部品構造


  • 大部品: 貯木場(施設):T21 RD:20 評価値:7
    • 大部品: 貯木場の概要:T21 RD:3 評価値:2
      • 部品: 貯木場の施設解説:T21
      • 部品: 木場と貯木場:T21
      • 部品: 常駐するスタッフ:T21
    • 大部品: 貯木場での保管と製材:T21 RD:5 評価値:3
      • 部品: 保管のための製材・加工:T21
      • 部品: 伐採から製材・乾燥までの手順:T21
      • 部品: 低物理域特有の樹木との分散管理:T21
      • 部品: 低物理域特有の樹木の保管:T21
      • 部品: 輸送や製材の受け付け:T21
    • 大部品: 貯木場の付帯施設:T21 RD:4 評価値:3
      • 部品: 貯木場にある区画:T21
      • 部品: 貯木場の事務所:T21
      • 部品: 貯木場の加工所:T21
      • 部品: 荷卸しのための広場:T21
    • 大部品: 陸上貯木場:T21 RD:4 評価値:3
      • 部品: 陸上貯木場とは:T21
      • 部品: 都市部・山間部に存在する貯木場:T21
      • 部品: 集積地としての利便性:T21
      • 部品: 陸上貯木場での保管と乾燥:T21
    • 大部品: 水中貯木場:T21 RD:4 評価値:3
      • 部品: 水中貯木場とは:T21
      • 部品: 河川の河口部に存在する貯木場:T21
      • 部品: 長期の保存に向く:T21
      • 部品: 水中貯木場での保管と乾燥:T21



部品定義


部品: 貯木場の施設解説:T21

貯木場とは木材を長期間に亘って貯蔵するための施設のこと。
本来では貯蔵だけでなく販売のための加工も行う場所なのだが、NW森林組合では木材の商用利用は積極的に行っていないため、そちらに関してはあまり重視されていない。
伐採した木々を乾燥させつつ貯蔵する施設であるため広い敷地が必要とされ、その関係で森林管理や伐採を行っている地域、組合事務所からは離れているケースも多い。
貯木場には陸上貯木場と水中貯木場の二種類があるが、どちらの方式で貯蔵を行うかは各支部の判断に任されている。
なお、アイドレス上では生産施設という扱いになっているが、丸太を材木に製材するという意味では生産施設ではあるものの、貯木場は実際のところ貯蔵施設である。
伐採した樹木を保管・乾燥させて製材し、場合によってはそのまま再び保管することが貯木場の大きな役割であり、単純な意味での生産施設とは少々異なる。
そういう意味では貯木場にとっての真の生産地は山林・森林地帯であると言える。

部品: 木場と貯木場:T21

木場とは材木の集積場、つまりは貯木場を指す言葉であるが、それと同時に集積した材木を扱う材木商が集う地域の事も指す。
木材の集積と発送に便利な地点に設けられていることが多いのは貯木場と隣接しているからという理由もある。
江戸時代の日本では材木を輸送しやすい河川の河口部や水運によって輸送が可能な都市部に多く設けられた。
木場では伐採した樹木の貯蔵と同時にそれを製材する場所でもあり、材木加工所も併設されていた。
NW森林組合の貯木場もそれに準じて作られている。


部品: 常駐するスタッフ:T21

常駐するスタッフは全員が森林組合員である。事務を行うスタッフを除けば、森林組合員の中で樹木の保管や乾燥、製材に関する技術を持つものが務めており、直接の森林管理を行う者たちとはまた違った意味で高い技術を持った者たちが集っている。
なお、こちらのスタッフも運び込まれる樹木の伐採の現場の現状を把握する意味も込めてある程度定期的に森林管理業務に参加するように定めている。
場合によっては保管や製材の際に不具合が起こらないように陣頭指揮を執る場合もある。

部品: 保管のための製材・加工:T21

NW森林組合では間伐などで伐採した樹木の商用利用は積極的に行っていない。
なぜなら、商用利用を目的としてしまうと、売り上げを求めるあまり必要以上に伐採を行ってしまい、結果として自然破壊を助長してしまう可能性があるためだ。
しかし、森林管理を行う以上は間伐はせざるを得ず、間伐された樹木に関しては保管や一般利用の観点から製材や加工を行う場合がある。
特に陸上貯木場のような場所で保管する場合、丸太そのままよりも製材して乾燥させた方が保管スペースの確保という意味でも一般利用という観点からも良いため、製材や加工を行っている。

部品: 伐採から製材・乾燥までの手順:T21

樹木を間伐などで伐採し、それを貯木場に運んで製材・乾燥させて保管する手順は下記のようになる。
この例は現代社会で行われている一例であり、組合支部が貯木場を設置した場合は組合支部のある藩国の気候風土やテックレベルによって異なる手法が取られる。

1:伐採
日本においては樹木は秋の彼岸から春の彼岸までの間に伐採するのが良いとされる。この時期は樹木の成長が緩やかになり、樹皮近くの水分や栄養分が減少するため、虫害や菌害による被害を抑える事ができると言われているためだ。
伐採した後は木の中の余分な水分や灰汁を抜けるように切り口(根元側)を谷側に、枝側を山側に向けて倒して約半年放置する。
この方法は「葉枯らし」と呼ばれる乾燥方法で、残った枝葉を通して水分が蒸発させてある程度の水分を抜く予備乾燥の手法である。
これを行うと伐採した樹木が軽くなるため、輸送のための労力を減らす効果もある。

2:貯木場への輸送
伐採した樹木の枝を払い、ある程度の長さに切って丸太にする。
丸太はヘリコプター・トラック・森林鉄道・荷車・筏にして川を下るなどの方法で貯木場に輸送される。
水中貯木場の場合はそのまま水中に沈めるが、陸上貯木場の場合は輸送後、乾燥を行うために製材を行うことになる。

3:樹皮を剥いで木取りを行う
木取りとは製材を行う際に切る位置や手順を決める事で、裁縫で言う型紙を作る作業に近い。
製材する材木の用途や大きさはその丸太の太さや長さ、樹木の種類によって決まるため、予め幹の太さや長さ、節の具合などの目視確認や計測を行い、樹皮を剥いで樹皮の下にある異物やゴミを取り払っておく必要がある。

4:丸太を製材する
丸太を大割りにして四角柱のような形にし、木取りした形に添って製材を行う。
その際、製品として使用できない部位が出てくるが、そういったものはチップにしたり薪や木炭として、おが屑に関しては鶏糞として再利用を行う。
形としては材木の形になってはいるが、この段階ではまだ水分を含んだ「生材」と呼ばれる状態なので建材としては使用できない。(使用しようと思えば使用できなくもないが、生材の状態のまま建築をした場合、後に自然乾燥した時に建物の構造に歪みが起きる可能性が高く、普通は使用しない)

5:製材した材木の乾燥と保管を行う
製材した後、風通しの良い屋外か屋内に置いて乾燥させる。三年から十年くらいかけて乾燥させるが、水中貯木場で水中乾燥させていたものはこの期間が短いと言われている。
また、乾燥室に運び込んで室温を上げるなどして強制的に水分を抜いていく人工乾燥という手法も存在しているが、乾燥までの期間が短くなる代わりに歪みやひび割れが起こる可能性が高まるというデメリットも存在する。

部品: 低物理域特有の樹木との分散管理:T21

現代社会においては樹木は樹木でしかないが、ニューワールドでは現代社会で一般的に存在する樹木以外に世界樹やメタルリーフといった一般的な樹木とは異なる低物理域地帯特有の樹木も存在する。
NW森林組合は全国で活動する組織であるため、そのような樹木が間伐の対象となる事もある。そういった樹木の保管は一般的な樹木とは保管施設内で区画分けして保管するように取り決められている。
また、保管した樹木の本数などはきちんと記録するように定められている。

部品: 低物理域特有の樹木の保管:T21

ニューワールドには世界樹やメタルリーフと言った低物理域地帯特有の樹木が存在している。
こういった樹木は一般的な樹木とは異なる保管方法を行わなければならないケースがある。そのような場合、必要ならば陸上貯木場や水中貯木場以外の保管施設を用意する事になる。
どのような施設が必要かは貯木場が設置される藩国によって異なるが、その際は該当する樹木に関して詳しい組合員から広く意見を求めて施設の使用が決められる。
また、設置の際は組合長への報告と組合長による調査が必須となり、それを行った上で組合長の許可があって初めて設置が可能となる。

部品: 輸送や製材の受け付け:T21

NW森林組合では木材の商用利用は積極的に行ってはいないが、貯め込んでいるだけというわけでもない。
現代日本でいう神社仏閣の修繕に使用するような品質の良い材木が必要とされる場合や燃料として薪を緊急で調達しなければいけない場合などに有料無料問わず保管している樹木や材木を放出する場合がある。
また、個人が所有する土地で伐採を行い、そこで出た丸太を製材してもらいたいといった要望があった場合、有料で製材を受け付けてもいる。
なお、その際は違法な伐採で得られたものではないか精査するように定められている。


部品: 貯木場にある区画:T21

貯木場は、大きく分けて保管施設、荷卸しなどに使うための広場、製材等を行う加工施設、事務所の四つの区画から成っている。
保管施設に関しては陸上貯木場と水中貯木場によって様相が大きく異なるが、それ以外の三つの区画に関してはどちらでも共通のものとなっている。

部品: 貯木場の事務所:T21

事務所は貯木場施設内の広場の前に設置されており、事務室、応接室、休憩室、トイレなどが用意されている。
この施設でも日々の報告書の作成・提出・保管は義務付けられており、時折抜き打ちで監査をすることもある。
また、貯木場への製材の依頼や貯蔵してある木材の輸送の手続きなどはここで行われる。

