「狐の話  (下永谷・日野・笹下)」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

狐の話  (下永谷・日野・笹下)」(2009/05/03 (日) 11:08:19) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

**狐の話(下永谷・日野・笹下) &bgsound(http://www19.atwiki.jp/konanrekishi/pub/kitsuneno.wma) 山深かったこのあたりには、狐にまつわる話がたくさんありますが、なぜか、狐の化けた恐ろしい姿を見た、という者はいないのです。 むかし、下永谷は寂しい村で、時には狐火が見えることもあったそうです。 ある晩、一人のお百姓さんが神明社からの帰り、真っ暗な村の道を歩いていました。ふと見ると、杉の木のてっぺんの、さらにもっと上の方で、ぼうっと青い火が燃えているのです。 しばらくして、火の玉が音もなくスーッと流れたのです。するとこんどは、近くのやぶの中で、カサッカサッと何物かがつけてくる音がします。お百姓さんが夢中で家に走り込んだ時、田んぼの方でドポーンと大きな音がしました。翌日、山に登ると、狐の巣らしい横穴がいくつも見つかったそうです。 日野にも、こんな話があります。 ある時、村のたき木取りの男が、日暮れの帰り道を急いでいました。 ところが、その日に限って、いつまでたっても村にたどりつけないのです。山の中はどんどん暗くなり、男は途方に暮れて、木の古株に腰をおろし、懐からタバコとマッチを取り出して、シュツと火をつけました。 すると、一瞬、パアッと光がきらめいたかと思うと、あっけにとられている男の前に、見慣れたいつもの道がはっきりと浮かび上がってきたそうです。 笹下の女の人の話です。 ある時、連れと一緒に、野庭の山へたき木取りに出かけました。一生懸命たき木の束を作っていたのですが、そのうち、連れの姿が見えなくなりました。木の枝をパチンパチンと折る音や、なたでポーンと割る音は響いてくるのに、どこにいるのかわからないのです。 「こりや、きつねのやつに化かされた」 とつさに女の人はしゃがみこんで、じっとしていました。男の人がそんなとき、おしっこをしたり、タバコを一服したりしてやりすごすことを思いだしたからです。いっときもすると、無事、連れの姿が見えてきたそうです。 そんなことで、村の女の人が山に入るときには、狐に化かされないようにと、必ずだんなさんと一緒に行くようになったそうです。 ----
**狐の話(下永谷・日野・笹下) &bgsound(http://www19.atwiki.jp/konanrekishi/pub/kitsuneno.wma) 山深かったこのあたりには、狐にまつわる話がたくさんありますが、なぜか、狐の化けた恐ろしい姿を見た、という者はいないのです。 むかし、下永谷は寂しい村で、時には狐火が見えることもあったそうです。 ある晩、一人のお百姓さんが神明社からの帰り、真っ暗な村の道を歩いていました。ふと見ると、杉の木のてっぺんの、さらにもっと上の方で、ぼうっと青い火が燃えているのです。 しばらくして、火の玉が音もなくスーッと流れたのです。するとこんどは、近くのやぶの中で、カサッカサッと何物かがつけてくる音がします。お百姓さんが夢中で家に走り込んだ時、田んぼの方でドポーンと大きな音がしました。翌日、山に登ると、狐の巣らしい横穴がいくつも見つかったそうです。 日野にも、こんな話があります。 ある時、村のたき木取りの男が、日暮れの帰り道を急いでいました。 ところが、その日に限って、いつまでたっても村にたどりつけないのです。山の中はどんどん暗くなり、男は途方に暮れて、木の古株に腰をおろし、懐からタバコとマッチを取り出して、シュツと火をつけました。 すると、一瞬、パアッと光がきらめいたかと思うと、あっけにとられている男の前に、見慣れたいつもの道がはっきりと浮かび上がってきたそうです。 笹下の女の人の話です。 ある時、連れと一緒に、野庭の山へたき木取りに出かけました。一生懸命たき木の束を作っていたのですが、そのうち、連れの姿が見えなくなりました。木の枝をパチンパチンと折る音や、なたでポーンと割る音は響いてくるのに、どこにいるのかわからないのです。 「こりや、きつねのやつに化かされた」 とつさに女の人はしゃがみこんで、じっとしていました。男の人がそんなとき、おしっこをしたり、タバコを一服したりしてやりすごすことを思いだしたからです。いっときもすると、無事、連れの姿が見えてきたそうです。 そんなことで、村の女の人が山に入るときには、狐に化かされないようにと、必ずだんなさんと一緒に行くようになったそうです。 ----

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: