こんこ×雷蔵 三部作




第一部




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こんこの肩に重みが加わる。
雷蔵は、小さな寝息をたてて眠っていた。
寝息を首筋に感じて、こんこは赤面した。
手がふるえる。
その手でそっと雷蔵を抱きしめる。
「風邪ひくよ」
「んー・・・」
雷蔵はたちあがろうとして、そのままよろけた。
二人で倒れこむ
それでも起きる気配のないのに安心して、こんこはそっと毛布をかけた。

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第二部

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毛布をかけて、様子を見る。
起こしてはかわいそうだと思ったのだが、そんな心配がないほど雷蔵はすやすや眠っていた。
安心しきった顔の雷蔵。
無邪気な寝顔。
少しあいた口をみて、こんこは自分が雷蔵の寝顔をじっとみていたことに気づき、どきどきする。
ほてった顔を手でぱたぱたとあおいでみたが、意識してしまったものは治らないわけで・・・
少々、自分の感情をもてあましていたところで声をかけられ、どきりとする。
「んー、こんこ・・?」
「寒くない?」
精一杯平常心をよそおって、こんこは返事をする。
「んー。だいじょうぶー。こんこは寒いの?」
ねぼけた声でそう言ったかと思うと、雷蔵はこんこをぎゅーした。
固まるこんこ。
まるで大きな犬のように抱きしめられ、ほおずりまでされてしまった。
「これで寒くないよー。だいじょう・・・」
言葉が途中で言葉にならなくなり、雷蔵は再び寝ていった。
ぐるぐるしながらこんこは自分に気合をいれる。
(ああ、もう!)
なにやら覚悟を決めると、雷蔵が眠りやすいように体制を直して、雷蔵の顔にかかった髪を手ではらってやる。
そうして、まるで姫君の眠りを守る騎士のように雷蔵を優しく抱きしめた。

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第三部

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どのくらい時間が経ったのだろう。
雷蔵の額に、うっすら汗がにじんでいる。
暑かったかな。
そう思い、こんこは毛布をそっとはずす。
「うー・・・ん・・」
雷蔵が動いたとき、形のよい鎖骨が首筋から見えた。
こんこは赤面するとあわてて毛布をかけなおした。
みなかったことにしようとするが、動悸が止まらない。
「こんこぉー・・・、暑いよー」
「う、うん、ご、ごめんね」
どうしようかとぐるぐるしていたら、雷蔵が毛布を押し返した。
胸元のボタンが外れ、熱を帯びた雷蔵の肌が見える。
(うわああああ!!!)
こんこ最大の危機。
黙ってうろたえるこんこの膝に、雷蔵は頭を押し付けてきた。
どうやら枕が欲しかったらしい。
こんこは大きく深呼吸した。
もはや心臓の音はばくばくいいっぱなしである。
布ごしに雷蔵の柔らかな感触と、人肌のぬくもりを感じる。
こんこは、そっと雷蔵のほおに触れる。
雷蔵はくすぐったそうにしたが嫌がらない。
むしろこんこのひやっこい手が気持ちよかったようで、頬をすりよせてくる。
こんこは、少し驚いた。
そして、すごく優しい気持で雷蔵の頬を撫でる。
大好きな雷蔵。
このまま時間が過ぎればいい。

それはとある夜更けの出来事。
雷蔵が目を覚ましたら、おいしい朝食を用意しよう。
雷蔵の笑顔が見たいから。

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