中国・天池・ボゴダBCトレックとカシュガル12日間
MGWVOB会7
日程:2006年7月15日(土)~2006年7月26日(水)
メンバー: 鈴木公子(55)・川井宏作(61)・渡部卓夫(61)・池田久子(61)
仁科茂子(61)・小林美津江(62)・中津川量子(65)
私たちの夏合宿は2006年2月に始まる。メンバーを集い、2つあった候補地から、この地に決定した。
40周年中国遠征で現役を出迎えたあの地の向こう側にぜひとも行ってみたいという思いが強かったのかもしれない。最大の問題は前半と後半の気温差をどう克服するか、長時間の歩行をどう乗り切るかである。
事前のトレーニングは不可欠、5月末 丹沢、鍋割山にて雨天の中、8時間に渡る歩行訓練を行った。
これで十分ということはなく、各自、日々のトレーニングで当日を迎えることになる。
私たちが事前に貰ったトレッキングコースの地図
当時はエッと思ったが、今よくわかる、歩いた道程
2006.7.15
成田10:35(NH-905)13:15北京 19:10北京(CN-6910)22:55ウルムチ
成田 8:30 全員集合
携帯電話レンタル 元に換金、出発だ
北京にて国内線に乗り換える。 中国の代理店女性が案内してくれるが、待ち時間が6時間と長く、早く現地につきたい気分である。
手続きを済ませ、搭乗を待つロビーにて、偶然隣り合う女の子は北京に住み中国語を勉強しているという北海道の女の子であった。ウルムチからシルクロードの旅にでるという。
久々の日本語だとしばし歓談。ウルムチ到着、成田を出て約12時間だ。 現地ガイドの陳進茂さんが出迎えてくれる。
(友好大酒店 泊)
ウルムチの朝市 普通の家庭も朝食は作らないそうだ
2006.7.16
ウルムチ11:45 (マイクロバス) 14:00 天池
天候 晴れ
気温23℃-10℃ 天池 16:20 (モータ-ボート)16:50 天池対岸
ホテルの近くで、朝市が始まる,食べ物中心で、豆腐・ナン・野菜等、屋台は、延々と続いている。
天池に向けて出発、 ウルムチの街は急速に発展し高速道路ができ,天池まで約1時間40分、途中の景色は砂地で、緑がほとんどみられない光景である。
山に近付くとポプラの木々が見え始め、観光用のパオもちらほら・・・,水の流れも見え,豊かだ。
以前にはなかった検問所、天池に入るために通行料を払う。
さらに、池を渡り、ボゴダまで行くにはそれ相当の理由がなければ許可がおりないそうで、日本の高山植物学者ということで、許可を貰ったそうだ。
天池は観光客が増え、建物も立ち全く様相を変えてしまったけれど、遥か対岸に見える雪山の姿は変わらない。
天池からみる天山山脈
いざモ―ターボートへ、これまた重量オ―バーで少々難儀、なんとか乗り込み対岸まで。
こちら側の住人はカザフ族だ。昼食を済ませ、今夜の住いのパオに荷をときしばし草地に遊ぶ。人々は寛容で明るく私たちを受け入れてくれる。
子供達の提供する馬に乗り(20元)、付近を散歩する。きれいな石を拾ってくれ、また可憐な花束を作ってくれ、心がなごむ。
夕食をすませ(昼食のメニューとほとんど同じ、少々気になる)、
イヨイヨ明日からトレッキングだ。 (パオ 泊)
2006.7.17
天池対岸 9:20 (トレック開始) 17:00大東溝
天候 晴れ 気温24℃-10℃ 約8時間 (途中一本、昼食を含む)
私たちの旅をサポートしてくれるのは、現地ガイド(ムラティさん)、コックさん(周さん)、ポーター7人、馬10頭である。
馬に乗るムラティさんを先頭に歩き始める。食料・プロパンガス等、荷物は馬9頭、ポーター7人が分担して持ってくれ、違うコースをテント地まで行く。
道は草原地帯をゆっくりと登りつめ、川の流れの速いところでムラテイさんのM(馬7歳)が、私たちを乗せ渡渉してくれる。7回行ったり来たりは大変だ、ありがとう!
