと消え去った。
「……Shit!」
澄み渡った明け方の空に向かい、アレックスは激し苛立ちの声を上げる。
強い怒声を含んだその声に、隣に座って放送を聴いていたハクがビクッと震えた。
「……すまないハク、驚かせるつもりは無かったんだが」
「い、いえ気にしないで下さい……それにしても」
普段から俯きがちの顔を更に暗い表情にして、ハクは呟く。
「もう11人も……人が」
「ああ……クソッ!」
再び怒りが湧き上がり、声を荒げるアレックス。
放送で呼ばれた、殺された人々の名前。二人とは関係のない人物ではあったが、それでも確かな『人が死んでいる』という事実。
そして、その事に何の感情も抱かないほど、彼らは冷血な人間ではなかった。
(たった6時間で11人……殺し合いに乗った人間はそれなりの人数がいるに違いない。
そしてその中には、バルバトスの様な強者もいくらかは含まれているはず……)
果たして、手負いの自分にそいつら全てを打ち倒すことができるだろうか。
しかもハクやKAITOの様な戦う力の無い者達を守りながら。
答えは、どう考えても否だ。全快の時でさえバルバトスと互角、いやこちらの不利だったというのに……
「あの……アレクさん?アレクさーん?」
ふと気が付くと、ハクが目の前で手をひらひらと振っていた。
考え込みすぎて彼女の声が聞こえていなかったらしい……普段頭を使わない弊害か。
「ん……ああ、すまんハク。どうしたんだ?」
「えっと、さっき放送でも言われてたんですけど……名簿に、名前が浮かび上がってるんです」
そう言って彼女が差し出した冊子には、ずらりと人名が連なっている。
「アレクさんも知り合いがいるかどうか、確認した方がいいんじゃないか……と、思って」
「ああ、そうだな……ハクの知り合いは、いたのか?」
「はい……KAITOさんの他にも、何人か」
ミク、リン、レン、そしてアレックスが会ったというKAITO。
ハクとは比べ物にならないくらいの人気者のVOCALOIDでありながら、亜種の彼女にも優しく接してくれる彼女達。
死んで欲しくない、無事でいてほしい……弱虫の彼女にも、そう願う事だけは出来た。
「……それで、アレクさんの知り合いは」
「何人かいるな。頼りになりそうな奴も、そうじゃないのも」
強者と戦う為に各地を回り、大勢の人々と出会い、戦ってきたアレックス。その内の何人かの名前が名簿に乗っていた。
ルガール・バーンシュタイン。『ルガール運送(株)』というそれなりに有名な運送業者の社長で、強面だが根は立派な紳士である事は知っている。
七夜志貴。基本的に怖い物無しで空気を読まなくてクワガタの話しようぜな性格なのだが、異質な体術と殺人嗜好を持つ油断できない青年。
トキ。有情であり非情、冷静沈着な北斗神拳の拳法家。『命は投げ捨てる物』などと言ってはいるが、本来は悪人ではなかったはずだ。
DIO。知り合いの中では、危険度はトップクラス……時を止めるという不思議な能力を使う吸血鬼。普段は穏やかな性格に見えるが、本性は紛れもない極悪人だ。
十六夜咲夜。瀟洒で落ち着いた物腰の性格の謎めいたメイド。彼女もまた、時を止める能力を持っている……DIOの娘、という噂は信憑性が高い。
「ルガールとトキは味方になってくれるはず。七夜の奴はどっちに転ぶか分からないが……アテにはしない方がいいだろう。
DIOと十六夜咲夜。この親子は要注意だな……DIOは殺し合いに乗る可能性が高いだろうし、咲夜も何をするか分からない性格だ」