部品: 貯木場の加工所:T21

貯木場内にある木材の製材施設。基本的には保管や乾燥をしやすくするために大割りにして角材などに成型する程度のものだが、故や発注があれば2×4材や三寸角などの寸法に製材する事もできる。
これを行った際に出る不要部分や太い枝などはチップにしたり薪や木炭に加工したりして保管、あるいは小規模販売される。

部品: 荷卸しのための広場:T21

区画とは言っているが、実際は本当にただの広場。
輸送されてきた丸太を保管施設へと移動させるために一度卸す場所であり、時には発送する丸太や材木を載せるための場所でもある。
保管施設までの移動に重機を使うか荷車を使うかは貯木場が設置されている藩国のテックレベルや物理域によって異なる。

部品: 陸上貯木場とは:T21

大きく分けて二つある貯木場の内、一般的に流通している方式が陸上貯木場である。
1ヘクタールほどの広い敷地に付帯施設と通路があり、そこに木材を積み上げて乾燥させつつ貯蔵するという方式の貯木場である。
水中貯木場と比べ、木材の輸送を陸送に頼る場合の利便性が高く、河川が必要という地形的問題が無いのが特徴。


部品: 都市部・山間部に存在する貯木場:T21

陸上貯木場は保管する木材や丸太を置けるだけの広さのある土地があればよいため、水中貯木場に比べて施設の確保が容易である。
また、陸送する関係で道路交通網が発達している方が使いやすく、そのため伐採現場に近い山間部の平坦地や都市部に近い郊外などに設置されることが多い。

部品: 集積地としての利便性:T21

日本では古来は川まで丸太を輸送して筏を作って川を下って貯木場まで輸送していたが、日本全土で道路交通網が整備された高度経済成長期以降、陸上貯木場は急速に普及した。
丸太という重量物を陸送するために整備された道路網は言い換えれば貯木場の交通の良さを示すものであり、製材してから乾燥させるという方式を取る陸上貯木場は製材した材木の集積地として高い利便性を持っている。
現代社会では製材工場の在庫保管場所としての側面も持ち、製材工場の要望で日割り計算で材木を保管しているケースも見受けられる。

部品: 陸上貯木場での保管と乾燥:T21

陸上貯木場では丸太を製材してから乾燥・保管するパターンが多い。丸太のままでは「表面付近は乾燥しているが内部は水分がなかなか抜けない」という状態になることが多く、結果としてひび割れて材木としては使い物にならないという状態になってしまうため、先に製材して小さくして乾燥させやすくするのである。
そのため、水につけて内部の水分を抜いてから製材して乾燥させる方法に比べて材木として使用できるまでの期間が短く、短ければ半月前後で材木として使用可能となる。
乾燥させる方法は風通しの良い屋外か屋内に置いておく天然乾燥と木材用の乾燥機を使って乾燥させる人工乾燥の二つがある。後者の方が乾燥までの時間は圧倒的に速いが、代わりに歪みや割れが多いというデメリットもあり、天然乾燥と人工乾燥を組み合わせて乾燥させるところもある。
NW森林組合では木材の商業利用を積極的に行っていない事や人工乾燥に使う乾燥機を扱うには一定レベルのテックレベルが必要になるため、天然乾燥を採用している。

部品: 水中貯木場とは:T21

河川の河口付近などにダムのような広い貯水池と搬出入口のための水路を作り、そこに丸太を浮かせて貯蔵するタイプの貯木場。
水につけておくことで乾燥によるひび割れが少なくなり虫害や菌害を防ぐことができる。また、水につけておくと水中乾燥(乾燥というよりは内部の不要な水が抜けるという方が正しい)が起こり、地上で丸太をそのまま乾燥させておくのに比べて品質も高くなるという側面もある。
加えて、広い貯水池と水路さえあれば水につけておくだけで保管できるという点からテックレベルの低い地域でも利用できるのが大きなメリットと言える。
反面、良好な水質の河川が必要な事や使える状態になるまでの期間が長くその分費用が嵩むなどの問題点もある。

部品: 河川の河口部に存在する貯木場:T21

古来、伐採した丸太の輸送は、丸太を河川まで移動させてそこで筏を作り、筏で川を下って貯木場まで輸送するというものであった。
加えて、木材の乾燥法に「水中で乾燥させる」という方法があった事もあり、丸太の保管場所として河口付近に巨大な池を作ってそこに丸太を浮かべておくという方法が取られた。
そうして生まれたのが水中貯木場であり、日本では高度経済成長期に入るまでは水中貯木場が貯木場の主流であった。

