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石毛航太郎(00年度)


こちょこちょ動いている僕


今年の夏、八日間ほど縦走で北アルプスに行ってきた。今回のテーマは「山を楽しみ、山を味わい、山に抱かれ生きる」だった。二年生一人と一年生一人の三人で行った。
四年間ワンゲルをやっていて印象に残る山行だった。雲ノ平から薬師沢小屋に向かう道、二時間半程の急坂がある、その日は朝からあたりいちめんにさわやかな霧。雲ノ平から一時間ほど木道を歩くとその急坂があった。家を出発して五日目だった。このあいだにも様々な出会いと思い出がある。こうゆうのを文章にするのは、なかなか難しい。・・・僕はその下り坂で、初めて山に抱かれていると思った。一つ一つの岩が大きくて岩から岩へ降りていくのがやっとだった。しかも日が当たらないところで岩にはふか緑の苔が生えていた。滑りやすい足元に四苦八苦しながらあるとき、ふと足元から目を移した。ずーと下のほう今見える森の奥までを見てみた。まだまだ続く黒と茶色とふか緑の世界に吸い込まれる感じ。木々の一本一本、苔のひとつ一つがなんとなく生きていて、生きている世界の中で自分も生きているという感じ。大きな何かの中でこちょこちょ動いている自分というのをなんとなく感じた。大きな何かって、世界とか地球とか、山とか大地とか僕の持っている言葉には表せない何かを感じた。孫悟空がいくらがんばっても三蔵法師の手の上にいたときのような感じ。確かにあの時僕は、生かしてもらっていた。今もだけど。
僕にとってあの山行は沢山の出会いがあった。これはその中の一つのはなし。

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