放牧している牛、馬、羊、山羊たちをみながらゆっくり、でも確実に 高度が上がっているのがわかる。ようやくボゴダ峰が視界に入ってきた出発から5時間は経っている。
山は深い。途中でカザフ族のパオに寄り、自家製ヨーグルトを飲む。けっこう美味しい。
後から考えるとこれがよくなかったのかもしれないのだが、ここでは乾しヨーグルトも分けてくれ購入(残念ながら日本についた時には黴がはえてしまった)
遊牧をしながら暮らすカザフの人々、住めるのは夏の間だけで、夏が終わると天池湖畔のパオや住宅で生活するそうだ。
今日は高山植物をたくさん見、写真に収め、歩くこと8時間、山の谷間、川の流れるなだらかな草原にテントを張る。一人用だ。少々不安だが結果的には快適。 テント 泊
大東溝キャンプ地 すぐ近くに川が流れ、荷を解かれた馬が休息、長丁場だった一日が終わる
2006.7.18
大東溝 9:15―11:50 3690mサンチャゲ峠
天候 晴れ 12:30 ボゴダBC
気温26℃-10℃ ボゴダ山麓の氷河付近散策 約3時間15分(一本含む)
今日もいいお天気だ。昨日チラッとみせてくれたボコタがその姿をみせてくれた、凄い!
岩のゴツゴツした道を歩く。ここでしか見られないという石の間から顔を出す雪蓮花をみつける。
厳しい自然の中で育つ希少な薬草。直系10cmはある。開くともっと大きくなりそうだ。
ここまで来るともう周りには木々はなく足元に低く咲く花たち、
不安定な瓦礫の上を歩き続ける。さすがに少し呼吸があさい感じだ。サンチャゲ峠3690mをめざしてひたすら歩く。
峠を越えると、さらに間近にボコタの三つの頂きがその姿をみせる。美しく連なり、その下に氷河湖が見える。BC地へ到着、静かにその地についた感じだ。目前に5445mのボコタ峰、西側には4613mの頂きが、こんなところに一晩寝られることになろうとは・・・。
実は天池から見える雪の頂きはこの4613mで、ボゴダではない。だがあの日から歩く目標を与えてくれた美しい山である。
テント地には北京大学のベースがあり、今まさにアタック中。目をこらしてみるが全くわからない。
夜半、月も出、降るほどの星の数
テント 泊
ボコダ主峰5445m 中央峰5287m 西峰5213m
2006.7.19
ボゴダBC 9:20―10:50 3760mイケンギ峠 11:10―16:50 将軍溝 約7時間30分(一本・昼食含む)
天候 晴れ
気温25℃-12℃
朝7時、4613mの山頂に朝日があたり始める。30分後ボゴダに朝日が,荘厳なまでの朝焼けだ。
(ここでは日が落ちるのが遅く昨晩も9時はまだ明るかった)
テントの生活も2泊目になると撤収もかなりスムーズだ。今日は今回で一番高いところ、イケンギ峠越えだ。
ベースキャンプ地を出発、後ろを振り返りながら何度もボコダ峰を確かめる。高度がドンドン上がる。
ゴツゴツの岩、瓦礫、歩きにくい。巻き道とはいえ、かなりのきつさで、心臓の音が激しく聞こえてくる。言葉すらでない。
ひたすら脚を上げ一歩一歩確かめながら登ること1時間30分イケンギ峠に到着。思わずヤッターである。天池からみたあの山に近づいた感じだ。(表紙の写真)
イケンギ峠3760m
峠を下りかかるとすぐボゴダ峰は見えなくなってしまった。
急な斜面を降りると草原地帯が広がってくる。
放牧された馬、牛、羊、山羊たち、ゆったりとした川の流れ、いたるところに池塘があり、高山植物が咲き乱れ、ほんとうに美しい。いつまでもここにとどまっていたいくらいだ。
高度が下がるに連れ気温が上がってくる.暑い.次第に樹林帯に入ってくる。もみの木だ。
途中一軒(?)のパオがあり話を聞くと、若い新妻とその妹だそうで、彼女のお腹にはベビーが。人里から遠く離れ、とても不安だとのことだった。
下ること7時間強、テント地に到着、やはり山は、深く、遠い。
