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第5部 巨砲吼ゆ編 第3話「セヴァストポリ Sevastopol」

2007年1月04日 放送

概要



セヴァストポリの戦い

1942年、ドイツがソ連(当時)のクリミア半島にある都市「セヴァストポリ」を攻略した戦い。
当時セヴァストポリは要塞化され、難攻不落の都市とされていた。ドイツはそれに対し「グスタフ」やカール臼砲を含む1,300門の砲で攻撃。5日で陥落することとなる。
ちなみにセヴァストポリは多数のトーチカや砲塔で守られており、そこへの突入部隊は相当な犠牲を強いられた。

クリミア戦役

1853~1856年にロシアとトルコ、イギリス、フランス、サルディニアの間でクリミア半島を主戦場として戦われた戦争。
セヴァストポリはこの時も包囲され、ほぼ1年にわたる戦いの後10万とも50万ともいわれる膨大な軍民の犠牲者を出して陥落している。

狙撃兵師団

ソ連軍の歩兵師団のこと。
ロシア語のStrelkovaya Diviziyaが日本語に翻訳されたときに誤訳されたものが慣例的に使用されている。
ソ連軍の歩兵師団の兵員数は1万名前後で、1万6千~2万名からなるドイツ軍歩兵師団よりも規模が小さかった。

海軍歩兵

独ソ戦時バルト海と黒海のソ連海軍は根拠地をドイツ海軍と空軍により封鎖され、ほとんど海上作戦がとれない状況にあった。
このため水兵たちは海軍歩兵部隊として編成されてレニングラードやスターリングラードで戦い、その勇猛さは敵味方両軍を驚嘆させた。
戦後ソ連/ロシアの空挺部隊や特殊部隊は制服として水色の横縞シャツを着用しているが、これは海軍歩兵の勇敢さに敬意を表してのものといわれている。


ベトン

コンクリートのこと

マンシュタイン

エーリッヒ・フォン・マンシュタイン
ドイツの第二次世界大戦中の陸軍元帥であり、最も有能な戦略家の一人。
この時点では上級大将でセヴァストポリを攻略する第11軍司令官。

ルーマニア

大戦では枢軸国側に付きドイツと同盟を結んで東部戦線に出兵した。
セヴァストポリの戦いでは二個師団が第11軍に編入され戦っている。
史実ではスターリングラード戦で大損害をこうむり、1944年には政変によって連合国側につきドイツに宣戦布告する。

シュテールファング作戦

この作品におけるセヴァストポリ攻略作戦の名称。
ドイツ語の「Stahlfang(鋼鉄の牙)」のことと思われるが、史実では該当する作戦名を見つけられなかった。
おそらくは架空の名称。

フォン・リヒトホーへン

ヴォルフラム・フォン・リヒトホーフェン空軍上級大将
セヴァストポリの戦いでは第8航空軍団(作中では第8航空艦隊)を指揮してマンシュタインの第11軍の攻撃を支援した。
史実ではこの後空軍最年少の元帥となるが、終戦直後の1945年7月に脳腫瘍で病死した。
第一次世界大戦におけるドイツのエース・パイロット、レッドバロンことマンフレート・フォン・リヒトホーフェンの遠戚。

保塁

砲台のこと。
中で射撃する砲兵を敵の砲爆撃から守る重要な存在。
これがあるかないかでは、砲兵の死傷率にかなりの差が出る。

トーチカ

円形か方形もしくは六角形で、全長が数メートルから十数メートル程度、鉄筋コンクリートの厚い壁で被われている。
トーチカの壁には機関銃や大砲を射撃できるよう小さな銃眼を空けてあり、敵の砲火に対して耐久力を増すため、構造の大部分が地表面より下になっている。
トーチカは銃眼以外にはあまり穴が開いていないため、非常に死角が多い。
このため通常は複数のトーチカを並べて、相互にカバーできるよう設置される。

準備砲撃

敵陣地に対する攻撃前に行われる砲撃。
突撃の障害となる鉄条網などの障害物、敵兵のこもる塹壕やトーチカの破壊を主目的とする。
第一次大戦では敵を疲労させ心理的圧迫を加える目的で広範囲に数日にわたって行われることが多かったが、よく防御された陣地には効果が薄く、突撃した歩兵が逆襲されて大損害を出すことが多かった。
このため第二次大戦においては、狭い範囲に短時間に集中的な砲撃を加えて突破口を開けることを主目的とするようになった。

縦深

鉄条網、地雷原、塹壕、トーチカなどで構成された防御線の厚さのこと。
通常防御線は二重三重に層を成して構成され、縦深が深い(厚い)ほどその突破が困難となる。

グスタフ

80cmカノン砲を備えた、巨大列車砲の1号機。
1941年に製造された要塞攻略用の兵器であり、諸元については作中参照。
「グスタフ」の名前は当時のクルップ会長から取ったとされるが、ドイツのフォネティックコード(アルファベット1文字に固有の呼び名をつけること)における「G」でもある。

