深海の中を、”トゥアハー・デ・ダナン”が潜行する。
その一角にある発令所の艦長席で”少女”はあくびを噛み殺す。
あと少しで、メリダ島へ帰れる。
だけど、どうしても最近は厄介ごとが多いのだ。
特にココ、西太平洋戦隊へ回ってくる仕事は厄介なのだ。
”ヴェノム”や”ウィスパード”、そして”アマルガム”の事。
そう思いながら少女―――テレサ・テスタロッサ大佐は手元の端末を弄繰り回す。
そんな時だった。
「艦長!なんか変な、泡みたいな、巨大な浮遊物が本艦に接近中!恐らく回避する前に―――」
「飲み込まれる、ですか?」
「ああ、えっと、そうです、はい。」
ソナー室のクルーは呆気に取られたように答える。
その時、テスタロッサ大佐以下デ・ダナンのクルーは途轍もない眠気にさらされ、深い眠りへ落ちていった―――。
*
「この、裏切り者!!!」
デスティニーのコクピットで彼、シン・アスカは叫ぶ。
「シンッ!」
目の前のMS、正義の名を冠する深紅の機体はビームサーベルを振りかぶる。
シンはビームシールドで受けとめ、弾き返す。
「お前は、未来まで壊すつもりか!シン!」
「黙れ!」
シンも背中の”アロンダイト”を振りかぶる。
ビーム同士がぶつかり、火花が舞う。
「あんた達のせいで、おれは家族を失ったっ!あんたのせいで!」
「くっ!」
深紅のMS、”ジャスティス”は背中のリフター、”フォトゥム01”をパージ、加速してシンの操るディスティニーに迫る。
高速で戦闘を繰り返す。
だが、結局、ジャスティスのつま先から出たビームサーベルにあっさりシンは撃墜された。
そして、戦闘後、シン・アスカと、”ジャスティス”を操っていたアスラン・ザラが消えた。
*
時を同じくして、フリーダムとレジェンドの戦いが続いていた。
「―――おれは、ラウ・ル・クルーゼだ!」
その言葉にフリーダムを操るキラ・ヤマトは息を呑んだ。
ラウ・ル・クルーゼは自分が殺したはずだ、と。
レジェンドはドラグーンを展開、フリーダムもドラグーンを展開する。
「だけど、君は彼じゃない!君は君なんだ!」
フリーダムはフルバーストをレジェンドに向け、発射。
もちろん、コクピットは避けて。
ところがその後、フリーダム、レジェンド共にその宙域から姿を消した。