部品: 長期の保存に向く:T21

木材というのは腐るものである。しかし、木材の腐朽にはいくつかの条件、具体的に言えば、木材を腐らせる細菌が活動できるだけの水分・酸素・温度が必要となる。
しかし、水中に木材を沈めておくと活動のために必要な酸素を得る事ができず、木材が腐らなくなるのである。これは虫による害にも言える事で、実際、現代社会のヴェネチアなどでは水中の土台として打ち込んだ杭が千年以上経っても腐らずに残っている。
水中貯木場での保管では浮力の関係で一部は水から出るが、そこは貯木場の人間が定期的に回転させて腐るのを防いでいる。
また、水中に置いておく事で丸太の心材(中心付近の赤い部分)と辺材(心材の周りの白い部分)の収縮率の違いによるひび割れが減ることや水中で乾燥させた方がより良質な材木になると言ったメリットもある。
元々水中での乾燥は完了までに数年単位での年月が必要な事もあるが、水中貯木場での丸太の保管は長期の保存に向いているのである。

部品: 水中貯木場での保管と乾燥:T21

極論として、水中貯木場の丸太の保管は「丸太を水に沈めておく」だけである。これだけで虫害や菌害を防ぐ事ができ、数年単位ではあるが乾燥も行える。
水中で乾燥、というと首を傾げるものも多いが、実際のところは「水の中で乾燥する」というよりは「水の中で余分な水分が抜ける」という方が正しい。
樹木というのは水を多分に含んだものであり、切った直後は当然水分を多量に含んでいるが、その一方で水で丸太の表面を濡らしても丸太の中心部まで表面の水は浸透しない。
そのため、丸太を水につけておくと浸透するのは辺材(丸太の表面近くにある白い部分)くらいまでで、心材(丸太の中心付近の赤い部分)には表面の水が浸透せずに余分な水分や樹液が抜けていく、という状態になる。
心材と辺材は乾燥した際の収縮率に違いがあるため、地上でそのまま乾燥させてしまうと「辺材は水分が抜けつつあるのに心材は水分がたっぷり」という事態と相まってひび割れが起こってしまうが、水中に保管しておく事でそれも軽減でき、結果として製材後の乾燥が早く割れや歪みの少ない良質な材木になるのである。




提出書式


 大部品: 貯木場(施設):T21 RD:20 評価値:7
 -大部品: 貯木場の概要:T21 RD:3 評価値:2
 --部品: 貯木場の施設解説:T21
 --部品: 木場と貯木場:T21
 --部品: 常駐するスタッフ:T21
 -大部品: 貯木場での保管と製材:T21 RD:5 評価値:3
 --部品: 保管のための製材・加工:T21
 --部品: 伐採から製材・乾燥までの手順:T21
 --部品: 低物理域特有の樹木との分散管理:T21
 --部品: 低物理域特有の樹木の保管:T21
 --部品: 輸送や製材の受け付け:T21
 -大部品: 貯木場の付帯施設:T21 RD:4 評価値:3
 --部品: 貯木場にある区画:T21
 --部品: 貯木場の事務所:T21
 --部品: 貯木場の加工所:T21
 --部品: 荷卸しのための広場:T21
 -大部品: 陸上貯木場:T21 RD:4 評価値:3
 --部品: 陸上貯木場とは:T21
 --部品: 都市部・山間部に存在する貯木場:T21
 --部品: 集積地としての利便性:T21
 --部品: 陸上貯木場での保管と乾燥:T21
 -大部品: 水中貯木場:T21 RD:4 評価値:3
 --部品: 水中貯木場とは:T21
 --部品: 河川の河口部に存在する貯木場:T21
 --部品: 長期の保存に向く:T21
 --部品: 水中貯木場での保管と乾燥:T21
 
 
 部品: 貯木場の施設解説:T21
 貯木場とは木材を長期間に亘って貯蔵するための施設のこと。
 本来では貯蔵だけでなく販売のための加工も行う場所なのだが、NW森林組合では木材の商用利用は積極的に行っていないため、そちらに関してはあまり重視されていない。
 伐採した木々を乾燥させつつ貯蔵する施設であるため広い敷地が必要とされ、その関係で森林管理や伐採を行っている地域、組合事務所からは離れているケースも多い。
 貯木場には陸上貯木場と水中貯木場の二種類があるが、どちらの方式で貯蔵を行うかは各支部の判断に任されている。
 なお、アイドレス上では生産施設という扱いになっているが、丸太を材木に製材するという意味では生産施設ではあるものの、貯木場は実際のところ貯蔵施設である。
 伐採した樹木を保管・乾燥させて製材し、場合によってはそのまま再び保管することが貯木場の大きな役割であり、単純な意味での生産施設とは少々異なる。
 そういう意味では貯木場にとっての真の生産地は山林・森林地帯であると言える。
 
 部品: 木場と貯木場:T21
 木場とは材木の集積場、つまりは貯木場を指す言葉であるが、それと同時に集積した材木を扱う材木商が集う地域の事も指す。
 木材の集積と発送に便利な地点に設けられていることが多いのは貯木場と隣接しているからという理由もある。
 江戸時代の日本では材木を輸送しやすい河川の河口部や水運によって輸送が可能な都市部に多く設けられた。
 木場では伐採した樹木の貯蔵と同時にそれを製材する場所でもあり、材木加工所も併設されていた。
 NW森林組合の貯木場もそれに準じて作られている。
 
