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風呂 - (2009/05/01 (金) 19:10:15) のソース
咲夜は、和風な引き戸を開けると一言漏らした。 「へぇ、外見と違って中はしっかりしてるのね」 といっても、紅魔館の大浴場とは比べものにならないが… それでも、地図に温泉と載っているだけはある。 咲夜は桶で水を一掬いすると、そのまま肩にかける。 それを何回か行った後、ゆっくりと湯船に体を沈めた。 「ふぅ」 この場所に連れてこられて早12時間。 あの館からどれくらいの距離を移動しただろうか? 気付かなかったが、相当疲れが溜まっていたようだ。 七夜志貴という少年との戦闘。 ソリッド・スネーク、やる夫、ドアラとの遭遇。そして戦闘。 長い移動を経て、相楽左之助との戦闘。 そこで、ふと咲夜は思った。 (そういえば、私ってこのゲームで男としか会ってないわね) 幻想郷では、知り合いのほとんどが女だった。 まあ森近霖之助や人里に住む者にはいたが… 力を持つ男、というのは見たことがなかったかもしれない。 と言ってもドアラ(あれは男なのか?)ややる夫は一般人だったようだが。 ――咲夜ちゃんに足りないのは胸だお!だからやる夫がマッサージしてあげるお! ぴき 咲夜は何かにヒビが入る音を聞いた。 「ッ落ち着きなさい十六夜咲夜!!あなたは完全で瀟洒なはずよ!」 必死に身体の暴走を止める。 その間も、頭の中は"エターナルミーク"という言葉で埋まっていた。 しかし、やる夫の言葉は自分でも思っていたことだった。 …だからこそ、こんなにも怒っているのだが。 咲夜は下を向く。 その視線の先には、大きいとは言い難い…所謂、胸があった。 決して無いわけではないのだ。少なくとも、魔理沙には負けてない自信がある。 …しかし、そのレベル。 "完全で瀟洒"な咲夜はそれで許すことは出来なかった。 むに 咲夜は、徐に自分の胸を揉みしだいた。 大きくなれ…という願いを込めて。 むにむに 霊夢より大きく、美鈴よりも大きく…。 むにむにむに 「んぁっ!」 風呂場を沈黙が支配する。 咲夜は風呂場に自分しかいないのに、何故か気まずさを感じた。 「…そろそろ出ましょう」 咲夜は立ち上がると、まるで誰かから逃げているように風呂場から出た。 ----