「何ていうか、凄い知り合いが多いみたいですね……」
「ハハ……まぁ、顔はそれなりに広いからな」
ハクの言う『凄い』に含まれたニュアンスが何となく想像できて、苦笑いする。
釣られてハクも薄く微笑みを浮かべたが……ふと、また暗い表情に戻ってしまう。
「でも……強い人が味方に大勢いて、殺し合いを止めれたとしても……あの右上や左上って人達から、逃げれるでしょうか……」
「あんまり悲観するなよハク、きっと大丈……」
大丈夫と言おうとして、アレックスは言葉を止めた。
ハクの言わんとしていることが分かったのだ……彼女が無意識に手をやっている、首輪によって。
「確かに、腕っ節の強い奴は知ってるが、機械となるとさっぱりだな……ハクはどうだ?機械の知識とかは」
「VOCALOIDは歌う為に出来たロボットみたいな存在だけど……機械に詳しいかと聞かれると、ちょっと」
全ての人間が、人体に完璧な知識を持っているわけではないのと同じような物らしい。
また1つ、主催者打倒の為に必要な事が出来てしまった訳だ。
「ごめんなさい、役に立てなくて」
「いや、別にハクが謝る必要はないさ。こんな物騒なもんを作っちまうあいつらが問題なんだ。
こんな小さいのに頭1つを吹っ飛ばせる爆弾、勝手に文字が浮かび上がってくる紙……どう考えても普通じゃないぜ」
「確かに、すっごい技術ですけど……」
そうフォローにならないフォローをしてみるも、ハクの表情は依然曇ったままだ。
元来ネガティブな性格なのだろうが、場所が場所だ。気を強く持たないとこの先無事でいられない。
さて、どうやって励ましたものか……
「……どうして、あの人たちはこんな名簿を作ったんでしょう?」
ぽつり、とハクが呟いた。
突然の突拍子もない疑問に、アレックスは聞き返す。
「どうして、って……俺達に、知り合いがいるかどうか確認させるためじゃないのか?」
「でも……だったら、最初から普通の名簿を入れておけばいいんじゃないのかな、って……
なんで、最初の放送の時に名前が出てくるような……面倒な物を作ったんでしょうか?」
―――――その発想は無かった。
確かにこんな不思議な技術の名簿よりは、普通の名簿の方が作るのに楽なはず。
それをわざわざ、技術と手間暇をかけて特殊な名簿を作ったという事は―――
「確かにその通りだぞ、ハク……きっと、普通の名簿じゃいけないに違いない。
何か、最初に白紙にしておかなければいけない理由があったんだ」
「え?ええっと……白紙にしないといけない理由、ですか?」
名簿の有無。即ち、知人及び大切な人に関しての情報の有無。
この殺し合い―――バトルロワイアルでは、それはかなり重要なものになる。
そう、例えば。
「例えば最初に殺し合いに乗る気がない人間も、大事な人がこの場所にいれば、その人を生き残らせようと殺し合いにのるかもしれない。
加えて、放送で死人が出たって事を聞けば危機感も大きくなるだろうし……そうして、殺し合いに乗る奴を増やす為、とか」
「で、でも……もし最初に殺し合いに乗ってた人が、放送で大事な人がここにいるって分かって……
その人と一緒に帰りたい、って思って乗るのを止めちゃうって事が、あるかも……しれないです……けど」
「む……そうか……」
口調は弱々しく自信がないものの、ハクの意見は筋の通った納得できる物だ。
参加者の人間の同行に関しては、どちらの可能性もありえると言ったところ……なら、殺し合い促進の為ではないのか?