 
 部品: 常駐するスタッフ:T21
 常駐するスタッフは全員が森林組合員である。事務を行うスタッフを除けば、森林組合員の中で樹木の保管や乾燥、製材に関する技術を持つものが務めており、直接の森林管理を行う者たちとはまた違った意味で高い技術を持った者たちが集っている。
 なお、こちらのスタッフも運び込まれる樹木の伐採の現場の現状を把握する意味も込めてある程度定期的に森林管理業務に参加するように定めている。
 場合によっては保管や製材の際に不具合が起こらないように陣頭指揮を執る場合もある。
 
 部品: 保管のための製材・加工:T21
 NW森林組合では間伐などで伐採した樹木の商用利用は積極的に行っていない。
 なぜなら、商用利用を目的としてしまうと、売り上げを求めるあまり必要以上に伐採を行ってしまい、結果として自然破壊を助長してしまう可能性があるためだ。
 しかし、森林管理を行う以上は間伐はせざるを得ず、間伐された樹木に関しては保管や一般利用の観点から製材や加工を行う場合がある。
 特に陸上貯木場のような場所で保管する場合、丸太そのままよりも製材して乾燥させた方が保管スペースの確保という意味でも一般利用という観点からも良いため、製材や加工を行っている。
 
 部品: 伐採から製材・乾燥までの手順:T21
 樹木を間伐などで伐採し、それを貯木場に運んで製材・乾燥させて保管する手順は下記のようになる。
 この例は現代社会で行われている一例であり、組合支部が貯木場を設置した場合は組合支部のある藩国の気候風土やテックレベルによって異なる手法が取られる。
 
 1:伐採
 日本においては樹木は秋の彼岸から春の彼岸までの間に伐採するのが良いとされる。この時期は樹木の成長が緩やかになり、樹皮近くの水分や栄養分が減少するため、虫害や菌害による被害を抑える事ができると言われているためだ。
 伐採した後は木の中の余分な水分や灰汁を抜けるように切り口(根元側)を谷側に、枝側を山側に向けて倒して約半年放置する。
 この方法は「葉枯らし」と呼ばれる乾燥方法で、残った枝葉を通して水分が蒸発させてある程度の水分を抜く予備乾燥の手法である。
 これを行うと伐採した樹木が軽くなるため、輸送のための労力を減らす効果もある。
 
 2:貯木場への輸送
 伐採した樹木の枝を払い、ある程度の長さに切って丸太にする。
 丸太はヘリコプター・トラック・森林鉄道・荷車・筏にして川を下るなどの方法で貯木場に輸送される。
 水中貯木場の場合はそのまま水中に沈めるが、陸上貯木場の場合は輸送後、乾燥を行うために製材を行うことになる。
 
 3:樹皮を剥いで木取りを行う
 木取りとは製材を行う際に切る位置や手順を決める事で、裁縫で言う型紙を作る作業に近い。
 製材する材木の用途や大きさはその丸太の太さや長さ、樹木の種類によって決まるため、予め幹の太さや長さ、節の具合などの目視確認や計測を行い、樹皮を剥いで樹皮の下にある異物やゴミを取り払っておく必要がある。
 
 4:丸太を製材する
 丸太を大割りにして四角柱のような形にし、木取りした形に添って製材を行う。
 その際、製品として使用できない部位が出てくるが、そういったものはチップにしたり薪や木炭として、おが屑に関しては鶏糞として再利用を行う。
 形としては材木の形になってはいるが、この段階ではまだ水分を含んだ「生材」と呼ばれる状態なので建材としては使用できない。(使用しようと思えば使用できなくもないが、生材の状態のまま建築をした場合、後に自然乾燥した時に建物の構造に歪みが起きる可能性が高く、普通は使用しない)
 
 5:製材した材木の乾燥と保管を行う
 製材した後、風通しの良い屋外か屋内に置いて乾燥させる。三年から十年くらいかけて乾燥させるが、水中貯木場で水中乾燥させていたものはこの期間が短いと言われている。
 また、乾燥室に運び込んで室温を上げるなどして強制的に水分を抜いていく人工乾燥という手法も存在しているが、乾燥までの期間が短くなる代わりに歪みやひび割れが起こる可能性が高まるというデメリットも存在する。
 
 部品: 低物理域特有の樹木との分散管理:T21
 現代社会においては樹木は樹木でしかないが、ニューワールドでは現代社会で一般的に存在する樹木以外に世界樹やメタルリーフといった一般的な樹木とは異なる低物理域地帯特有の樹木も存在する。
 NW森林組合は全国で活動する組織であるため、そのような樹木が間伐の対象となる事もある。そういった樹木の保管は一般的な樹木とは保管施設内で区画分けして保管するように取り決められている。
 また、保管した樹木の本数などはきちんと記録するように定められている。
 