川で顔を洗いさっぱりする。今日が最後の山の中、一人用のテントもなかなかよかった。
テント 泊
2006.07.20
将軍溝 9:30-11:00 天池対岸 11:30(モーターボート)12:00 天池 14:00―16:00ウルムチ
天候 小雨後曇り
気温20℃-19℃
昨晩から降り始めた雨が一時止んだのだが、出発の時からまた降りはじめた。雨具をつける。
樹林帯の中を歩き、流れの強くなっている川をMに乗り渡渉、歩くこと約1時間30分出発した地に戻ってきた。後ろを振り返っても、山の姿はなく高い木々と奥深い谷だ。
私たちの旅を支えてくれたカザフ族の人々と握手をし、別れる。心から感謝。
雨の中をモーターボートで池を渡る。 船から荷を下ろし、レストランで、昼食、いつも同じメニュー。中庭では山羊の解体が否が応でも見えてしまう。 雨だというのにこちらは観光客で溢れている。
今中国は観光ブームだそうだ。
マイクロバスでウルムチへ、街の中は 人人、車車、音音。ホテルに到着。 早速シャワーだ。
夕食は賑やかな餃子やさんに出かける。
友好大酒店 泊
2006.7.21
ウルムチ(CZ―6803)8:05―9:50 カシュガル―ホテル着
天候 晴れ
気温 40℃-18℃
午前: 職人街、エイティガール清真寺(モスク)
午後: バザール 夜:ウイグル族の舞踊鑑賞
職人街は手作りの品物が多く、小さい子供達も親から学んだその、仕事を見せてくれる。
銅製の調理道具、木製の楽器 (細かい細工が施されている)衣類、帽子、靴など、また食べ物を売る屋台もあり 街は人が多く活気に溢れている。
職人街の一角で演奏
日中の気温は40度にも達し、とても動けたものではなく お昼寝タイムは当然と思われる。また夜は10時になっても明るく、涼を求める人々が街に遅くまで集まる。
新隆大酒店 泊
2006.7.22
午前:香妃墓―旧市街見学
天候 晴れ
気温 39℃-19℃
10時出発、香妃墓の後、旧市街を訪ねる。一見こわれかけた塀 建物なのだが実際に人々が暮らしている街である。土やレンガでつくられた塀が続き道がある。ある戸を開けるとそこは一軒の住宅になっており
古くからそこに住む人々で若干の通行料を観光客から取り分配をしているという。外観から想像できないものだったので非常に興味深かった。貧富の差が激しい。
重い木の扉をあけると手の込んだ装飾の住いがある
昼食は実業家の別荘にてイスラム料理を食べる。油気が強くなく比較的食べ易い。
14:30~16:00 ホテルに戻りお昼寝タイム
その後ある画家の個展へ・カシュガル博物館へ、ガランとしていて何もないという印象
夕食は違うホテルQINIBAGH HOTELで、アルパインツアーの一行に会う。イスラマバードからカシュガルへ入り戻る旅だそうだ。 新隆大酒店 泊
2006.7.23
ホテル10:00―ウパール村―ゲイズ検問所―ボロンコリ湖―14:30 カラクリ湖 3700m
天候 晴れ
気温40℃-15℃
車はカシュガルの市内から高いポプラの木が茂る農村地に入る。市内はほとんど緑がないのでホツとする。が次第に様変わりをみせ、流れる川は土色だったり赤かったり、確かに山もほとんど木々がなく、赤色をしているのだからそれも当然なのか 検問所、中国内であるが監視区域ということでパスポートを提示する。
途中ボロンコリ湖による。周辺は少しの緑、そして白い砂の山、遠くには雪の嶺々
3700mのカラクリ湖に到着、この先は国境だ。
その時どきに水面の色が変わるカラクリ湖とゴング-ル 7719m
湖の周辺は全く緑はなく7000m級の白い頂きが眩しい。水の色は青い空を映し、雪の峰をくっきりと映している。ここの住人はキルギス族で、パオが点在する。駱駝、羊が遊ぶが、草は少なく地面はカラカラだ。 パオのそばにはオートバイあり、自動車ありで、馬や駱駝に変わることは必然かと思う。
