空中分解するギリギリの速度で”通路”へ向う。
ロンバート大佐を先に行かせるわけには・・・。
彼、深井零はそう思った。
カウントダウンが続いている。
あと数秒で、地球だ。
5、4、3、2、1・・・。
機体が振動し、フェアリィから地球へと、抜ける、はずなのだが・・・・。
「なっ!」
零は飛び起きると自分の体を見て驚きの声を漏らした。
髪は腰まで届く長い髪へとなっていて、胸にはふくらみが2つ。
そして、くびれが・・・。
「女、だと・・・ッ!?」
自分の血の気が引いた、気がした。
近くにあった鏡を見ると、顔も女になっている(元々キレイな顔立ちなので対した変わっていないが)。
もう、おれは、おれじゃないのか・・・。
いや、まだ、意識が・・・(以下略)。
「あ、大尉」
「っ!?」
扉から現れたのは桂城少尉なのは、分かる。
だけど、ふっくらした胸のふくらみ、こりゃ完全に女だ。
髪型は腰まで届く髪の先に、リボンをつけている。
「どうしました?」
「か、鏡を見ろ」
「?・・・うぎゃああああアッ!」
こちらは大パニックだ。
零も、パニックっているので、半分慌てている。
「ん・・・?」
彼、シン・アスカは、見慣れない天井に違和感を抱きながら身を起こす。
自分はフリーダムにやれられて、それから、それから・・・。
なんて考えながら。
バタンッ!
扉がいきなり大きく開く。
そこには女性が二人。
前髪の長い黒髪ロングの方と、同じく黒髪のリボン。
「や、やっぱり・・・・」
「体つきは変わっても体力は変わっていないようだ。安心した」
「安心してる場合ですかッ!?」
2人の女性は漫才を繰り広げる。
なんか、「おれは男だっ!」とか、「雪風に乗れるならそれでいい、ただ、恥ずかしい」とか騒いでる。
「あ、あの・・・?」
「黙っていろ、機長命令だッ!少尉!」
「は、はい・・・ちぇ」
前髪の長い女性はおれに近寄り、手に持った鏡を向ける。
「ああ・・・ッ!」
女性。
女体化してるよ、おい。
「んんん・・・?」
お、隣に人寝てたんか。
「あ、あの・・・・男、ですか・・・?」
と、声を搾り出して聞く。
「え?そうだけど?」
キョトンとする茶色セミロングの女性。
おれに向けられた鏡がその隣の女性へと移される。
「えええっ!これ、本当ッ!」
その後、表情が難しくなり、鏡が割れるほど見る。
胸にふくらみが二つ。
あきらかに、「お、お、女・・・ぁ!」である。
「え、え、えええ・・・」
とりあえず、何故か女性になってしまった4人は驚きの顔の後、憂鬱と言いたげな顔になる。
「・・・何故、女・・・?」
「雪風か・・・?いや、ジャム・・・いや、それもないだろう・・・」
「デュランダル議長が言ってたデスティニープランってほんとはコレ?」
それぞれ思案に入ってしまう。
そんな時だった。
「あ、なんだ、みんなここにいたんだ」
20になるかどうかの顔立ちをした金髪の女性。
「ここはどこだ?」
「ここ?ミッドチルダの中央病院。つい先日から眠りっぱなしだったから、心配してたんだ」
「貴方は?」
「時空管理局機動六課所属、フェイト・T・ハラオウンだよ、君たちは?」
4人は顔を見合わせた後、順に言った。
「FAF特殊戦1番機雪風パイロット、深井零大尉」
「同じくFAF特殊戦所属、1番機雪風フライトオフィサ、桂城彰」
「ザフトミネルバ隊所属、シン・アスカ」
「オーブ戦艦、アークエンジェル所属、キラ・ヤマト准将」
「・・・そっか、やっぱり・・・」
最終更新:2009年08月29日 21:43