 部品: 低物理域特有の樹木の保管:T21
 ニューワールドには世界樹やメタルリーフと言った低物理域地帯特有の樹木が存在している。
 こういった樹木は一般的な樹木とは異なる保管方法を行わなければならないケースがある。そのような場合、必要ならば陸上貯木場や水中貯木場以外の保管施設を用意する事になる。
 どのような施設が必要かは貯木場が設置される藩国によって異なるが、その際は該当する樹木に関して詳しい組合員から広く意見を求めて施設の使用が決められる。
 また、設置の際は組合長への報告と組合長による調査が必須となり、それを行った上で組合長の許可があって初めて設置が可能となる。
 
 部品: 輸送や製材の受け付け:T21
 NW森林組合では木材の商用利用は積極的に行ってはいないが、貯め込んでいるだけというわけでもない。
 現代日本でいう神社仏閣の修繕に使用するような品質の良い材木が必要とされる場合や燃料として薪を緊急で調達しなければいけない場合などに有料無料問わず保管している樹木や材木を放出する場合がある。
 また、個人が所有する土地で伐採を行い、そこで出た丸太を製材してもらいたいといった要望があった場合、有料で製材を受け付けてもいる。
 なお、その際は違法な伐採で得られたものではないか精査するように定められている。
 
 
 部品: 貯木場にある区画:T21
 貯木場は、大きく分けて保管施設、荷卸しなどに使うための広場、製材等を行う加工施設、事務所の四つの区画から成っている。
 保管施設に関しては陸上貯木場と水中貯木場によって様相が大きく異なるが、それ以外の三つの区画に関してはどちらでも共通のものとなっている。
 
 部品: 貯木場の事務所:T21
 事務所は貯木場施設内の広場の前に設置されており、事務室、応接室、休憩室、トイレなどが用意されている。
 この施設でも日々の報告書の作成・提出・保管は義務付けられており、時折抜き打ちで監査をすることもある。
 また、貯木場への製材の依頼や貯蔵してある木材の輸送の手続きなどはここで行われる。
 
 部品: 貯木場の加工所:T21
 貯木場内にある木材の製材施設。基本的には保管や乾燥をしやすくするために大割りにして角材などに成型する程度のものだが、故や発注があれば2×4材や三寸角などの寸法に製材する事もできる。
 これを行った際に出る不要部分や太い枝などはチップにしたり薪や木炭に加工したりして保管、あるいは小規模販売される。
 
 部品: 荷卸しのための広場:T21
 区画とは言っているが、実際は本当にただの広場。
 輸送されてきた丸太を保管施設へと移動させるために一度卸す場所であり、時には発送する丸太や材木を載せるための場所でもある。
 保管施設までの移動に重機を使うか荷車を使うかは貯木場が設置されている藩国のテックレベルや物理域によって異なる。
 
 部品: 陸上貯木場とは:T21
 大きく分けて二つある貯木場の内、一般的に流通している方式が陸上貯木場である。
 1ヘクタールほどの広い敷地に付帯施設と通路があり、そこに木材を積み上げて乾燥させつつ貯蔵するという方式の貯木場である。
 水中貯木場と比べ、木材の輸送を陸送に頼る場合の利便性が高く、河川が必要という地形的問題が無いのが特徴。
 
 
 部品: 都市部・山間部に存在する貯木場:T21
 陸上貯木場は保管する木材や丸太を置けるだけの広さのある土地があればよいため、水中貯木場に比べて施設の確保が容易である。
 また、陸送する関係で道路交通網が発達している方が使いやすく、そのため伐採現場に近い山間部の平坦地や都市部に近い郊外などに設置されることが多い。
 
 部品: 集積地としての利便性:T21
 日本では古来は川まで丸太を輸送して筏を作って川を下って貯木場まで輸送していたが、日本全土で道路交通網が整備された高度経済成長期以降、陸上貯木場は急速に普及した。
 丸太という重量物を陸送するために整備された道路網は言い換えれば貯木場の交通の良さを示すものであり、製材してから乾燥させるという方式を取る陸上貯木場は製材した材木の集積地として高い利便性を持っている。
 現代社会では製材工場の在庫保管場所としての側面も持ち、製材工場の要望で日割り計算で材木を保管しているケースも見受けられる。
 
