前提知識


組織構成

システム環境の単位

サーバー
システムの「箱」に相当する物理的なサーバー(PRT等)。
クライアント
システムの環境(800等)。サーバーという大きな箱の中に複数の環境を設定できる。
通常、テスト用のクライアントを複数用意する場合もあるが、
本番での完成品は「1サーバー=1クライアント」。

会計モジュールの主要組織単位

会社コード
社外用、最低限必要。
独立した会計を行う法人を表す。
全ての会計処理のキーとなる。
クライアントという環境の中に、複数の会社コードを設定できる。
事業領域
社内用、任意。
特定の事業分野についての分析や集計を可能にする。

構成例
サーバー : PRT
クライアント : 800
クライアント : 806
クライアント : 807
会社コード 1000
▲自動車部
△機械部
会社コード 2000
▲自動車部
△機械部

組織のカスタマイジング

基本モデルとなる組織

R/3インストール時、基本モデルとなる組織(会社コード等)も通常一緒に事前登録される。

自社用の組織を作成する手順

  1. 基本モデルを元にコピー
  2. コピーしたものを自社要件に合わせて修正していく
という形をとった方が、全く新規に登録するよりもはるかに便利。

設定作業は、ユーザーではなく、通常コンサルタントが行う。
コンサルタントが、IMG(=カスタマイジングテーブル)で各種パラメタ設定を行う。
基本的に、システム部以外の、例えば経理部などのユーザーはIMGを触らない。



会社コード

会社コードキー(4桁の英数字)

全ての会計処理のキーとなる。
会社コードに限らず、R/3インストール時には、
通常基本モデルとなる会社組織が、いくつか事前登録されている。
ex)会社コード「1000:IDES AG」「0100:IDS Japan」など
自分の会社コードを新規登録するときは、通常、基本モデルを元にコピー登録する

会社コードの属性

  • 会社名
  • 市区町村名
  • 住所
  • 言語
  • 通貨

IMG : 企業構造→定義→財務会計→会社の定義

会社コードのグローバルパラメータ(会計処理用の情報)

  • 勘定コード表
  • 会計年度
  • 会社コードの設定の初期値 等
他にもさまざまな情報を登録できる。
IMG : 財務会計→財務会計共通設定→会社コード→登録 : グローバルパラメータ(IMG207)

事業領域

4桁英数字のキーと名称テキストのみ。
設定は任意。
IMG : 企業構造→定義→財務会計→定義:事業領域(IMG71)

国別テンプレート

各国特有の要件に応じて、設定されたテンプレート。
特に重要なのは、税金計算の設定。
各国で、R/3を投入する時に使用する。


バリアント

会計年度

通貨と換算レート




Easy Access


IMG

Easy Access : ツール→カスタマイジング→IMG→プロジェクト編集



通貨と換算レート


通貨コード


  • ほとんどの通貨が事前定義済み。
  • 通常、コンサルタントによる作業は不要。
IMG : 一般設定→通貨→チェック:通貨コード(IMG27)

換算レートタイプ


2 つの通貨の組み合わせとレートを、目的別に複数持つことができる。
  • TTS(売値) 1ドル : 115円
  • TTM(仲値) 1ドル : 114円
  • TTB(買値) 1ドル : 113円
よく使うのはTTM : 電信売買仲値
IMG : 一般設定→通貨→換算レートタイプのチェック(IMG31)

換算係数


通貨間の関係(1:1または1:100など)を導入時に一度だけ設定する。

1ウオン=0.12円だが円には小数点以下を扱わないので
100ウォン=12円と設定するのが普通。
(1ウオン=0.12円のような設定も一応可能)
IMG : 一般設定→通貨→通貨換算の換算係数定義(IMG32)

換算レートの更新


稼動後実務レベルで重要。例えば商社などは毎日レートを更新する。
IMGからだけでなく、ユーザーメニューからも、更新できるようになっている。
稼動後は担当業務ユーザが更新を行う。
IMG : 一般設定→通貨→入力:換算レート(IMG33)
Easy Access:会計管理→財務会計→総勘定元帳→環境→現在の設定→入力 : 換算レート
換算レート適用範囲
有効開始日から現在まで(新しいエントリーに未来の有効開始日があればその日まで)

自動入力用ツールプログラム

いくつか用意されている。RFFTBFF00、RFTBDF07等

基準通貨

間接呼び値か直接呼び値どちらかのみを使用する。

レートテーブル


レートテーブルを使用すると、伝票入力する際、個別にレートを指定する必要がない。

G/L勘定伝票入力時


「通貨」欄に使用する通貨を入力すると、システムはレートテーブルを参照し、「詳細タグ」へ通貨の換算レートを持ってくる。
上書き可能なので、トランザクションごとのレート変更も可能。

直接/間接用に接頭辞を登録し、入力時に区別することができる。
標準設定では
  • 接頭辞なし : 直接呼び値換算レート
  • 接頭辞「/」 : 間接呼び値換算レート
最終更新:2009年04月20日 15:11