「他の理由か……うーん」
「他の……何でしょうか……」
普段頭を使わない、脳筋と言っても過言ではないアレックス。それが精一杯頭を使うとなると……どうにもこうにも、苦労する。
ハクも考えて込んでいるようだが、彼女もそんなに頭脳派ではないらしい。
―――――数分後。
「駄目だ……さっぱりわからん」
「……私もです」
知恵熱でオーバーヒート余裕でしたと言わんばかりの様子で、お互い根を上げる。
はぁ、と二人同時に溜め息……慣れない事は、する物ではないようだ。
「まぁ、ゆっくり考えていくしかないだろう……こんな所で考え込んで襲われたりしても困る。
デパートに行けばKAITOがいるはずだ。後で、三人でじっくり考えよう」
「そうですね……三人寄れば文殊の知恵、って言いますし」
「モンジュ……なんだそれ?日本の食べ物にそういうのがあった気がするが……」
「それ……たぶん『もんじゃ』です。さっきのは日本の諺で……」
他愛無い会話をしながら歩きだす二人。
現状は決して希望を持てるものではなかったが……彼等は少なくとも、絶望はしていなかった。
◇ ◇ ◇
「そういえばハク、さっきはお手柄だったじゃないか」
「え?お手柄って……何がですか?」
「名簿が、何で白紙なのかって事さ……ハクがそう言わなかったら、きっとその事に気付かずにいた。
ハクのお陰で、右上や左上の思惑にちょっと近づけたんだぜ?」
「そ、そんな……さっきのは、絶対にまぐれです。
それに、そういう風に考えたのだってアレクさんだし……私は特に何も……」
「ハクが言ったから、そういう風に考える事ができたんじゃないか……もっと、自分を誇っていいと思うがな」
「……そう、でしょうか?」
「ああ……きっと、そうさ」
【F-3 南部 草原/1日目・朝】
【アレックス@MUGEN】
[状態]:疲労(中) 全身に打撲。左腕に刺し傷。
[装備]:無し
[道具]:共通支給品
[思考・状況]
1:デパートに向かい、KAITOと合流する。
2:ハクと一緒に行動。
3:殺し合いを止める為、仲間を集める。知人や、首輪が解除できそうな人物を優先。
4:バルバトスと会ったら倒す。
5:KAITOは人を見捨てられるような奴なのかと疑っている。
6:あのピエロに出あったらどうしよう……
7:温泉にはいつか行きたい……
※F-3のデパート内に、床に大きく穴が空き、壁が一部粉々になっている部屋が一つあります。
※トキ、DIO、十六夜咲夜をMUGEN出展の彼等と誤解しています。
また、MUGEN内の扱われ方からDIOと咲夜が親子だと思っています。
※名簿が最初白紙だったのには、何か理由があると考えています。
【弱音ハク@VOCALOID(亜種)】
[状態]疲労(中)
[装備]無し
[所持品]基本支給品、九条ネギ@現実、ハーゲンダッツ(ミニカップ)@現実、伯方の塩(瓶)@現実
魔王(芋焼酎)@現実、福沢玲子のシャーペン@学校であった怖い話
【思考・状況】
1:デパートに向かい、KAITOと合流する。
2:アレックスと一緒に行動する。
3:殺し合いを止める為、仲間を集める。知人や、首輪が解除できそうな人物を優先。
4:財布どうしよう……?デパートに着いたら探してみよう。
5:酒場がちょっと気になる
6:橋に置き去りにした、振り付けマスターのおじさんもちょっと気になる。
7:自分だけの歌を歌いたい。
【備考】
※設定はマスターでなく、ボーカロイドとしての彼女です。
※衣装にあるスピーカー等の装備は飾りに変えられています。
※2525円が入った財布(ニコニコ印)はデパートB1階レジに放置されています。
※バルバトスを危険人物と認識しました。
※振付マスター@完全振り付けマスターは顔を破壊されました。まだ機能はしている可能性があります。E-2の橋の下で踊っています。
※名簿が最初白紙だったのには、何か理由があると考えています。
|sm99:[[駆け抜けろ!雪原・思考・実は無駄?]]|[[時系列順>第二回放送までの本編SS]]|sm101:[[ヘタレのススメ]]|
|sm99:[[駆け抜けろ!雪原・思考・実は無駄?]]|[[投下順>51~100]]|sm101:[[ヘタレのススメ]]|
|sm83:[[傷心融解]]|アレックス|sm114:[[ゆっくり考えるでいいさ]]|
|sm83:[[傷心融解]]|弱音ハク|sm114:[[ゆっくり考えるでいいさ]]|
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