 部品: 陸上貯木場での保管と乾燥:T21
 陸上貯木場では丸太を製材してから乾燥・保管するパターンが多い。丸太のままでは「表面付近は乾燥しているが内部は水分がなかなか抜けない」という状態になることが多く、結果としてひび割れて材木としては使い物にならないという状態になってしまうため、先に製材して小さくして乾燥させやすくするのである。
 そのため、水につけて内部の水分を抜いてから製材して乾燥させる方法に比べて材木として使用できるまでの期間が短く、短ければ半月前後で材木として使用可能となる。
 乾燥させる方法は風通しの良い屋外か屋内に置いておく天然乾燥と木材用の乾燥機を使って乾燥させる人工乾燥の二つがある。後者の方が乾燥までの時間は圧倒的に速いが、代わりに歪みや割れが多いというデメリットもあり、天然乾燥と人工乾燥を組み合わせて乾燥させるところもある。
 NW森林組合では木材の商業利用を積極的に行っていない事や人工乾燥に使う乾燥機を扱うには一定レベルのテックレベルが必要になるため、天然乾燥を採用している。
 
 部品: 水中貯木場とは:T21
 河川の河口付近などにダムのような広い貯水池と搬出入口のための水路を作り、そこに丸太を浮かせて貯蔵するタイプの貯木場。
 水につけておくことで乾燥によるひび割れが少なくなり虫害や菌害を防ぐことができる。また、水につけておくと水中乾燥(乾燥というよりは内部の不要な水が抜けるという方が正しい)が起こり、地上で丸太をそのまま乾燥させておくのに比べて品質も高くなるという側面もある。
 加えて、広い貯水池と水路さえあれば水につけておくだけで保管できるという点からテックレベルの低い地域でも利用できるのが大きなメリットと言える。
 反面、良好な水質の河川が必要な事や使える状態になるまでの期間が長くその分費用が嵩むなどの問題点もある。
 
 部品: 河川の河口部に存在する貯木場:T21
 古来、伐採した丸太の輸送は、丸太を河川まで移動させてそこで筏を作り、筏で川を下って貯木場まで輸送するというものであった。
 加えて、木材の乾燥法に「水中で乾燥させる」という方法があった事もあり、丸太の保管場所として河口付近に巨大な池を作ってそこに丸太を浮かべておくという方法が取られた。
 そうして生まれたのが水中貯木場であり、日本では高度経済成長期に入るまでは水中貯木場が貯木場の主流であった。
 
 部品: 長期の保存に向く:T21
 木材というのは腐るものである。しかし、木材の腐朽にはいくつかの条件、具体的に言えば、木材を腐らせる細菌が活動できるだけの水分・酸素・温度が必要となる。
 しかし、水中に木材を沈めておくと活動のために必要な酸素を得る事ができず、木材が腐らなくなるのである。これは虫による害にも言える事で、実際、現代社会のヴェネチアなどでは水中の土台として打ち込んだ杭が千年以上経っても腐らずに残っている。
 水中貯木場での保管では浮力の関係で一部は水から出るが、そこは貯木場の人間が定期的に回転させて腐るのを防いでいる。
 また、水中に置いておく事で丸太の心材(中心付近の赤い部分)と辺材(心材の周りの白い部分)の収縮率の違いによるひび割れが減ることや水中で乾燥させた方がより良質な材木になると言ったメリットもある。
 元々水中での乾燥は完了までに数年単位での年月が必要な事もあるが、水中貯木場での丸太の保管は長期の保存に向いているのである。
 
 部品: 水中貯木場での保管と乾燥:T21
 極論として、水中貯木場の丸太の保管は「丸太を水に沈めておく」だけである。これだけで虫害や菌害を防ぐ事ができ、数年単位ではあるが乾燥も行える。
 水中で乾燥、というと首を傾げるものも多いが、実際のところは「水の中で乾燥する」というよりは「水の中で余分な水分が抜ける」という方が正しい。
 樹木というのは水を多分に含んだものであり、切った直後は当然水分を多量に含んでいるが、その一方で水で丸太の表面を濡らしても丸太の中心部まで表面の水は浸透しない。
 そのため、丸太を水につけておくと浸透するのは辺材(丸太の表面近くにある白い部分)くらいまでで、心材(丸太の中心付近の赤い部分)には表面の水が浸透せずに余分な水分や樹液が抜けていく、という状態になる。
 心材と辺材は乾燥した際の収縮率に違いがあるため、地上でそのまま乾燥させてしまうと「辺材は水分が抜けつつあるのに心材は水分がたっぷり」という事態と相まってひび割れが起こってしまうが、水中に保管しておく事でそれも軽減でき、結果として製材後の乾燥が早く割れや歪みの少ない良質な材木になるのである。
 
 
 