カラクリ湖2泊の予定を変更、明日はカシュガルに戻ることにする。 夕食は日本から持ってきたカレーを中心に食し、夕食後、キルギスの民族舞踊の招待に与る。村中の大人や子供が集まったようだ。最高の星空に出会う。
2006.7.24
カラクリ湖9:30-ボロンコリ湖―キャラバンサライ(シルクロードの宿跡)―オパール村 13:35 ホテル着 時間があったので職人街・デパートへ
天候 晴れ
気温38℃
昨日の道を下る。車が少なく、空気も澄んで快適。途中ボロンコリ湖で下車、湖に映る白い山の撮影会となる。また今日はオパール村のバザール、途中の道路はバザールに向かう馬車や人々で車は思うように走れない。中を覗くと家畜の売買から生活に必要な金具類、食料、日用品などいっぱい、ここでたくさんのものを仕入れ、次のバザールを楽しみに待つという
人々で賑わうバザール 何でもここで揃う
夕食はホテルで 持ってきた和食を食べる。注文は湯麺のみ。
とにかく今回の旅の料理は同じものが毎回、しかもかなりの量で、7人のお腹を以しても有り余る状態であった。もう胃が疲れてしまってやさしいものがいいということになった。結果みんなすこぶる満足。
今晩がゆっくりできる最後の日とあって6010号室にて反省会を行う。
皆今回の反省を一言、また次回のための装備、非常食の検討を行う。
気温の差については事前にわかっていたので十分な準備ができ、また雨も一日だけとあって装備面では特に問題はなかった。
行動中の一人用のテントも使いかってがよかった。
食料についてはインスタントにできる和食系統の準備、またレトルトのカレー、カップ麺などが必要、今回も大変重宝した。梅干、佃煮、ふりかけ、つけもの、すし太郎等。
行動中の体力については日頃から意識的に維持、引き上げを心がけるべきか!
陳さんにいわせると事前にメンバーの年齢をみてドクターを同行させるべきかと迷ったそうだが、
今回のメンバーの体力は上々だそうだ。
QINIBAGH HOTEL 泊
2006.7.25
朝食8:30 後 自由
天候 薄曇り
気温 41℃-20℃
朝食時に日本語が聞こえたからと横浜から来られたご夫婦がテーブルに訪れる。一ヵ月をかけて、バス、鉄道を乗り継ぎ中国をまわるという旅なれたお二人だ。
ホテル 15:30 飛行場へ
ところが今日は朝からいつもの天候と違いなんとなく空が濁ッており、ムシムシ、しかもめずらしく汗がでる。東からの風がタクラマカン砂漠の砂を運び、視界が悪くフライトが危ぶまれている。ワッ!大変。
18:10分ウルムチから到着した便が18:30発になり、さらに待つ事1時間20分。
19:50分ようやく飛び立つ。
ウルムチ 21:10
夕食はその足で 回族の料理 今回一押し、さっぱり風で和食に近い、皆いい顔で最後の食事を楽しんだ。 ホテル 23;00
友好大酒店 泊
2006.7.26
ホテル 6:50 ウルムチ飛行場へ
ウルムチ(CZ-6911)8:30-11:50北京
北京(NH-906)15:50―19:50成田
予定より1時間遅れて出発
北京からの機内では新聞を読み漁り、梅雨がまだ明けていないことを知り、久々に日本のごはんを食す。全日空で良かった。
タクラマカン砂漠からの風で待たされること3時間
もしこのまま風がおさまらなかったら・・・・
ひやひやものだった。ようやく出発。明日は日本だ。
作成後記
大雑把なメモをたよりに思い出しながら書き始めたのが
8月の初旬、ようやく日本の梅雨も明け
まさしく2006年2回目の夏のさなか
もう一度旅をやり直しているような思いだ。
今年に入り中に写真(ほとんど先輩方の作品です)を取り込む
作業を学習、3回目の旅をした。
いまどきwindows98を使っているのだから
腕もそれなり、これが終わったら
新しいのにかえようと思っている。 2007年5月
MGWV 65年度 中津川量子
最終更新:2011年11月21日 20:06