ガンマ・メルツァー

42センチ臼砲を備えた砲。
1906年から製造されている要塞攻略用の兵器。
作中でメルツァーと発音されているが実際にはメルザー(Moerser)で臼砲のこと。

対コンクリート砲弾

弾殻を厚くし、コンクリートを貫通後に遅延信管により炸裂する砲弾。
主にトーチカへの攻撃に使用された。

バフチサライ

ドーラの射撃陣地が置かれた場所で、中世にクリミア半島を支配していたタタールの汗(ハーン)の御座所があった。

戦闘工兵

戦場で地雷の撤去、鉄条網の切断、爆発物によるトーチカの破壊、火炎放射器による敵兵の掃討など戦闘任務にあたる工兵のこと。
ドイツ語でのピオネール(先導者)という名称どおり常に攻撃の先陣を切って敵陣地に突入するため死傷率は高かったが、勇敢さと専門技術が必要なこの兵種はドイツに限らずあらゆる国の軍隊でエリートとして扱われた。

カール

60/54cm臼砲を備えた自走砲。
劇中では「口径60センチ」としているが、54センチ型も存在している。

トール自走?榴弾砲

トールはカール自走臼砲の別名でもあるので、榴弾砲というのは誤りかもしれない。

マキシム・ゴリキー

305mm海軍砲を載せたセヴァストポリ最大の砲塔
セヴァストポリ市街を挟んで北方にマキシム・ゴリキーI、南方にマキシム・ゴリキーIIの二つがあった。
305mm(12インチ)砲は20世紀初頭の戦艦の主砲であり、マキシム・ゴリキー砲塔は戦艦の二連装砲塔をそのままコンクリートで装甲された保塁にすえたものである。
(前にマキシム・ゴリキーという名称はドイツ側がつけたと述べたが、これについての確証が得られなかったのでこれについてはさらに調べたい)

シュコダ

チェコスロバキアのシュコダ社のこと。
シュコダ社はチェコの代表的な兵器メーカーであり、ドイツによるチェコ併合後その兵器生産を支えた。

モロトフ

ソ連外相の名前だが、ドイツの砲兵観測班がセヴァストポリの保塁につけた名称のひとつ。
このほかにGPU、スターリン、ヴォルガなどがあった

政治委員

コミッサールとも言う。
共産圏の国において、政府が軍隊を牽制する為に各部隊に派遣した将校のことを指す。
軍とはまったく異なる指揮系統に属し、プロパガンダ、防諜、敗北思想の取り締まりのほか、兵士に対する共産主義教育や戦意の高揚活動に従事した軍隊内の政治指導者である。
任務の性格上共産主義とソ連政府に対し忠実な人物が選ばれた。
多くの小説、映画などでは無能で冷酷なキャラクターとして描かれることが多いが、実際には高度な軍事教育を受けて教育水準も高く、大粛清の影響で無能な将校が多かった野戦指揮官よりも兵士の信頼を得ているケースが多かった。

共産青年同盟

コムソモール
マルクス・レーニン主義党、主に共産党の青年組織である。
コムソモールで幹部を務めた者は、将来マルクス・レーニン主義党の幹部候補となる場合も多い。

予備少尉

平時には予算やポストの不足のため士官の数は低く抑えられるが、戦時になると新設の部隊の編成や死傷者の穴埋めのため士官が大量に必要となる。
このためいったん軍務を退き予備役に編入された士官や、大学生に短期の教育を施して士官に任命した後予備役に編入した者を再召集する制度が近代行われており、これらの士官を予備士官という。
平時には民間人として生活し、定期的に再招集されて短期間の再訓練を受ける。
このため歳をとった予備士官の場合は後方での勤務につくことが多いが、作中で語られているように士官の損耗が大きければ彼らが指揮をとるケースも多かった。

マキシム・ゴーリキーへの突入

実際に突入したのは第24工兵大隊第2中隊。
作中で語られているとおり保塁内での戦闘は凄惨を極め、徹底抗戦を命じられた保塁司令部は最後まで降伏せず自爆により全滅した。
敵兵の生存者数40名というのは史実どおり。

法務官

名前どおり軍において法務(法律関係の実務、犯罪行為などの調査、軍法会議における裁判官や検事、弁護士)を行う士官。
その任務の性格上法曹資格を持つことが必要である。

ペーネミュンデ プフェールゲショス

Peenemunder Pfeil Geschoss
ドイツがペーネミュンデで開発していた特殊砲弾。
いわゆるRAP弾(ロケット補助推進弾)の一種でPfeil(矢)という名前どおり小翼をつけ、通常の砲弾のように大砲から撃ちだされた後、尾部ロケットでさらに加速されることによって長距離を飛翔する。
その射程距離は150kmほどであったらしく、史実では1945年に東部戦線と西部戦線でわずかに使用されたらしい。

「俺が聞いた話では・・・」

エッフェンブルグが言う兵器は、フォン・ブラウンが開発したV2ロケットのこと。
第二次世界大戦中の1944年にドイツが開発・実用化した世界で最初の軍事用液体燃料ロケット(弾道ミサイル)である。
ロンドンをはじめ、ベルギー、フランス、イギリスなどに発射された。
誘導システムが初歩的で特定の目標を狙うことができず、コストも爆撃機と比べ高く軍事的な効果は低かった。
しかし、音速以上で飛来し着弾の前に何の警告も無く、当時存在したいかなる兵器を用いても迎撃は不可能だった為1944年当時には爆撃機を敵地に向かわせるだけの力がなかったドイツにとって報復兵器たりえた。

ペーネミュンデはドイツの東部にある地名でロケット研究センターがあった。

「砲兵の時代がくる」「戦争を支配する未来の砲兵に」

大陸間弾道弾や核のにらみ合いの事などを指しているのだろうか?
それとも現在よりもさらに後の、未来の戦争に対する押井守の予想や意見だろうか?