インポート用定義データ


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             "description": "貯木場とは木材を長期間に亘って貯蔵するための施設のこと。\n本来では貯蔵だけでなく販売のための加工も行う場所なのだが、NW森林組合では木材の商用利用は積極的に行っていないため、そちらに関してはあまり重視されていない。\n伐採した木々を乾燥させつつ貯蔵する施設であるため広い敷地が必要とされ、その関係で森林管理や伐採を行っている地域、組合事務所からは離れているケースも多い。\n貯木場には陸上貯木場と水中貯木場の二種類があるが、どちらの方式で貯蔵を行うかは各支部の判断に任されている。\nなお、アイドレス上では生産施設という扱いになっているが、丸太を材木に製材するという意味では生産施設ではあるものの、貯木場は実際のところ貯蔵施設である。\n伐採した樹木を保管・乾燥させて製材し、場合によってはそのまま再び保管することが貯木場の大きな役割であり、単純な意味での生産施設とは少々異なる。\nそういう意味では貯木場にとっての真の生産地は山林・森林地帯であると言える。",
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             "description": "NW森林組合では間伐などで伐採した樹木の商用利用は積極的に行っていない。\nなぜなら、商用利用を目的としてしまうと、売り上げを求めるあまり必要以上に伐採を行ってしまい、結果として自然破壊を助長してしまう可能性があるためだ。\nしかし、森林管理を行う以上は間伐はせざるを得ず、間伐された樹木に関しては保管や一般利用の観点から製材や加工を行う場合がある。\n特に陸上貯木場のような場所で保管する場合、丸太そのままよりも製材して乾燥させた方が保管スペースの確保という意味でも一般利用という観点からも良いため、製材や加工を行っている。",
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             "description": "樹木を間伐などで伐採し、それを貯木場に運んで製材・乾燥させて保管する手順は下記のようになる。\nこの例は現代社会で行われている一例であり、組合支部が貯木場を設置した場合は組合支部のある藩国の気候風土やテックレベルによって異なる手法が取られる。\n\n1:伐採\n日本においては樹木は秋の彼岸から春の彼岸までの間に伐採するのが良いとされる。この時期は樹木の成長が緩やかになり、樹皮近くの水分や栄養分が減少するため、虫害や菌害による被害を抑える事ができると言われているためだ。\n伐採した後は木の中の余分な水分や灰汁を抜けるように切り口(根元側)を谷側に、枝側を山側に向けて倒して約半年放置する。\nこの方法は「葉枯らし」と呼ばれる乾燥方法で、残った枝葉を通して水分が蒸発させてある程度の水分を抜く予備乾燥の手法である。\nこれを行うと伐採した樹木が軽くなるため、輸送のための労力を減らす効果もある。\n\n2:貯木場への輸送\n伐採した樹木の枝を払い、ある程度の長さに切って丸太にする。\n丸太はヘリコプター・トラック・森林鉄道・荷車・筏にして川を下るなどの方法で貯木場に輸送される。\n水中貯木場の場合はそのまま水中に沈めるが、陸上貯木場の場合は輸送後、乾燥を行うために製材を行うことになる。\n\n3:樹皮を剥いで木取りを行う\n木取りとは製材を行う際に切る位置や手順を決める事で、裁縫で言う型紙を作る作業に近い。\n製材する材木の用途や大きさはその丸太の太さや長さ、樹木の種類によって決まるため、予め幹の太さや長さ、節の具合などの目視確認や計測を行い、樹皮を剥いで樹皮の下にある異物やゴミを取り払っておく必要がある。\n\n4:丸太を製材する\n丸太を大割りにして四角柱のような形にし、木取りした形に添って製材を行う。\nその際、製品として使用できない部位が出てくるが、そういったものはチップにしたり薪や木炭として、おが屑に関しては鶏糞として再利用を行う。\n形としては材木の形になってはいるが、この段階ではまだ水分を含んだ「生材」と呼ばれる状態なので建材としては使用できない。(使用しようと思えば使用できなくもないが、生材の状態のまま建築をした場合、後に自然乾燥した時に建物の構造に歪みが起きる可能性が高く、普通は使用しない)\n\n5:製材した材木の乾燥と保管を行う\n製材した後、風通しの良い屋外か屋内に置いて乾燥させる。三年から十年くらいかけて乾燥させるが、水中貯木場で水中乾燥させていたものはこの期間が短いと言われている。\nまた、乾燥室に運び込んで室温を上げるなどして強制的に水分を抜いていく人工乾燥という手法も存在しているが、乾燥までの期間が短くなる代わりに歪みやひび割れが起こる可能性が高まるというデメリットも存在する。",
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             "description": "河川の河口付近などにダムのような広い貯水池と搬出入口のための水路を作り、そこに丸太を浮かせて貯蔵するタイプの貯木場。\n水につけておくことで乾燥によるひび割れが少なくなり虫害や菌害を防ぐことができる。また、水につけておくと水中乾燥(乾燥というよりは内部の不要な水が抜けるという方が正しい)が起こり、地上で丸太をそのまま乾燥させておくのに比べて品質も高くなるという側面もある。\n加えて、広い貯水池と水路さえあれば水につけておくだけで保管できるという点からテックレベルの低い地域でも利用できるのが大きなメリットと言える。\n反面、良好な水質の河川が必要な事や使える状態になるまでの期間が長くその分費用が嵩むなどの問題点もある。",
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最終更新:2017年10月10日 22:32