固定資産と減価償却


固定資産

固定資産は購入時に資産に計上すると同時に、
期間の経過に応じてその価値の減少分を減価償却費として計上する。

分類
有形固定資産 土地、建物、機械、車両など
無形固定資産 ソフトウェア、営業権、特許権など
投資その他の資産 投資有価証券など

減価償却

2 つの考え方
  • 建物・機械・備品などの固定資産の価値は
    時間の経過とともに減少するので、
    その減少分を評価しなければならない
  • 費用の期間按分

どちらの考え方でも、一定額を費用化していくことになる。
この費用のことを減価償却費という。

償却表


減価償却の処理はどの国でも行うが、
計算方法や評価方法は国によって全く異なる

  • FI-AAでは国ごとにルールをまとめたものを用意している
償却表 (たとえば日本のものは0JP、1JP)
  • 償却表の作成と割当がFI-AAの第一歩
  • 各会社コードは、勘定コード表と償却表を1つずつ使用する
  • 勘定コード表と償却表に依存関係はない
複数の会社コードで、同一の勘定コード表および償却表を使用することができる

償却領域


固定資産は購入後、減価償却などの処理により、
資産価額を減少させる

  • どのような計算をするかで、異なる結果が出てくる
  • 1つの資産に対し、複数の金額を管理する必要がある
  • 日本の会計基準に則ったもの
  • 税法に則ったもの
  • 国際会計基準に則ったもの など
  • そのために使用するのが償却領域
  • 日本では、帳簿用と税務用の2つをよく使う

1つの資産で複数の償却領域を持つことができるので、
複数の金額を管理することができる

とある資産についての例

取得価額 減価償却 正味簿価
帳簿償却 100,000 40,000 60,000
税償却 100,000 40,000 60,000
管理目的償却 100,000 10,000 90,000
パラレル償却 100,000 10,000 90,000

  • 償却領域は 2 桁の数字キーで定義される
償却領域 01は、財務諸表を作成するための会計帳簿転記用のため、必ず使用する
その他のものは必要に応じて使用する



総勘定元帳への転記

  • FI-AAは総勘定元帳の補助元帳に当たる
FI-AAの金額は総勘定元帳に転記される

  • 各償却領域の金額を総勘定元帳に転記するかどうか、
    どの金額をどのタイミングで転記するかを決める

  • 償却領域 01 では、資産価額が総勘定元帳に
    リアルタイムで転記される
通常、01 は帳簿償却の管理に使用される

  • 減価償却は常に、定期的に転記される

総勘定元帳に金額を転記せず、
レポートのみを目的とする償却領域を定義することもできる

転記の設定

IMG:財務会計(新規)→固定資産管理→総勘定元帳との統合→定義:転記方法(償却領域->総勘定元帳)
  1. Y000を入力
  2. G/Lの欄でどのような転記方法があるかを確認する(0~3の内容を確認)



償却領域と財務諸表

総勘定元帳では償却領域ごとに金額を管理できない
  • 償却領域ごとに転記先の勘定を変える
  • 二重、三重に転記されるが・・・
財務諸表バージョンを用いて制御する



管理会計割当


マスターレコードでは、資産に以下の(オリジナル)管理会計対象を割り当てることができます。
  • 原価センタ
  • (内部)指図
  • 活動タイプ

また、償却領域から管理会計に償却を転記することができます。
その際、以下の対象に(原価ベース)償却を転記することができます。
  • 原価センタ
  • (実績)指図
  • 原価センタと統計指図
  • WBS要素
  • 原価センタと統計WBS要素
  • 不動産対象
  • PSM(公共セクター管理)の対象

1 つの資産を 2 つの原価センタに割り当てることはできません。
代わりに、資産を(実績)指図に割り当てて、
その後、個々の原価センタに決済することができます。



償却表のコピー

IMG : 財務会計(新規) → 固定資産管理 → 組織構造 → コピー:参照償却表/償却領域

償却表の割当

IMG : 財務会計(新規) → 固定資産管理 → 組織構造 → 割当:償却表->会社コード
  1. 位置アイコンですでに作成した自分の会社(Y0##)を探す
  2. Y000が割り当たっているか確認
最終更新:2009年08月18日 11:17